近年、手口が巧妙化した投資詐欺事件が増えており、警察も警戒を強めています。これまでの詐欺と大きく異なる点は、チームを組んで詐欺を行う「劇場型誘惑」であることです。
投資詐欺事件を起こしてしまった場合でも、適切な弁護活動を行えば前科が付きません。
詐欺に関するよくある相談
「息子が投資詐欺で検挙された」
息子が投資詐欺に関与したという容疑で検挙されました。いま警察署で留置されています。
警察から「息子さんを投資詐欺の容疑で逮捕しました。」という連絡があったものの、どんなことをしたとされているのかは分かりませんでした。後になって、息子の関与していたという詐欺グループが摘発されたというニュースが流れました。それによって、息子の事件が見えてきました。息子はどうやら、架空の会社を作り上げて、そのパンフレットなども制作し、まず「この会社の株は売れる」とか「この会社の社債は利回りがいい」という情報を流していたそうです。その上で、話に食いついてきた顧客に対して、「購入の手続きは面倒で手間がかかりますから、弊社が代わりに行いますよ」といって、購入代金や手数料を交付させていたということです。そして、お金を受け取った翌日には、拠点にしていた事務所や電話番号を引き払っていたと聞きました。
息子のグループが出した被害額は、総額で2000万円を超えるといいます。私も親として、被害弁償にできる限り協力したいと思っています。
刑事弁護士の回答
投資詐欺とは
投資詐欺は、手口が何種類もあります。
その一例を挙げると、実際には存在しない企業の社債を「利回り(利率)がいい」と紹介します。そして、購入の手続きを代理すると称して、代金や手数料を受け取ります。金銭を受け取った後は、社債を償還することなく、姿をくらませるというものです。
あるいは、実際に存在するものの知名度の高くない会社の公開株を、「これから値上がりする」といって不確かな情報を断定的に与え、市場価格の何倍もの値段で購入させるというものもあります。
投資詐欺の手口は、このほかにも、実に様々なバリエーションがあります。
詐欺の前科と量刑について
刑法246条(詐欺)
1項 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
2項 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
上記のように、詐欺罪の法定刑には罰金がありません。したがって、詐欺未遂罪にとどまった事案でも、起訴された場合には略式手続きによることはできずに、公判請求がなされることになります。
また、社会的に大きな影響のある類型や被害額の大きな類型の詐欺罪の量刑は、近年初犯であっても執行猶予が付かない場合もあるようです。
さらに、詐欺事件で逮捕されたからといって、必ず前科が付くわけではありませんが、詐欺事件では不起訴処分となることは極めて稀です(不起訴処分を獲得した場合には前科が付きません)。
そこで、詐欺罪の場合に前科を付けないためには、警察沙汰になる前に示談で解決する方法が一番です。仮に警察沙汰になってしまった場合でも、弁護士を通じて被疑者と示談が成立すれば有利な事情と判断される場合もあるため、早い段階から弁護士に相談し、起訴前にできる限りの弁護活動を行って不起訴処分の獲得を目指すことが重要です。
詐欺事件で逮捕された方、ご家族が逮捕された方は、365日・24時間、日本全国対応可能なアトム法律事務所にお電話下さい。弁護士費用の詳細については『刑事事件の弁護士費用』でご確認いただけます。