2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
- 未成年でも痴漢で逮捕される?
- 未成年の痴漢で前科はつく?
- 学校を退学になるリスクは?
ご本人が未成年の方はもちろん、お子さんの痴漢トラブルを知らされた保護者の方も、このような不安で頭がいっぱいになっていると思います。
まず、未成年の痴漢だからといって、必ず前科がついたり退学になるわけではありません。
しかし、対応を誤ると、退学・就職への影響など、将来に大きなダメージが残るおそれがあります。
この記事では、未成年の痴漢事件の逮捕の流れや学校への影響、逮捕・退学を避けるために弁護士ができることを、わかりやすく解説します。
なお、当記事で記載の未成年(少年)とは20歳未満の少年のことであり、成人とは20歳以上の者を指しています。民法上の成人(民法4条)とは異なるものです。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
未成年の痴漢事件は少年事件|前科はつく?
まず理解しておくべき大前提は、少年事件(少年法)の目的です。少年法では、20歳未満の人が起こした事件を「少年事件」とし、成人事件とは異なる手続きで扱います。
成人の事件は「犯した罪に対する刑罰」を与えることが目的ですが、少年事件は「少年の更生(立ち直り)」を目的としています。
成人の事件と少年事件の違い
| 成人の事件 | 少年事件 | |
|---|---|---|
| 目的 | 罪に対する「刑罰」を与える | 少年の「更生」を図る |
| 手続き | 起訴・裁判・判決 | 家裁送致・調査・審判 |
| 最終処分 | 罰金、拘禁刑など | 保護処分(保護観察、少年院送致など) |
また、未成年の痴漢事件であっても、年齢によってその後の流れや処分が変わってきます。
14歳未満(触法少年)と14歳以上(犯罪少年)の違い
(1)14歳未満の未成年者の場合
未成年の中でも、14歳未満の者は触法少年(しょくほうしょうねん)と呼ばれます。
14歳未満の未成年者である触法少年は、逮捕されたり、刑事処分を受けたりすることはありません。刑罰が科されないため、前科はつきません。
もっとも、家庭裁判所での「保護処分」を受ける可能性はあります。保護処分を受けても、それ自体は前科にはなりませんが、「非行歴」としては残ります。
(2)14歳以上20歳未満の未成年者の場合
14歳以上20歳未満の者が罪を犯した場合、「犯罪少年」と呼ばれます。痴漢行為があれば、逮捕されるおそれがあります。
警察での取り調べを受けたあと、事件は検察官を経て家庭裁判所に送られます。家庭裁判所では、少年の性格・生活環境などを調査したうえで審判を開くかどうか決めます。
通常の痴漢事件であれば、少年事件として保護処分にとどまるケースが多いです。保護処分だけであれば、前科はつきません。
未成年の痴漢事件で逮捕された後の流れ

(1)逮捕
14歳以上20歳未満の未成年者は、罪を犯すと、逮捕される可能性があります。逮捕されると長期間留置施設に身体拘束されるおそれがあります。
この期間が長引くと、学校を長期間欠席することになり、事件が発覚するリスクが高まります。
(2)勾留または観護措置
勾留請求が認められれば、未成年でも勾留されることになります。成人と同様に勾留期間は原則10日間で、場合によって勾留はさらに10日間以内の期間で延長される可能性もあるでしょう。
未成年の勾留は「やむを得ない場合」でなければならないとされています。そのため、原則は、観護措置がとられることになるでしょう。観護措置の期間は通常4週間(最大8週間)です。 約1か月以上学校を休むことになるため、学校に秘密にしておくことは困難といえます。
(3)家庭裁判所への送致
少年事件は犯罪の嫌疑がないと判断された場合を除いて、原則として家庭裁判所に送致されます。
罰金以下の事件については、警察から直接、家庭裁判所に送られます。
法定刑が拘禁刑などの比較的重い犯罪の場合は、まず警察から検察に送致されます。その後、勾留または勾留に代わる観護措置を経て、検察から家庭裁判所に送致されることになります。
(4)家庭裁判所の審判
事件が家庭裁判所に送致されたあと、家庭裁判所は少年事件について審判を行うかどうかを決定します。
その際、家庭裁判所により少年本人やその家族に対して調査が行われます。この調査には時間が必要なため、少年を少年鑑別所に送致する観護措置がとられることも少なくありません。
観護措置の期間は原則として2週間ですが、最大で8週間まで延長できます。多くのケースでは約4週間です。
調査の結果、審判を行わないと決定されれば、審判不開始となり事件は終了します。
審判が開始されれば、家庭裁判所は審理を行い、主として「不処分」「保護処分」「検察官送致」のいずれかの処分を出します。
少年審判の終局処分
- 不処分
- 保護処分
- 知事または児童自立支援施設等送致
- 検察官送致(逆送)
未成年が逮捕された後の少年事件の流れや処分の内容をさらに詳しく知りたい方は『少年事件の流れを弁護士がわかりやすく解説|アトム法律事務所』の記事をご覧ください。
未成年の痴漢による学校・生活への影響
「警察沙汰になったら、学校に連絡が行って退学になるのでは…」
この不安は、逮捕された本人にとっても保護者にとっても最大の問題でしょう。ここでは、警察と学校の連携の仕組みと、処分の実情について解説します。
痴漢事件は学校へ連絡が行く可能性が高い
警察と学校(教育委員会)の間には、相互に情報を連絡し合う協定(学校・警察連絡制度)が結ばれている地域が多くあります。
「痴漢(不同意わいせつ、条例違反)」のような性犯罪に関連する事案は、再犯防止や生徒指導の観点から重要視されるため、学校へ連絡が行く可能性は極めて高いのが現実です。
退学は回避できる?処分の判断基準
学校に事件が知られたからといって、必ずしも「即退学」になるとは限りません。
公立か私立か、あるいは校則によって対応は異なりますが、処分(退学、停学、訓告など)の内容は以下の要素を総合的に見て判断されます。
- 事件の悪質性:被害の大きさや、常習性があるか
- 本人の反省状況:深く反省し、更生への意欲があるか
- 家庭のサポート:保護者が監督能力を持ち、家庭環境が整っているか
特に少年事件の場合、学校側も「教育的配慮」を重視します。「本人が深く反省しており、親もしっかり監督するなら、退学まではせずに更生のチャンスを与えよう」という判断を引き出せる可能性は残されています。
痴漢事件を学校に知られてしまった場合は、すぐに弁護士に相談し、退学を回避できるように働きかけてもらうことが必要です。
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・家庭裁判所から学校に連絡は入る?少年事件の逮捕後の流れを解説
未成年の痴漢事件で逮捕・退学を避けるためにできること
痴漢の疑いをかけられた際、直後の対応によって、その後の処分や学校生活の行方が大きく左右されます。
特に未成年の場合は、成人の事件とは異なる少年法の枠組みで動くため、迅速かつ的確な判断が求められます。
被害者と直接連絡を取ろうとしない
保護者の方が「直接謝りに行けば許してもらえる」と考えることは、重大な不利益につながるおそれがあります。性犯罪においては、加害者側からの接触そのものが被害者への圧迫や接触の強要とみなされる可能性があります。
独断で連絡を取ろうとすると、警察から証拠隠滅や口封じのおそれがあると判断され、本来なら不要だった逮捕や勾留を招くことにもなりかねません。
まずは感情を抑え、本人を含め家族が直接動かないことが重要です。
取り調べで事実と異なる供述や自白をしない
未成年者は、捜査官の威圧的な態度に屈して「身に覚えのないこと」まで認めてしまうリスクがあります。
一度サインした供述調書は後から修正することが難しく、その内容次第で少年鑑別所への送致などの判断に影響し、結果として学校生活にも重大な影響が及ぶおそれがあります。
まずは「事実と異なることには同意しない」という強い姿勢を本人に伝え、不当な自白を防ぐことが重要です。
早期に弁護士に相談して適切な対応をする
「まだ事件になったばかりだから様子を見よう」という判断が、最もリスクを高めることになります。
少年事件は、教育的配慮の観点から手続きが比較的早く進む傾向があるため、迷っている間に学校への通知や身柄拘束の決定が下されてしまうからです。
まずは専門家である弁護士に相談し、現在の状況において、何が最善の選択なのか、法的な目線から具体的な指針を得ることが、日常を守るための第一歩となります。
不安を感じた段階で、できるだけ早く相談することが重要です。
未成年の痴漢事件で弁護士に相談・依頼するメリット
未成年の痴漢事件は、成人の事件とは異なり、更生を目的とした「少年法」に基づいて手続きが進められます。
このような少年事件特有の手続きの中で、将来へのダメージを最小限に抑えるためには、法律の専門家である弁護士の存在が重要になります。
警察から学校への連絡を回避・制限できる可能性がある
警察と学校の間には相互に情報を共有する制度がありますが、弁護士は、家庭での監督が十分であることや逃亡のおそれがないことを法的な根拠に基づいて働きかけることで、警察に対して「学校へ通知する必要性がない」と申し入れます。
法律に基づいた正式な働きかけを行うことで、事件が周囲に知られるのを防ぎ、学校生活への影響を最小限に抑えられる可能性を高めることができます。
早期釈放により学業や日常生活への影響を最小限に抑える
逮捕された後の数日間、そしてその後に続く身柄拘束は、学生にとって致命的な学業の空白を生み出します。
弁護士は、逮捕直後から裁判官に対して身柄拘束の必要性が低いことを訴え、迅速に釈放を求める手続きを行います。
数日以内の早期釈放を実現できれば、周囲に知られるリスクを最小限に抑えて学業へ復帰できるため、留年や退学といった不利益を回避できる可能性が高まります。
示談交渉により不起訴の可能性を高める
少年事件において、被害者の方との示談が成立しているかどうかは、最終的な判断を左右する重要な要素です。
弁護士であれば、被害者の心情を丁寧に汲み取りながら、誠意を持った示談交渉を進めることができます。
さらに、二度と再犯をしないための更生環境を整え、家庭裁判所に対して「これ以上の処分は不要である」と論理的に主張することで、一切の処分が下されない「不処分」というより有利な解決につながる可能性があります。
アトムの解決事例(未成年の痴漢事件)
痴漢事件で退学回避・不処分
アトムの解決事例(1)
未成年者(14歳)が、電車内で、自分の肘を女子中学生の胸に押し付けて行った痴漢事案。ご本人とご両親が相談にいらした。
弁護活動の成果
(1)警察、検察、家庭裁判所宛てに学校照会をして欲しくない旨を徹底して通知。在籍中の私立有名学校の退学を回避した。
(2)性犯罪を治すための通院、環境調整をサポート。結果、不処分となった。
痴漢事件で早期釈放を実現
アトムの解決事例(2)
未成年者(18歳)が、駅のエスカレーターで、女性のお尻を触り、逃走したところ、現場で駅員に取り押さえられた。その後、警察署に連行され、否認を続けたところ、逮捕された。今後の対応について、お母様がご相談にいらした。
弁護活動の成果
(1)検察や裁判官への意見書提出・面談により、観護措置を回避し早期釈放を実現。
(2)被害者の方へ謝罪と賠償を尽くし、結果、不処分となった。
不同意わいせつ事件で退学回避
アトムの解決事例(3)
未成年者(17歳)が、電車内で、女性の下着に手を入れ体を触った不同意わいせつ(旧強制わいせつ)事件。別日に、同一被害者への盗撮もしていた。ご本人が逮捕されたため、ご両親が相談にいらした。
弁護活動の成果
(1)警察等に、学校への連絡を控えてほしい旨の連絡を行い、退学を回避した。
(2)検察に意見書を提出し、勾留を阻止。
(3)情状に関する主張を尽くし、保護観察処分となった。
未成年の痴漢事件でよくある質問
Q.未成年には痴漢の前科がつかない?
前科とは、刑事裁判で有罪判決を受け、それが確定した際につくものです。
痴漢事件が、家庭裁判所の審判に付され、不処分、保護処分になった場合には前科になりません。
もっとも、少年事件が凶悪で逆送が行われた場合など、成人と同じく刑事裁判にかけられることがあります。
そして、刑事裁判で有罪判決が確定すれば、未成年でも前科がつくことになります。
Q.痴漢事件で退学を回避するための弁護活動は?
弁護士は退学を回避するために、警察、検察、家庭裁判所宛てに学校照会をして欲しくない旨を徹底して通知するといった活動ができます。
また、事件が学校に知られてしまった場合でも、弁護士を依頼することで退学を避けるための活動が可能です。
退学を避けるためには、ご本人の反省や、被害者の方への謝罪や賠償、二度と同じような事件を起こさないよう十分な環境が整えられていることについて、学校側に伝える必要があります。
弁護士は学校に対して意見書を提出するために、学生本人に謝罪文を書いてもらったり、更生のためのクリニック通院を補助したりします。
Q.痴漢事件で逮捕・前科を回避するためには?
痴漢事件で逮捕・前科を回避するには、早期の弁護士依頼が重要です。
弁護士に相談・依頼すれば、適切な取り調べの対応についてのアドバイスをもらうことができます。
また、被害者と示談を行う際にも、弁護士への依頼が事実上必須となります。自力で解決しようとするのではなく、専門家のサポートを受けることが重要です。
Q.未成年が起こした痴漢事件の示談金相場は?
示談金とは、刑事事件の加害者と被害者が和解(≒示談)する際に、加害者から被害者に対してお渡しするお金のことです。
過去に、アトム法律事務所が取り扱った痴漢事件からすると、示談金の相場は約50万円前後といえます(アトム「痴漢の示談金の相場」の統計より)。
加害者が未成年であるという一事をもって、示談金の相場が低くなることはないでしょう。
あくまで、痴漢事件の内容や、被害者の感情、一般的な相場を考慮して、当事者の話し合いで示談金の金額を決めることになります。
示談金の金額交渉は、非常にナイーブな問題になるため、この点でも弁護士をつけたほうがよいといえます。
未成年の痴漢事件はアトムの弁護士に相談ください
痴漢事件を起こした14歳以上の未成年者は、逮捕され、何らかの処分を受ける可能性があります。
14歳未満の未成年者による痴漢では、逮捕はされませんが、補導された後、処分を受ける可能性があります。
未成年者の痴漢の処分では、主に保護処分を受けるかどうかが問題になります。
保護処分には、保護観察や少年院送致などもありますが、弁護士のサポートがあれば、不処分で事件終結を目指せるケースもあります。
少年事件に強い弁護士は、「付添人」として、少年事件のサポートが可能です。
少年事件に強い弁護士をつければ、痴漢事件を起こしてしまった未成年者の処分軽減、退学回避の可能性を上げることができます。
少年事件に強い弁護士についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
アトムご依頼者様からのお手紙
少年事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
適切なアドバイスと迅速な対応で信頼できる先生でした。

今回の一連の動きの中で先生には大変親切なアドバイスを頂き感謝しております。先生のアドバイスの基に自信をもって活動できた事に本当にありがたい限りです。また事務所の方々にも適切な対応して頂き本当にありがとうございました。
冷静な判断と前向きなアドバイスありがとうございました。

いろいろお世話くださり、ありがとうございました。小さなことですぐに電話させて頂いた時も冷静な判断と前向きなアドバイスを頂き、ありがとうございました。
アトムの弁護士相談:24時間受付中
アトム法律事務所では、24時間365日、弁護士相談のご予約を受付中です。
- 現在、警察から痴漢の件で呼び出しを受けた
- 未成年の子が、痴漢で警察に逮捕された
- 未成年の子が、痴漢で少年審判を受けることになった
このような場合、できる限りお早目に、弁護士相談のご予約をお取りください。
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