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傷害事件は初犯でも実刑になる?前科を付けないためにすべきこと

傷害事件を起こし逮捕された場合、初犯でも実刑となるのでしょうか。

この記事では、傷害事件の初犯で実刑になる可能性についてや、そもそも傷害罪の成立する要件について、刑罰の相場などを解説します。

傷害により前科が付くことを回避するためには、不起訴処分を得ることが重要であり、そのためにすべきことなどについても解説していきます。

傷害とは?どのような行為が罪になる?

日本における傷害事件の認知件数は減少傾向にあります。警察庁の発表している「犯罪統計」によると、2020年の傷害事件の件数は18,963件で、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛などの影響もあり20,000件を割り込みました。

しかし、傷害は刑法犯の中でも比較的件数が多く、身近な犯罪ということができます。まずは傷害罪の成立要件や、混同されがちな暴行罪との違いについてみてみましょう。

傷害罪が成立する要件

傷害罪については、刑法204条に規定されています。

人の身体を傷害した者は、十五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

刑法204条

傷害罪は、他人の体を故意に傷つけた場合に成立する犯罪です。

「傷害」という言葉には、一般的には殴ったり刃物で切りつけたりするイメージがありますが、最近ではPTSD(心的外傷後ストレス障害)を負わせた場合が傷害罪にあたるかどうかが問題となっています。これは嫌がらせを受けた結果、睡眠障害を発症したといった場合です。

傷害罪と暴行罪との違い

傷害罪と混同されがちな罪に、暴行罪があります。

暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の懲役若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。

刑法208条

暴行罪は、他人に危害を加えようと暴行を加えたものの、実際に傷つけるには至らなかった場合に適用される罪です。「犯罪統計」によれば2020年の件数は27,637件と傷害罪よりも多く、また傷害罪の懲役が15年以下なのに対してこちらは2年と明らかに軽くなっています。

傷害事件の初犯の刑罰の相場

一般的には、初犯(これまでに刑罰を受けたことのない者が罪を犯した場合)であれば処分は軽くなる傾向があります。傷害事件の場合、被害者の怪我の程度が軽微で示談が成立しているような場合であれば、不起訴や、起訴された場合であっても執行猶予つき判決となる可能性は高くなります。

しかし、怪我の程度が重い、凶器の使用がある、反省の色が見られないといった事情によっては、初犯であっても当然処分は重くなることが考えられます。

傷害事件の初犯で逮捕された後の流れ

傷害事件における逮捕には、いくつかの種類があります。ここでは代表的な2つの逮捕の形式における、逮捕された場合の流れ、およびその後最終的な罪が確定するまでをみてみましょう。

逮捕には2つの形式がある

まずは通常逮捕があります。後日逮捕とも呼ばれる形式で、刑事訴訟法に基づき、一定階級以上の警察官や検察官などが逮捕状を請求し、裁判官が逮捕の理由と必要性を認めた場合のみ逮捕令状を発行し、それによって逮捕が行われます。

次に現行犯逮捕があります。犯行中や犯行直後の犯人を逮捕することをいい、犯人を間違える可能性は低いため、逮捕状なく一般人でもできる(私人逮捕)ことが特徴ですが、逮捕後はすぐに警察官などに犯人を引き渡す必要があります。その後は最寄りの警察署に連行され、取り調べを受けることになります。

傷害事件の場合、その場で取り押さえられることもありますが、後日被害届が提出されて逮捕に至ることもあります。

平成31年の警視庁の統計によれば、同年の都内の刑法犯のうち、通常逮捕と現行犯逮捕の割合はおよそ1:1となっています。

逮捕勾留から起訴前の釈放までは最長23日間

次に、逮捕された後の流れをみてみましょう。逮捕されてから起訴・不起訴の決定が行われるまでは、最長で23日間の身体拘束が続く可能性があります。

逮捕されても、警察は微罪処分として釈放する場合がありますが、それ以外の場合、事件を検察官に引き継ぐ検察官送致(送検)が48時間以内に行われます。検察官の判断により24時間以内に勾留請求が行われ、勾留質問などのあと、原則として10日間身柄が拘束されます。必要に応じ、さらに最長で10日間の勾留延長が行われます。

捜査の結果、検察官は起訴・不起訴を判断します。不起訴となった場合は釈放されますが、起訴されると略式裁判もしくは正式裁判が開かれ、罰金刑や懲役刑などの刑罰が決定されます。

傷害事件の初犯で前科をつけないためにすべきこと

傷害事件により逮捕され前科がつくことを防ぐためには、できる限り早い段階で被害者と示談を締結し、不起訴処分を得る、もしくは事件化を防ぐことが重要です。

逮捕後すぐに面会できるのは弁護士だけ

逮捕から勾留請求までの3日間は、被疑者は外部と連絡を取ることはできず、面会が可能なのは弁護士のみとなります。これは被疑者にとってはきわめて不利であり、弁護士による適切な助言がなければさらに不利な状況に追い込まれることも考えられます。

そのため、逮捕されたあとに最初に弁護士と面会する機会である初回の接見は非常に重要となります。

弁護士の接見で可能になることやその流れ、費用などについては、こちらの記事もご参照ください。

弁護士の接見とは|逮捕中の家族のためにできること・やるべきこと

不起訴処分で早期釈放・前科回避を目指す

日本においては、起訴された場合の有罪率はほぼ99.9%に上ります。いっぽう、不起訴となった場合は刑事裁判自体が開かれなくなるため、前科がつくことはありません。そのため、不起訴処分を得て釈放されることを目指すことが重要となります。

不起訴処分を得るためには、検察官が判断を下すまでに、示談を締結するなどの活動を行うことが必要となります。

示談で不起訴の可能性を高める

不起訴による釈放の可能性を高めるためには、傷害事件のような被害者のいる犯罪の場合、早期に被害者対応を行うことが肝要です。

真摯に反省して謝罪を行い、示談を締結することで、検察官が再犯の可能性や加害者家族への影響などといった様々な情状を考慮し、不起訴の可能性が高まります。

被害者と示談するためには弁護士に相談する

被害者との間に示談を締結するためには、弁護士によるサポートが欠かせません。

起訴が決定された後で示談が成立しても、後から不起訴とすることはできないため、示談交渉はその前に行う必要があります。しかし、逮捕されている場合、加害者本人は示談交渉はできません。

逮捕なしで在宅で捜査が行われる場合などもありますが、いずれの場合であっても加害者と被害者が直接示談交渉を行うことは困難であり、間には弁護士を立てる必要があります。

そのため、示談を締結するには、早期に弁護士に相談することが重要なのです。

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代表弁護士 岡野武志

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