令和4年度、脅迫事件の検挙率は約84%でした(令和5年版 犯罪白書より)。検挙率とは、警察等が認知した事件のうち、被疑者が特定され警察でおこなう捜査を遂げた事件が占める割合です。
脅迫は、警察の捜査の手がおよぶ可能性が高い犯罪といえます。
脅迫事件を起こして警察から取り調べに来るよう呼び出されたり、逮捕されてしまったら、早急に弁護士に相談してください。
弁護士は、被害者との示談交渉をすみやかに行い、逮捕・勾留の回避や早期釈放、不起訴の獲得、刑事処分の軽減などにつなげる活動を行います。
本記事では、脅迫罪で逮捕される行為、脅迫容疑をかけられた場合の弁護士の選び方、弁護士費用などを解説します。
脅迫の慰謝料・示談金についても解説しているので、ぜひ最後までご覧ください。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
脅迫罪とは?
脅迫罪とは?脅迫罪の刑罰は?
脅迫罪とは、被害者やその親族の生命、身体、自由、名誉、財産に対して「害を加える告知」(害悪の告知)をおこなう犯罪です(刑法222条)。
脅迫罪の法定刑は、1ヶ月以上2年以下の懲役、または1万円以上30万円以下の罰金です。
刑法222条 生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者は、二年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する。
刑法222条1項、同2項
2 親族の生命、身体、自由、名誉又は財産に対し害を加える旨を告知して人を脅迫した者も、前項と同様とする。
脅迫罪の「被害者」とは
被害者には、法人は含まれません。しかし、法人の代理人や代表者は脅迫罪の被害者になり得ます。
脅迫罪の被害者の「親族」とは
脅迫される人の「親族」の生命、身体、自由、名誉、財産に害を加える告知でも、脅迫罪になります。
具体例 | 脅迫罪の成否 |
---|---|
「はとこを殺す」 | 〇 |
「配偶者を殴る」 | 〇 |
「嫁の姪を監禁する」 | 〇 |
「恋人を殺す」 | ✕ |
「友達を殴る」 | ✕ |
被害者の「親族」には、6親等までの血族(はとこetc.)、配偶者、3親等までの姻族(配偶者のおじ・おば、配偶者の兄弟姉妹の子etc.)を指します(民法725条)。
被害者の恋人や知人などへの害悪の告知は、脅迫罪にはなりません。
害を加える告知(害悪の告知)とは
脅迫罪の「害を加える告知」(害悪の告知)は、相手を畏怖させる(怖がらせる)ことが可能といえる程度のものが必要です。
性別や年齢、周囲の状況など被害者と同じ条件下に置かれた人が畏怖するといえる場合は、現実に被害者が恐怖心を抱いていなくても、脅迫になります。
また、通常なら畏怖しないような害悪の告知でも、被害者が極度に憶病な性格だと知ったうえで害悪の告知をした場合は、脅迫になることがあります。
どのような言葉が害悪の告知になるのかは、具体的事実に即して検討されるべき難しい判断です。
脅迫罪になる言葉については『「訴えるぞ」「警察に言うぞ」は脅迫罪になる言葉?構成要件や時効を解説』の記事でも解説しているので、あわせてご覧ください。
「弁護士に相談するぞ」は脅迫?
自身が有する権利でも、権利行使の意思がなく、相手を怖がらせる目的で告知した場合は脅迫になる可能性もあります。
「弁護士に相談して法的手段をとります」「警察に訴えるぞ」といった言葉は、トラブルに巻き込まれた人なら誰でも口にするような発言です。
そのため、通常ならば「弁護士に相談する」、「警察に訴える」が脅迫になることはないでしょう。
しかし、示談金目当てで、弁護士への相談や警察への通報を匂わせた場合、「脅迫」になる可能性があります。
「脅迫」になる例
- 盗撮ハンターの「慰謝料を払わなければ弁護士に相談してさらに多額の請求をするぞ」という発言
- 美人局の「慰謝料〇〇万円を支払わなければ、警察に言うぞ」という発言
これらは「脅迫」を手段とした恐喝罪に問われる可能性があります。
脅迫事件のお悩みはアトムの弁護士にお任せください!
- 逮捕回避・早期釈放
- 不起訴による前科回避
- 示談による早期解決
弁護士への相談が早いほど脅迫事件がスピーディーに解決し、平穏な生活に戻れるのも早くなります。
アトム法律事務所は刑事事件に注力する事務所としてこれまでに脅迫事件を解決してきた経験と実績があります。
脅迫罪の逮捕の流れ
脅迫罪で逮捕のきっかけになる証拠
脅迫罪で逮捕のきっかけとなる証拠は、害悪の告知を行った文章や音声データなどです。
脅迫罪は、被害者に直接口頭で行う場合もありますが、電話やメールなどで行うこともあります。
「ボコボコに殴ってやる」や「若い衆をお前のところに向かわせる」といった害悪の告知をメールやSNSで行うと、有力な証拠となるでしょう。
最近では、インターネット上で脅迫事件が発生することもあり、たびたびネットニュースでも取り上げられています。
脅迫事件は懲役刑まで予定されている刑事事件であり、決して軽い犯罪ではありません。逮捕される可能性が十分にある事件ですので、もし脅迫事件を起こしたというときには、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。
脅迫罪で逮捕された後の流れ
脅迫罪で逮捕されると、警察署に連行され警察官の取調べを受けます。逮捕後48時間以内に証拠と身柄が検察庁に送られ、検察官が取調べを行い24時間以内に勾留すべきか判断します。
検察官も裁判官も勾留すべきと判断すると10日間勾留され、勾留は更に最長10日延長される場合があります。
勾留されると、逮捕から最長23日間留置場生活が続きます。この間に検察官が今回の脅迫事件を起訴するか、どうかを決定します。
不起訴になれば前科はつきません。脅迫事件で不起訴を獲得したい場合は、検察官の決定までに弁護士を通じて被害者と示談をすることがとても大きな意味を持ちます。
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脅迫罪で逮捕されたら弁護士接見が重要
逮捕後は、すぐに取り調べが始まります。取り調べで話したことは、有利なことも不利なことも、証拠になります。
逮捕直後は気が動転し、冷静に警察の取調べに対応できないことも多いです。
取り調べでは、誘導されるがまま質問に答えてしまう人も多いものです。
この段階での弁護士の助言は本人にとっては何より心強い支えになるでしょう。弁護士は、逮捕直後からご本人と面会(接見)が可能です。
弁護士の接見でできることの例
- 取り調べ対応のアドバイス
- ご家族からのご伝言(※証拠隠滅行為にあたらない範囲内)
- 身柄中の会社や学校対応の相談
etc.
逮捕後は特に初動が重要なので、アトム法律事務所では初回接見出張サービス(1回限り・有料2万~)を実施中です。
留置場まで弁護士が出張し、面会(接見)をおこない、取り調べ対応のアドバイスをすることが可能です。最短で当日対応可能な場合もございます。
ご家族の方は、できるだけ早く、ご本人のもとへ弁護士を派遣してあげてください。
脅迫は3年で時効になる?
脅迫罪の公訴時効は3年です。
公訴時効は、犯罪が終わった時から一定期間が経過すると、刑事訴追が許されなくなるという時効です。
3年の公訴時効が経過すると、脅迫罪の起訴はゆるされなくなり、逮捕も家宅捜索もできなくなります。
ただし、公訴時効の進行がとまることもあります。公訴時効の制度について、詳しく知りたい方は『刑事事件の公訴時効期間を一覧表で解説!時効の不安は弁護士に相談』の記事もあわせてご覧ください。
脅迫事件の検挙率は約84.0%と相当高いものです。時効で逃げ切れると考えず、早期に対策を立てる必要があるでしょう。
認知件数 | 4037件 |
検挙件数 | 3393件 |
検挙率 (検挙件数÷認知件数) | 84.0% |
脅迫事件の示談金・慰謝料とは?相場は?
脅迫事件の示談金・慰謝料相場
脅迫事件の示談金・慰謝料の相場は約10万円~30万円程度です。
脅迫事件の示談金とは
示談金とは、脅迫事件の示談の際に、加害者から被害者にお渡しするお金のことです。
示談とは、脅迫事件の加害者が被害者に対して、謝罪をおこない、和解をする際に、被害者にお渡しするお金のことです。
示談の際、必ずしも示談金が必要になるわけではありませんが、示談金をやり取りするケースは少なくありません。
脅迫事件の慰謝料とは
慰謝料とは、被害者の精神的苦痛に対する損害賠償金のことです。
示談が成立しない場合は、慰謝料だけをお渡しする場合があります。
脅迫の慰謝料の消滅時効(3年・20年)
脅迫事件の慰謝料請求権の消滅時効は、被害者が損害と加害者を知ってから3年、不法行為の時から20年です。
慰謝料請求権の消滅時効を経過すると、被害者は加害者に慰謝料を請求できなくなります。
脅迫事件は不法行為(民法709条)に該当するので、被害者は不法行為にもとづく損害賠償請求が可能になります。脅迫事件の場合、脅されたことによる精神的な苦痛があるので、慰謝料請求をすることが考えられますが、この請求には期限があるのです。
脅迫の慰謝料の時効を待つのはおすすめしない
示談・慰謝は、脅迫事件の被害者の心のケアにつながるだけでなく、ご自身の今後の人生を大きく左右するものです。
脅迫事件の早期解決のためには、時効を待つのではなく、積極的に示談・慰謝に取り組むことが必要です。
脅迫の示談金・慰謝料の金額の決め方
脅迫にとどまらず、お金を巻き上げた(かつあげした)ような場合には、その被害金額が目安になります。
しかし、脅迫行為による恐怖感などの被害者の精神的苦痛は、金銭換算することが難しいです。
この場合、すでに過去に解決済みの示談金の相場を参考にしながら、被害感情を慰謝するに足る金額で、被害者が納得してくれる金額を当事者で話し合って決めます。
脅迫の示談金・慰謝料の支払い方法
示談金の支払いについては、基本的には一括での支払いが望ましいでしょう。どうしても一括払いが難しい場合は、被害者の了承を得て分割で支払うこともありえます。
弁護士を通して手渡しすることもあれば、銀行振り込みをする方法もあるでしょう。
示談金の額や支払いのルールは、示談書の中で明記することが大切です。
弁護士は、法律上有効な示談とするために、示談書の文言を隅々までチェックします。
脅迫事件はどんな弁護士に相談すべき?
脅迫事件の早期解決を目指すには、脅迫事件の解決に強い弁護士を選ぶ必要があります。
ここでは、脅迫事件を相談すべき弁護士の特徴を3つに絞り、解説します。
(1)脅迫事件の解決実績がある弁護士
脅迫事件で弁護士に相談する場合、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士を選ぶと良いでしょう。
弁護士には取り扱い分野があるため、刑事弁護を依頼するなら、刑事事件に強い弁護士を選ぶことが重要です。
脅迫事件の解決実績の有無については、弁護士事務所のホームページで確認できる場合もあります。
示談成立や不起訴となった実績が掲載されていれば、その弁護士事務所には、脅迫事件の解決ノウハウがあると分かります。
以下は、過去に、アトム法律事務所があつかった脅迫事件の一例です。
元交際相手への脅迫事件(不起訴処分)
元交際相手とのトラブルで、無料通話アプリLINEを用いて「殺すぞ」などといった内容の文章を送信したとされた脅迫の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結。不起訴処分となった。
示談の有無
あり
最終処分
不起訴
過去に、アトム法律事務所であつかった脅迫事件については、これだけでありません。
『脅迫事件の事案をみる』のページでは、過去の取り扱い事件をプライバシーに配慮したかたちでご紹介していますので、あわせてご確認ください。
(2)迅速な対応ができる弁護士
脅迫事件で逮捕・勾留されれば、長期間の身体拘束が余儀なくされます。
しかし、弁護活動の初動が迅速であれば、逮捕されても勾留請求や勾留決定を阻止して早期釈放される可能性が高まります。
また、起訴が決まる前に検察官を説得する、量刑が決まる前に裁判官を説得するなど、刑事事件にはタイムリミットがつきものです。
そのため、状況に応じた迅速な対応ができる弁護士であれば、脅迫事件の解決を安心して任せることができます。
まずは、逮捕後、すみやかに接見してくれる弁護士を探してみましょう。
アトム法律事務所は設立当初から刑事事件をあつかってきた実績がある法律事務所で、弁護士による「初回接見サービス」も実施中です。警察介入事件や逮捕・勾留事件では、弁護士の相談料が初回30分無料なので、まずは気軽にお問い合わせください。
(3)誠実に解決してくれる弁護士
脅迫事件の早期解決のためには、脅迫事件を誠実に解決してくれる弁護士を選ぶことも重要です。
依頼者の不安に寄り添い、親身にサポートしてくれる弁護士であれば、示談交渉や不起訴に向けた適切な対応が期待できます。
脅迫事件を誠実に解決してくれる弁護士なのかどうかを見極めるためには、弁護士の法律相談を受けてみたり、ホームページで弁護士の口コミ評判を確認してみたりする方法があります。
脅迫事件の弁護士費用
脅迫事件に強い弁護士を選ぶ際は、弁護士費用のことも考えなければなりません。
脅迫事件を扱う弁護士を探す場合、明瞭でわかりやすい弁護士費用を設定している弁護士をお選びください。
脅迫事件の弁護士費用とは
弁護士費用には、相談料、着手金、成功報酬、出張日当、実費などの項目があります。
脅迫事件の難易度や、弁護士事務所の料金体系により、弁護士費用は変わります。
項目 | 内容 | 例 |
---|---|---|
相談料 | 単発の弁護士相談でかかる費用 | 初回無料、1回1万円など |
着手金 | 正式依頼をするときにかかる費用 | 約30万円~80万円程度 |
成功報酬 | 弁護活動の成果に応じて支払う費用 | 約40万円~250万円程度 |
出張日当 | 示談、接見、裁判などへの出張日当 | 1回2万円、10分以内なら2万円など |
実費 | 切手代や事務手続きなどにかかる実費 | 実費相当分 |
弁護士費用の他にも、脅迫事件の解決には、被害者の方への示談金や慰謝料が必要になるケースが多いです。
安かろう悪かろうは避けたい一方、示談金や慰謝料も準備しなければならないので、ご自身がどのくらいのお金を弁護士費用にあてられるのかを十分に把握しておく必要があります。
そのため、最低限、明瞭でわかりやすい弁護士費用を設定している弁護士を選ぶ必要があるのです。
脅迫事件の弁護士費用の相場
脅迫事件の弁護士費用の相場は、一般的に100万円前後となることが多いです。
もっとも、脅迫事件の難易度や身柄拘束の期間、接見の回数などによっては、相場を超える金額が必要になる場合もあります。
脅迫事件の解決を弁護士に依頼する前には、しっかり弁護士費用を確認しておく必要があります。
脅迫事件の弁護士費用の確認方法
弁護士費用は、各弁護士事務所のホームページ上で公表されているとは思いますが、料金表の読み方が難しい場合も多いでしょう。
弁護士の無料相談を受ける機会があるなら、その際、弁護士費用の見積もりを出してもらうのがおすすめです。
アトム法律事務所の弁護士費用
アトム法律事務所の弁護士費用の目安を一覧表で紹介しますので、参考にご覧ください。
弁護士費用の内訳 | 金額(税込) |
---|---|
相談料 | 無料0円 ※初回30分・警察介入事件 |
着手金 | 44万円~ |
起訴による追加着手金 | 無料0円 |
成功報酬 | 11万円~ ※成果なければ0円 |
示談交渉 | 11万円~33万円 ※賠償、示談、宥恕(1名分) |
出張日当 | 所要時間に応じて2.2万円~ |
※上記はあくまで一例です。具体的な弁護士費用については、相談担当弁護士にご確認ください。
脅迫事件を弁護士に相談するメリット
(1)脅迫の示談を進めやすくなる
脅迫事件の解決を弁護士に相談・依頼した場合、脅迫の被害者との示談を進めやすくなるメリットがあります。
脅迫事件では、被害者と示談をすることで、事件の展開が大きく変わる可能性があります。
示談は、被害者の処罰感情の低下をあらわす事情になるので、刑事事件の処分をやわらげる方向に働くひとつの要素となります。
示談が脅迫事件に与える影響の例
- 捜査(逮捕・家宅捜索)を回避
- 早期釈放
- 不起訴
- 刑罰の軽減
しかし、示談をする上で気を付けなければならないのは、脅迫被害者の被害感情に最大限の配慮をしなければならないという点です。脅迫の被害者は恐怖心から加害者との接触は避けたいと考えているものです。
たとえ被害者の連絡先を知っていても、自分で示談をしようと連絡をすることは避けなければいけません。示談は弁護士に任せることが望ましいです。
早く示談をしたくても、被害者の連絡先がわからないケースもあるでしょう。弁護士であれば、捜査機関から被害者情報を取得し、被害者との接触を試みることができます。検察官は被害者に連絡をとり、弁護士限りで連絡先を開示してくれることがあります。
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(2)逮捕・勾留の回避、早期釈放
脅迫事件は、弁護士に相談・依頼することで、逮捕や勾留を回避したり、早期釈放が実現した利する可能性を高められるメリットがあります。
被害者が警察に脅迫の被害届を出す前に、示談をまとめることができれば、刑事事件化せず、逮捕・勾留を回避できる可能性があります。
また、被害届が出された後でも、あきらめる必要はありません。住居不定だったり、逃亡や証拠隠滅のおそれがなければ、逮捕・勾留はできません。
弁護士は、脅迫の件で逮捕・勾留の要件がないを、意見書や面談などの方法で、警察・検察・裁判官に訴えます。
どのような事情をどうやって主張すれば効果的なのかについて、刑事事件に詳しい弁護士は知っているので、積極的な弁護活動が期待できます。
逮捕・勾留の回避、早期釈放を目指せる事情
- 脅迫の被疑者が罪を認めている
- 被害者との示談が成立している
- 定職に就いている
- 家庭がある
- 介護が必要な家族がいる
etc.
(3)脅迫の取り調べ対応をアドバイス
脅迫事件を弁護士に相談・依頼すると、脅迫の取り調べ対応についてアドバイスがもらえるメリットがあります。
脅迫事件の取り調べを乗り切るには、取り調べの手の内を知っている刑事事件に詳しい弁護士にアドバイスをもらいましょう。
弁護士がいなければ、一人で取り調べに対応せねばなりません。
取り調べで話した内容は供述調書にまとめられることになるのですが、一度でも供述調書にサインしてしまうと後から内容を覆すことは難しいです。間違った取調べの対応をすればその後の処分を大きく左右することになるので、取り調べに向けた適切な対応が必要になります。
脅迫事件が在宅事件ですすんでいる場合は取り調べ前に注意すべきポイントをレクチャーしてくれますし、逮捕・勾留されている場合は弁護士が接見に向かい、不利な取り調べを受けていないか確認して対応方法についてアドバイスがもらえるでしょう。
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(4)脅迫事件の不起訴を目指せる
脅迫事件を弁護士に相談・依頼するメリットは、不起訴の可能性を高められる点にもあります。
脅迫事件で不起訴処分の可能性を高めるには、弁護士から検察官に対して不起訴が相当である点を丁寧に伝えていかねばなりません。
具体的には、示談が成立していれば、示談によって相手の被害感情がおさまったことを検察官に報告します。検察官は加害者の刑事処分を検討する上で、被害者の感情を重視するからです。被害者が加害者の謝罪を受け入れ、加害者を許しているという事情は、不起訴処分の可能性を高めるでしょう。
あわせて、示談で被害者に支払った示談金(慰謝料)の額を伝え、賠償を尽くしている点をアピールします。さらに、脅迫に至った動機や行為態様、被害者に対して真摯な謝罪を行っていること、深く反省している様子なども検察官に伝えます。これらも、刑事処分を決める際に考慮されるからです。
不起訴となれば前科がつくことはないので、不起訴処分を獲得できるかは非常に重要になってきます。
(5)脅迫事件の刑罰の軽減を目指せる
脅迫事件を弁護士に相談・依頼するメリットは、裁判で刑罰の軽減の可能性を高められる点にもあります。
脅迫罪の刑罰は、懲役刑なら下限は1ヶ月、上限は2年となり、執行猶予が付く可能性もあります。罰金刑なら、下限は1万円、上限は30万円です。
刑罰は、犯行の悪質性、結果の重大性、犯行動機、犯行後の情況などを考慮して、裁判官が決めます。
脅迫の加害者にとって有利な事情をできるだけ多く見つけ、裁判官を説得できれば、刑罰を下限に近づけることができます。
ただし、何が有利な事情なのか、法律の専門家でなければ把握することは難しいでしょう。そのため、弁護士が必要なのです。
刑罰の軽減のための弁護活動
- 示談の内容、示談金・慰謝料の金額
- 示談交渉の経過
- 謝罪文・反省文
- 家族の誓約書
etc.
なお、起訴後も勾留が続いている場合は、保釈申請を行い、刑事裁判がはじまるまで身体拘束から解放されように動いてもくれるでしょう。
脅迫罪でよくある質問
一般に「脅迫」とは、相手を脅すことです。
ただ、刑法上は、脅迫がおこなわれる場面によって、成立する犯罪が変わってきます。
ここでは、脅迫罪と恐喝罪、強要罪の違いについて説明します。
Q.脅迫罪と恐喝罪の違いは?
恐喝罪は、暴行や脅迫などの手段を用いて被害者に財産を交付させたり、財産上不法の利益を得たりする犯罪です(刑法249条)。
恐喝罪の法定刑は、1ヶ月以上10年以下の懲役です。恐喝罪は、未遂犯も処罰されます。
脅迫罪と恐喝罪が決定的に違うのは、脅迫は言葉で脅すのにとどまる一方、恐喝罪は財産を巻き上げるところまでいく点です。
たとえば、不倫相手との別れ話がこじれて、相手に「不倫を会社にバラす」と言ったとしましょう。この言葉は、名誉への害悪の告知といえ「脅迫」になる可能性があります。
そして、さらに「不倫を会社にバラされたくなければ慰謝料1億払え」と言ったとします。ここまでくると「脅迫」を通り過ぎて、「恐喝」になる可能性が高いです。
脅迫罪 | 恐喝罪 | |
---|---|---|
行為 | 脅迫する | 脅迫してお金を巻き上げる |
刑罰 | 懲役2年以下 または 罰金30万円以下 | 懲役10年以下 |
未遂 | なし | あり |
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Q.脅迫罪と強要罪の違いは?
強要罪は、被害者や親族の生命・身体・財産などに危害を加えることを告知し、被害者に義務のない行為を行わせる犯罪です。権利の行使を妨害した場合にも強要罪が成立します(刑法223条)。
害悪の告知だけなら脅迫罪が成立し、その上で義務のない行為をさせたり権利行使を妨害したりすると強要罪が成立します。
強要罪の刑罰は3年以下の懲役と重く、未遂罪がある点でも脅迫罪とは異なります。
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脅迫事件の早期解決に向けてアトムの弁護士に相談
脅迫事件の早期解決を希望する場合は、刑事事件の解決実績が豊富なアトム法律事務所にご相談ください。
本人が逮捕された場合の家族へのアドバイス、そもそも脅迫事件で逮捕を回避する活動など、様々な局面で弁護士はサポートすることができます。
不起訴獲得に向け、被害者と示談をするにあたっては、繊細な交渉を展開することになります。刑事事件の示談交渉を数多く経験している弁護士であれば、被害者の心情を正確に理解した示談交渉が可能です。
また、刑事事件に精通したアトムの弁護士は、警察や裁判対応だけでなく、ご家族が直面する現実の問題についても熟知しています。
職場や学校への対応など、本人の周辺関係者への説明も含め、弁護士に相談しながら進めていきましょう。