2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
傷害事件は、初犯であっても逮捕される可能性があり、起訴されて前科がつくリスクもあります。
「初犯だから大丈夫」と考えて対応を後回しにしてしまうと、身柄拘束が長引き、仕事や日常生活に大きな影響を及ぼすおそれがあります。
しかし、弁護士が早期に介入し、被害者との示談交渉などの適切な対応を行うことで、逮捕を回避したり、前科をつけずに事件を解決できたりする可能性は十分にあります。
この記事では、傷害事件の初犯者が逮捕されるケースや逮捕後の流れ、不起訴や罰金で実刑を回避するための対策について、具体的に解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
傷害事件の初犯は逮捕される?
傷害事件は初犯でも逮捕される
傷害事件は初犯であっても、逮捕の要件に該当すれば逮捕されます。初犯だからといって、逮捕されないわけではありません。
傷害事件の逮捕の要件は、(1)嫌疑の相当性と(2)逮捕の必要性の2つです。

逮捕の要件(1)傷害事件の嫌疑の相当性
傷害事件の嫌疑の相当性とは、証拠などから「傷害罪」の疑いがあるかどうかで判断されます。
傷害罪については、刑法204条に規定されています。
人の身体を傷害した者は、十五年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法204条
傷害罪は、他人の体を故意に傷つけた場合に成立する犯罪です。相手に怪我を負わせたり、病気を発症させたりすると、傷害罪になり得ます。
傷害罪の例
- 泥酔して、駅員を殴り、顔面打撲を負わせた
- 相手を刃物で切りつけ、出血させた
- 家庭内暴力を振るい、妻子を骨折させた
- 嫌がらせ行為をして、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、睡眠障害を発症させた
傷害罪の証拠がある場合は、嫌疑の相当性が認められます。
傷害罪の嫌疑の相当性がある例
- 傷害事件の被害者の診断書がある
- 傷害事件の被害者・目撃者の証言がある
- 傷害事件の犯行の一部始終を防犯カメラが捉えている
逮捕の要件(2)傷害事件の逮捕の必要性
傷害事件の逮捕の必要性は、「逃亡のおそれ」「証拠隠滅のおそれ」がある場合に認められます。
初犯なら、不起訴や軽い刑罰に収まることが比較的多いため、刑罰を逃れるために逃亡や証拠隠滅をする可能性は低いと考えられています。
しかし、初犯であっても、犯罪の結果が重大な場合、複数の余罪が同時期に検挙されるような場合では、重い刑罰が予想されます。
そのため、逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断され、逮捕されるケースはあるでしょう。
傷害事件の初犯の逮捕は2種類
傷害事件の初犯で逮捕される場合、主に現行犯逮捕と後日逮捕の2種類が考えられます。

傷害事件の初犯の現行犯逮捕
現行犯逮捕とは、犯行中や犯行直後の犯人を逮捕することをいいます。犯人を間違える可能性は低いため、逮捕状がなくても一般人でも行うことができる(私人逮捕)ことが特徴です。
そのため、傷害事件の被害者から現場で逮捕されたり、目撃者に取り押さえられたりして、現行犯逮捕されるケースもあるでしょう。
逮捕後はすぐに警察官などに犯人を引き渡す必要があります。その後は最寄りの警察署に連行され、取り調べを受けることになります。
傷害事件の初犯の後日逮捕
後日逮捕とは、逮捕状に基づく逮捕のことです。
刑事訴訟法に基づき、一定階級以上の警察官や検察官などが逮捕状を請求し、裁判官が逮捕の理由と必要性を認めた場合にのみ逮捕状が発付され、それによって逮捕が行われます。
逮捕状が発付された場合、自宅や職場に警察が来ることがあります。
傷害事件の初犯で逮捕されないケースもある
傷害事件の初犯であれば、必ずしも逮捕されるわけではありません。逮捕の必要性がないと判断された場合は、「在宅事件」として逮捕されないまま捜査が進むことがあります。
在宅事件になるのはどんな場合か
在宅事件とは、被疑者が身柄を拘束されることなく、自宅から捜査に応じる形式の刑事事件です。以下のような場合に在宅事件となりやすい傾向があります。
在宅事件になりやすいケース
- 被疑者が任意の取り調べに素直に応じている
- 逃亡や証拠隠滅のおそれが低いと判断された
- 傷害の程度が比較的軽微である
- 被疑者に定まった住所・職業があり、身元が明確である
在宅事件では、警察や検察からの呼び出しに応じて取り調べを受けながら、通常通り仕事や日常生活を続けることができます。
在宅事件でも起訴・前科のリスクはある
在宅事件になったからといって、安心することはできません。在宅事件であっても、捜査が続く限り、起訴されて前科がつくリスクはなくなりません。
また、在宅捜査中に証拠隠滅や逃亡のおそれが生じたと判断された場合には、後から逮捕される可能性もあります。
在宅事件であっても、弁護士への早期相談は非常に重要です。被害者との示談交渉を速やかに進めることで、不起訴処分を目指すことができます。
傷害事件で逮捕されたらどうなる?
傷害事件の逮捕後の流れ

傷害事件で警察に逮捕されたら、警察は検察官に事件を引き継ぎます。これを送致(送検・検察官送致)と呼びます。送致は、逮捕から48時間以内に行われます。
事件と被疑者を受け取った検察官は、24時間以内に勾留請求を行い、裁判官が勾留の審査をします。
裁判官が勾留を決定した場合、原則として10日間身柄が拘束されます。必要に応じ、さらに最長で10日間の勾留延長が行われます。
検察官は、傷害事件の初犯者について、勾留の満期日前に捜査を終え、起訴するかどうか(=刑事裁判を提起するか)を決めます。
つまり、逮捕されてから起訴されるかどうかが決まるまでは、最長で23日間の身体拘束が続く可能性があります。
不起訴の場合
検察官が不起訴処分を決定したら、釈放されます。その後は、刑事裁判を受ける可能性はなく、刑罰を受けることもありません。
処分保留の場合
検察官が処分保留という判断を下した場合は、釈放された後、在宅事件として捜査が続きます。
起訴された場合
検察官が起訴を決定した場合、刑事裁判が開かれます。起訴には、略式裁判と正式裁判の2種類があります。
略式裁判は、比較的軽微な事案で被疑者が罰金刑を受け入れる場合に適用されます。書面審査のみで手続きが完了するため、法廷に出廷する必要はありません。
正式裁判は、法廷で審理が行われ、裁判官が判決を下す通常の刑事裁判です。傷害罪で正式裁判となった場合、有罪率は99%を超えるため、無罪判決を得ることは非常に困難です。
起訴された後であっても、弁護士は情状弁護(被告人に有利な事情を主張する弁護活動)を行い、刑の減軽を目指すことができます。
傷害事件の初犯は不起訴になる?刑罰は軽くなる?
傷害事件の初犯者には、次の2つのメリットがあります。
- 不起訴(起訴猶予)を目指しやすい
- 起訴されても、刑罰が軽くなる傾向がある
ここでは、それぞれについて詳しく解説します。
初犯は起訴が猶予される?
刑事事件の初犯は、起訴猶予になりやすい傾向があります。
起訴猶予とは、事件を起こした疑いがあっても、不起訴になる処分のことです。不起訴になれば、刑罰を言い渡されることはありません。
傷害事件の初犯の場合も、被害状況や犯行態様、犯行後の状況(被害者と示談成立など)によっては、起訴猶予を目指すことができます。

初犯なら刑罰が軽くなる傾向は強い
初犯の場合、不起訴を獲得できずに起訴されてしまったとしても、刑罰が軽くなる傾向はあります。
傷害事件の初犯の場合、被害者の怪我の程度が軽微であり、示談が成立した事案であれば、罰金刑や執行猶予付き判決になる可能性は高くなります。
傷害事件で起訴された初犯者・前科者の人数
傷害事件は初犯でも起訴されることがありますが、前科者と比べれば、初犯のほうが不起訴を目指しやすい傾向があります。
検察統計によれば、2024年度、傷害で起訴された人のうち初犯者は3,510人、前科者は2,191人でした。
傷害事件の起訴
| 人数 | |
|---|---|
| 初犯者 | 3,510人 |
| 前科者 | 2,191人 |
| 不詳 | 1人 |
| 総数 | 5,702人 |
検察統計調査「罪名別 起訴した事件の被疑者の初犯者、前科者別及び前科の種類別人員」(調査年月2024年・公開年月日2025-8-29)より抜粋のうえ編集しました。
また、実際に傷害事件を起こした場合でも起訴猶予(不起訴)になった人は、初犯者が7,367人、前科者が2,721人でした。
傷害事件の起訴猶予(不起訴)
| 人数 | |
|---|---|
| 初犯者 | 7,367人 |
| 前科者 | 2,721人 |
| 不詳 | 1人 |
| 総数 | 10,089人 |
検察統計調査「罪名別 起訴猶予処分に付した事件の被疑者の初犯者、前科者別及び前科の種類別人員」(調査年月2024年・公開年月日2025-8-29)より抜粋のうえ編集しました。
傷害事件の初犯者が起訴猶予になった割合
傷害事件の初犯者と前科者で起訴猶予になった割合を比べると、初犯者が約67.8%であるのに対し、前科者が約55.4%です。
したがって、傷害事件は前科がある場合と比較して、初犯者のほうが起訴猶予になりやすいといえます。統計によると、初犯者のうち、約3人に2人は前科をつけずに済んでいることになります。
傷害事件|初犯者の起訴・起訴猶予の割合
| 初犯者 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 起訴 | 3,510人 | 32.2% |
| 起訴猶予 | 7,367人 | 67.8% |
| 総数 | 10,877人 | ー |
傷害事件|前科者の起訴・起訴猶予の割合
| 前科者 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|
| 起訴 | 2,191人 | 44.6% |
| 起訴猶予 | 2,721人 | 55.4% |
| 総数 | 4,912人 | ー |
検察統計調査「罪名別 起訴した事件の被疑者の初犯者、前科者別及び前科の種類別人員」(調査年月2024年・公開年月日2025-8-29)、検察統計調査「罪名別 起訴猶予処分に付した事件の被疑者の初犯者、前科者別及び前科の種類別人員」(調査年月2024年・公開年月日2025-8-29)を参考に、整理しました。
前科・前歴の違いと初犯者への影響
不起訴を目指すにあたって、まず「前科」と「前歴」の違いを確認しておきましょう。
前科・前歴とは
前科とは、過去に有罪判決を受け、刑罰が確定した記録のことです。不起訴になれば前科はつきません。
前歴とは、警察などの捜査機関に被疑者として認知・捜査された記録のことです。不起訴や無罪になっても前歴は残ります。
つまり、傷害事件で逮捕・捜査されただけでは前科はつきませんが、前歴は残ります。前科がつくのは、起訴されて有罪判決が確定した場合のみです。
前科がつくと生活・仕事にどう影響するか
前科がつくと、日常生活や仕事にさまざまな影響が生じる可能性があります。
前科による主な影響
- 弁護士・医師・教員など、資格や免許の取得・更新が制限される職業がある
- 就職活動の際、採用選考で不利になるケースがある
- 一定の犯罪では、パスポートの取得に影響が出る場合がある
- 再び事件を起こした場合、前科がないときよりも重い処分を受けやすくなる
傷害事件の初犯者が不起訴を目指すことは、単に刑事裁判を回避するだけでなく、このような将来への影響を防ぐという意味でも非常に重要です。
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傷害事件の初犯の刑罰の目安
傷害事件で起訴された場合、どのような刑罰が言い渡されるかは、事件の内容や情状によって大きく異なります。ここでは、初犯者が受けることのある刑罰の目安を解説します。
罰金刑で終わる場合
比較的軽微な傷害事件で、被害者との示談が成立しているケースでは、略式裁判によって罰金刑で終わることがあります。
略式裁判では法廷での審理は行われず、書面審査のみで手続きが完了します。傷害罪の罰金の上限は50万円ですが、実際の金額は事件の内容や情状によって決まります。
なお、過去にアトム法律事務所が解決した傷害事件における罰金刑の相場は、約30万円でした。
ただし、罰金刑は有罪判決の1つであるため、前科がつきます。前科をつけずに済ませるためには、不起訴処分を目指す必要があります。
執行猶予がつく場合
正式裁判で有罪判決が下された場合でも、一定の条件を満たせば執行猶予がつくことがあります。執行猶予が認められれば、刑務所への収監(実刑)を回避することができます。
初犯者が執行猶予を得やすい主な条件は、以下のとおりです。
執行猶予が付きやすい条件(初犯の場合)
- 被害者との示談が成立している
- 被害者の怪我の程度が比較的軽微である
- 被告人が深く反省しており、再犯のおそれが低いと判断される
- 犯行の態様が特に悪質ではない
- 家族などの監督者がいる
なお、執行猶予は原則として3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金の判決に対して付されます(刑法25条)。
傷害事件では、初犯・示談成立などの事情があれば、執行猶予の対象となる量刑に収まることが多い傾向にあります。
傷害事件の初犯でも重い刑罰になる場合
以下のようなケースでは、初犯であっても刑罰が重くなる可能性が高く、最悪の場合、実刑判決を受ける可能性もあります。
初犯でも刑罰が重くなる傷害事件
- 被害者の怪我が重傷
例)骨折、後遺症、打ち所が悪く死亡 - 被害者が多数いる
例)一度の事件で被害者が複数、余罪多数 - 凶器を使用した傷害事件
例)ナイフ、金属バット、ガラス、銃 - 計画的な犯行
- 共犯者がいる
- 犯行動機が身勝手である
被害者の怪我が重傷の場合、被害者が多数の場合は、重大な犯罪となるため、傷害事件が初犯であっても重い刑罰になる可能性が高いです。
また、凶器を使用している、計画的な犯行である、共犯者がいるといった場合には、犯行態様が悪質であることから、初犯であっても重い刑罰になる可能性が高まります。
他にも、犯行の動機が身勝手なものである場合、取り調べや刑事裁判の際の発言などから反省の態度が見られない場合にも、重い刑罰になる可能性があります。
傷害事件の被害者との示談交渉に取り組まないことも、反省の態度が見られない事情になり得ます。傷害事件の加害者になってしまったら、早期に示談交渉に取り組む必要があります。
初犯でも刑罰が重くなる傷害事件を起こしてしまったと考えられる方・そのご家族の方は、できる限り早く弁護士に相談し、今後の方針を練りましょう。
傷害事件の初犯者が実刑を回避するための対策
傷害事件の被害者との示談

示談とは、刑事事件の加害者が、被害者に謝罪し、被害者の許しを得て、事件について和解の合意をすることです。
傷害事件のような被害者のいる犯罪では、被害者との示談が早期解決につながることが多いです。
傷害事件で示談するメリットとして(1)刑事事件化の回避、(2)逮捕の回避・早期釈放、(3)不起訴・前科の回避、(4)刑の減軽につながる可能性があげられます。
(1)刑事事件化の回避
傷害事件の被害者が、警察に被害届を出す前に示談ができれば、刑事事件化を回避できる可能性があります。
傷害事件の刑事事件化を回避するためには、示談書で「被害届を提出しない」などの条項を締結する必要があるでしょう。
刑事事件化の回避に必要な条項の例
- 傷害事件の被害届を提出しない
- 傷害事件の刑事告訴をしない
(2)逮捕の回避、早期釈放
傷害事件の示談は、加害者が罪を認めて反省している姿勢を示す事情になるので、逮捕の回避や早期釈放につながりやすくなります。
(3)不起訴・前科の回避
不起訴や前科の回避についても、示談が有効です。
示談は、被害者の処罰感情の低下や被害の回復を示す事情になるため、示談が成立した事件は不起訴になる可能性が高くなります。
不起訴になれば、刑事裁判は開かれないので、有罪判決が下される可能性はなくなり、前科を回避できます。
傷害事件で不起訴になるには、検察官が起訴を決断する前に、被害者との示談を締結するなどの活動を済ませることが必要となります。
起訴が決まるタイミングの例
- 逮捕・勾留されている傷害事件
勾留満期を迎える数日前 - 在宅捜査を受けている傷害事件
一通りの捜査が終わった段階
いつ、どの段階で起訴が決まるのかは、担当の検察官次第なので、明確には断言できません。
刑事事件の実務に詳しい弁護士であれば、検察官と交渉しながら、不起訴を目指して尽力してくれます。
(4)刑の減軽
示談は、被害者の処罰感情の低下を示す事情といえ、傷害事件の被告人にとって、刑罰を軽くする情状になります。
傷害事件の示談は、傷害事件を起こしたことを真摯に反省し、被害者へ謝罪を行うことが初めの一歩です。場合によっては、傷害事件の示談金が必要になることもあるでしょう。
傷害事件に強い弁護士をつければ、示談の段取りを相談したり、示談交渉を任せたりするなど、必要なサポートを受けることができます。
傷害事件の示談の流れについては『傷害事件で示談をするには?流れや示談金の相場・弁護士に依頼するメリットを解説』の記事で詳しく解説しています。
傷害事件の逮捕前なら自首・弁護士の自首同行
傷害事件を起こしたら、逮捕される前に警察に自首・出頭することで、逮捕を回避できるケースもあります。
自首と出頭
- 自首
犯人だと発覚する前に、警察等の捜査機関に名乗り出ること - 出頭
警察などに出向くこと
警察に出頭する際、必要がある場合は、弁護士に同行してもらうことも可能です。
警察に出頭した後は、すぐさま取り調べが行われることが予想されるため、事前に弁護士から取り調べ対応についてアドバイスを受けておきましょう。
自首・出頭のメリット、流れなどは『自首と出頭の違いは?出頭したら罪は軽くなる?弁護士同行のメリットを解説』の記事をご覧ください。
傷害事件の逮捕後はすぐ弁護士の面会(接見)を依頼する
逮捕から勾留請求までの最大3日間(72時間)は、被疑者は外部と連絡を取ることはできず、面会が可能なのは弁護士のみとなります。
これは被疑者にとって非常に不利な状況であり、弁護士による適切な助言がなければさらに不利な状況に追い込まれることも考えられます。
そのため、逮捕後に弁護士と面会する機会である初回の接見は非常に重要となります。
弁護士の接見で可能になることやその流れ、費用などについては、『弁護士の接見とは|逮捕中の家族のためにできること・やるべきこと』の記事で解説していますので、あわせてご参照ください。
傷害事件を反省し、再犯防止策に取り組む
傷害事件を反省し、二度と傷害事件を起こさないための具体的な対策を実行することも、傷害事件の初犯者が実刑を回避するためには非常に重要です。
傷害事件の再犯防止策は、人それぞれですが、飲酒が原因ならば飲酒を控える、怒りやすい性格ならばアンガーマネジメントの講習を受けるなどの対策が考えられます。
こうした再犯防止への取り組みは、弁護士を通じて検察官や裁判官に示すことのできる情状弁護の材料にもなります。積極的に取り組み、その事実を弁護士に伝えておきましょう。
また、再犯防止に一緒に取り組んでくれるご家族の存在も大きいものです。同居のご家族が、ご本人を監督すると誓約することも、再犯防止策の1つになります。
傷害事件の初犯に関するよくある質問
Q.傷害罪と暴行罪の違いは何ですか?
暴行罪は、他人に危害を加えようと暴行を加えたものの、実際に傷つけるには至らなかった場合に適用される罪です。
暴行を加えた者が人を傷害するに至らなかったときは、二年以下の拘禁刑若しくは三十万円以下の罰金又は拘留若しくは科料に処する。
刑法208条
傷害罪と暴行罪の違い
| 傷害罪 | 暴行罪 | |
|---|---|---|
| 行為 | ・ナイフで刺す ・打撲症を負わせる ・PTSDを発症させる | 怪我をしない程度の暴力を振るう |
| 刑罰 | ・拘禁刑15年以下 ・罰金50万円以下 | ・拘禁刑2年以下 ・罰金30万円以下 ・拘留*¹ ・科料*² |
*¹ 拘留とは、1日以上30日未満の間、収容される刑罰です。
*² 科料とは、1,000円以上1万円未満のお金を納付する刑罰です。
Q.被害者が死亡した場合はどうなりますか?
傷害事件を起こし、被害者に怪我を負わせるにとどまらず、死亡させてしまった場合は、傷害致死罪となります。
傷害致死罪の法定刑は、3年以上20年以下の拘禁刑です。罰金刑はありません。
傷害事件で生じた結果が「死亡」という重大な結果となるため、初犯であっても、起訴や厳罰の可能性が高くなると言えるでしょう。
Q.傷害事件を起こしたことは、会社にバレますか?
逮捕されずに「在宅事件」として捜査が進む場合は、警察から職場に連絡がいくことは通常ないため、バレる可能性は低いです。
しかし、逮捕・勾留されて長期間欠勤せざるを得なくなったり、職場に捜査が入ったりした場合には、隠し通すことが難しくなります。
早期に弁護士を通じて、不起訴処分を獲得し、身柄拘束や前科を避けることが、職場に知られず社会生活を守るための最善策です。
Q.相手が先に手を出してきた場合でも、傷害罪に問われますか?
相手が先に手を出してきたとしても、相手に怪我をさせた場合は、原則として傷害罪が成立します。
日本の法律では、正当防衛が認められるハードルは高く、単なる言い争いから始まった喧嘩は「互いに暴行を認め合った」とみなされ、双方が加害者になるケースも少なくありません。
ただし、「先に相手に非があった」という事実は、示談交渉を有利に進めたり、検察官に寛大な処分を求めたりするための重要な判断材料になります。
Q.泥酔していて記憶にありませんが、傷害罪に問われますか?
お酒を飲んで記憶がなかったとしても、傷害罪の責任を免れることはできません。
取り調べで覚えていないことを主張すると、逆に「反省していない」と受け取られてしまう可能性があり、逮捕・勾留の期間が延びてしまう可能性があります。
記憶が曖昧な場合でも、防犯カメラなどの客観的な証拠を弁護士と確認し、認めるべき事実は認めたうえで真摯に謝罪することが、早期解決への近道です。
Q.傷害事件の初犯の示談金相場はいくらですか?
傷害事件の示談金の相場は、被害者の怪我の程度・治療費・通院日数・事件の態様などによって大きく異なります。
軽微な打撲程度であれば数十万円程度の場合もありますが、骨折や後遺症が残るような重傷の場合は、100万円を超えることも珍しくありません。
なお、アトム法律事務所が過去に解決した傷害事件における示談金相場は、約100万円でした。
初犯に限った統計ではありませんが、それぞれの解決実績(傷害事件データベース)では詳細な事案の内容を示談金額と合わせて解説していますので、ぜひ参考にしてください。
傷害事件の初犯の逮捕・起訴の不安は弁護士へ
傷害事件の初犯は、被害者が重傷・被害者多数・犯行態様が非常に悪質というような場合でない限り、不起訴を目指せる可能性があります。
傷害事件で不起訴を目指すには、被害者との示談が重要です。
ただ、傷害事件で逮捕されているご本人は、示談交渉ができません。また、在宅事件の場合でも、加害者が直接、被害者に連絡をとると冷静な話し合いができないケースも多いものです。
傷害事件の示談交渉は、弁護士に依頼したほうが、円滑に進められる可能性が高いでしょう。
起訴が決定されてからでは、その判断を覆して、不起訴に変えることはできません。
初犯の傷害事件で不起訴を目指すなら、可能な限り早く弁護士に相談し、被害者との示談交渉・検察官への働きかけを始める必要があります。
アトムの解決事例
飲食店での傷害事件(初犯・不起訴)
飲食店内でのトラブルから、被害者の臀部を足蹴りしたり、地面に押し倒す等の暴行を加えて、全治約1週間の怪我を負わせたとされた傷害の事案。
弁護活動の成果
受任後、被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結。被害届取消書を提出し、勾留を阻止、早期釈放を実現。不起訴処分となった。
電車内での傷害事件(初犯・不起訴)
泥酔して、電車で前に座っていた女性とトラブルになり、顔を殴打して全治10日の鼻骨骨折等の怪我を負わせたとされる傷害の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。
アトム法律事務所は、傷害事件の解決実績が豊富な弁護士事務所です。
他にも傷害事件の解決事例は多数あります。過去に扱った傷害事件の一部を、個人情報に配慮した形で、ご紹介していますので、気になる方は傷害事件データベースをご覧ください。
アトムは24時間相談ご予約受付中
アトム法律事務所の弁護士相談は、24時間ご予約を受付中です。
警察沙汰になった傷害事件では、初回30分無料です。
- 傷害事件で夫が逮捕された、弁護士を派遣したい
- 傷害事件の初犯だけど、不起訴になる?
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傷害事件は初犯であれば、逮捕されても不起訴になる可能性は高いので、お困りの方は早期相談をご検討ください。お電話お待ちしております。


