
「店舗から被害届を出されたらどうなる?」
「警察から連絡が来たらどうしよう」
万引きをしてしまった方は、大きな不安と後悔の念に苛まれているかもしれません。警察から連絡が来たらどうしよう、逮捕されたらどうしようと、悪い想像ばかりが頭をよぎってしまうこともあるでしょう。
万引きは決して許されることではありませんが、被害届を出されても被害者との示談を迅速に行うことで、逮捕や前科を回避し、穏便に解決できる可能性は十分にあります。
この記事では、万引きで被害届を出された後の流れと逮捕や前科を回避するための具体的な対処法を分かりやすく解説します。

※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
万引きで被害届が出されたらどうなる?
被害届の提出で警察は事件を認知する
万引きで被害届が出されると、警察は事件を認知します。
ただし、被害届はあくまで警察が事件を把握するきっかけに過ぎず、提出されたからといって必ず警察が捜査を行うとは限りません。捜査を行うかどうかは、被害の内容や状況などを踏まえたうえで警察が判断します。
捜査が必要と判断した場合、警察は事情聴取・防犯カメラの確認・現場検証などの捜査を行います。
捜査次第では逮捕される可能性がある
万引きで被害届が出されると、捜査次第では逮捕される可能性があります。特に、万引き事件が発生したとき、犯人が店員の制止を振り切って逃亡しているような場合では、身体拘束の必要性が高いとして後日逮捕されるかもしれません。
逃亡時に警備員を押し倒し怪我をさせたような場合だと、単なる窃盗事件ではなくなるため、逮捕される可能性は飛躍的に高まるでしょう。
一方で、万引き事件のあと、すぐに店舗に謝罪をしていたり、警察に自首したようなケースでは、逮捕の必要性はないとして在宅捜査になる可能性があります。
在宅捜査になれば、基本的には警察に呼び出しを受けたときに出頭する以外は、通常の日常生活を維持することが可能です。逮捕された場合に比べると、仕事や学校への影響は極めて小さいといえます。
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被害届あり・なしの違い
被害届あり | 被害届なし | |
---|---|---|
警察 | 捜査される可能性が高い | 捜査しない |
逮捕の可能性 | あり | なし |
万引きは後日逮捕もありえる|防犯カメラによる犯人特定
万引きの後日逮捕|防犯カメラが重要な証拠に
万引き事件で被害届が出されたとき、防犯カメラに犯行が映っており犯人特定につながることがあります。事件が起こってから犯人が名乗り出ないとなれば、そのまま逃げたと考えられるため、後日逮捕して取り調べを行う必要が高まります。
在宅捜査では犯人の取調べが難しかったり、捜査が進まないと判断されれば、警察は逮捕令状を請求し、身体拘束に踏み切るでしょう。
防犯カメラは客観的な事実を証明するための重要な証拠です。ここで犯人特定の手掛かりが映し出されていれば、捜査は大きく進展します。しかし、顔が不鮮明であったり万引きの瞬間が明らかでない場合は、映像が証拠として使えないこともあります。
とはいえ、防犯カメラが決め手になって後日逮捕につながるケースもあり、万引き事件が発生したときは、通常、警察は早い段階で防犯カメラの映像を解析するのです。
万引き事件をはじめとした窃盗の証拠については『窃盗の証拠がなければ警察は動かない?窃盗の犯人を認定する5つの証拠とは?』の記事で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
万引きで逮捕された後の流れは?
万引きで後日逮捕されると、まずは警察で取調べを受けます。そして、48時間以内に事件は検察官に引き継がれ、今度は検察官による取調べを受けることになります。検察官は、24時間以内に勾留請求をすべきか検討し、勾留して捜査を進めるべきと考えると裁判官に勾留請求するという流れです。

勾留請求されると、被疑者は裁判官と面談をします。これは勾留質問と呼ばれ、大阪地裁(大阪簡裁)のように勾留請求の日に行われる場合もあれば、東京地裁(東京簡裁)のように勾留請求の翌日に行われることもあります。勾留質問を踏まえて、裁判官は勾留の判断をしますが、ここで「勾留しない」という結論になれば、すぐに被疑者は釈放され自宅に帰ることが可能です。
万引きの捜査はどこまで?自宅や職場に連絡が来る可能性は?
被害届が提出されたら、万引きの捜査はどこまで行われるのでしょうか。
実際には、警察はまず本人に直接連絡するのが基本です。携帯電話や自宅の電話が主な連絡手段となり、いきなり学校や職場に連絡がいくことはあまりありません。
ただし、本人と連絡が取れなかったり、身元が確認できないような場合には、やむを得ず学校や職場に連絡がいく可能性もあります。
捜査の範囲や対応の仕方はケースごとに異なりますが、誠実に対応し、被害者との間で早期に解決を図ることで、周囲に与える影響を最小限に抑えることができます。
逮捕や前科を回避する最も有効な方法は「示談」
示談で逮捕・前科回避を目指す

万引き事件の解決で重要なことは、被害者(被害店舗)との示談です。謝罪と被害弁償の支払いを行い、示談をすることで逮捕回避を目指すことができます。被害届が提出される展開になったとしても、万引きの後で逃亡したり証拠を隠滅する行動をしなければ、逮捕の危険は大幅に減ります。
出来る限り早い段階で示談による解決を図りましょう。そして、捜査が開始されたときには、すみやかに示談が済んでいることを捜査機関に示すことが大切です。示談は逮捕回避だけでなく、不起訴処分獲得にも影響します。適切な被害者対応をして、被害者がすでに許してくれているという事情は、起訴回避にもつながるのです。
万引きの示談は刑事事件に詳しい弁護士に相談を
万引き事件の示談は、被害者が謝罪を受け入れてくれ、被害弁償をすることが最低限必要です。そして、被害者の宥恕(「許す」という意味)を取得するには、被害者の納得を得なければなりません。
単に「お金を支払うので許してほしい」という主張をするのではなく、自ら店舗への立ち入りを自粛する約束をすることや、事件をきっかけに防犯カメラの設置をしたのであれば、その費用を負担するなどの配慮が必要になります。
万引き事件の示談をするときには、刑事事件に詳しい弁護士に相談し、どのような段取りで被害者にアプローチをするか慎重に検討することが重要です。万引き事件を数多く扱ってきた弁護士であれば、適切な示談のタイミングと示談交渉の方法を心得ているので安心です。

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万引きの被害届に関するよくある質問
Q.万引きは被害届が出される前に示談を始めるべき?
万引き事件の解決でもっとも好ましいのは、被害届が提出される前に示談を進めることです。
被害届が出されなければ、捜査も行われず刑事事件にもなりません。警察が介入する前に当事者で話し合って事件を解決しておくことは逮捕のリスクはもちろん、刑事処分を受けるリスクも回避することができます。
ただし、示談は極めて繊細な交渉事です。もし示談が決裂してしまうと、被害届が出される可能性は高まり、逮捕の危険も浮上します。
そして、再度示談の話を持ちかけることも難しくなりますので、最初の示談交渉を成功させることは極めて大切です。少しでも示談を成功させるためには、最初から弁護士に示談を依頼することが望ましいといえます。
Q.被害者の被害申告(被害届)は重視される?
被害届が提出され、捜査が開始されると、警察や検察官は被害者(被害店舗)から当時の状況を詳しく聞きます。捜査では被疑者からも事情が聞かれますが、被害者の発言は特に重視されます。
検察官は被害金額などから、客観的に被害がどの程度深刻であるかを把握し、被害者の感情を酌んだ上で刑事処分を検討しなければなりません。
一度、被疑者という立場に立たされると、「まだ犯人と確定したわけではない」とはいえ、一定のバイアスがかかって犯人扱いされる傾向にあります。特に、警察は被害者からの申告を直接受けるため、捜査には被害者から受ける印象が影響します。
この状況下で、被疑者が自分の言い分を主張するには、より説得的な証拠が必要です。自分一人で対応するより、法律専門家である弁護士のサポートを頼るべきといえるでしょう。
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・窃盗で被害届…警察に逮捕される?取り下げは?示談交渉の弁護士相談
アトムの万引き事件の解決事例
こちらでは、過去にアトム法律事務所で取り扱った万引き事件について、プライバシーに配慮したかたちで一部ご紹介します。
被害届を提出されたが示談で不起訴となった事例
万引き(不起訴処分)
洋服店で、ジャケットなどを万引きした。万引きしているところを警備員が発見。窃盗の事案。
弁護活動の成果
検察官に書類(示談書・被害届取下げ書)を提出し,勾留延長を阻止。被害者と示談を締結し、不起訴処分となった。
被害届の提出を避け、刑事事件化を回避した事例
万引き(刑事事件化せず)
コンビニで、半年間にわたって栄養ドリンクなどを万引きした。店員に見咎められた後に逃亡。刑事事件化前に受任。
弁護活動の成果
被害店舗と宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。その結果、刑事事件化することなく事件終了となった。
より多くの事案をご確認されたい方は『刑事事件データベース』をご覧ください。
万引きで被害届が心配な方はアトムにご相談ください
最後にひとこと
万引きで被害届が出されると、逮捕される可能性がでてきます。もちろん、在宅捜査を受けることもありますが、後日逮捕の危険はゼロにはなりません。
早急に示談をして逮捕回避、起訴回避を目指すことが大切です。そのためには、万引き事件の直後に弁護士に相談されることをおすすめします。
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ご依頼者様からのお手紙・口コミ評判
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
逮捕からの素早い対応で、報告も毎回してくれて安心できました。

右も左も分からないままご相談させていただきました。刑事事件がまさか身内にふりかかるとは思いもよらずあわてました。逮捕からす早く対応していただき毎回報告もきっちりしていただき不安な気持ちもやわらぐことができました。不起訴となりひと安心しています。本当にありがとうございました。感謝の気持ちでいっぱいです。
最高の弁護士さんに励まされどん底から救ってもらえました。

この度は、代次先生に、大変お世話に、なりました。どん底から、私を救って下さり、再び、生きる希望、勇気、はげましを与えて下さり誠に有り難う御座いました。私は、本当に、心から代次先生に依頼、出会えて良かったです。そして、二度と万引きなどという、行為をせず、世間に迷惑をかけてきた償いをして行きます。うまく伝えられませんが、代次先生ありがとうございました。代次先生は、どこにも居ない最高の弁護士さんだと思います。
ご依頼者様からのお手紙のほかにも、口コミ評判も公開していますので、是非ご参考になさってください。
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- 家族が万引きで逮捕された!
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