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研修担当と新人の性的関係は罪になる?不同意わいせつ・性交等罪になるリスクと対処法を解説

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研修担当者やOJTトレーナーと新入社員(新人)の性的関係は、たとえ同意があったつもりでも、不同意わいせつ罪・不同意性交等罪として刑事事件化するケースがあります。

2023年の刑法改正により、研修担当者が新人と性的接触を持った場合、「地位の利用」によって相手が断れない状態にあったと判断される可能性があります。「相手も同意していた」という認識は、法的な防御として機能しないケースが増えています

しかし、相手が会社や警察に相談する前の段階であれば、弁護士を通じた示談交渉によって刑事事件化・会社バレ・懲戒解雇を回避できる可能性はあります。

この記事では、研修担当者の立場にある方が知っておくべき法的リスク、会社への発覚・刑事事件化を防ぐための具体的な初動対応・示談の進め方を解説します。

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目次

研修担当者と新人の性的関係の危険性

改正刑法で明文化された「地位の利用」の意味

2023年の刑法改正により、不同意わいせつ罪(刑法176条)・不同意性交等罪(刑法177条)が新設されました。

不同意わいせつ罪・不同意性交等罪は、相手が「同意しない意思を形成・表明・全うすることが困難な状態」でわいせつ行為や性交等が行われた場合に成立します。

その原因となる行為・事由として共通の8類型が規定されており、その第8号(経済的または社会的関係上の地位に基づく影響力による不利益の憂慮)は、研修担当者と新人の性的関係でも問題となり得る類型です。

同意しない意思の形成・表明・全うを困難にする8類型

たとえ行為者が「同意があった」と認識していても、「性的行為を断ったら不利益を受けるかもしれない」と相手が感じていた場合、同意がなかったものとして処罰される可能性があるのです。

研修担当者と新人の性的関係がなぜ問題となるのか

研修担当者が新人と性的行為に及んだ場合、「地位の利用」と判断される可能性があります。具体的には以下のような影響力が考慮されます。

研修担当者が持つ影響力の例

  • 試用期間後の雇用継続を左右する権限
  • 希望部署に行けるかどうかの評価に関与
  • OJT担当者としての報告が社内評価に直結する

新入社員にとって、研修担当者は自分のキャリアを左右する重大な存在です。新人が性的関係に「NO」と言えなかったとしても、それは「合意」ではなく「拒絶困難な状態だった」と判断されるリスクが高まります。

「指導名目」の接触が捜査機関に疑われるパターン

業務の延長として行った接触であっても、客観的に見れば、地位を利用したプライベートな関係の強要と評価される可能性があります。

地位の利用と疑われる行為の例

  • 「悩みを聞く」という名目での業務時間外の二人きりの食事
  • 「指導」と称した休日の呼び出し
  • 業務チャット以外のプライベートな連絡手段(個人LINE等)での頻繁なやり取り
  • 肩を叩く・腰に手を回すなどの身体的接触を「スキンシップ」として日常化している

これらは、仮に研修担当者側に悪意がなかったとしても、捜査機関や会社のコンプライアンス部門からは「地位を利用した関係構築」「わいせつ行為の前段階」と評価されやすい行動です。

典型的なトラブルパターン|新人側の不安が後から噴出するケース

この種のトラブルの最大の特徴は、行為の時点では問題なく終わったように見えても、後日になって突然、被害届や社内通報という形で表面化する点にあります。

問題化の流れ

自身は「恋愛関係」「合意の上」「コミュニケーションの一環」と認識していても、相手の認識は異なることが少なくありません。典型的な流れは以下のとおりです。

典型的な流れ

  1. 行為当時
    新人は今後の関係悪化を恐れ、笑顔で対応したり、明確な拒絶をせずにやり過ごす
  2. 数日〜数週間後
    友人や家族に相談し、「それはパワハラ・セクハラだ」「犯罪ではないか」と指摘される
  3. 心境の変化
    「利用された」「断れなかっただけ」という認識に変わる
  4. 行動化
    警察への相談、人事部・コンプライアンス窓口への通報に踏み切る

この「タイムラグ」こそが最大のリスクです。相手が冷静に状況を整理し、第三者の後押しを得たタイミングで、事態が一気に動き出します。

友好的なメッセージだけでは同意の証拠にならない

「LINEで仕事以外の会話もしていた」「ホテルには一緒に入った」という事実があれば大丈夫と考える方もいるでしょう。しかし、研修担当と新人の上司・部下の関係では、これらは必ずしも同意の証明になりません。

部下は、上司に対して「NO」と言いにくい立場にあります。

ビジネスチャットやLINEなどのやり取りが友好的であったり、表面上親しげに振る舞っていたとしても、それは「職場の人間関係を壊さないための処世術」と評価されることがあります。

裁判においても、被害者(部下)が表面上従順に振る舞っていた場合であっても、それが「上司の機嫌を損ねないための迎合」であったと認定されれば、同意があったとは認められないケースが存在します。

断れない空気を作ったと評価されやすい言動

行為に及ぶ際、以下のような言動があった場合には、地位を利用したと評される可能性があります。これらは「心理的拘束」を生じさせたとして、不利な事情となり得ます。

地位の利用と判断されやすい言動

  • 「君の評価は僕次第だからね」と冗談でも口にした
  • 「配属先を希望通りにしてあげる」と匂わせた
  • 「この業界でやっていけなくなるよ」等の威圧的な発言をした

メッセージが友好的に見えても、背景にこれらの「圧力」が存在すれば、合意は法的に無効とされる可能性があります。

警察から連絡が来た/来そうなときの対応

相手(部下)が被害届を提出した場合、ある日突然、警察から電話がきたり、自宅に警察官が来たりします。この「初動」を間違えないことが、逮捕回避・会社バレ防止の生命線です。

任意出頭・事情聴取への対応

警察から「話を聞きたいから署に来てほしい」と言われた場合、それは任意出頭の要請です。突然のことで驚くかもしれませんが、その場ですべてを認めたり、感情的に否定したりするのは避けましょう。

「弁護士と相談してから日程を調整して折り返します」などと伝え、できる限り早めに弁護士に相談してください。準備なしに一人で出頭し、作成された供述調書にサインをしてしまうと、後から覆すことは極めて困難です。

警察署へ行く前に、必ず以下のポイントを整理し、弁護士のアドバイスを受けましょう。

チェック項目内容と注意点
事実関係の整理「いつ」「どこで」「誰に」「何をしたか」を時系列でメモする。
就業規則の確認万が一逮捕・起訴された場合、会社に報告義務があるか確認する。
示談の可能性相手(部下など)と示談交渉が可能か、弁護士に検討してもらう。
供述の方針「認めるのか」「争うのか」の方針を弁護士と一致させる。

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警察の事情聴取(取調べ)をどう乗り切る?不利にならない対応と今後の流れ

相手(部下)への連絡・謝罪は避ける

「誤解を解きたい」「謝って済ませたい」と、相手に執拗に連絡するのは危険です。これが「口裏合わせ(証拠隠滅)の働きかけ」や「脅迫」とみなされ、逮捕の決定的な理由になることがあります。

被害届が出されている可能性がある場合、直接の接触は絶対に避けてください

記憶が鮮明なうちに行うべきこと

弁護士への相談と並行して、以下の証拠を確保してください。

  • LINE・メール履歴
    削除せず、すべてバックアップを取る
  • 業務上のやり取り
    普段の業務上の関係性が分かる資料
  • 当日の状況メモ
    食事の内容、移動手段、会話の内容などを時系列で詳細に記録
  • 事件前後の行動記録
    交通系 ICカードの履歴、レシートなど客観的な証拠

「自分に不利かもしれない」と思うやり取りでも、独断で削除することは避けましょう。データの削除は「証拠隠滅」と疑われ、逮捕のリスクを高める原因になります。すべての判断は弁護士に仰いでください。

会社にバレるタイミングと懲戒処分のリスク

研修担当と新人の関係で行われる性的行為で、多くの方が最も恐れるのが「会社に知られること」と「懲戒解雇」です。警察が捜査を始めても、直ちに会社へ連絡が行くわけではありません。しかし、以下のタイミングで発覚するリスクがあります。

会社にバレるきっかけとなるもの

  • 長期間の無断欠勤
  • 実名報道
  • 警察による会社への捜査
  • 社内のハラスメント窓口への通報

社内調査と刑事手続きの並走に注意

社内のハラスメント調査と、警察の捜査は別物です。そのため、刑事で不起訴になれば、社内処分も防げるとは限りません。

ただし、刑事事件として「不起訴(嫌疑不十分など)」を獲得できれば、会社側に対して「法的には犯罪事実は認定されなかった」と主張する材料になります。

前科がつくと懲戒解雇になる?

労働者の懲戒処分について、法律に具体的な基準が定められているわけではありません。実際の処分は、各企業の就業規則に基づいて判断されます。

そのため、「前科がつく=即懲戒解雇」というわけではありません

会社が従業員を懲戒解雇するには、通常、次のような事情が必要とされます。

  • 当該行為により業務に著しい支障が生じたこと
  • 企業の社会的信用を著しく失墜させたこと

つまり、単に有罪判決を受けたという事実だけで直ちに解雇が正当化されるわけではなく、企業活動への具体的影響が重要な判断要素となります。

社内での犯罪はリスクが格段に高まる

行為が社内で行われた場合は、事情が大きく異なります。

たとえば、部下に対する不同意わいせつ・不同意性交や悪質なセクハラ行為などの社内での犯罪は、企業秩序を直接的に侵害し、職場環境を著しく悪化させます。

そのため、「企業秩序を重大に乱す」「業務遂行に深刻な支障を与える」と評価されやすく、懲戒解雇が有効と判断される可能性は高まります

もっとも、懲戒解雇の有効性は個別具体的な事情にもよるため、悪質でない事案などは、部署異動や軽い懲戒にとどまるケースもあります。

対処法|不起訴処分で前科を防ぐためには

不起訴で前科を避けるためには、早期の対応が不可欠です。

被害者との示談が重要

性犯罪において、被害者との示談成立は、不起訴獲得に向けた最大のポイントです。ただし、加害者が直接被害者と交渉することは原則としてできません。連絡先を知っていても、警察から接触を禁じられるのが通常です。

そのため、示談交渉は弁護士に依頼することが事実上必須となります。

弁護士に依頼すれば、弁護士が代理人となり、被害者の心情に配慮しながら交渉を行います。示談金を支払うだけでなく、「清算条項」「口外禁止(守秘義務)」などを盛り込み、将来的なトラブル再燃や会社への発覚を防ぎます。

示談の流れ

刑事事件の示談の重要性に関してはこちらで詳しく解説しています。

宥恕をもらえば不起訴の可能性が高まる

刑事事件の示談交渉において、重要となるキーワードが「宥恕(ゆうじょ)」です。 法律用語で難しく聞こえますが、簡単に言えば「被害者からの許し」を意味します。

示談書の中に、宥恕条項として「被害者は加害者を許す」「処罰を望まない」といった一文が入っているかどうかが、その後の刑事処分を大きく左右することがあります。

宥恕条項つきの示談書が提出されることで、不起訴処分となる可能性が高まります。宥恕があることで、当事者間の問題は解決していることを検察官に示すことができ、検察官が「今回は起訴を見送ろう(起訴猶予)」と判断するための強力な材料になります。

刑事事件に有利な示談

研修担当と新人の性的関係に関するよくある質問

Q.身体を触ったことで逮捕される可能性はありますか?

身体を触った程度の行為であっても、不同意わいせつ罪として逮捕される可能性はあります。

研修担当と新人のように地位関係が存在する場合、見知らぬ人による同じ行為と比較して重く評価される傾向があります。

見知らぬ人の身体への接触(肩・腰・手を触る等)は、迷惑防止条例違反にとどまることがある一方、上司という立場を利用した状況下で身体への接触をすれば、不同意わいせつ罪として立件される可能性が出てきます。

Q.不同意性交等罪・不同意わいせつ罪で有罪になった場合、どのような刑罰が科されますか?

不同意性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑であり、原則として執行猶予がつかない重い犯罪です。

不同意わいせつ罪の法定刑は6月以上10年以下の拘禁刑であり、不同意性交等罪と比べると法定刑の幅は広くなっています。

いずれの罪についても、罰金刑がないため、起訴されれば公開の法廷で審理されます。

ただし、示談の成立や被害者からの宥恕(「処罰を求めない」という意思表示)がある場合は、不起訴処分の獲得や、酌量減軽による執行猶予付き判決を得られる可能性があります。早期の示談成立が最も重要なポイントです。

Q.会社に知られる前に示談で解決することは可能ですか?

会社に知られる前に示談で解決できる可能性はあります。

弁護士が相手方と直接交渉し、口外禁止条項を含む示談書を作成・締結することで、社内への情報漏洩を防ぐことができます。

ただし、相手がすでに人事部やコンプライアンス窓口に相談済みの場合は、会社側の調査が先行する可能性があるため、できるだけ早い段階での弁護士への相談が不可欠です。

アトムの解決事例

研修旅行先で部下に無断でキスをした事例

アトムの解決事例(不起訴処分)

50代の学校関係者の男性が、約6年前の研修旅行先の宿泊施設で、当時20代の部下女性に無断でキスをした強制わいせつの事案。6年後に突然警察から出頭要請があり、逮捕や事件化を懸念した依頼者が弁護士に相談した。


弁護活動の成果

弁護士が逮捕回避の意見書を提出するとともに、事前に取調べの練習を行い、認める範囲を明確にした一貫した供述を指導。示談は不成立だったものの、検察から一度も取調べを受けることなく不起訴処分となり、約2か月で前科なく事件が終結した。

職場の宴会後に部下にわいせつ行為をした事例

アトムの解決事例(不起訴処分)

40代公務員の男性が、職場の宴会後に二次会から三次会への移動中、部下の20代女性にキスや抱きつき、胸を触るなどのわいせつ行為をした不同意わいせつの事案。依頼者は泥酔しており行為の記憶がなかったが、約4か月後に被害届が提出され、警察から出頭を要請された。


弁護活動の成果

弁護士が粘り強く示談交渉を行い、示談金50万円の支払い・退職・特定場所への接近禁止を条件に、宥恕文言付きの示談が成立。この結果、検察官により不起訴処分となり、前科がつくことなく事件が解決した。

まとめ|逮捕・会社バレ回避にはスピードが命

研修担当・新人の関係における性的行為のトラブルは、刑法176条・177条の第8号(地位利用)の観点から、不同意性交等罪・不同意わいせつ罪として厳しく判断される傾向にあります。

「同意だと思っていた」という主観だけでは、身を守ることはできません。警察が本格的に動き出す前、あるいは会社が処分を下す前に、弁護士を介して適切な防御活動(示談交渉や証拠保全)を行うことが、今の生活を守る重要な対応の一つです。

アトム法律事務所では、会社への発覚を防ぎながらの解決実績が多数あります。まずは弁護士に相談し、今後の見通しを確認してください。

アトムは24時間365日相談予約受付中

アトム法律事務所は、弁護士相談の予約を24時間365日受け付けています。取引先担当者との性的トラブルで不安を抱えている方は、まずは予約受付窓口までご連絡ください。警察が介入している事件については、初回30分無料で弁護士相談が可能です。

お問い合わせいただくと、受付の専属スタッフが置かれている状況や事件の概要をヒアリングし、弁護士相談の予約日時を確定する流れとなります。詳しくはスタッフまでお尋ねください。

お電話お待ちしております。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了