2023年7月13日以降の事件は「撮影罪」に問われます。
「盗撮について警察の捜査を受けたらどうなるの?」
「盗撮で警察に検挙される流れを知りたい!」
この記事では盗撮事件について警察の捜査を受けそうな方、受けてしまっている方に向けて、警察の捜査の流れや警察沙汰になったときの対処法などを解説しています。
盗撮で警察に通報された後の流れ
現場で捕まった場合(逮捕なし)
盗撮の多くは犯行現場で被害者や目撃者に取り押さえられることで捕まります。
例えば駅や電車での盗撮の場合、通常現場で取り押えられた後は駅員によって駅員室に連れていかれ、警察を呼ばれます。
その後、現場に駆け付けた警察官は被疑者(盗撮を行ったとされる人)を警察署へ連行します。
盗撮に使用したスマホ等は捜査のために警察官に預けることになります。また被疑者本人は取調室で警察官から取り調べを受けることになります。
逮捕が行われない場合、警察官はその日のうちに被疑者の家族などに連絡し被疑者を迎えに来てもらいます。
被疑者は、家族など迎えの人と同行の上で身柄を解放され、以降は在宅で普段通りの生活を送りつつ取調べなどを受けることになります。
捜査を継続するうち、警察官は検察官に事件を送り共同で捜査を行います。
最終的には検察官が裁判を提起するか(起訴)、裁判を起こさず事件終了とするか(不起訴)を判断します。
この判断までには数か月から場合によっては1年以上の時間がかかります。
現場で捕まった場合(逮捕あり)
現場で捕まった盗撮事件において逮捕が行われる場合、警察署に連行されるまでの流れは逮捕なしの場合と同じですが、その後の流れは大きく異なります。
まず逮捕が行われる場合、警察署に連れて行かれた後、しばらくは外に出ることが叶いません。
被疑者は警察署内の留置場に起訴されるまで最大で23日間、身体拘束されることになります。
逮捕後は多くの場合で勾留請求という手続きが行われます。勾留とは逮捕に引き続き被疑者を身体拘束する手続きです。
警察官は逮捕後48時間以内に検察官に事件を送ります。
その後、身体拘束を継続したいと検察官が判断した場合、24時間以内に勾留請求が行われます。
勾留が認められた場合には、その後起訴されるまで最大で20日間身体拘束が継続します。被疑者は逮捕から起訴されるまでの23日のあいだ、警察署内の留置場に寝泊まりしながら適宜、警察官からの取調べを受けることになるわけです。
勾留期間満了までに、検察官による起訴・不起訴の判断が行われます。起訴されれば原則裁判が開廷されることになり、不起訴となれば身体拘束から解放されて事件も終了となります。
なお、勾留請求されなかった場合や勾留が認められなかった場合には、すぐに身体拘束から解放されて、その後は逮捕されない在宅事件と同じように、通常の生活を送りながら適宜取調べを受けることになります。
被害届などから後日捕まった場合
盗撮事件では、現場で取り押えられなかった場合であっても、監視カメラの映像などから捜査が行われ検挙されることがあります。
このような場合、警察は被疑者の身元が判明した後、被疑者の自宅に朝早く訪問し警察署に連行します。
多くの場合、家宅捜索も同時に行われ、スマホや自宅パソコンなどが押収されます。
警察署に連行された後の流れは、犯行現場で捕まった場合とほぼ同じです。逮捕が行われない場合は自宅に帰されて捜査を受けることになり、逮捕が行われた場合は最大で23日間、身体拘束が継続します。
盗撮で警察沙汰になったときの対処法
逮捕・勾留を回避したい場合
盗撮をしてしまい警察に検挙されると、場合によっては逮捕されて長期間警察署内に身体拘束されてしまうおそれがあります。
この点、弁護士に依頼すれば逮捕や勾留を回避できる可能性が上がります。
逮捕や勾留は『逃亡の恐れがある』『証拠隠滅のおそれがある』といった場合に行われる手続きです。
弁護士に依頼したという事実だけでも、捜査機関側からのこういった懸念をある程度抑えることができます。
また、弁護士は『逃亡のおそれ』『証拠隠滅のおそれ』を否定する事実を警察官、検察官、裁判官に意見書として提示できます。
捜査機関は被疑者本人からの主張をあまり真剣には取り合ってくれません。弁護士に依頼した上で法的な根拠を持って主張することで逮捕・勾留回避の可能性をあげることができます。
不起訴処分で前科がつくのを回避したい場合
盗撮で警察沙汰になった場合、前科がつくのは不可避であると考えている方が多いかもしれません。
しかし刑事事件は不起訴によって事件終了となるケースも多く、警察の捜査を受けたからと言って必ずしも有罪判決を受けることになるわけではありません。
不起訴処分の獲得には被害者との示談締結が重要です。
示談とは被害者の方との話し合いを通じて賠償金を支払い、民事的な賠償責任を解消する手続きです。
被害者の方との示談締結には実務上、弁護士への依頼が必要です。
警察は被疑者本人にはほとんど被害者の個人情報を教えないため、弁護士を通じたコンタクトが必須となります。
盗撮で警察沙汰になりお悩みの方は、一度弁護士に相談して不起訴処分の獲得を目指しましょう。