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覚醒剤取締法違反で有罪になったら懲役何年?|逮捕のきっかけは?

覚醒剤取締法違反で有罪となる人は後を絶ちません。しかも、覚醒剤は非常に依存性が高く、何度も懲役刑を言い渡される人も多くいます。執行猶予を得られるのは、初犯で所持量が少ない場合などに限られます。その後は犯罪を繰り返す度に刑期が重くなります。

この記事では、最初に覚醒剤取締法違反の内容、逮捕のきっかけについて説明します。次に、気になる懲役の長さと一部執行猶予について詳しく解説します。

なお、「覚せい剤取締法」は2020年4月1日より「覚醒剤取締法」に改正されました。

覚醒剤取締法違反ってどんな犯罪?

「覚醒剤」という言葉自体はよく聞きますが、具体的にどのような薬物を指すのかご存知ですか?ここでは、覚醒剤の定義と犯罪行為の内容、そして刑罰の重さについてご説明します。

覚醒剤ってそもそも何?

覚醒剤に関する取り扱いは、覚醒剤取締法によって厳しく規制されています。この法律でいう「覚醒剤」とは、以下のものを指します。

①フェニルアミノプロパン、フェニルメチルアミノプロパン及び各その塩類

②①で掲げる物と同種の覚醒剤作用を有する物であって政令で指定するもの

③①及び②のいずれかを含有するもの

これらの薬物は、シャブ、スピード、アイスなどの通称で呼ばれることもあります。覚醒剤の常習者や売人はビニール袋を加工して作ったパケという小さい袋に覚醒剤を小分けにしていることが多いです。

覚醒剤取締法違反の刑罰の重さは?

覚醒剤取締法では、以下の行為が処罰対象として規定されています。実務上、所持と使用で処罰されることが多いです。

①所持

覚醒剤取締法上の「所持」とは、物を管理できる状態にあることです。覚醒剤を携帯している場合はもちろん、自宅や自動車に隠している場合や他人に預けている場合も所持に当たる可能性があります。

営利目的外所持の刑罰は、10年以下の懲役です(覚醒剤取締法41条の2第1項)。営利目的所持の場合は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処せられます(同条2項)。

②使用

覚醒剤取締法上の「使用」とは、覚醒剤をその用法に従って用いる一切の行為をいいます。自分自身で注射する方法が典型的ですが、炙って吸引する行為も使用に当たります。また、他人に注射することも、他人に注射してもらうことも使用に該当する可能性があります。

営利目的外使用の刑罰は、10年以下の懲役です(覚醒剤取締法41条の3第1項1号、19条)。営利目的使用の場合は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処せられます(覚せい剤取締法41条の3第2項)。

③譲渡、譲受

営利目的外の譲渡または譲受の刑罰は、10年以下の懲役です(覚醒剤取締法41条の2第1項)。

営利目的の譲渡または譲受の場合は、1年以上の有期懲役、又は情状により1年以上の有期懲役及び500万円以下の罰金に処せられます(同条2項)。

④輸入、輸出、製造

覚醒剤を、日本もしくは外国に輸入し、日本もしくは外国から輸出し、または製造した場合1年以上の有期懲役に処せられます(覚醒剤取締法41条1項)。

営利目的で輸入、輸出、または製造した場合は、無期もしくは3年以上の懲役に処せられます。または、情状により無期もしくは3年以上の懲役及び1000万円以下の罰金に処せられます(同条2項)。

最近では、航空機旅客による覚醒剤をはじめとした違法薬物の密輸入が増えています。海外からの違法薬物の密輸に関わった場合、覚醒剤取締法上の輸入罪や関税法違反の罪に問われるおそれがあります。甘い気持ちで誘いに乗らないよう十分注意しましょう。

覚醒剤取締法違反で逮捕されるきっかけ

覚醒剤事件は、現行犯逮捕される場合がほとんどです。または、共犯者の供述などから仲間が特定され、後日、令状に基づく通常逮捕されることもあります。

現行犯逮捕されるケース

警察は路上や車内で挙動が不審な者を発見すると、職務質問を行います。その際、所持品検査を行い、不審な物を発見した場合は覚醒剤の予試験や尿の簡易検査が実施されることがあります。その結果、陽性反応が出ると現行犯逮捕される流れとなります。

または、警察が自宅にやってきて捜索差押令状に基づく家宅捜索がされることもあります。その際、不審な粉末などが発見されると、簡易検査または尿検査が実施されます。そして、陽性反応が出ると現行犯逮捕される流れとなります。

通常逮捕されるケース

覚醒剤の密売人による供述や携帯電話の受発信履歴、または宅配便の配達記録などから被疑者が特定されるケースもあります。この場合、逮捕令状に基づき通常逮捕される流れになります。

弁護士に依頼して取調べのアドバイスを受けよう

逮捕されると警察で取調べを受けます。取調べでは一人で取調官と向き合うことになります。

何をどう話せば自分に有利になるのか全くわからないまま、取調べのプロである警察官と向き合うのは精神的に厳しいものがあります。

これを乗り切るためには、弁護士に早期に依頼し取調べの対応法についてアドバイスを受けることをおすすめします。

なお、逮捕後は当番弁護士を呼べば1回無料で接見に来てくれます。しかし、当番弁護士を自分で選ぶことはできないため、刑事事件の経験豊富な弁護士が来てくれるとは限りません。また、国選弁護人は勾留されないと付きません。したがって、刑事事件に慣れた弁護士に一刻も早く接見してもらうには、私選弁護士を依頼しましょう

逮捕されたらずっと拘束されたままなの?

逮捕されると最寄りの警察署に連行され、取り調べが行われた後、留置場で生活することになります。逮捕からの身体拘束は最大72時間(3日間)、それに続く勾留は最大20日間続く可能性があります。覚醒剤事件は、共犯者との口裏合わせなどの危険から勾留されることが多いです。では、逮捕されてしまうとずっと身体拘束されたままなのでしょうか。

実は保釈が認められれば、釈放され日常生活を送ることが可能になります。保釈は、起訴後に申し立てることができます。

保釈が認められるのは簡単ではありません。しかし、初犯の場合、弁護士に依頼して証拠隠滅のおそれなどがないことを説得的に主張すれば、保釈が認められることが期待できます

保釈されると、病院や自助グループのプログラムに参加することもできます。保釈中に治療実績を積めば、更生の意欲があると裁判官にわかってもらうことにもつながります。早期に弁護士に依頼し、覚醒剤と完全に手を切るための土台をしっかりと築き上げていきましょう。

覚醒剤取締法違反は懲役何年?

覚醒剤事件を起こした場合、一番気になるのが「何年刑務所に行かないといけないのか」ということですよね。ここでは、初犯と再犯の場合に分けて量刑相場を解説します。また、意外と知られていない一部執行猶予制度についても詳しく説明します。

覚醒剤の初犯は懲役何年?

覚醒剤の使用や所持で有罪となった場合、初犯であれば懲役1年6月に執行猶予3年の判決を言い渡されることが多いようです。もっとも、これは使用量や所持量が少量のケースに限られます。所持量が多く、自己使用目的に疑いがあるケースなどでは初犯でも実刑になる可能性は高いです。

また、覚醒剤の譲渡や譲受の場合も、初犯であれば懲役1年6月に執行猶予3年の判決を言い渡されることが多いようです。ただし、営利目的譲渡の場合、初犯であっても実刑判決になる可能性が高いです。

覚醒剤の再犯は懲役何年?

覚醒剤の再犯を犯すと懲役何年になるのか気になりますよね。ここでいう「再犯」とは、刑法上の「再犯」とは異なり、再び犯罪を犯すことと定義して解説していきます。

なお、刑法上の「再犯」は、①懲役の執行が終わった日、または②懲役の執行の免除を得た日、これら①②の日の翌日から、5年以内にさらに罪を犯して有期懲役に処された場合を意味します(刑法56条1項)。

①執行猶予中の再犯の場合

執行猶予中に再び覚醒剤事件を起こしてしまった場合、次に掲げる3つの要件をすべて満たさない限り、実刑に処せられます。

要件①1年以下の懲役又は禁錮の言い渡しを受けること

要件②情状に特に酌量すべきものがあること

要件③前科について保護観察が付けられ、その期間内にさらに罪を犯した場合でないこと

覚醒剤事件で1年以下の懲役を言い渡される可能性は極めて低いので、要件①を満たす可能性はほぼないでしょう。

したがって、執行猶予中に覚醒剤事件を起こした場合、前刑と今回の刑を合わせた期間、懲役に行かなければならない可能性が非常に高いです。例えば、前刑で懲役1年6月執行猶予3年、今回懲役2年が言い渡された場合、3年6月の期間、懲役刑に処せられることになります。

②執行猶予後の再犯の場合

覚醒剤事件を繰り返す場合、社会内での更生は難しいと判断されやすいです。したがって、執行猶予後の再犯の場合、実刑判決が下される可能性が高いでしょう。その場合、2回目3回目だと懲役2年前後のことが多いようです。そして、回を増すごとに6月ずつ刑期が長くなることが一般的です。

もっとも、再犯の場合でも、判決から10年程度空けば執行猶予が付く可能性はゼロではありません。芸能人が覚醒剤所持で起訴された事件で、懲役1年6月、執行猶予3年の判決を言い渡され、その約10年後に再び同種事件で起訴され、懲役2年、執行猶予3年が言い渡されたケースがあります。

薬物法上の一部執行猶予って何?

平成28年から施行されている一部執行猶予制度についてご存知でしょうか。この制度は、例えば懲役2年6月のうち2年間は懲役に処せられるが、残り6月の執行は2年間猶予されるというものです。猶予期間中は必ず保護観察に付され、社会内で薬物再乱犯防止プログラムなどを受けます。

令和2年版犯罪白書によると、令和元年 に一部執行猶予付判決の言渡しを受けた人は1,363人でした。そのうち、覚醒剤取締法違反は1,230人(90.2%)と最も多くなっています。

覚醒剤取締法違反の場合、薬物法上の一部猶予制度が適用される可能性があります。その要件は次の3つです。

要件①刑法上の一部執行猶予の対象にならない者。つまり、初入者や準初入者にあたらない者(累犯者)(薬物法3条)

要件②刑法上の要件に加え、刑事施設における処遇に引き続き薬物依存の改善に資する社会内処遇を実施することが必要かつ、相当であること(薬物法3条)

要件③保護観察が必要的に付されること(薬物法4条1項)

全部執行猶予が法律上不可能または困難な場合でも、一部執行猶予が付される可能性はあります。弁護士に依頼の上、一部執行猶予によってどのような効果が期待できるか十分に説明を受けた上、この制度を活用することをおすすめします。

覚醒剤事件で起訴されたらどうすればいいの?

覚醒剤事件の裁判では、弁護士に依頼の上、再犯のおそれがないことを説得的に示すことが重要です。

まずは、なぜ覚醒剤を使用してしまったのか徹底的に考えることから始めましょう。そして、その原因を改善するための具体策を弁護士と共に探しましょう。考えを深めれば、被告人質問で反省の態度を裁判官にしっかりと伝えることにつながります。

さらに、覚醒剤に依存してしまっている状態を病気だと認識することも重要です。弁護士は、専門の治療機関や自助グループに関する情報を的確に提供します。回復プログラムへの参加やワークブックへの取組みなど、具体的な行動をとることもサポートします。

薬物からの脱却には家族の支援も重要です。弁護士は、家族にも覚醒剤の恐ろしさや治療の必要性を理解してもらうよう働きかけます。そして、裁判の中で、被告人を支えていくことを家族に証言してもらいます。

この他に、贖罪寄付も検討する場合があります。贖罪寄付とは、犯罪を行った者が、罪ほろぼしのために公的な団体に金員を寄付することです。たしかに、贖罪寄付が量刑上考慮されることは否定できません。しかし、覚醒剤と二度と関わらないという強い決意なしに贖罪寄付だけ行っても裁判官の心には何も響かないでしょう。大切なのは、覚醒剤仲間との関係を断ち切るなど具体的な行動を示すこと。その上で贖罪寄付を行うのであれば、反省の現れとして量刑上有利に考慮される可能性が高まります。

これらの弁護活動を通じ、弁護士は、被告人に再犯のおそれがないことをしっかりと主張していきます。

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