2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
窃盗は、初犯であっても起訴され、事案の悪質性によっては実刑判決を受ける可能性があります。「初めてだから」「万引き程度だから」と軽く考えていると、思わぬ重い処分につながることもあります。
この記事では、窃盗の初犯で起訴されるのか、実刑になる可能性はあるのか、前科を避けるために何をすべきかをわかりやすく解説します。
示談交渉や弁護士への相談を検討している方は、ぜひご覧ください。
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目次
窃盗の初犯でも起訴される?
初犯でも起訴されることはある!起訴率は?
初犯であったとしても、示談が成立しなかったり、犯行の悪質性が高いと判断されたりした場合には、起訴される可能性があります。
初犯だからといって必ずしも軽い処分になるわけではないのです。
窃盗事件で犯行の悪質性が高い例としては、高額な商品を盗んだ場合や、組織的・計画的に犯罪が行われていた場合などが挙げられます。
過去にアトム法律事務所が取り扱った事案をもとにした統計によると、窃盗の起訴率は約30%となっています。ただし、この統計には再犯のケースも含まれています。
日本の刑事裁判においては起訴されると、99%以上の確率で有罪となります。
有罪判決が確定すると前科がついてしまうため、前科がつくことを避けるのであれば、まず不起訴処分を目指すことになるでしょう。
前科がつくと、勤務先や学校に事件のことが知られてしまうリスクが高まったり、資格や職業によっては就業に影響が及んだりすることもあります。
前科については『前科がつくとどうなる?仕事や生活への影響・デメリットを弁護士が解説』の記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
起訴には通常起訴と略式起訴があります。それぞれの内容を解説します。
通常起訴
通常起訴とは、検察官が被疑者を正式な刑事裁判の被告人として裁判所に訴えることを指します。公開の法廷で審理が行われる正式な裁判手続きです。
公判は複数回にわたって行われ、最終的に裁判官が判決を下します。有罪判決となれば、前科がつきます。
略式起訴
略式起訴は、通常起訴よりも簡単に被疑者の刑事処分を決める手続きのことです。略式起訴では法廷での裁判が開廷されずに、非公開で事件の処理が行われます。
窃盗罪は略式起訴の要件を満たすため、略式起訴の手続きが取られることも多いです。略式起訴された場合も罰金刑となり、前科がつきます。
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・略式起訴とは?前科はつく?要件と罰金相場、起訴・不起訴との違いを解説
示談すれば微罪処分や不起訴処分の可能性が高まる
窃盗の初犯で被害額も少額かつ示談が成立していれば、刑罰が科されずに、微罪処分や不起訴処分などの軽い処分になる可能性が高いです。
実務上、初犯者は再犯者と比べて比較的寛大な処分が下される傾向にあります。これは、初めて罪を犯した人には更生の可能性が高いと考えられているためです。
微罪処分・不起訴処分となれば前科はつきません。
微罪処分
微罪処分とは、被害結果などが特に軽微な事件について、警察限りで刑事手続きを終結させる処分のことです。
本来すべての事件は検察官に送致されますが、警察限りで手続きを終結させることから、不送致とも呼ばれます。
微罪処分となるかは警察官の裁量によりますが、初犯であれば微罪処分の可能性はあるでしょう。
微罪処分となるための主な条件は以下の通りです。
微罪処分となるための主な条件
- 犯罪が軽微であること
- 被疑者が十分に反省していること
- 被害が適切に回復されること
- 被疑者を監督する人がいること
窃盗事件の場合、概ね2万円以下の被害額が目安となります。罪を犯したことを反省し、被害弁償や示談を締結していることも条件として挙げられます。
微罪処分となる場合は、身元引受人に警察署まで来てもらい、身柄釈放となります。その後、警察や検察などの捜査機関から連絡が来ることは原則ありません。
前科もつかないため、日常生活に戻ることができます。
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不起訴処分
不起訴処分とは、検察官が刑事裁判を開廷しないと決める処分のことです。不起訴処分になれば、犯罪の捜査は終了し、刑事裁判にかけられないため、前科をつけずに事件を終了させることができます。
窃盗事件では、盗んだお金や物がわずかで、過去に同様の前科・前歴がないような場合は、示談を締結することで、不起訴処分を獲得できるケースが多いです。
窃盗の初犯で実刑になることはある?
窃盗の初犯で実刑になる可能性はある
窃盗の初犯であっても、状況によっては実刑判決を受ける可能性はあります。「初犯は処分が軽くなるから実刑判決を受けない」というのは誤解です。
実刑判決を受けると、直ちに刑務所に収容されます。刑務所での長期間の拘束を余儀なくされると、そのぶん社会復帰も難しくなります。
窃盗の初犯で実刑になるケース
窃盗の初犯で実刑判決が下されるかどうかは、具体的な状況や事情によります。
一般的に、初犯であれば拘禁刑が科されても執行猶予が付くことが多いですが、以下のような要素が複合的に関係している場合には実刑となる可能性が高くなります。
- 被害額が数千万円を超える
被害の規模が大きいほど、犯行の結果の重大性が量刑に強く反映されます - 組織的な犯行で計画性が高い
突発的な犯行より、計画的・組織的な犯行の方が悪質性が高いと評価されやすくなります - 反省の態度がない
更生の見込みが低いと判断され、執行猶予が付きにくくなります - 被害弁償が行われていない
被害の回復がなされていない点は、量刑上不利に働きやすい事情です
たとえば、「組織的に計画を立て、宝石店で数千万円の商品を盗んだが被害弁償できていない」といったケースでは実刑となる可能性が高くなるでしょう。
アトム法律事務所が取り扱った事案をもとにした統計によると、窃盗で執行猶予が付かなかったケースは約24%となっていました。ただし、この統計には再犯のケースも含まれています。
窃盗罪の要件と刑罰
窃盗罪が成立する要件
窃盗罪は、「他人の財物」を「窃取」した場合に成立する犯罪です(刑法235条)。
「窃取」とは、他人の占有している財産や物品を、その意思に反して自分または第三者のものとしようとする行為のことを指します。
他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、十年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
刑法235条
窃盗罪には未遂罪も規定されているため、窃盗を行おうとして失敗に終わった場合も処罰される場合があります。
窃盗罪の刑罰
窃盗罪の刑罰は「10年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金」です。
窃盗罪の初犯であっても、再犯であっても、適用される範囲は同じです。つまり、法律上は、窃盗罪の初犯でも最大10年の拘禁刑が科されることもあるといえます。
万引きも窃盗罪になる
スーパーやコンビニなどの店で陳列された商品を盗む、いわゆる万引きも窃盗罪にあたります。
万引きは軽い犯罪という印象があるかもしれません。しかし、店の占有している商品を自分のものとしようとする行為であり、窃盗罪に該当すると認識しておく必要があります。
万引きの被害額が数十円、数百円と小さくても、商品を盗めば窃盗罪に該当し、犯罪となります。
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・万引きは軽い犯罪?処分の重さと拘禁刑・罰金刑を避けるための示談・弁護活動を解説
・万引きで逮捕されるとどうなる?現行犯逮捕・後日逮捕の例や逮捕の流れを解説
窃盗罪の初犯で逮捕された後の流れ
ここでは窃盗事件の逮捕の種類と逮捕後の流れをみていきましょう。
主な逮捕は2種類
窃盗では犯行現場で現行犯逮捕されるケースと、後から身柄を特定されて後日逮捕されるケースがあります。

現行犯逮捕とは、今まさに犯行をしている人、犯行直後の人を逮捕状なしで逮捕することです。
スーパーやコンビニなどで万引き行為を行い、店員などに発覚したあと、警察を呼ばれて身柄を引き渡されるケースは現行犯逮捕の典型例といえるでしょう。
後日逮捕とは、裁判所の逮捕状発付に基づく逮捕のことをいいます。通常逮捕とも呼ばれます。
防犯カメラなどから身柄を特定されて、多くの場合、被疑者在宅の可能性が高い早朝に警察官がやってきて、逮捕状が示されてそのまま警察署に連行されます。
窃盗事件の場合、通常逮捕は防犯カメラの映像などから犯行が発覚するケース、現行犯逮捕は目撃者や店員などにその場で犯行現場を押さえられるケースが多いです。
後日逮捕の場合、防犯カメラの解析や被害届の内容確認などに一定の時間を要するため、犯行から数日~数週間、場合によっては数か月後に逮捕に至ることもあります。
逮捕されず在宅事件になるケースもある
窃盗事件では、必ずしも逮捕されるとは限りません。
被害が軽微である、逃亡や証拠隠滅のおそれが低い、被害者との示談交渉が進んでいるといった事情がある場合には、逮捕されずに捜査が進む「在宅事件」となることもあります。
在宅事件であれば、日常生活を送りながら捜査に対応できるため、逮捕・勾留に伴う長期の身柄拘束を避けられる点が大きなメリットです。
ただし、在宅事件になるかどうかは個別の事情による判断となるため、早い段階で弁護士に相談し、適切な対応を取ることが重要です。
逮捕後は最長23日間身柄拘束される

次に、逮捕された後の流れをみてみましょう。逮捕後は検察官が事件を起訴するかどうか決めるまで、最長で23日間の身柄拘束が続く可能性があります。
逮捕されても、警察は微罪処分として釈放する場合がありますが、それ以外の場合、事件を検察官に引き継ぐ検察官送致(送検)が48時間以内に行われます。
検察官が身柄拘束を継続して捜査の必要性があると判断した場合には24時間以内に勾留請求が行われ、勾留質問などのあと、原則として10日間身柄が拘束されます。
必要に応じ、さらに最長で10日間の勾留延長が行われます。
捜査の結果、検察官は起訴するかどうかを判断します。不起訴・処分保留となった場合は釈放されますが、起訴される場合、通常起訴または略式起訴のいずれかの手続きが取られます。
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・逮捕されたら?逮捕の種類と手続の流れ・釈放のタイミングを解説
窃盗の初犯で不起訴処分を獲得するためには
示談で不起訴の可能性を高める
窃盗のような被害者のいる犯罪の場合、早期に被害者対応を行うことが重要です。
示談を締結することで、検察官が再犯の可能性や加害者家族への影響などといった様々な情状を考慮し、最終的に「起訴するほどではない」と判断し、不起訴処分となる可能性が高まります。
示談金の相場は、被害額や被害弁償の状況、交渉の経緯によって大きく異なりますが、被害額が少額なケースでは数万円程度、被害額が大きいケースではそれに応じた金額になることが一般的です。
相場には幅があるため、実際の見込み額については弁護士にご確認いただくことをおすすめします。
なお、過去にアトム法律事務所が取り扱った事案をもとにした統計によると、窃盗事件の示談金相場は約30万円でした。
被害者との間に示談を締結するためには、弁護士によるサポートが欠かせません。
逮捕されてから起訴される前の身柄拘束が続く期間は最大で23日間ですが、起訴が決定した後で示談が成立しても、後から不起訴とすることはできません。
そのため、できる限り早い段階で弁護士に相談し、検察官が起訴するかどうか判断するまでに、示談を締結する必要があるのです。
逮捕されている場合、加害者本人は示談交渉を行うことはできず、また逮捕されていない場合であっても加害者と被害者が直接示談交渉を行うことは困難です。
そのため、示談交渉の際は弁護士を間に立てることが必要となります。
弁護士が示談交渉を行うメリット
| 弁護士 | 本人 | |
|---|---|---|
| 示談交渉 | 交渉しやすい | 難しい |
| 示談成立 | 早期成立 | 時間がかかる |
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・窃盗の弁護士費用はいくら?相場・内訳と費用を抑える方法を解説
示談できない場合も弁護士と対策を練る
被害感情が強い場合など、被害者との示談が締結できないケースもあります。
また、万引きをした場合、示談には一切応じない方針を取っている店舗もあります。
特に大手スーパー、コンビニなどのチェーン店は「被害弁償には応じるが、示談には応じない」といった対応を取っていることも多いです。
その場合は弁護士と相談のうえ、示談とは別の形で反省の意を示すことで、不起訴処分の可能性を高めていくことになります。
示談ができない場合の対処法として、以下が挙げられます。
示談できないときの対処法
- 被害弁償
万引きをした商品の返品や、使用していた場合にはその金額相当額の返金などを含めた、被害全額の弁償 - 供託
被害者が被害弁償額をいつでも受け取れるよう、国の機関である供託所に金銭を預ける賠償方法 - 贖罪寄付
都道府県の弁護士会や法テラスなどの団体に対して寄付を行うことで反省の意思を示すことができる制度
示談できない場合の対処法について詳しく知りたい方は、『万引きで示談ができないときはどうする?前科を回避する対策を解説』をご覧ください。
アトムの解決事例(窃盗の初犯)
ここでは、過去にアトム法律事務所の弁護士が実際に解決した、窃盗の初犯の事例をいくつかご紹介します。
商業施設で化粧品などを万引きした事例
複数店舗での万引き・転売により罰金刑となった事例
複数の商業施設で化粧品などの万引きを繰り返し、一部をインターネットで転売していたケース。転売目的・常習性が認められたため、初犯であっても公判請求(正式裁判)を受ける可能性が高い事案だった。
弁護活動の成果
被害店舗4店舗のうち2店舗とは宥恕(許し)付きの示談が成立。残る2店舗にも被害弁償を完了させ、全店舗への被害回復を実現した。これらの事情を検察官に主張した結果、正式裁判(公判請求)は回避された。
示談の有無
あり(4店舗中2店舗で成立、残り2店舗も被害弁償は完了)
最終処分
略式罰金50万円
施錠されていない自転車を窃取した事例
自転車窃盗で示談が成立し、不起訴処分となった事例
酔った状態で帰宅する途中、駐輪場で施錠されていない自転車を窃取したケース。試用期間中の公務員であり、職場に知られることなく解決したいという強い希望があった。
弁護活動の成果
被害物件が会社所有の自転車だったため、被害会社の代理人弁護士と交渉。粘り強い交渉の結果、宥恕文言付きの示談が成立し、この事情を検察官に報告した結果、不起訴処分となった。
示談の有無
あり(示談金30万円)
最終処分
不起訴処分
物産展で商品を万引き、示談を拒否された事例
示談を拒否されたが弁済供託により不起訴処分となった事例
物産展でウコンを万引きしたケース。前科前歴はなし。事件から約4か月後に警察が自宅を訪問し、防犯カメラの映像をもとに発覚した。
弁護活動の成果
被害店舗に謝罪と被害弁償を申し入れたが、会社方針として示談・弁償金の受け取りを一切拒否された。そこで、被害額に迷惑料・遅延損害金を加えた金額を法務局に預ける「弁済供託」を実施し、反省の態度を客観的に示す形で意見書を検察官に提出した結果、不起訴処分となった。
示談の有無
なし
最終処分
不起訴処分
24時間予約受付中!初犯の窃盗を弁護士に相談できる窓口
窃盗の初犯で起訴されることや実刑判決を受けることを心配している方は、弁護士に相談してください。
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ご都合のよろしいお時間におかけいただければ、専属スタッフが弁護士相談のご予約をお取りします。
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