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逮捕経験・留置場(留置所)生活の経験から学ぶ刑事事件のリアル

逮捕の経験者が語る留置場生活の実態

この記事では、実際に逮捕・勾留され留置場(留置所)に入った経験のある方の体験談をもとに、「勾留中はどんな生活を送るの?」「留置場はどんな雰囲気?」といった疑問にお答えします。

多くの経験者が、留置場での生活は精神的に辛かったと語ります。もしもご家族やご友人が逮捕されているなら、外からのサポートが大きな力になるはずです。

刑事事件は時間との勝負です。逮捕された方の身柄解放を実現するためには、いかに早く適切な判断をするか、迅速な弁護活動ができるかが鍵になります。逮捕・勾留のお悩みは刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

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留置場での生活はどんなもの?

留置場とはどんな場所?部屋の様子は?

留置場(留置所)とは、逮捕された人を拘束しておく施設で、全国の警察署内に設置されています。

留置場の居室は、一般的に牢屋と言われてイメージするような、鉄格子がはめられた狭い部屋です。逮捕された人は、この居室の中で、一人または複数人で過ごします。プライバシーはほとんどない空間といえます。

留置場の部屋内には布団やトイレが備え付けられていて、食事も部屋でとるため、基本的な生活はそこで完結します。

留置場生活のスケジュールは?

留置場の生活スケジュールは留置場ごとに違うため、ここでは一般的な例をご紹介します。

留置場の一日(例)

  • 07:00 起床・掃除・洗顔
  • 08:00 朝食・運動
  • 12:00 昼食
  • 18:00 夕食
  • 21:00 消灯

空いた時間は、警察や検察の取調べを受けたり、家族や弁護士などと面会をします。

それもなければ自由な時間がかなり長く、本を読んだり横になったりして過ごすことが多いようです。「とにかく暇で辛かった」と語る経験者も多く、ご家族の面会や本などの差し入れは、留置場生活の支えになるでしょう。

入浴は原則として週に2回以上、少なくとも5日に1回以上と定められており、多くの留置場ではお風呂の曜日が決められています。入浴時間は20分程度と限られており、数人ずつ交代で入浴します。

留置場の食事はどんなもの?

留置場では、朝昼夜の3食、食事が提供されます。

警視庁が公表している留置場の献立の例を見てみましょう。

献立
朝食御飯、納豆、厚焼玉子、がんもどき、つくだ煮、みそ汁、おしんこ
昼食御飯、コロッケ、カレー、野菜炒め、サラダ、おしんこ
夕食御飯、焼魚(鮭)、オムレツ、シューマイ、野菜味噌炒め、うぐいす豆、おしんこ

警察庁HP 警察庁の概要「警察の留置業務」https://www.npa.go.jp/about/overview/ryuchi/Detention_house-J_080415-3.pdf(2024.11.6現在)

提供される食事は、栄養バランスを考慮したものとされていますが、勾留される留置場により差があるのかもしれません。

過去にはこのようなニュースもありました。

留置場の食事が原因で脚気になったなどとして、県に損害賠償を求めた訴訟の判決が16日、さいたま地裁であった。(略)裁判長(略)は、食事に健康上必要な量のビタミンB1が含まれていなかったことを発病の原因と認め、県に55万円の支払いを命じた。(略)県警は19年11月、同署の留置場で20~30代の男性4人が栄養不足による脚気と診断されたと公表。

2023.6.16朝日新聞デジタル「「留置場の食事で脚気」県に賠償命令 同じ警察署で過去に4人発生」https://www.asahi.com/articles/ASR6J6R5TR6JUTNB00Z.html(2024.11.6現在)

支給される食事では物足りないという方は、自弁といって自費で食事などを購入することもできます

留置場で出される食事は冷たくて量が少ないとよく言われます。そのような環境で自分の食べたいものを選べたり、暖かいものを食べられる喜びは計り知れません。

自弁は食事以外も購入可能

自弁で購入できるのは主に以下のようなもので、警察署によってバリエーションがあります。

  • 食事(お弁当、丼物など)
  • 歯ブラシ・歯磨き粉
  • 切手・便箋
  • ノート

なお、自弁の代金は逮捕時に持っていた所持金から天引きされ、釈放時に清算して残りを返してもらうというシステムになっているため、逮捕された際に手元に現金がなければ自弁は利用できません。

しかし、逮捕は予告なく行われるため、逮捕時に現金を所持しているとは限らないでしょう。

ご家族や大切な方が逮捕された場合は、状況の確認と現金などの差し入れをするために、弁護士の派遣を検討しましょう

逮捕経験者の話①「留置場ではなかなか眠れなかった」

逮捕されて留置場生活を経験した方から、「留置場ではなかなか眠れなかった」という声をよく聞きます。

普段と違う慣れない環境で寝泊まりしなければならないうえに、「今後どうなってしまうのか」という不安も相まって、眠りにつくのが難しいと感じる方が多いようです。

また、他の人と相部屋であったり、監視のために警察官が行き来していることもあるため、落ち着いて休みづらい環境であるといえるでしょう。

逮捕・勾留の流れは?いつまで勾留されるの?

逮捕から勾留までの流れは?期間は何日?

逮捕の流れ

刑事事件の容疑者として警察に逮捕されたら、少なく見積もって72時間(48時間+24時間)、長ければ23日間にわたって、留置場に収容されることになるでしょう。

まず、逮捕から48時間は留置場に置かれて警察の取調べを受けます。警察は48時間以内に検察官に事件を引き継ぎます。これを送致(送検)といいます。

送致後、検察官は被疑者と面談を行い、送致から24時間以内裁判官に勾留請求します。裁判官が勾留請求を認容すると、原則10日間の勾留が決定します。勾留中に勾留延長が認められれば、さらに10日間、勾留が延長されます

検察官が勾留請求をしなかった場合、裁判官が勾留請求を認めなかった場合、勾留が延長されず満期を迎えた場合などに、被疑者は釈放されます。弁護士は、勾留を回避するために、検察官や裁判官を説得していくことになります。

もっとも、釈放されても無罪放免とはいかず、在宅で捜査が続いて起訴されることもあるため安心はできません。

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23日以上勾留されるケースもある

勾留中に起訴や再逮捕が決まると、23日以上勾留が続く場合があります。

起訴とは、検察官から裁判官に刑事裁判を請求する手続きです。起訴されると、保釈が認められない限りは、裁判が終わるまで引き続き勾留される可能性があります。

再逮捕とは、一度逮捕された被疑者を、別の容疑で再び逮捕することです。法律上、ひとりの人を同じ事件で二度逮捕することは原則として許されていませんが、別の事件についてであればまた逮捕することができるのです。

余罪の多いケースだと、勾留期限の終わりに再逮捕するというのが繰り返されて、最終的には数か月以上留置場に置かれることもあります。

起訴や再逮捕を回避し、早期釈放を目指すなら、早急に弁護士に相談して今後の対策を考えていくことが重要です。

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勾留中も取調べが続く

逮捕後は、警察官と検察官による取調べを受けます。

まず、逮捕から48時間以内に警察官の取調べを受けます。被疑者は基本的に留置場の部屋で生活し、必要なときに警察官から呼び出されて取調べを受けます。

送致後は、勾留や起訴の判断のために検察官による取調べが行われます。取調べを受けるために、被疑者は護送車に乗せられて警察署から検察庁へ連れて行かれます。

朝に検察庁に移動し、順番に検察官と面談したあと夕方頃に警察署へ帰されるのですが、実際に体験した人の話によると、検察庁で待機している間は他の被疑者たちと会話することも許されず、とにかく暇で辛い時間なのだそうです。

その後も勾留が終わるまで、随時警察官や検察官の取調べを受けながら過ごすことになります。

逮捕経験者の話②「警察の取調べは怖かった」

留置場生活を経験者した方からよく聞く話として、「警察署での取調べは怖い」というものがあります。

取調べを担当する人の性格や手法にもよるため、すべての取調べが厳しいというわけではありませんが、特に否認をしている事件の場合には、取調べが厳しくなる傾向にあるようです。

警察は、一定の嫌疑・証拠をもとに逮捕に踏み切っているため、それを否定すれば厳しい追及を受けるのも当然でしょう。

また、罪を認めている事件でも、反省の色が見られないなどの理由で、警察が「お灸を据える」ということもあります。

警察官が取調べで威圧的な態度を取っているのであれば、弁護士にご相談ください。弁護士は不当な取調べに対し、警察署長や担当検察官に抗議を行うこともあります。警察官に誘導されるまま、不利な供述や事実と異なる供述をしてしまう前に、弁護士のアドバイスを受けましょう。

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勾留中に面会や差し入れはできる?

逮捕直後は弁護士しか面会ができない

逮捕され、留置場に入った経験のある方は、その多くがアクリル板越しに行う「面会(接見)」も経験しています。ただし、逮捕されてから勾留が決まるまでの間は、原則として弁護士しか面会ができません。

したがって、ご家族が面会できるようになるのは、早くても逮捕から72時間以降ということになります。それまでの間、被疑者本人は孤独な時間を過ごすことになります。

弁護士なら、逮捕直後から自由に面会ができますし、警察職員の立会いを外して、完全に一対一の状態で話すことができます。また、一般の方は面会が1日1回、平日の日中のみと制限されているのに対し、弁護士は何時でも、何回でも接見をすることができます。

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接見禁止処分とは?

勾留が決まってからの面会について、勾留決定と同時に「接見禁止処分」を出されることがあります。

接見禁止処分は、たとえば、共犯者が複数名いる場合に付けられます。関係者が面会にきて口裏合わせをすることがないよう、弁護士を除くすべての者との面会を遮断するのです。

接見禁止になっても、弁護士であればいつでも会って話すことができます。また、接見禁止処分を解除するために、弁護士は準抗告や解除申し立てなどの対応ができます。

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留置場に差し入れはできる?喜ばれる差し入れは?

留置場内にいる人に金銭や物品を差し入れすることができます。

留置場で過ごす方に喜ばれる差し入れとしては、現金、本、手紙、衣服などが挙げられます。

逮捕時に現金を持っていなかった方は自弁を利用することができないため、現金の差し入れが非常に喜ばれます。

また、留置場での生活には暇な時間も多いため、暇つぶしとなる本や雑誌の差し入れは嬉しいものですし、ご家族や友人などからの手紙は、孤独な留置場生活の励みとなります。

留置場で貸し出される服を不快に感じる方も多いため、服の差し入れは喜ばれます。ただし、フード付きの服は不可、紐は取り外さなければならないなど、服の差し入れには一定の条件があります。これは、留置場内での自殺等を防ぐためです。

なお、一般の方は平日の日中しか差し入れができないなどの制約があります。弁護士であれば差し入れが可能な時間に制限はないので、早急に差し入れしたいものがある場合には弁護士に依頼するのがおすすめです。

逮捕経験者の話③「弁護士が面会に来てくれて安心した」

逮捕・勾留を経験した方からは、「接見禁止の期間にも弁護士さんが面会に来てくれて安心した」といった声をよく聞きます。

弁護士には、接見の時間や回数の制限がありません。事件の進捗を報告したり、外部との連絡係を担ってくれます。また、今後釈放される可能性はあるのか、起訴されてしまうのかといった具体的な見通しや、取調べの対応方法を聞くことができるため、被疑者の安心に繋がります。

逮捕されたら経験豊富な弁護士にすぐ相談を

このように、逮捕されてしまった方は留置場の過酷な環境下での生活を経験します。

そのとき、一番大切なことは、家族や友人など、外にいる人の協力です。具体的には、弁護士を派遣して警察の中で本人が法律相談を受けられるように手配をすることです。

まずは弁護士に接見を依頼する

ご家族が逮捕されてしまったら、まず真っ先に弁護士に接見を依頼することが重要です。

ご家族であっても、逮捕から勾留決定までは接見ができないのが原則です。しかし、その間に警察や検察の取り調べが進行し、10日間の勾留が決定してしまうかもしれません。誰にも相談できない状況で取り調べを受けることになるため、誘導されるままに不利な供述をしてしまう可能性もあるでしょう。

そういったことを防ぐため、まずは弁護士を留置場に派遣して、本人から直接事情を聞いたり、取り調べの対応に関するアドバイスを行うことが望ましいです。

また、家族や弁護士が味方であると伝えることで、被疑者の不安は和らぐはずです。

アトム法律事務所では、初回接見出張サービス(1回限り・有料)を実施しています。ご家族などが逮捕されている警察署に、最短即日で弁護士が駆けつけます。勾留回避のためには逮捕後の72時間が勝負です。まずは24時間365日繋がるアトムの相談予約窓口にお電話ください。

弁護士の活動で勾留回避・早期釈放を目指す

逮捕された方を早く留置場から出すためには、勾留を回避するための活動勾留中の釈放を目指した活動が欠かせません。

弁護士は、勾留の回避を目指して検察官や裁判官に対する働きかけなどの活動を行います。また、勾留が決まった後も、準抗告や勾留取消請求などの手続きを用いて早期の釈放を目指します。

不起訴を獲得するために示談などの活動を行う

警察・検察官の捜査と並行して、弁護士は不起訴処分を得るための活動を行います。

痴漢や盗撮などの被害者がいる事件では、被害者と示談をすることで被害感情をおさめ、被害届を取り下げてもらったり、処罰を望まない旨の意思表示をしてもらえる場合があります。検察官はこういった事情を考慮に入れて処分を決定しますので、示談が成立すれば不起訴処分を獲得できる可能性が高まるでしょう。

検察官が起訴・不起訴を決めるまでに示談をする必要がありますので、ここでの活動も時間勝負です。

また、再犯防止策を講じることも、不起訴獲得には重要なアクションになります。窃盗癖や性癖が病的レベルにある場合には、医療機関などの協力を得て、根本的な治療が必要です。その環境調整をすることも弁護士の重要な役割といえます。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了