盗撮の慰謝料(示談金)の相場は、約50万円前後が目安です。ただし、この金額はあくまで目安であり、盗撮が行われた場所や撮影の態様、被害者の人数などによって、実際の金額は変わります。
慰謝料・示談金を適切な金額で支払い、示談を成立させることは、盗撮事件の解決において非常に重要な意味を持ちます。
示談が成立すれば、不起訴や逮捕回避の可能性が高まるからです。反対に相場を大幅に外れた対応や、被害者への不誠実な対応は逆効果になりかねません。
この記事では、盗撮の慰謝料相場と示談金の決まり方、弁護士に依頼するメリットなどを解説します。盗撮の慰謝料について知りたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
盗撮の慰謝料と示談金の違いは?
盗撮事件の解決を進めるうえで、「慰謝料」と「示談金」はどのような違いがあるのか、まず整理しておきましょう。
両者の関係を正しく理解することが、示談交渉をスムーズに進める第一歩です。
盗撮の慰謝料とは?
慰謝料(いしゃりょう)とは、被害者の精神的苦痛に対する「損害賠償金」のことです。
盗撮の慰謝料は、盗撮被害を受けた被害者の精神的苦痛を和らげたり、埋め合わせたりするためのお金です。慰謝料は示談金の一部という関係にあります。
盗撮の示談金とは?
示談金(じだんきん)とは、示談の際、加害者から、被害者に支払うお金のことです。
示談とは、事件について当事者間で合意により解決することです。

示談金は、慰謝料を含めたトラブルの一切を解決するために支払うお金を指します。
盗撮事件のような財産的損害のない事件であれば、慰謝料と示談金はおおむね同じ意味合いで使われることが多いです。
盗撮の慰謝料相場はいくら?示談金の目安と影響する要素
盗撮の慰謝料・示談金の相場は約50万円前後が目安です(アトム法律事務所「盗撮の示談金の相場」より)。
もっとも、示談金の金額は一律に決まるものではなく、被害の態様や事件の具体的事情によって大きく左右されます。
示談金の相場に影響する要素
- 盗撮が行われた場所(駅・商業施設・学校・職場など)
- 撮影の態様(スカート内・トイレ・更衣室など)
- 被害者の精神的苦痛の程度
- 被害者の年齢
- 被害者の人数・撮影回数(余罪の有無)
早期に謝罪や示談交渉を行い、誠実に被害回復に努めた場合には、示談金額が相場より低く抑えられるケースもあります。
一方で、悪質性が高い事案や被害が重大な場合には、50万円を超える示談金が求められることもあります。
示談金はどうやって決まる?
盗撮事件における示談金は、被害者と加害者(またはその代理人)との話し合いによって決まります。法律で金額が一律に定められているわけではなく、個別の事情を踏まえた合意が重要です。
示談金の交渉では、類似事案の示談金額の水準、加害者側の資力(支払能力)、被害者側の希望金額などが考慮されます。
また、盗撮行為を罰する規定にある「罰金」の金額を参考にすることもあります。
撮影罪の新設で示談金額は変わった?
盗撮行為は、2023年7月13日以降、原則「撮影罪」で処罰されます。撮影罪の刑罰は、「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」です。
撮影罪が導入される以前の盗撮事件については、各都道府県が定める迷惑防止条例が適用されるケースが一般的でした。
たとえば、東京都の条例では、盗撮行為に対して「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」が定められています。
撮影罪の新設によって法定罰金額が大幅に引き上げられたことから、今後は盗撮事件における示談金額が、以前より高額になる可能性も考えられます。
具体的な見通しを立てるには、刑事事件に詳しい弁護士へ相談することが重要です。
盗撮事件の示談で処分はどう変わる?不起訴を目指すためのポイント
盗撮で示談が成立すると不起訴になる?
盗撮事件で示談をすると、被害者の精神的な被害の回復につながります。また、加害者側にとっては、処分が軽くなる効果が期待できます。
盗撮事件の処分のうち、もっとも軽いものは不起訴です。
不起訴とは、検察官が刑事裁判を開かずに、事件を終結させる処分のことです。

不起訴になれば、前科(有罪判決が確定した履歴)もつきません。
盗撮事件のように被害者が存在する犯罪の場合、不起訴処分を得るためには、示談の締結が重要です。
初犯で、犯行態様が悪質ではなく、余罪もないときは、示談成立により不起訴になることは多いです。
盗撮の示談には、必ず示談金が必要?
盗撮事件で示談を締結する際は、慰謝料(示談金)の支払いが必要となります。
慰謝料・示談金を提示することで、被害者の精神的苦痛の緩和につながり、示談交渉を進めやすくなります。
また、相場にもとづいた慰謝料・示談金を提示することで、被害者の納得を得やすくもなります。
示談金0円で示談できそうな場合でも…
稀に加害者の謝罪のみで、被害者の方が示談に応じてくださるケースもあります。
ですが、そのような場合でも、いくらかの慰謝料・示談金をお支払いする必要があるでしょう。
相場に従った示談金を支払うことで、「誠意を持って、適切な被害者対応を行った」と検察官に伝えることができ、処分軽減の可能性を高めることができるからです。
盗撮の示談交渉を弁護士に依頼するメリット
示談金の交渉を弁護士に任せるべき理由
盗撮事件の慰謝料相場は、約50万円前後が目安ですが、実際の金額は個別の示談交渉の中で決定されます。
その事案にあった適切な示談金額で示談を締結するには、示談経験が豊富で慰謝料相場に精通した専門家の助けがあると安心です。
経験豊富な弁護士であれば、事案の内容や背景事情から、適切な慰謝料・示談金の金額を提案することができます。
被害者多数・複数回の盗撮など悪質な事件の場合、示談金が高額になる可能性があります。
時間にも限りがあるなかで、被害者全員に誠意を尽くすには、弁護士をつけて適切・公平な示談を進めることが重要です。
加害者本人が直接交渉すべきでない理由
慰謝料は「お金を支払えば罪を清算できる」というものではありません。
特に、盗撮は性犯罪であり、被害者は加害者に対して強い嫌悪感や恐怖心を抱いている可能性があります。
弁護士を介さずに直接被害者と接触することは、証拠隠滅と疑われるおそれもあり、避けるべきです。

自分での示談交渉と弁護士に依頼する場合の比較
| 弁護士に依頼 | 本人が交渉 | |
|---|---|---|
| 示談交渉 | 交渉しやすい | 難しい |
| 示談成立 | 早期成立 | 時間がかかる |
| 示談金相場 | 把握できる | わかりにくい |
| 連絡先の入手 | 弁護士限りなら教えるという 被害者が多い | 拒否されることが多い |
| 合意書の効力 | 清算条項を入れた法的効力の ある示談書を作成できる | 法的に無効な内容になるリスク 後から蒸し返されるリスク |
被害者と既に連絡が取れており、関係性が良好なら自分でできる可能性もありますが、多くの盗撮事件では被害者の処罰感情が強く、直接接触は「脅迫」と誤解されるリスクもあります。
迅速かつ適切な解決を望まれる方は、弁護士への依頼をおすすめします。
盗撮で逮捕後、すぐに動けるのは弁護士だけ
適切に慰謝料を支払い示談を締結するためには、逮捕後すぐに弁護士に助けを求めることがポイントです。
盗撮で警察に逮捕された後は、加害者本人は留置場の中にいるため、被害者との示談交渉はおろか、連絡さえ取れないケースがほとんどです。

逮捕は最大3日間続きます。警察での取り調べは最大48時間、その後、検察官に送られ(送致)、24時間以内に勾留請求という流れです。
勾留が決定すると原則10日間以内、勾留延長になれば最大20日間、身体拘束が続いてしまいます。
加害者のご家族も、逮捕後3日間は通常、面会が制限されます。事情が把握できないため、すぐに示談交渉に乗り出すことが難しい状況です。
このような場合でも、弁護士であればすぐに面会(接見)に行き、事情を確認して、示談交渉に乗り出すことができます。
加えて、盗撮事件に強い弁護士であれば、取り調べへの対応をアドバイスすることもできます。弁護士がついていれば、盗撮の被疑者は不利な状況を挽回できる可能性があります。
盗撮の慰謝料請求・示談交渉の流れ
示談交渉はどう進む?
盗撮事件の示談交渉は、一般的に次のような流れで進みます。
(1)弁護士に依頼・状況の確認
まず、弁護士が事件の詳細(盗撮の場所・態様・被害者の状況など)を確認し、見通しと示談金の目安を提示します。
(2)被害者への連絡・謝罪の意向を伝える
弁護士が被害者側(または被害者代理人)に連絡を取り、加害者の謝罪の意向および賠償の意思を伝えます。
被害者が直接の接触を拒否していても、弁護士を通じてであれば連絡に応じてもらえるケースがあります。
(3)示談金額の交渉・合意
相場や事案の事情を踏まえ、双方が合意できる金額を交渉します。
(4)示談書の締結・示談金の支払い
合意が成立したら、清算条項や宥恕条項(加害者を許す旨の条項)を含む示談書を作成し、示談金を支払います。
(5)検察官・警察への示談成立の報告
示談書を証拠として提出し、不起訴等の処分軽減を求めます。
示談成立までの期間
示談が成立するまでの期間は、数週間~数か月と幅があります。
逮捕・勾留されている場合は、勾留期間(原則10日間、延長で最大20日)内に示談を成立させることが、釈放や不起訴に向けて特に重要です。
そのため、逮捕後は一刻も早く弁護士に依頼することが求められます。
被害者の処罰感情が強い場合や、被害者が複数いる場合は、交渉に時間がかかることもあります。
盗撮の慰謝料・示談金の実例|アトムの解決事例
示談金の額は、事案によって変わります。ここでは、アトム法律事務所が実際に解決した盗撮の事例をご紹介します。
自分の状況に近い事例を参考に、ぜひ弁護士への相談を検討してみてください。
トイレの盗撮:示談金15万円
居酒屋の女子トイレで盗撮しようとした事例
酒に酔って居酒屋の女子トイレに盗撮目的で侵入し、スマホで盗撮しようとした。盗撮・建造物侵入の事案。
弁護活動の成果
被害店舗と宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。その結果、不起訴処分となった。
示談の有無
示談金約15万円
最終処分
不起訴処分
電車での盗撮:示談金50万円
電車内で盗撮した事例
電車の車内において、無音カメラアプリを使用し女性を盗撮したとされたケース。逮捕後、釈放されたが、今後の対応についてご不安があり、ご相談にいらした。
弁護活動の成果
受任後、被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結。結果、不起訴処分となった。
示談の有無
示談金約50万円
最終処分
不起訴処分
エスカレーターでの盗撮:示談金90万円
駅のエスカレーターで盗撮した事例
駅のエスカレーターにおいてスカートの中を盗撮する行為を繰り返していたとされるケース。現行犯逮捕されたため、奥様がご相談にいらした。後日、余罪を含め、合計2件の盗撮で立件された。
弁護活動の成果
被害者2名に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。結果、不起訴処分を獲得した。
示談の有無
示談金約90万円
最終処分
不起訴処分
医師の盗撮:示談金400万円
病院のトイレで盗撮した事例
歯科医師が、病院のトイレに盗撮用小型カメラを設置し、スタッフら複数名の用便中の姿を盗撮していた事案。スタッフに見つかり、慰謝料請求されたため、今後の対応についてご相談にいらした。
弁護活動の成果
受任後は、弁護士同行のもと、自首を行った。被害者全員と示談交渉中であること等を伝え、逮捕を回避。
被害者らに謝罪と賠償を尽くして、すべて示談が成立。結果、不起訴処分となり、医師免許の取り消しも免れた。
示談の有無
示談金約400万円
最終処分
不起訴
公務員の盗撮:示談金100万円
駅で盗撮した事例
駅で盗撮を行い、目撃者に通報され、撮影罪の容疑で事情聴取を受けた事案。盗撮の余罪多数。警察に押収されたSDカードから、おおよそ1年分の盗撮が判明。
弁護活動の成果
特定できた1名の被害者に対しては、謝罪と賠償を尽くし、示談が成立した。
結果、不起訴処分となった。
示談の有無
示談金約100万円
最終処分
不起訴処分
盗撮の慰謝料請求でよくある質問
Q.盗撮ハンターから慰謝料請求されたら?
盗撮事件をきっかけに、いわゆる「盗撮ハンター」「盗撮Gメン」と名乗る人物から、慰謝料や示談金の支払いを求められるケースがあります。
盗撮ハンターとは、駅や商業施設など盗撮事件が発生しやすい場所で待ち伏せし、盗撮の加害者とみられる人物に対して金銭を要求することを目的とする者を指します。
相手が強い態度で金銭を要求してくる場合、本人だけで冷静に対応することには限界があります。不用意に金銭を支払ったり、個人情報を伝えたりすると、被害が拡大するおそれもあります。
盗撮ハンターから慰謝料請求を受けた場合には、速やかに弁護士に相談し、相手方の正当性を確認したうえで、適切な解決方針を検討することが重要です。
弁護士が介入することで、不当な請求を断ち切れるケースも少なくありません。
盗撮ハンターからの慰謝料請求を回避した事例
駅構内で女性のスカートを盗撮したところ、盗撮Gメンを名乗るいわゆる盗撮ハンターの男性2人組に示談金を支払えと恐喝された事案。刑事事件化前に受任。
弁護活動の成果
自称盗撮Gメンと交渉を行ったところ、刑事事件化することなく事件終了となった。
最終処分
事件化せず
Q.示談を拒否されても、慰謝料だけは支払うべき?
盗撮事件では、示談が成立することに越したことはありませんが、被害者の処罰感情が強く、示談そのものを拒否されるケースも少なくありません。
もっとも、被害者の中には「示談には応じないが、慰謝料だけであれば受け取る」という意向を示される方もいらっしゃいます。
そのような場合には、示談の締結は見送りつつ、慰謝料のみを支払うという対応も1つの選択肢となります。
ただし、この場合でも、賠償を尽くした事実が客観的にわかる形で残るようにすることが重要です。
具体的には、慰謝料を支払う際に、被害者から「慰謝料受領書」を必ず受け取っておきましょう。
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・被害者が示談に応じないとどうなる|刑事処分への影響と対応策
Q.請求された慰謝料があまりにも高額な場合は?
盗撮事件において、相場から大きくかけ離れた高額な慰謝料を請求されることもあります。そのような場合には、必ずしも請求額どおりに支払う必要はなく、請求に応じないという選択肢も考えられます。
もっとも、単に支払いを拒否するのではなく、「適正な金額であれば支払う意思はあった」ことを明確にしておくことが重要です。
弁護士に依頼すれば、過去の裁判例や示談相場を踏まえたうえで、慰謝料を支払う意欲があったことを捜査機関に適切に主張してもらうことができます。
示談交渉がまとまらない場合、被害者側は民事裁判を提起し、裁判所に判断を委ねるという手段を取ることになります。
この場合、最終的には法廷において裁判官が慰謝料の相当額を判断することになります。
Q.刑罰を受けた後、慰謝料請求されたら?
盗撮事件で刑事裁判にかけられ、罰金刑や拘禁刑の言渡しを受けたとしても、被害者からの慰謝料請求は逃れられません。
盗撮の被害者は、慰謝料請求の権利を持っています。反対に、盗撮の加害者は、慰謝料請求に応じる義務があります。
民事訴訟を起こされて慰謝料請求されたら、裁判官によって、過去の事例に照らし、相場に従った慰謝料の支払いを命じられます。
慰謝料請求される前に、示談の検討を
加害者は、示談金を支払い、適切な示談書を締結することで、民事の賠償責任から解放されます。また、刑事処分が軽くなる可能性も高まります。
また、被害者にとっても、民事裁判で慰謝料請求するよりも、示談で解決するほうが、負担が少なくスムーズに慰謝料を得られるため、通常はメリットが大きいです。
盗撮事件で加害者になってしまったら、被害者から慰謝料請求される前に、早期の示談をおすすめします。
盗撮事件での示談あり/なしの比較
| 示談あり | 示談なし | |
|---|---|---|
| 賠償責任 | 解消 | 残る |
| 刑事処分 | 軽くなる可能性 | 重くなる可能性 |
盗撮の慰謝料・示談交渉のご相談はアトムへ
個人同士のやりとりでは、あまりにも過大な慰謝料を請求されてしまったり、示談金を支払ったのに追加請求されたりといったトラブルも見受けられます。
盗撮事件を起こしてしまったら、弁護士を立てて、慰謝料や示談金についてご対応されることをおすすめします。
刑事事件の段階で被害者と示談をしておくことで、賠償関係は全て清算できますので、後の民事紛争のリスクの回避にもつながります。
盗撮事件に強い弁護士なら、刑事処分の軽減と慰謝料・示談金のお悩みについて、一挙に解決を図れる可能性が高いです。
アトムご依頼者様からのお手紙・口コミ評判
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。
アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
弁護士のおかげで、示談成立、不起訴になりました。

(抜粋)先生に働きかけを行っていただいたことで逮捕から3日後に自宅に戻ることができ、またその後の示談交渉にもご尽力いただいたおかげで不起訴処分にしていただくことができました。今回のことは一生かけて反省し社会復帰できるよう努力していきたいと思います。
示談交渉も的確、お任せして安心できる弁護士事務所です。

とにかく対応が非常に迅速でした。少し遅れると勾留延長になるところを非常に迅速なご対応のお陰で逸れることができ、また、結果的に起訴猶予となりました。被害者との示談交渉も的確に行っていただきました。お任せして安心できる弁護士事務所だと感じました。
アトムの弁護士相談:24時間予約受付中
アトム法律事務所では現在、弁護士相談のご予約を24時間365日受付中です。
- 盗撮事件の取り調べを受けた
- 盗撮がバレて、慰謝料請求されてしまった
- 盗撮事件を示談で早期解決したい など
盗撮事件(加害者側)でお悩みをお持ちの方は、是非お早めにご連絡ください。お電話お待ちしています。




