
「痴漢をした後に現場から逃走してしまった」
「痴漢を疑われてパニックになって逃げてしまった」
痴漢事件で逃走してしまい、「これから逮捕されるか不安」「警察から呼び出しを受けたらどうしよう」といったお悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。
痴漢で逃走してしまうと、捜査が進んで逮捕されたり、反省の余地がないと判断され、刑事裁判で重い刑罰が科されたりする可能性があります。
犯行後に逃げてしまったことへの引け目があるかもしれませんが、刑事事件はどれだけ早く被害者対応を行うかが重要です。痴漢の事実がない場合は、弁護士に相談して、今後の方針を立てましょう。

※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
痴漢で逃走すると刑罰は重くなる?
痴漢で逃走すると逮捕・勾留の可能性が高まる
痴漢をして、その後に逃走をすれば逮捕される可能性が高まります。捜査機関が逮捕を行うのは、逮捕の要件である「嫌疑の相当性」と「逮捕の必要性」が満たされている場合です。

嫌疑の相当性には、犯罪を行ったとされる防犯カメラの映像や指紋、DNA鑑定などの客観的な証拠が必要になります。
逮捕の必要性は「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」のどちらかが認められる場合です。今後、逃亡や証拠隠滅を防ぐために身体拘束をする必要性が高まります。
さらに、痴漢をして逃走すると、勾留という身柄拘束の可能性を高めてしまいます。痴漢後に逃走した犯人を在宅捜査にしたのでは、取調べで呼び出しても応じないことが予想されます。それでは捜査ができないため、勾留の必要性が増すのです。
勾留を決めるのは裁判官です。犯行後の対応から「逃亡のおそれがある」と裁判官が認めれば、勾留が決定されます。
関連記事
・勾留とは何か。勾留手続きや拘留との違いは?早期釈放を実現する方法
痴漢で逃走すると保釈も難しくなる
検察官が痴漢の被疑者を起訴した場合、被疑者は被告人に立場が変わります。そして、起訴後は刑事裁判に向けた準備をしていくこととなります。
起訴されると、保釈という手続で釈放を求められますが、保釈が許可されるためにも、逃亡のおそれが無いことが重要です。
痴漢行為後に逃走した場合、保釈が認められにくくなります。犯行後の状況を含めて保釈を検討するため、逃走が不利な事情として把握されてしまうのです。
痴漢で逃走すると刑罰が重くなりやすい
痴漢行為は原則、各都道府県の迷惑防止条例で処罰されます。例えば東京都の条例では「6か月以下の懲役又は50万円以下の罰金」が非常習の痴漢行為の罰則です。
痴漢で逃走したという事情は、「被害者に対して謝罪や反省をせず、刑罰から逃れようとしている」と理解され、重い処分になる可能性があります。罰金30万円で済むところが、罰金50万円になったり、公訴が提起されるという可能性も否定できません。
特に痴漢は、被害者に大きな精神的苦痛を与えたり性的羞恥心を害したりする犯罪です。痴漢後に逃走することは犯罪の悪質性を高めることになるため、刑を重くすることにつながります。
逃走という行為は被疑者の内面を表すものであり、反省せず罪を逃れようとする犯人には厳しい刑罰が検討されます。
関連記事
【まとめ】逃走あり・なしの違い
項目 | 逃走なし | 逃走あり |
---|---|---|
逮捕の可能性 | 低い | 高い |
勾留の可能性 | 低くなる | 高い |
保釈の認容性(起訴後) | 認められる可能性あり | 却下されやすい |
刑罰の重さへの影響 | 反省の意思が評価される可能性 | 反省の意思がないとされ、刑が重くなりやすい |
痴漢を疑われたときに逃げてはいけない理由
大けがや死亡事故につながる
痴漢行為が発覚して逃げようとすると、自分自身が大けがを負ったり、命を落としたりする危険があります。
実際に、線路に逃げて電車にはねられたり、駅員室の窓から飛び降りて死亡するなどの事故が発生しています。慌てて逃走することで、最悪の事態を招いてしまうおそれがあるのです。
痴漢以外の犯罪が成立するリスク
痴漢で逃走しても、逃走行為自体は犯罪になりません。しかし逃走中、通行人にぶつかってけがをさせると傷害罪、線路に入って逃走すると鉄道営業法違反や威力業務妨害罪に問われる可能性があります。
痴漢で逃走して、痴漢以外の犯罪が成立してしまうと、痴漢行為の処罰規定である各都道府県の迷惑防止条例よりも重い刑罰が科されるリスクが高くなります。
痴漢の逃走で成立する可能性がある罪
行為内容 | 成立しうる罪 | 法定刑の例 |
---|---|---|
駅のホームから線路に立ち入って逃走 | 鉄道営業法違反 | 1000円以上1万円未満の科料 |
駅員や周囲の人を突き飛ばしてけがをさせた | 傷害罪(刑法204条) | 15年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
線路上の逃走で鉄道業務を妨害 | 威力業務妨害罪(刑法234条) | 3年以下の懲役または50万円以下の罰金 |
痴漢冤罪の場合に逃げると犯人だと誤解される
もし、痴漢が冤罪であった場合はどうでしょうか。冤罪の場合には「自分は何もしていないのでその場から逃げても問題ない」と考える人もいるでしょう。
しかし、冤罪をかけられている状況で逃走すると、刑罰から逃れるために逃げたのだと誤解され、逮捕の可能性を高めてしまいます。
そこで、自分が冤罪だと主張するためには、「逃走するわけではない」ということを示すために、自分の連絡先や名刺を被害者に渡し、いつでも連絡がとれることを示してその場を立ち去ることが望ましいです。
特に、電車内や駅構内での痴漢の場合、冤罪だとしても駅員室に連れて行かれるとそのまま逮捕される可能性があるため、いったんその場を立ち去る必要があります。冷静に行動することを心がけ、焦って反対に疑いが深まらないように気を付けましょう。
関連記事
痴漢で逃走した場合でも示談は重要
逃走しても被害者対応は誠実に|示談の重要性
痴漢で逃走してしまった場合、できるだけ早く被害者と示談をして解決を図ることが大切です。
もちろん、犯行後に逃走している手前、被害者に謝罪を受け入れてもらえない可能性は高いです。しかし、痴漢事件の刑事処分は被害者対応こそがすべてといっても過言ではないため、示談を諦めてはいけません。
被害者に謝罪をして示談を申し入れるときには、自身で交渉することもできますが、弁護士に交渉を依頼することをおすすめします。
痴漢の被害者としては加害者と直接話し合うことを拒む傾向が多いです。さらには犯行後に逃走しているという事実もあるため、通常よりも難しい示談になります。
被害者に謝罪の意思を正確に伝えるためにも、刑事事件の示談交渉に精通している弁護士に相談してください。
痴漢で不起訴を目指すには|前科を回避する方法
起訴・不起訴の判断は、検察官が行います。起訴されるとその後は刑事裁判を受ける流れになります。有罪判決が言い渡されて、それが確定すれば前科がつきます。
検察官の処分が不起訴であれば、前科を付けずに事件を終了させることが可能です。つまり、痴漢事件で不起訴処分を目指すことは、今後の社会生活を送るうえで不利益を最小化するという意味で重要だといえます。
痴漢事件で不起訴を目指すためには、被害者に対していかに誠実な対応をするかが鍵になります。事件から時間が経てば経つほど、謝罪や示談交渉の難易度があがるため、事件の後はできるかぎり早く弁護士に対応を依頼することが望ましいです。
痴漢で逃走してしまったらすぐ弁護士に相談を
「逃走」は不利に働く|挽回する方法は?
痴漢事件を起こして逃走すると、刑事処分に不利に働きます。犯罪事実を認める場合には、まず被疑者本人が反省し、謝罪の意思をもっていることが刑を軽くするための最低限の条件となるでしょう。
その上で、迅速かつ適切な方法で被害者への慰謝料の支払いを行い、被害者から宥恕(「許す」という意味)を得ることができれば、不利な状況を挽回することができます。
逃走したという事実をなかったことにすることはできません。しかし、その後の対応として、すぐに弁護士に相談し、被害者対応や警察対応を適切に行うことができれば、逃走したことによるマイナスの影響を小さくすることができます。
「逃走したからもうダメだ」と諦めるのではなく、挽回したいと思ったときには、ただちに弁護士にご相談ください。
痴漢の被害者対応は弁護士にまかせる
被疑者対応を自分で行うことは被害者の感情を逆なでしたり、不快感を増幅させるおそれがあります。通常、被害者は犯人と顔を合わせたり接触することを避けたいと考えるものです。被害者の中には、事件当時の恐怖感や不快感がよみがえり、トラウマになっている方もいます。
「謝罪がしたい」「示談金を払いたい」という態度は被疑者の一方的な都合を表しており、示談決裂の原因になりかねません。
示談交渉は弁護士に任せていただくことが望ましいです。

弁護士であれば、第三者的な立場で被害者と話をすることができます。弁護士は高度な倫理意識を求められる職業ですので、一方に偏った味方ではなく、被害者の心情や被害感情慰謝のために必要なことを検討することができます。
関連記事
アトムの解決事例(痴漢で逃走したが示談締結で不起訴獲得)
駅のホームにおいて、被害者女性の臀部を服の上から触る痴漢行為を行ったとされるケース。当日、依頼者は逃走したものの数か月後に防犯カメラとICカード履歴から身元を特定された迷惑防止条例違反の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。
アトムの解決事例(痴漢で逃走したが示談締結で不起訴獲得)
電車内において、被害者女性のスカートや下着の中に手を入れたとされる痴漢事案。駅員室に連行される際に逃走するも、後のことが心配になり弁護士に相談するに至った。後に迷惑防止条例違反として検挙された。
弁護活動の成果
警察への出頭に同行し身柄拘束をしないよう要請したところ在宅事件となった。被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結し不起訴処分となった。
痴漢事件で不安がある方はアトムの弁護士に相談を
痴漢事件を起こし、この先逮捕されてしまうのか、逃走したことがどう影響してくるかが不安だという方は、まずアトム法律事務所までお問い合わせください。
アトム法律事務所は、事務所開設当初から一貫して刑事事件に力を入れています。刑事事件に関する様々なお問い合わせに対応してきましたが、中でも痴漢事件のご相談は群を抜いて多い犯罪類型です。
逃走という事実があったにしても、早めにご相談されることで不利な状況を挽回し、不起訴を獲得できるケースもあります。また、罰金刑で済み、公開の法廷で裁判を受けずに事件を終了させるという結果もありえます。
痴漢事件でお悩みの方は、痴漢対応の実績豊富なアトム法律事務所まで、ご相談ください。
ご依頼者様からのお手紙・口コミ評判
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
心強い励ましと、大変良くしてもらったことを忘れません。

事件が発生した初期の段階からお世話になりました。初めての事ばかりの中、心強く励ましていただき感謝しています。そもそも加害者という立場となったことは自らの不徳以外の何物でもないのですが、不当に罰が重くならないようなアドバイスをいただくことができました。今後、先生のお世話になるようなことは決してあってはならないですが、大変よくしていただいた事は忘れません。ありがとうございました。
検察への働きかけや職場対応により職場での立場が回復しました。

この度は、野尻先生には、本当にお世話になりました。勾留請求却下、嫌疑不十分以上での不起訴の獲得のため、色々な事をして頂きました。検察への働きかけはもちろんのこと、私が職場において不利益を被ることがないように意見書の作成もして頂きました。おかげさまで、逮捕され捜査対応となったことにより存在した偏見の目がなくなり、職場での立場も回復しました。今後も大変な案件はたくさんあると思いますが今後とも野尻先生の御活躍を祈念させて頂きます。本当にお世話になりました。ありがとうございました。
アトム法律事務所では、警察が介入した事件で初回30分の無料相談を実施中です。
- 痴漢の容疑をかけられ警察から取り調べを受けた
- やってもいない痴漢の件で警察から呼び出しを受けている
無料相談をご希望の場合は、受付窓口から相談予約をお取りください。受付窓口は24時間365日いつでもつながります。お気軽にお問い合わせください。
関連記事