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痴漢の慰謝料(示談金)相場はいくら?弁護士が語る示談交渉の要点

痴漢の慰謝料

痴漢の慰謝料はいくらになるのか、加害者が被害者に支払うべき示談金の相場について弁護士が解説します。痴漢の加害者になったとき、被害者にいくら支払うべきか、示談交渉は弁護士に依頼すべきなのか、不安に思うことはつきません。

痴漢被害者にいくら慰謝料を支払えば逮捕を回避できるのか、不起訴になることができるのでしょうか。

ここでは、弁護士が示談交渉の現場で体験した事実をもとに、痴漢の慰謝料についてまとめています。痴漢の加害者になってしまった方は、是非参考にしてみてください。

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痴漢の慰謝料(示談金)相場|弁護士が行う示談交渉とは

痴漢の加害者となったとき、被害者にいくら慰謝料を支払うべきかは大きな関心事だと思います。痴漢の示談金の金額には相場があります

弁護士は、痴漢という刑事事件をいかに早く解決するかを考え、被害者との示談交渉を行います。そのとき、痴漢の慰謝料(示談金)相場を基準とした示談を行うことで、適切な被害者対応ができる上、逮捕回避、不起訴獲得、前科回避を目指すことができます。

痴漢の慰謝料(示談金)相場はどれくらい?

痴漢行為をしてしまい、被害者と示談を結ぶ場合の示談金相場は30万~100万円以上と幅広くなっています。
これは、痴漢行為が迷惑防止条例違反に該当するのか、不同意わいせつに該当するのかによって、慰謝料の相場が大きく変わるためです。

痴漢事件① 迷惑防止条例違反の慰謝料(示談金)はいくら?

迷惑防止条例違反に該当する痴漢事件を起こした場合、慰謝料(示談金)相場は、30万円~50万円となります

東京都の迷惑防止条例違反と、大阪府の迷惑防止条例違反では、痴漢の刑罰は「六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金」と規定されています。このことから、上限を50万円として示談金が決められることが多いといえます。

痴漢事件② 不同意わいせつ罪の慰謝料(示談金)はいくら?

不同意わいせつ罪に該当する痴漢事件を起こした場合、慰謝料(示談金)相場は、50万円~150万円になるでしょう

衣服の中に直接手を入れるような悪質な痴漢であれば、不同意わいせつ罪(刑法176条)に該当する場合があります。相手の被害感情によっては、痴漢の慰謝料(示談金)は150万円を超えることも珍しくありません。中には300万円で示談が行われるケースもあります。

不同意わいせつ罪の刑罰としては、「六月以上十年以下の拘禁刑」が予定されています。刑事裁判を受け、有罪になれば罰金となることはありません

着衣の下に手を入れ直接被害者の身体を触るほかにも、着衣の上から執拗に身体を撫でまわすなどの行為があると、不同意わいせつ罪になりえます。

条例違反不同意わいせつ
典型例服の上から触る服の上を撫でまわす
服の中を触る
懲役6か月以下の懲役または50万円以下の罰金6か月以上10年以下の拘禁刑
示談金相場30~50万円50~150万円

※拘禁刑は2025年の刑法改正により導入予定です。それまでは懲役刑が適用されます。

被害者との示談交渉で弁護士が相場金額を基準とする理由

弁護士が示談交渉の中で痴漢の慰謝料相場を基準に示談交渉を進めるのは、2つの理由からです。「被害者の納得を得るため」という理由と、「捜査機関に適切な被害者対応をしたことを示すため」という理由です。痴漢の示談では、被害者に誠意ある姿勢で謝罪と被害弁償を尽くすことが重要です。

とはいえ、示談とは、当事者同士が話し合いにより合意をすることで成立するものです。被害者が相場より低い金額で痴漢事件の加害者を許してくれる場合には、その合意した金額で示談を行います。大切なのは、慰謝料の支払いによって、被害者の精神的苦痛が緩和されたことです。弁護士は、被害者の感情に配慮しながら示談交渉を行います。

痴漢の慰謝料を被害者に払えば逮捕・起訴を回避できる?

刑事事件として動き出す前に、痴漢の被害者に慰謝料を支払い、示談を成立させることができれば、逮捕を回避できる可能性は高くなります

逮捕されてしまった後であっても、被害者に謝罪を尽くして示談が成立した事実があれば、不起訴処分の獲得に繋がりやすくなります。不起訴になれば前科がつくことはありません

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示談の有無による処分の違い

示談あり示談なし
被害者の許しもらえるもらえない
不起訴可能性高い可能性低い

痴漢被害者との示談交渉で逮捕を回避する

被害者と示談交渉をして、慰謝料の支払いをすることで逮捕を回避できる可能性があります。痴漢をして、被害者に被害届が提出される前に、謝罪と被害弁償を尽くすことで逮捕を免れる可能性があります。痴漢事件が刑事事件として動き出す前に、適切な被害者対応をしておくことは極めて大切なことです。

被害者との示談交渉が遅れたり、示談が成立しなかった場合には、被害届が警察に提出され刑事事件化する可能性があります。痴漢が刑事事件として扱われると、加害者は捜査機関から取り調べを受け、刑事処分を受けることになります。痴漢事件の内容によっては、逮捕される可能性はゼロではありません

痴漢加害者は慰謝料を支払って不起訴を獲得する

痴漢の加害者は被害者に慰謝料を支払い、示談を成立させておくことで、不起訴処分獲得の可能性を高めることができます。痴漢で捜査を受けると、最終的には検察官に起訴・不起訴が決められます。起訴されると刑事裁判を受けることになり、有罪となる可能性が高まります。不起訴になれば、事件は終了します。

検察官が起訴・不起訴を決める際には、被害者の被害感情が重視されます。このとき、加害者が誠意をもって被害者に謝罪し、慰謝料を支払い、それを被害者が受け入れ許していると、痴漢事件は不起訴という結果になる可能性が高まります。被害者が加害者を許していることを示す「宥恕」を示談書に盛り込み示談をすることで、捜査機関に対し被害者の感情が緩和されたことを示すことができます。

痴漢の慰謝料を支払うと前科回避につながる

痴漢事件で不起訴処分になると、事件が終了し、捜査の対象ではなくなるというメリットがあります。そして、不起訴処分にはもう一つ大きなメリットとして、「前科がつかない」という点が含まれます。痴漢事件で逮捕されたとしても、不起訴処分になることで、前科はつきません。前科がつくと国家資格が得られなかったり、就職に不利になったりと、様々なデメリットがあります。

前科は、刑事裁判を受け、有罪判決が確定したときにつくものです。痴漢事件では、迷惑防止条例違反でも不同意わいせつ罪でも、刑事裁判に発展する可能性があります。被害者に慰謝料を支払い、早期に示談を成立させることで、刑事裁判を回避することは前科をつけないために重要なことです。

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痴漢の慰謝料を支払う前に弁護士に相談すべき3つの理由

理由① 痴漢の慰謝料金額は弁護士によって変わる

痴漢の慰謝料金額は、示談交渉の中で決まります。示談交渉は、弁護士の力量によってその結果は左右されるため、慰謝料(示談金)の金額は、弁護士によるところが大きいといえます。痴漢事件の示談経験が豊富にあれば、示談交渉はスピーディに行われ、示談金額も相場を基準にして適切な金額に落ち着くでしょう。

痴漢事件に詳しい弁護士であれば、その痴漢事件の背景事情や悪質性を見極め、刑事処分の見通しをたてることができます。そして、加害者に代わり被害者へ謝罪し、慰謝料(示談金)の妥当な金額を提示して示談を進めることができます。示談は被害者との話し合いであり、被害者の意向が尊重されますが、合意にたどり着けるかは弁護士の手腕にかかっていると言っても過言ではありません。

痴漢事件に強い弁護士が示談交渉を行うメリット

痴漢事件に強い弁護士一般の弁護士
示談交渉スピーディ時間がかかる
示談金適切な金額が分かる適切な金額が分からない

理由② 痴漢示談の成立・不成立が刑事事件の明暗をわける

痴漢の示談は成立するか不成立となるかで、刑事事件の流れがかわります。そのため、示談実績が豊富な弁護士のサポートを受けることはとても大切です。示談が成立して被害者が加害者を許した場合には、不起訴になる可能性が高まります。一方、示談が成立しないのであれば、略式罰金や起訴という可能性が出てきます。

示談ができるかどうかで、刑事事件が終了に向かうか刑事裁判に向かうか、大きく展開が変わります。刑事手続きが続く以上、加害者は日常生活に支障が生じ、精神的にも大きな負担を感じることでしょう。痴漢で逮捕されたとしても、示談を成立させて早期釈放が実現できれば、社会生活上のダメージは最小限に抑えることができます。

理由③ 弁護士の示談交渉は被害者・加害者両方に配慮される

弁護士に示談交渉をしてもらう大きなメリットとして、「被害者・加害者、両者への配慮」という点があげられます。弁護士は、加害者の弁護人になれば、加害者の味方です。痴漢被害者の心情に配慮して慎重に示談をすることで、それが結果的に加害者のためになります。弁護士は、被害者・加害者がそれぞれおかれた状況に配慮しつつ示談をすみやかに行います。

加害者本人が痴漢被害者に直接接触することは、捜査機関に証拠隠滅を疑われる可能性があり、控えるべきです。被害者は加害者に対し恐怖心や不快感を持っている可能性が高く、弁護士を通じて謝罪や示談の話を進めることが大切です。

まとめ

痴漢の慰謝料金額は、痴漢事件の内容によって様々です。慰謝料の金額は示談交渉の中で決まります。痴漢の加害者になった方は、示談に詳しい弁護士に相談し、早期解決を目指すことをお勧めします。逮捕前に解決する、逮捕されてもすぐに釈放を目指す、前科を回避する、その実現に向けて弁護士はあなたをサポートします。

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アトム法律事務所 所属弁護士