詐欺に強い弁護士

募金詐欺

近年、架空の募金活動や慈善事業を名乗って、通行人などから金品を詐取する募金詐欺が増えています。難民支援や飢餓救済、災害の被災者救援など、その時の話題のニュースに乗じて行われることが多いのが特徴です。ここでは募金詐欺と罪数について解説します。

詐欺に関するよくある相談
「息子が募金詐欺で検挙された」

息子が、大宮駅の近くで、募金詐欺をしたとして逮捕されました。息子は半年前から、大学の友人と2人で、電車で帰宅する人を狙って、難民支援を訴える看板をと共に、「難民の子供達を救うために募金に協力をお願いします」と訴えて、不特定多数の人からお金を騙し取ったそうです。集めたお金を難民支援団体に寄付する等の行為はなく、2人で山分けして遊興費に使っていたそうです。親として可能な限り、被害者の方に弁償したいと考えております。被害者の方と示談が成立した場合、不起訴になることもあると聞いたのですが、今回のように被害者の方が特定されていない場合、示談をするのは難しいでしょうか。

刑事弁護士の回答

募金詐欺で示談は難しい

募金詐欺とは、①ボランティアやチャリティ活動と称して街頭募金活動をしたり、②戸別訪問して募金を募ったり、③ホームページを開設したり、メールやはがきを送り付けて災害などの有名な話題に便乗して金品を詐取する行為をいいます。
募金詐欺は、被害者の多くが匿名かつ少額の募金をするため、被害者や被害額が特定しにくいという特徴があります。また、被害者が特定しにくい関係で、被害者回復が難しいのも特徴です。募金詐欺で被害者と示談をするのは難しいといえるでしょう。

詐欺と罪数

詐欺罪は、個人的法益に対する罪であり、欺罔行為によって財産を騙し取られた被害者ごとに成立すると考えられています。例えば、甲が2月1日にAから、8月1日にBから、各々現金を騙し取った場合、甲には、AとBそれぞれに対する詐欺罪が成立します。つまり、詐欺罪が二罪成立します。
しかし、最高裁は街頭募金詐欺の罪数について平成22年3月17日に興味深い判例を出しました。

【事案】

街頭募金の名の下に通行人から現金を騙し取ろうと企てた者が、約2か月間にわたり、事情を知らない多数のアルバイトを雇って、通行人の多い複数の場所に配置し、募金の趣旨を立看板で掲示させるとともに、募金箱を持たせて寄付の勧誘をさせ、これに応じた通行人から現金を騙し取ったという事案です。

【判旨】

①不特定多数の通行人一般に対し一括して同一内容の定型的な働き掛けを行って寄付を募るという態様のものであること。
②1個の意思、企図に基づき継続して行われた活動であること。
③被害者が投入する寄付金を個々に区別して受領するものではないことなどの特徴にかんがみると、これを一体のものと評価して包括一罪と解することができる。

包括一罪とは、外形的に複数の犯罪が別個に成立しているように見えるが、全体として一罪として処断すれば足りる場合をいいます。一罪として処断される根拠は、日時・場所の近接、方法の類似、機会の同一等の事情に照らし、数個の犯罪に分断することが不当と感じられるような連続性ないし一体性が認められる点にあります。本件でも、①から③の特徴を挙げて、不特定多数に対する同じ募金を呼び掛ける態様の詐欺行為の連続性・一体性を認めたと考えられます。
また、被害者の特定の難しい募金詐欺事案について、個々の被害者を具体的に特定しなくても、詐欺が成立すると判斷した点に意義があります。


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