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息子がシンナーで逮捕されたら|薬物犯罪に詳しい弁護士解説

シンナーで逮捕

息子がシンナーで逮捕されたら、このあとどうなってしまうのか不安になることでしょう。逮捕という緊急事態だからこそ、落ち着いて、まずは正しい情報を得て今後の動きを考えていくことが大切です。シンナーの犯罪は決して軽いものではありません。また、身体への悪影響を考えると、早く治療をしなければ心身の成長に大きな妨げとなります。

シンナーは薬物事件の一種です。薬物事件に詳しい弁護士に相談し、家族に何ができるかを検討していきましょう。

なお、当記事で記載の未成年(少年)とは20歳未満の少年のことであり、成人とは20歳以上の者を指しています。民法上の成人(民法第4条)とは異なるものです。

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シンナーで逮捕されたら懲役刑?罰金刑?

シンナーの罪とは|吸入・吸入目的所持・譲渡など

シンナーは、有機溶剤としての用途があり、適切に使用すれば犯罪にはなりません。シンナーの濫用は昭和40年代から始まったといわれており、毒物及び劇物取締法には吸入を禁止する規定が置かれるようになりました。シンナーは、吸入、吸入目的所持、吸入目的であることを知って譲渡するなどの行為が禁止されています。

シンナーを吸入したり、吸入目的で所持すると、「1年以下の懲役若しくは50万円以下の罰金又はこの併科」が罰則に用意されています。また、吸入目的であることを知ってシンナーを販売した場合の罰則は、「2年以下の懲役若しくは100万円以下の罰金又はこの併科」となるのです。

シンナーで逮捕されるケースとは|少年事件と刑事事件

シンナーは、容易に入手することができる薬物であるため、未成年者でも犯行に及びやすいという特徴があります。もちろん、成人がシンナーを吸引したとして逮捕されている事例もありますので、未成年者しか逮捕されていないというわけではありません。20歳未満の者がシンナーを吸入したり吸入目的で所持しているときには、少年事件となります。

未成年者でも犯罪を行えば逮捕される可能性があり、「まだ子供だから警察に注意されて終わる」という考えは誤っています。未成年者でも成人でも、逮捕されると一定期間は誰とも面会はできなくなります。家族であっても面会できず、外部との連絡が一切断たれた状態で警察の取り調べを受けなければなりません。このとき、唯一、弁護士だけが面会(接見)を許されていますので、弁護士にサポートを求めることが大切になります。

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シンナーで逮捕されると前科がつく?

シンナーで逮捕されると、逮捕に続いて勾留という身体拘束の段階に入る可能性があります。勾留されると、最初は10日間帰ることができません。そして、勾留は延長されると、さらに最大10日間の拘束が行われます。勾留の満期になると、検察官による刑事処分が行われます。起訴するか、不起訴にするかがはっきりするのです。

起訴されると刑事裁判を受ける流れになります。そして、裁判で判決が出され、それが確定すれば前科がつくことになります。もし、起訴されず不起訴となれば、刑事裁判は受けないため、前科もつきません。

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未成年の子供がシンナーで逮捕されたらすべきこと

①弁護士に面会に行ってもらう(初回接見)

シンナー吸入で未成年の息子・娘が逮捕されたとなれば、まず親がしなければならないことは、弁護士への相談です。警察からは事件の詳細まで聞かされないことがあり、事実を本人に確認しなければ見えない部分も多いものです。しかし、逮捕直後は家族であっても本人に面会することが許されません。

逮捕直後は弁護士に依頼し、まず初回接見という弁護士面会にいってもらうことがおすすめです。弁護士に事実を確認してきてもらうことと、本人に対してのアドバイスをしてもらってください。弁護士面会であれば、時間に関係なく必要な限り面会することが可能です。

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②逮捕後は釈放に向けて準備をととのえる

次に、釈放を目指すことを考えましょう。逮捕後、どの段階で釈放が現実的になるかは、法的視点で判断する必要があります。弁護士に意見を聞きながら、最短で釈放を目指すには何が必要か、準備を整えることが大切です。シンナー事件は薬物事件の一種です。釈放されるためには、監督環境がしっかり整っていることが最低限必要になりますので、弁護士の指示に従い生活環境を整備するようにしましょう。

また、子供がシンナーを入手した経路として先輩や友達が関係していることも考えられます。共犯者がいる場合には、なおさら家族の監督能力が厳しく見られるでしょう。事件の内容に応じて、どのような生活環境にすべきかを検討する必要がありますので、専門家である弁護士に指示を仰ぐことをおすすめします。

③少年審判を回避する

未成年がシンナー吸入で逮捕された場合、最終的に少年事件は少年審判をするかどうかが検討されます。弁護士は、審判にならないよう裁判官に働きかけますが、その際、更生計画が具体的になっているか、監督環境は十分であるかが重要なポイントです。

少年事件で審判を回避するには、家族の協力だけでは不十分なケースも多く、特にシンナーの事件では薬物依存から脱するために医療機関のサポートに必須になります。また、カウンセリングによって内面的な部分でのケアをしたり、学校や職場の連携も必要です。弁護士にアドバイスをもらいつつ、一つ一つの環境を整えて審判不開始を獲得しましょう。

シンナーで逮捕されたら薬物に詳しい弁護士に相談を

シンナー事件はスピードが重要|体調・健康面に配慮する

家族がシンナー吸入や吸入目的所持で逮捕されたときは、まず弁護士に声をかけることが大切です。逮捕後の流れは極めて速く、あっという間に勾留期間に入ってしまいます。本人の体調や健康障害にもすぐに対応しなければならないため、初動は早い方が望ましいです。

特に未成年など若年の子供が逮捕されたとなると、刑事上の手続のことも心配ですが、早く治療などの適切な処置をしなければ重篤な健康障害を引き起こす危険があります。逮捕されると警察でも健康状態の確認は行われますが、警察が同時に複数人の被疑者を見ているため、重大な健康上のサインが見落とされる可能性も否定できません。弁護士との面会では本人と一対一で向き合うため、本人の些細な変化にも気付きやすいものです。シンナーが未成年の身体に与える影響は甚大であり、すぐに治療を開始する必要性が高いです。

社会復帰まで見据えた弁護活動が必要

シンナーで逮捕された場合、警察が公表したり、報道機関がニュースで報じることがあります。そうなると、瞬く間に事件がネット上で拡散されます。成人事件の場合には、実名報道されることもよくあり、名前が出ることによる弊害は本人だけでなくその家族にまで及んでしまうでしょう。

刑事事件という側面だけでなく、社会復帰まで見据えたときに、本人をとりまく周囲の環境やネットの対応を含めて弁護士に相談することが大切です。刑事事件に詳しい弁護士であれば、本人や家族の「これから」についてもアドバイスをしてくれるでしょう。

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家族にできることは「今、電話すること」

大切な家族がシンナーで逮捕されたと聞いたとき、多くの人は動揺してどこに相談してよいかわからなくなると思います。警察に連絡して詳細情報を得ようとする人もいます。警察もまだ取調べが進んでいない状況下ではわからないことが多く、正確な情報を得ることは難しいでしょう。

家族がまずすべきことは、弁護士への相談です。弁護士を探したり、問合せの電話を一本入れることが、実は一番重要なことです。一刻を争う刑事事件ですので、逮捕されたことがわかったら、すぐに弁護士までご相談されることをおすすめします。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了