1. »
  2. »
  3. 傷害事件の示談金相場|示談の流れと不起訴を目指すメリット

傷害事件の示談金相場|示談の流れと不起訴を目指すメリット

傷害事件の示談金

「兄が酔った勢いで傷害事件を起こし逮捕された」「息子が喧嘩で傷害事件を起こしてしまった」といった被害者のいる刑事事件では、迅速な被害者対応が重要です。

傷害罪の刑事罰は15年以下の懲役または50万円以下の罰金と定められています。重い刑事処分となると、実刑判決となり刑務所に収監される可能性もある重大な犯罪です。

真摯な謝罪をしたうえで示談成立となれば、被疑者の刑事処分を軽くしてもらえる可能性があります。示談金の相場や示談の流れを知りたい方、被害者対応を円滑に進めたい方に向けて解説します。

このページの記載はアトム法律事務所の解決実績を基礎としています。

刑事事件でお困りの方へ
無料相談予約をご希望される方はこちら
tel icon
24時間365日いつでも相談予約受付中 0120-204-911

※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は有料となります。

傷害事件の示談とは|示談金相場と示談の流れ

示談とは、トラブルの賠償問題を当事者間の話し合いで解決することをいいます。示談は口頭でも成立しますが、示談金の金額や支払い方法、その他の示談の条件などを記載した示談書を取り交わす方法が一般的です。

傷害事件で目指すべき示談とは何か

傷害事件の示談では、被害者から許しを得る宥恕文言付きの示談を成立できるかが重要になります。

加害者の刑事処分を望まない、被害届を取り下げるといった文言の入った示談が成立すれば、刑事処分を寛大なものにできる可能性があります。

傷害事件の示談金相場|怪我の程度で異なる

傷害事件の示談金相場は軽傷であれば30万円から150万円程度重傷であれば50万円から180万円程度が目安となります。示談金には怪我の治療費のほか、慰謝料といった精神的苦痛に対する金銭もあります。

アトム法律事務所で扱った傷害事件(全136件)の示談結果でいえば、10万円から30万円の範囲で示談が成立した事件が最も多くなっています。

示談金額は事件ごとに異なるため、相場はひとつの目安に過ぎません。

傷害事件の示談金内訳|慰謝料との違いは?

示談金の内訳には、治療費、休業損害、慰謝料などがあります。

示談金の主な内訳と概要

内訳概要
治療費怪我を治すためにかかった費用
休業損害怪我で仕事を休んだことへの補償
慰謝料精神的苦痛を緩和するための金銭

慰謝料の決まり方

慰謝料とは示談金の一部で、被害者が怪我によって負った精神的苦痛を和らげるために支払われる金銭です。慰謝料の金額は、怪我の重さや入院・通院にかかった治療期間などで算定されます。

つづいて、傷害事件の示談金が高くなる主な要因といえる、被害者の損害が大きい場合犯情が悪質である場合について詳しく説明します。

被害者の損害が大きい場合

まず、打撲や創傷といった比較的軽傷の場合と、骨折などの重傷の場合では治療費が異なります。怪我の程度によっては入院や手術が必要となり、被害者が負った痛みや不便さも増大すると考えられるため、慰謝料も高くなるでしょう。

また、何らかの後遺症が残ると、後遺症に対する慰謝料や逸失利益といった追加の賠償金が必要になります。

このように怪我が重いほど、治療が長引くほど、慰謝料は増額されます。

加害者の犯情が悪質な場合

計画性があること、凶器を用いたこと、被害者が多数いること、仲間と共犯関係を結んで傷害事件を起こしたことなどは、より悪質な傷害事件であると判断される可能性があります。

こうした悪質性は被害者の精神的苦痛を増大させる要因となり、なかなか示談がまとまらずに金額が高額になる可能性があります。

傷害事件の示談の流れ|わかりやすいフローで説明

傷害事件の示談の流れは、主に次のように進行します。

  1. 警察や検察に示談の意思を申告する
  2. 警察や検察が被害者に意向を確認する
  3. 示談交渉を開始する
  4. 示談内容を示談書として相互に保管する
  5. 示談金を支払う
  6. 警察や検察に示談成立を報告(示談書写しの送付など)

示談を申し入れるには、被害者と連絡を取る必要があります。そのためには、まず警察や検察へ示談をしたいと申告し、被害者の意向を確認してもらいましょう。

もっとも、検察や警察が被害者の連絡先を教えてくれる可能性は極めて低いです。被害者からすると、自分に怪我を負わせた被疑者と直接やり取りをしたくない、報復が怖いといった理由で、連絡先の開示を拒否するケースが多いです。

仮に連絡先を教えてもらったとしても、感情的になってしまい、示談成立は難航する可能性があります。

無理に被害者に示談を迫ったりすると、被害者の身の安全の確保ならびに事件の証拠隠滅の恐れがあると判断され、逮捕につながる可能性があり危険です。

弁護士を入れた示談交渉が有効

弁護士を間に入れることで、被疑者と直接連絡を取らなくて済む安心感から、被害者が示談に応じてくれる可能性は高まります。

被害者が怪我をしている場合には、怪我の程度や回復の状況などに応じて、適切なタイミングでの示談が重要です。特に傷害事件に詳しい弁護士であれば、被害者に十分配慮した形で示談交渉ができます。真摯な被害者対応により不起訴になれば、前科をつけることなく事件は終了です。

示談の流れ

示談をしないとどうなるか|民事上の責任は残る

示談をしないという選択肢は、被疑者の刑事処分を重くする可能性がある選択肢です。被害者と示談をしたくない理由を弁護士に相談して、アドバイスを受けることをおすすめします。

なお、示談をしなくても被害者への賠償義務は免れません。あくまで「示談しない」のは刑事事件上の選択であり、民事上の責任は残るのです。

被害者から示談を拒否された場合

示談は双方の合意で成立するものなので、どちらかが納得できない場合は示談を成立させることはできません。

示談の成立が難しい場合には、贖罪寄付や供託金といった異なる手段も考えられます。多くのノウハウを持つ弁護士に相談して、被害者への示談金支払い以外に反省を示す手段を考えていきましょう。

関連記事

被害者が示談に応じないとどうなる|刑事処分への影響と対応策

示談成立にはバランス感覚がポイント

示談は当事者双方の合意に基づいて行われるため、ケースによって様々な示談金があり得ます。

ときに、加害者側にメリットのある示談が成立できるなら、金額だけでは判断しない方がいいこともあります。加害者にメリットがある内容とは、被害届を取り下げてくれたり、加害者を許すという旨を示談に盛り込んでくれることなどがあげられます。被害者が加害者を許しているという事実は寛大な刑事処分につながるのです。

あるいは、被害者に示談金を支払いたくても、妥当な金額がわからないことも多いでしょう。ときに、被害者側が求める示談金が相場から大きくかけ離れているケースも存在します。お悩み解決に向けて、まずは弁護士に見解を聞いてみることがおすすめです。

ここからは示談で得られるメリットについて整理していきましょう。

傷害事件の示談で得られる3つのメリット

傷害事件は被害者がいる刑事事件です。このように被害者がいる場合、加害者の刑事処分に被害者の処罰感情は大きくかかわります。

傷害事件の刑事処分を軽くするためには、示談が重要です。被害者との示談によって不起訴の獲得で前科がつくことを避けられる、逮捕されている場合は早期釈放につながる被害届の取り下げから刑の減軽まで寛大な刑事処分を目指せるといったメリットがあります。

刑事事件で示談するメリット

(1)示談で前科回避の可能性を高める

不起訴処分を得ることができれば、前科がつくこともなく、その後は刑事責任追及のリスクから解放されます。

検察官が起訴・不起訴の処分を決める時には、示談の有無を重視します。そのため、迅速な示談活動をしなければ、検察官が起訴の処分をしてしまう恐れがあります。

また、被害者の損害を適切に賠償できているのか、被害者は事件についてどう考えているかなど、示談内容も重要です。

さらに詳しく不起訴を解説

不起訴処分とは、刑事事件で今後裁判が開かれないことを意味します。不起訴処分ならば有罪になることはなく、前科もつきません。そのため不起訴処分を目指すことは、刑事事件の被疑者にとって大切なことです。

アトムの解決実績

不起訴の獲得に向けて、傷害事件の示談経験が十分にある弁護士を選んでいるかは重要です。示談交渉の経験豊富な弁護士なら安心して任せることができます。

前科は私生活にも影響する

前科とは刑事裁判によって有罪が確定したことをいいます。比較的軽い刑罰である罰金刑であっても前科であり、前科がついたという事実が消えることはありません。

前科の内容次第で資格がはく奪されたり、渡航制限がかかる外国もあったりと私生活への影響は甚大です。前科については、関連記事『前科について解説|前歴との違いや前科の影響とは』でも解説しているので、詳しく知りたい方は参考にしてください。

(2)逮捕後も示談で早期釈放を目指す

傷害事件は、場合によっては逮捕される事件です。その場で現行犯逮捕されることもあれば、後日逮捕される可能性もあります。

逮捕後の勾留請求が認められると、よほどのことがない限り10日間は身体拘束を受けることになります。さらに10日間勾留が延長されることも有り得るので、示談によって少しでも早い釈放を目指す活動が重要といえます。

適切な被害者対応で示談が成立すれば、弁護士は検察官や裁判官に釈放を求めます。示談には被害者の意思が表れているので、検察官や裁判官は被害者の処罰感情がないことを酌んだ上で釈放の可否を判断します。

一日も早く釈放されるためには、示談の成立は必須です。ご家族の方は、傷害事件の示談に精通した弁護士に弁護活動を依頼して早期釈放を目指しましょう。

関連記事

傷害罪の弁護士相談|刑事事件に強いアトム法律事務所

(3)示談で刑事事件の処分を軽くする

刑事裁判にかけられてしまっても、示談が成立していれば、略式罰金や執行猶予により、実刑を回避できる可能性が高まります。示談によって、加害者本人が深く反省し傷害の被害者に謝罪と償いを尽くしたことを示せば、検察官の略式起訴の判断や、刑事裁判の判決において加害者本人に有利に働きます。

起訴されてしまった場合でも、刑事処分を軽くするために示談は有効です。不起訴で終わる場合と違い、略式起訴や執行猶予では、前科はついてしまいます。しかし、実刑で刑務所に入ることを回避できれば、クビや退学を回避して、社会復帰をスムーズに進められる可能性が高まります。

示談の有無による処分の違い

示談あり示談なし
刑事処分軽くなる重くなる場合あり
刑務所(実刑)回避の可能性高い回避の可能性低い

略式起訴とは何か

略式起訴とは、正式な起訴の手続きを簡略化したものです。略式起訴は、検察官から被疑者に対して概要の説明があり、被疑者も同意した場合に限って行われます。

略式起訴された場合は有罪が確定的である一方、正式な公開裁判は開かれずに早期に事件が終了するというメリットがあります。

略式起訴の手続きに合意した後での撤回は難しいので、対応に迷いがある方は関連記事『略式起訴の要件と罰金相場|前科はつく?起訴・不起訴との違いは?』を参考にして早めに弁護士へ相談しましょう。

傷害事件に強い弁護士を探すときのポイント

傷害事件で弁護士依頼をするときには、示談実績が豊富かどうか、連絡の取りやすさや対応の内容などがポイントです。

傷害事件の示談実績が豊富であること

傷害事件の解決は、迅速かつ適切に被害者対応を進められるかが重要な鍵となります。 被害者の怪我の状態や生活への支障の具合などに配慮し、適切なタイミングと方法で、示談交渉を進める必要があります。 経験豊富な弁護士を探すためには、公式サイト等で公開されている傷害事件の「解決実績」を確認するのが近道です。

示談の見通しや状況を丁寧に教えてくれること

不安な状況に置かれているからこそ、連絡がとりやすい弁護士であることは、大きな安心につながります。 また、丁寧に対応してくれる弁護士であれば、繊細な被害者対応も安心して任せることができるでしょう。弁護士を選ぶ上で、連絡の取りやすさと丁寧さはとても大切な要素です。

傷害事件に強い弁護士のメリット

傷害事件に強い弁護士一般の弁護士
解決実績豊富少ない
示談適切なタイミングで可能不適切になるリスクあり

傷害事件の示談はアトム法律事務所にご相談ください

アトム法律事務所では、傷害事件の刑事弁護活動に注力しています。傷害事件で示談が成立し、不起訴となった事案を紹介します。

示談実績(1)交通トラブルの傷害事件で不起訴

事件の経緯

被害者のあおり運転に腹を立てた依頼者が、自車を停止させて被害者に詰め寄り注意したところ喧嘩に発展し、双方が傷害容疑で事情聴取を受けた事案。

弁護士は裁判官に意見書を提出することで、逮捕された依頼者の早期釈放を実現しました。その後、被害者に謝罪を賠償を尽くして、示談を締結し、不起訴処分の獲得となったのです。

お寄せいただいたお手紙

相談だけのつもりが事の重大さを知り対応をお願いしました。

ご依頼者様からのお手紙

示談実績(2)泥酔して怪我をさせた相手に許してもらい不起訴

事件の経緯

泥酔して、電車で前に座っていた女性とトラブルになり、顔を殴打して全治10日の鼻骨骨折等のケガを負わせたとされる傷害の事案。

被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結して不起訴処分となりました。

お寄せいただいたお手紙

不安な中、丁寧な説明や連絡で安心でき依頼してよかったです。

ご依頼者様からのお手紙

傷害事件の示談でお悩みの方へ向けた相談窓口

刑事事件はひとつの判断ミスや遅れで、被害感情を逆なでしたり、警察や検察対応が後手に回ったりして、被疑者の生活を一変させてしまう可能性があります。傷害事件の弁護経験が豊富な弁護士に対応を任せることをおすすめします。

アトム法律事務所では、24時間365日・全国対応の相談予約窓口を開設しています。 被害者との示談締結にはスピード感が重要です。

  • 傷害事件で家族が逮捕された!
  • 警察から傷害事件で呼び出しを受けている!

このように警察が介入している事件については無料相談の対象です。それだけ緊急度が高く、早期の示談締結が急がれる事態ですので、早めにご相談下さい。

刑事事件でお困りの方へ
無料相談予約をご希望される方はこちら
24時間365日いつでも相談予約受付中 0120-204-911

※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は有料となります。

岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

詳しくはこちら

高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了