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教員が大麻・薬物で逮捕されたら?免許を剥奪されることはある?

教員が大麻

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

教員が大麻・薬物事件を起こすと、教員免許を失う可能性があります。

大麻・薬物に関する罪の刑罰は全て拘禁刑以上とされており、有罪が確定した場合は教育職員免許法により免許の授与が認められなくなります。さらに、起訴されなかった場合でも各都道府県の教育委員会や学校法人による懲戒免職処分で免許を失うケースがあります。

今後の不利益をできる限り小さくするためには、早い段階で弁護士に相談し、刑事処分と勤務先での処分の両面を見据えて対応することが重要です。

本記事では、教員が大麻・薬物事件を起こした場合の免許剥奪の条件、逮捕後の流れ、大麻の刑罰、そして免許を失わないための具体的な対処法を解説します。

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教員が大麻で逮捕されたら免職・資格剥奪になるのか?

「教員が逮捕された=即クビ」というイメージを持つ方は多いですが、これは正確ではありません。

逮捕はあくまで「犯罪の容疑がかけられている」状態であり、有罪が確定したわけではありません。日本の刑事手続きでは無罪推定の原則が適用されるため、逮捕という事実だけで免職処分が自動的に下されることはないのです。

ただし、薬物事件で逮捕されてしまうと職場に発覚し、その後の捜査・起訴・判決の過程で職を失うリスクは高くなります。

教員が免許剥奪になるのはどんなとき?

教員免許が剥奪されるのは「拘禁刑以上の刑」を受けた場合

逮捕されただけでは教員免許は剥奪されません。法律上、教員免許が失効するのは拘禁刑以上の刑に処された場合と定められています(教育職員免許法5条1項3号、同法10条1項1号)。

「拘禁刑以上の刑に処された」とは、拘禁刑の実刑判決を受けた場合、あるいは執行猶予付き判決を受けた場合の両方を含みます。

大麻・薬物に関する主な罪は全て拘禁刑以上となっており、起訴されて刑が確定した場合はほぼ確実に免許を失うことになります

不起訴でも免許剥奪になる場合がある

拘禁刑以上の刑を受けなかった場合でも、教員が大麻・薬物事件を起こすと、懲戒処分を受けることがあります。懲戒処分の中で最も重い処分が懲戒免職です。処分は各都道府県の教育委員会、私立学校の場合は各学校法人が行います

懲戒免職処分を受けた公立学校の教員は教育職員免許法第10条第1項第2号により、私立学校の教員は同法第11条第1項により、それぞれ教員免許が失効します。

たとえば、東京都教育委員会が公開している「教職員の主な非行に対する標準的な処分量定」によると、以下のいずれかに該当する場合は免職処分となることが定められています。

・麻薬・覚せい剤等を所持又は使用した場合

・医薬品医療機器等法又は東京都薬物の濫用防止に関する条例により指定されている薬物を含む危険ドラッグを所持又は使用した場合

教職員の主な非行に対する標準的な処分量定

実際に、2020年4月には佐賀県の国立唐津海上技術学校に勤務していた元教員が大麻0.174グラムの所持で逮捕され、不起訴となったものの懲戒解雇となっています。不起訴でも免許を失う可能性があることを示す事例です。

教員が大麻・薬物で逮捕された後の流れ

大麻・薬物で逮捕された場合、事件が起訴されるかどうか決まるまで最大23日間の身体拘束が続く可能性があります。早期の身柄解放、不起訴の獲得、職場への説明方針を含む初動対応が重要です。

逮捕の流れ

逮捕〜送致(48時間以内)

大麻は初犯であっても逮捕が行われます。逮捕後、警察は48時間以内に事件を検察官へ送致(送検)します。

送致~勾留請求(送致後24時間)

検察官は、警察から受け取った証拠と、ご本人から直接聞いた話の内容をもとに、さらに留置場に置くこと(勾留)が必要かを判断します。勾留が必要な場合は、裁判官に勾留請求を行います。

勾留請求の期限は、逮捕後72時間かつ、送致後、検察官が被疑者を受け取った時から24時間以内です。

勾留(最大20日間)

検察官が勾留を請求し認められると、原則10日間(必要に応じ最大10日間の延長)、身柄が拘束されます。

勾留中は長期欠勤が続くため職場バレのリスクが高まります。弁護士を通じて早期釈放を目指すことが重要です。

起訴・不起訴の決定

捜査を経て、検察官が起訴・不起訴を決定します。日本の起訴後有罪率は99%を超えるため、前科を避けるには不起訴を目指すことが最も現実的な手段です。

もっとも、不起訴であっても職務外の非行として懲戒処分の対象となる可能性はあるため、処分の有無や内容は所属機関の判断によって決まります。

逮捕後の釈放タイミングについて詳しく知りたい方は『逮捕されたら?逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説』の記事をご覧ください。

大麻の刑罰は?初犯より再犯の方が罪は重くなる?

大麻の刑罰(営利目的なし)

大麻の刑罰(営業目的なし)

使用・所持・譲渡・譲受の刑罰

免許等なく個人で大麻を不正に使用・所持した場合や、譲渡・譲受した場合の刑罰は、7年以下の拘禁刑です(麻薬及び向精神薬取締法66条の2第1項、同66条1項)。

所持は、自分の支配下に大麻がある状態のことをいい、カバンや衣服のポケットに携帯する場合に加え、車や家で保管する場合も含みます。所持量が微量(0.5グラム以下)の場合は、大麻草なら不起訴になる場合もありますが、濃度が高い樹脂だと通常起訴されます。

譲渡・譲受は、有償無償を問わず違法行為です。友人・知人などに大麻を無償で渡した場合でも、犯罪となります。

栽培・輸出・輸入の刑罰

免許等なく個人使用目的で大麻を栽培・輸出入した場合の刑罰は、1年以上10年以下の拘禁刑です(大麻草の栽培の規制に関する法律24条1項、麻薬及び向精神薬取締法65条1項)。

大麻の刑罰(営利目的あり)

大麻の刑罰(営業目的あり)

使用・所持・譲渡・譲受の刑罰

営利目的で大麻を所持・譲渡・譲受した場合の刑罰は、1年以上10年以下の拘禁刑です。情状によっては300万円以下の罰金が併科される場合があります(麻薬及び向精神薬取締法66条の2第2項、同66条2項)。

栽培・輸出・輸入の刑罰

営利目的で大麻を栽培・輸出入した場合の刑罰は、1年以上20年以下の拘禁刑です。情状により500万円以下の罰金が併科される場合があります(大麻草の栽培の規制に関する法律24条2項、麻薬及び向精神薬取締法65条2項)。

初犯より再犯の方が罪は重くなる?

大麻の刑罰は、基本的に拘禁刑です。ただし、拘禁刑の判決を受けても、初犯であり悪質性も低いとみなされた場合は執行猶予がつくことも多いです。

しかし、再犯となった場合は実刑となる可能性が高くなり、特に執行猶予判決を受けてから5年以内の再犯の場合はほぼ確実に実刑となります。

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教員が大麻・薬物で免職を避けるためには

教員が大麻・薬物に関する罪を犯したことにより前科がついた場合、免職などの処分が下る可能性があります。前科により職を失わないためには、早期に弁護士に相談することが重要となります。

逮捕を回避するために弁護士に相談する

大麻・薬物は微罪として終えることは困難であり、勾留率も高い犯罪です。そのため、まずは勾留を避け、早期に釈放されることを目指すことになります。

早期釈放のためには、家族の協力なども得ながら、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことを弁護士を通じて示すことが重要です。

また、同居人や恋人などが大麻・薬物で逮捕され、自分にも嫌疑がかかっているという場合があります。そのような時は逃亡や証拠隠滅の恐れがないことや所持の事実がないことを弁護士を通じて主張し、逮捕の回避を目指します。

大麻所持などの事実関係を争い不起訴を目指す

大麻・薬物事件において不起訴を目指すためには、犯行が悪質でないことや十分に反省して再犯の恐れがないことなどをしっかりと検察官に示すことが必要です。

起訴された場合、保釈による釈放を目指して活動を行います。弁護人により保釈請求を行い、逃亡や証拠隠滅の恐れのないことが認められると保釈決定が下り、保釈金を納付することで釈放されます。

裁判では執行猶予つき判決を得て実刑を回避することを目指します。初犯で個人使用目的であれば執行猶予がつくことが多いですが、営利目的や常習性が認められた場合は実刑になるケースが多くなります。

大麻・薬物依存を治療して再犯を防ぐ

薬物は再犯率の高い犯罪であることから、罪を少しでも軽くするためには再犯防止のための取り組みをしっかりと行い、それを検察官や裁判官に示すことが必要となります。

具体的には以下の取り組みが有効です。

再犯を防ぐ取り組みの例

  • 医療機関で薬物依存の治療を受ける
  • 「薬物のダルク」などの回復支援施設に入所する
  • 弁護士・家族と協力して診断書やサポート体制を整え証拠として提出する

教員の大麻に関するよくある質問

Q.教員が大麻で逮捕されると、必ず教員免許は剥奪されますか?

有罪(拘禁刑以上)が確定した場合は、教育職員免許法の規定により教員免許を失うことになります。

また、不起訴となった場合でも懲戒処分(懲戒免職)を受けた場合は免許を失う可能性があります。早期に弁護士へ相談し、不起訴処分の獲得を目指すことが重要です。

Q.大麻で逮捕されたことは職場に必ずバレますか?

逮捕・勾留されると長期の欠勤が生じるため、職場に知られる可能性が高いです。
また、教員の逮捕は報道機関へ情報提供され、ニュースとして報じられることもあります。

ただし、弁護士を通じて早期釈放を実現することで、欠勤期間を短縮できる可能性があります。また、不起訴処分を獲得できれば、懲戒処分のリスクを低減できる場合もあります。

Q.大麻事件で不起訴になるためにはどうすればよいですか?

不起訴を得るためには、所持量が微量であること・初犯であること・違法性の認識が薄いこと・薬物依存の治療を開始していること・職場や家族からの陳情書があること、などの事情を検察官にしっかりと示すことが必要です。

一人での活動は困難なため、早期に弁護士に依頼して弁護活動を進めることをおすすめします。

Q.免許失効後は教員免許を取得できませんか?

教員免許を失効した場合でも、法律上は再取得が可能です。ただし、一定期間は免許の授与を受けることができません。

拘禁刑以上の実刑の場合は刑の執行終了後10年間、執行猶予の場合は猶予期間が満了するまで再取得できません。

また、前科がつかない場合でも免職・解雇となった場合は失効から3年間は再取得できません(教育職員免許法5条1項4号・5号)。

もっとも、これらの期間経過後は再取得の申請自体は可能ですが、実際には審査や採用の面で厳しいハードルがあるのが実情です。

教員の大麻に関するお悩みは弁護士に相談

教員が大麻・薬物事件を起こした場合、以下のいずれかの理由で教員免許を失う可能性があります。

  • 有罪(拘禁刑以上)確定による免許の失効(教育職員免許法5条1項3号、同法10条1項1号)
  • 懲戒免職・解雇処分による免許の失効・取上げ(教育職員免許法10条1項2号、同法11条1項)

不起訴であっても懲戒免職になったケースが実際に存在するため、「逮捕されたが不起訴になった」という状況でも安心はできません。

今後の不利益をできる限り小さくするためには、早期に弁護士へ相談することが重要です。早期の弁護活動により、刑事処分の軽減を目指すことができます。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了