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医師・歯科医師が大麻・薬物事件を起こしたら?免許を剥奪される?

医師が大麻

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

医師・歯科医師が大麻・薬物事件を起こした場合、医師法・歯科医師法の規定に基づき、免許取消や医業停止などの行政処分を受ける可能性があります。

しかし、不起訴処分を獲得することで前科を回避し、免許を守れるケースもあります。

医師・歯科医師が大麻・薬物事件で免許を失わないためには、早期に弁護士へ相談し、不起訴処分の獲得を目指すことが極めて重要です。

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医師・歯科医師が大麻で逮捕されたら免許を剥奪される?

罰金以上の前科がつくと免許を取り消されることがある

医師・歯科医師が大麻で事件を起こして、罰金以上の刑に処せられて前科がついた場合、免許を取り消される可能性があります。

医師法4条3号は「罰金以上の刑に処せられた者」には免許を与えないことがあると定めています。また同条4号は「医事に関し犯罪又は不正の行為のあった者」も欠格事由としています。

三 罰金以上の刑に処せられた者

四 前号に該当する者を除くほか、医事に関し犯罪又は不正の行為のあつた者

医師法4条

さらに医師法7条では、医師が第4条のいずれかに該当する、または「医師としての品位を損するような行為」があった場合に、厚生労働大臣が以下の行政処分を行うことができると規定しています。

 一 戒告

 二 三年以内の医業の停止

 三 免許の取消し

医師法7条

歯科医師についても、歯科医師法4条および7条に全く同じ欠格事由と処分内容が定められています。

つまり、医師・歯科医師が大麻・薬物事件で有罪判決を受けて罰金以上の刑が確定すれば、行政処分の対象となる可能性があるということです。

薬物事件における行政処分は特に重い

処分の判断にあたっては、厚生労働省が策定した「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」の指針が参考にされます。同指針の「麻薬及び向精神薬取締法違反、覚せい剤取締法違反、大麻取締法違反」の項目では、以下の考え方が示されています。

国民の健康な生活を確保する任務を負う医師、歯科医師として、麻薬等の薬効の知識を有し、その害の大きさを十分認識しているにも関わらず、自ら違反したということに対しては、重い処分とする。

厚生労働省「医師及び歯科医師に対する行政処分の考え方について」

このように、医師・歯科医師は薬物の害について専門的知識を有するにもかかわらず自ら違反したという点が重視され、一般人よりも厳しい処分が下される傾向にあります。

実際の処分事例|医師・歯科医師の大麻事件

実際に、医道審議会では近年も薬物犯罪を理由とした処分が相次いでいます。

2026年2月の医道分科会では、歯科医師が大麻取締法違反で歯科医業停止1年の処分を受けています。

2025年12月の医道分科会では、医師に対して大麻取締法違反・犯人蔵匿による医業停止1年4月の処分に加え、歯科医師についても覚醒剤取締法違反・大麻取締法違反による免許取消が出されています。

このように、薬物関連の処分は医業停止1〜2年、場合によっては免許取消という厳しい内容となっており、医師・歯科医師にとって職業生命に関わる重大な結果を招きかねません。

参考:厚生労働省|医道審議会 (医道分科会)

医師が大麻・薬物で逮捕された後の流れ

大麻・薬物で逮捕された場合、事件が起訴されるかどうか決まるまで最大23日間の身体拘束が続く可能性があります。早期の身柄解放、不起訴の獲得、職場への説明方針を含む初動対応が重要です。

逮捕の流れ

逮捕〜送致(48時間以内)

大麻は初犯であっても逮捕が行われます。逮捕後、警察は48時間以内に事件を検察官へ送致(送検)します。

送致~勾留請求(送致後24時間)

検察官は、警察から受け取った証拠と、ご本人から直接聞いた話の内容をもとに、さらに留置場に置くこと(勾留)が必要かを判断します。勾留が必要な場合は、裁判官に勾留請求を行います。

勾留請求の期限は、逮捕後72時間かつ、送致後、検察官が被疑者を受け取った時から24時間以内です。

勾留(最大20日間)

検察官が勾留を請求し認められると、原則10日間(必要に応じ最大10日間の延長)、身柄が拘束されます。

勾留中は長期欠勤が続くため職場バレのリスクが高まります。弁護士を通じて早期釈放を目指すことが重要です。

起訴・不起訴の決定

捜査を経て、検察官が起訴・不起訴を決定します。日本の起訴後有罪率は99%を超えるため、前科を避けるには不起訴を目指すことが最も現実的な手段です。

もっとも、不起訴であっても職務外の非行として懲戒処分の対象となる可能性はあるため、処分の有無や内容は所属機関の判断によって決まります。

逮捕後の釈放タイミングについて詳しく知りたい方は『逮捕されたら?逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説』の記事をご覧ください。

大麻の刑罰は?初犯より再犯の方が罪は重くなる?

大麻の刑罰(営利目的なし)

大麻の刑罰(営業目的なし)

使用・所持・譲渡・譲受の刑罰

免許等なく個人で大麻を不正に使用・所持した場合や、譲渡・譲受した場合の刑罰は、7年以下の拘禁刑です(麻薬及び向精神薬取締法66条の2第1項、同66条1項)。

所持は、自分の支配下に大麻がある状態のことをいい、カバンや衣服のポケットに携帯する場合に加え、車や家で保管する場合も含みます。所持量が微量(0.5グラム以下)の場合は、大麻草なら不起訴になる場合もありますが、濃度が高い樹脂だと通常起訴されます。

譲渡・譲受は、有償無償を問わず違法行為です。友人・知人などに大麻を無償で渡した場合でも、犯罪となります。

栽培・輸出・輸入の刑罰

免許等なく個人使用目的で大麻を栽培・輸出入した場合の刑罰は、1年以上10年以下の拘禁刑です(大麻草の栽培の規制に関する法律24条1項、麻薬及び向精神薬取締法65条1項)。

大麻の刑罰(営利目的あり)

大麻の刑罰(営業目的あり)

使用・所持・譲渡・譲受の刑罰

営利目的で大麻を使用・所持・譲渡・譲受した場合の刑罰は、1年以上10年以下の拘禁刑です。情状によっては300万円以下の罰金が併科される場合があります(麻薬及び向精神薬取締法66条の2第2項、同66条2項)。

栽培・輸出・輸入の刑罰

営利目的で大麻を栽培・輸出入した場合の刑罰は、1年以上20年以下の拘禁刑です。情状により500万円以下の罰金が併科される場合があります(大麻草の栽培の規制に関する法律24条2項、麻薬及び向精神薬取締法65条2項)。

初犯より再犯の方が罪は重くなる?

大麻の刑罰は、基本的に拘禁刑です。ただし、拘禁刑の判決を受けても、初犯であり悪質性も低いとみなされた場合は執行猶予がつくことも多いです。

しかし、再犯となった場合は実刑となる可能性が高くなり、特に執行猶予判決を受けてから5年以内の再犯の場合はほぼ確実に実刑となります。

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医師・歯科医師が大麻・薬物で免職を避けるためには

医師・歯科医師が大麻・薬物に関する罪を犯したことにより前科がついた場合、免許取消や医業停止などの処分が下る可能性があります。前科により職を失わないためには、早期に弁護士に相談することが重要となります。

逮捕・勾留に対応するために弁護士に相談する

大麻・薬物は微罪として処理されることが困難な犯罪類型であり、逮捕された場合、勾留される可能性は非常に高いです。

令和7年版犯罪白書によると、令和6年における大麻事件の勾留請求率は約98%、勾留認容率は約98%です(令和7年版 犯罪白書 第2編/第2章/第3節)。逮捕された大麻取締法違反の被疑者は、およそ95%以上が勾留されています。

そのため、まずは勾留を回避し、早期に釈放されることを目指す弁護活動が重要になります。

早期釈放のためには、家族の協力なども得ながら、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを弁護士を通じて主張することが求められます。

また、同居人や恋人などが大麻・薬物で逮捕され、自分にも嫌疑がかかっているという場合があります。そのような時は逃亡や証拠隠滅の恐れがないことや所持の事実がないことを弁護士を通じて主張し、逮捕の回避を目指します。

不起訴処分の獲得や執行猶予を目指す弁護活動

大麻・薬物事件において不起訴を目指すためには、犯行が悪質でないことや十分に反省して再犯の恐れがないことなどをしっかりと検察官に示すことが必要です。

起訴された場合、保釈による釈放を目指して活動を行います。弁護人により保釈請求を行い、逃亡や証拠隠滅の恐れのないことが認められると保釈決定が下り、保釈金を納付することで釈放されます。

裁判では執行猶予つき判決を得て実刑を回避することを目指します。初犯で個人使用目的であれば執行猶予がつくことが多いですが、営利目的や常習性が認められた場合は実刑になるケースが多くなります。

大麻・薬物依存を治療して再犯を防ぐ

薬物は再犯率の高い犯罪であることから、罪を少しでも軽くするためには再犯防止のための取り組みをしっかりと行い、それを検察官や裁判官に示すことが必要となります。

具体的には以下の取り組みが有効です。

再犯を防ぐ取り組みの例

  • 医療機関で薬物依存の治療を受ける
  • 「ダルク(DARC)」などの薬物依存回復支援施設に入所する
  • 弁護士・家族と協力して診断書やサポート体制を整え証拠として提出する

行政処分を見据えた対応で早期の社会復帰を目指す

医師・歯科医師が免許を失うのを防ぎ、一日も早い社会復帰を果たすためには、刑事事件の段階から行政処分を意識した弁護活動を行うことが大切です。

不起訴処分を獲得できれば前科がつかないため、行政処分の対象となるリスクは大幅に低くなります。仮に起訴された場合でも、執行猶予付き判決を獲得し、反省と再犯防止の取り組みを示すことで、行政処分を可能な限り軽くすることを目指します。

医道審議会への対応においては、意見聴取・弁明聴取の手続において弁護士を同席させ、有利な主張・証拠の提出を行うことも有効です。

医師・歯科医師の大麻事件に関するよくある質問

Q.医師・歯科医師が大麻で逮捕されたら、必ず免許を剥奪されるのですか?

大麻で逮捕されたとしても、必ず免許が剥奪されるわけではありません。

行政処分は医道審議会の審議を経て決定されるため、事案の内容や処分歴、反省の程度などが総合的に考慮されます。

不起訴処分を獲得して前科を回避できれば、行政処分の対象にならない可能性もあります。

ただし、有罪となった場合は医業停止や免許取消といった重い処分が下される傾向にあるため、早期の弁護士相談が重要です。

Q.医道審議会の処分はいつ頃決定されるのですか?

医道審議会の行政処分は、刑事処分が確定してから一定期間を経た後に決定されます。

刑事裁判の判決確定後、法務省から厚生労働省へ情報が提供され、都道府県を通じた報告手続、医道審議会での審議、意見聴取・弁明聴取を経て最終的に処分が決まります。刑事処分の確定から数か月〜数年かかるケースもあります。

この間に反省の態度や再犯防止の取り組みを示すことが、処分の軽減に有効です。

Q.大麻事件で逮捕されても不起訴は目指せますか?

大麻で逮捕されても、不起訴処分を獲得できる可能性はあります

大麻では拘禁刑か拘禁刑と罰金の併科しかないため、裁判と重い刑を避けるためには不起訴獲得が重要です。また、不起訴になれば前科もつきません。

アトム法律事務所が過去に扱った大麻事件で不起訴になった割合は約45%でした。約半数が不起訴になるとはいえ、大麻は再犯率が高く社会的影響も大きいため、甘く考えてはいけません。

不起訴になりやすいケースとしては、直接的な証拠である大麻そのものが見つかっていない場合や、見つかってもごく微量(0.5g以下)であるような場合が考えられます。

不起訴獲得のためには、 弁護士に依頼して、大麻の悪質性・常習性の低さ、再犯防止の取組み、家族の支援などを十分に検察官へ伝えることが重要です

まとめ

医師・歯科医師が大麻・薬物事件を起こした場合、医師法・歯科医師法に基づく行政処分により、医業停止や免許取消といった厳しい処分を受ける可能性があります。近年の医道審議会でも、薬物犯罪に関する処分は医業停止1〜2年、場合によっては免許取消という重い処分が下されており、その傾向は一貫しています。

免許を守り、社会復帰を果たすためには、できるだけ早い段階で弁護士に相談し、不起訴処分の獲得を目指すことが何よりも重要です。

不起訴であれば前科がつかず、行政処分の対象にもならない可能性があります。仮に起訴された場合でも、執行猶予付き判決の獲得、再犯防止の取り組みを通じて、処分を可能な限り軽減していくことが可能です。

令和6年12月に施行された改正法により大麻に「使用罪」が新設され、取り締まりの範囲が広がっています。大麻・薬物の問題を抱えている医師・歯科医師の方は、一人で悩まず早期に弁護士へご相談ください。

アトムは24時間365日相談予約受付中

アトム法律事務所は設立当初から刑事事件を専門に扱う事務所として発足し、刑事事件の豊富な解決実績があります。

当事務所は、24時間365日、土日・深夜でもご相談予約を受け付けております。

「大麻で逮捕された」「大麻で取り調べを受けることになり医師・歯科医師免許を失うことが心配」など、今後が不安な方は、まずはお電話で相談予約をお取りください。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了