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監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で不起訴処分は可能?子供の同意があっても犯罪になる?

監護者性交等罪

監護者性交で最もよくあるケースは「再婚相手の連れ子と性行為をしてしまった」という事案です。

監護者性交等罪は、未成年者を保護監督する立場にある者が、その立場を利用して性交等をする犯罪です。なお、性行為まで至らず、胸を触ったりキスしたりした場合には、監護者わいせつ罪に問われます。

監護者が起こす性犯罪については、子供が同意していたとしても罪に問われますので注意が必要です

通常の不同意性交等罪・不同意わいせつ罪と比べ、保護すべき対象である子供に対して性的な行為をした点が厳しく評価されます。そのため、不起訴処分となるケースが少なく、執行猶予を得ることも簡単ではないでしょう。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪に関してお悩みの方は、この記事の内容を参考にして、事件を解決するため迅速に動き出してください。

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監護者性交等罪・監護者わいせつ罪とは

監護者性交等罪の構成要件と刑罰

監護者性交等罪の構成要件は以下の通りです。

  • 18歳未満の未成年が被害者
  • 被害者を現に監護する者による犯行
  • 監護者であることによる影響力に乗じて性交等をする

刑法179条2項

18歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じて性行等をした者は、第177条の例による。

※刑法177条:不同意性交等罪

「現に監護する者」とは、被害者を保護・監督する者のことで、肉親だけが対象となるわけではありません。生計を共にし、被害者が生活全般にわたって心理的・経済的に依存している状況であれば、血縁関係がなくとも監護者とみなされる可能性があります。

このような状況で性交等をすると、監護者であることによる影響力を利用しているとみなされるでしょう。

なお、性交等とは、膣内性交や肛門性交だけでなく、口淫や手淫などの性交類似行為も含みます。

監護者性交等罪の刑罰

監護者性交等罪の刑罰は「5年以上の有期拘禁刑」です。

不同意性交等罪の刑罰と法定刑は同じですが、監護者による性犯罪である点が厳しく評価される傾向にあるため、実際の処分は不同意性交等罪よりも重くなるケースが大半です。

不同意性交等罪の詳細については『不同意性交等罪とは?いつから適用される?強制性交との違いについて解説』で解説しています。

監護者わいせつ罪の構成要件と刑罰

監護者わいせつ罪の構成要件は、監護者性交等罪の要件とほとんど同じです。

  • 18歳未満の未成年が被害者
  • 被害者を現に監護する者による犯行
  • 監護者であることによる影響力に乗じてわいせつ行為をする

監護者わいせつ罪における「わいせつ行為」とは、胸を触る、キスをするなど、性交や性交類似行為にまでは至らない性的な行為のことです。

監護者わいせつ罪の刑罰

監護者わいせつ罪の刑罰は「6か月以上10年以下の拘禁刑」です。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪は子供の同意があっても成立する

子供が同意していたり、子供から誘われたりした場合でも、監護者が性交等やわいせつ行為をすると、監護者性交等罪もしくは監護者わいせつ罪が成立します。

子供が嫌がっていなかったとしても、性的な関係が他の家族や第三者に発覚し、警察が認知することになれば、取り調べを受けたり逮捕されたりする可能性があるでしょう。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で逮捕されたら

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪はなぜ発覚する?

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪は、被害者である子供が、親や他の家族に相談したり、友達や学校の先生に相談したりして発覚するケースが多いです。

事件が警察に発覚すると、原則逮捕されることになるでしょう。

監護者性交・監護者わいせつは、同居する未成年の子供が被害者であることがほとんどであり、無理やり口裏を合わせるといった証拠隠滅の可能性が高いと判断されやすいからです。

監護者性交・監護者わいせつ事件が発覚した可能性が少しでもある場合は、逮捕前に弁護士に相談して警察対応についてのアドバイスを受けておきましょう

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で逮捕された後の流れは?

逮捕の流れ

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で逮捕されると、警察による取り調べを受けることになります。

取り調べでは、性交やわいせつ行為に至る経緯、過去に同様の行為をしたことがないかなど、事件の詳細を深掘りされるでしょう。

逮捕されてから48時間以内に身柄は検察に送られます。検察の取り調べでは、勾留する必要性があるかどうかを判断され、送検後24時間以内に釈放されるか、裁判所に勾留請求を出すかどうかが決まります。

釈放後は不起訴で事件終了になることもあれば、在宅事件として捜査が続く場合もあります。

一方、裁判所が勾留を認めた場合、最長で20日間の身柄拘束が続きます。勾留期間が満了となり、不起訴となれば事件は終了となります。

起訴された場合は、引き続き起訴後の勾留に移るケースと、在宅起訴に切り替わるケースがあるでしょう。

勾留期間内に起訴することができず、さらなる捜査が必要な場合は、在宅事件に切り替わり捜査が継続します。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪は勾留されやすい?

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪は勾留されやすいタイプの事件です。

監護者という立場である以上、日常生活に戻ると、再び子供と接触する可能性が高くなります。

そのため、監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で勾留されないようにするためには、妻・夫と離婚し、子供と今後一切接触しないことを訴えていく必要があります

なお、釈放後に逃亡や証拠隠滅をする恐れがあるとみなされると、勾留が認められるケースが多いです。

特に監護者性交等罪は、起訴されて実刑となる傾向にあるため、釈放すると被疑者が逃亡したり、子供に対して何か働きかけたりするリスクが大きいと判断されやすいのです。

勾留されずに日常生活に戻るためには、これらのリスクがないことを検察官・裁判官にアピールしなければなりません。

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監護者性交等罪・監護者わいせつ罪の不起訴

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪の不起訴の可能性は極めて低い

監護者性交等罪は、性犯罪の中でも悪質性が高いと判断されやすいため、不起訴処分を獲得するのが非常に難しいといえます。

被害者が存在する犯罪であれば、適切に示談を成立させることで不起訴処分を獲得できる可能性が一般的には高まりますが、監護者性交等罪ではあまり有効ではありません。

被害者と常に同居しておらず、監護者としての影響力が弱いと判断されるなど、特殊な事情がなければ不起訴処分の獲得は困難です。

妻や夫と離婚し、子供と接触しないことを誓約し、弁償金を支払っていたとしても、原則として起訴されると考えておくべきでしょう。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で不起訴の可能性があるケースは?

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で不起訴の可能性があるのは、以下の条件を満たすようなケースです。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で不起訴になりやすい条件

  • 子供の年齢が18歳に近い
  • 実子ではなく養子である
  • 子供の方から誘ってきている
  • 元々親子関係が良好だった
  • 監護者としての影響力が強くない
    ※常に同居していないなど

上記の全てを満たしていれば、不起訴の可能性が高いです。一部を満たしている場合には、事件の悪質性や被害者の被害状況などにより、起訴不起訴の判断が分かれるでしょう。

もっとも、監護者性交等罪・監護者わいせつ罪で不起訴になったとしても、各都道府県の淫行条例違反や、児童福祉法違反に該当する場合もあるでしょう。

これらの罪で起訴されれば、罰金刑もしくは懲役刑が科される可能性が高くなります。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪でよくある質問

全く身に覚えのない冤罪の場合はどうすればいい?

普通に生活していただけで、何も子供にはしていないという状況で警察の取り調べを受けたり逮捕されたりした場合、否認し続ける必要があります。

しかし、事件や捜査の進展状況などにより、完全黙秘を貫くべきなのか、正直に話すべきなのかなど、最適な対応は変わります

実際にあった監護者性交の否認事例では、父親に性行為をされたと主張する子供に精神障害があり、学校の教師や警察に作り話をしていると判断されて無罪判決が出た例があります(平成30年9月20日福島地裁判決)。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪の冤罪の疑いをかけられたら、弁護士に相談して警察にどう対応すべきかアドバイスを聞いてみてください

監護者性交等罪は実刑?執行猶予は可能?

監護者性交等罪で起訴されると、ほとんどのケースで実刑判決を受けることになるでしょう。

監護者という立場である以上、日常生活に戻ると子供に再度接触するのではないかと疑われます。もう二度と子供とは会わないための対応策など、裁判官を説得することのできる材料がなければ執行猶予は難しいでしょう。

不起訴になりやすいケースと同様、悪質性がないと判断されれば執行猶予がつく場合もありますが、実務上、起訴されてしまえば実刑となる可能性が高いといえます。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪は弁護士に相談すべき?

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪の被疑者となり、少しでも軽い処分で事件を終了させたければ、なるべく早く弁護士に相談するべきでしょう。

すでに説明してきた通り、監護者性交等罪・監護者わいせつ罪は、被害者側との示談を成立させても起訴されるケースが多い事件類型です。

しかし、弁護士が早期からついていることで、最終的な処分が軽くなる可能性が高まります

また、事件そのものが冤罪であり、完全に否認したい場合は、警察から連絡があったらすぐに弁護士に相談してください。

監護者性交等罪・監護者わいせつ罪の相談はアトム法律事務所へ

アトム法律事務所は性犯罪の加害者弁護の実績が豊富な法律事務所です。

監護者性交事件の弁護活動の経験が豊富な弁護士も多く、冤罪事件のノウハウや裁判弁護のポイントなども的確におさえています

警察から捜査されていたり、事件に関する連絡を受けていたりする場合には、30分の無料対面相談が可能です。

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