「示談金を払ったのに、起訴されたらどうしよう…」
「示談が成立したのに、実刑判決はあり得るの?」
結論からいうと、示談が成立しても起訴される可能性はあります。示談とは、加害者と被害者が賠償問題などについて話し合い、和解の合意をすることです。
示談は当事者間の民事的な解決であり、刑事処分の判断は検察官がおこなうため、高額な示談金を支払っていたとしても起訴や実刑になることもあり得ます。
特に「事件そのものが悪質な場合」「被害者の許し(宥恕)を得られていない場合」「同種前科がある場合」では、示談後でも起訴される可能性が残ります。
また、執行猶予中の再犯、重大犯罪、余罪多数の事案では、示談が成立していても実刑判決を受けるリスクがあります。
もっとも、示談は無意味ではありません。起訴前であれば不起訴処分に近づく大きな事情になり、起訴後であっても、執行猶予や刑の軽減に有利に働きます。
この記事では、豊富な示談経験で数多くの刑事事件を解決してきたアトム法律事務所が、示談したのに起訴されるケースと実刑になるケース、起訴を防ぐ示談交渉のポイントなどをわかりやすく解説します。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
示談したのに起訴されるのはなぜ?
示談したのに起訴される主な理由は、起訴・不起訴を決めるのは検察官であり、示談はその判断材料のひとつに過ぎないからです。
示談は、被害者への謝罪や被害弁償が済んでいることを示す重要な事情です。しかし、刑事事件では、示談の有無だけで起訴・不起訴が決まるわけではありません。
検察官は、犯罪の重大性、被害者の処罰感情、前科前歴、再犯のおそれなどを総合的に見て判断します。
示談は不起訴を保証するものではない
示談が成立すると、不起訴処分を目指すうえで有利になります。被害者に謝罪し、被害弁償を行い、民事上の問題が解決していることは、検察官にとって重要な判断材料です。
特に、被害者が加害者を許し、処罰を望まないという意思を示している場合は、不起訴に向けた大きな事情になります。
しかし、起訴するかどうかを決めるのは検察官です(刑事訴訟法247条)。
また、検察官は、犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状、犯罪後の情況を考慮し、起訴を必要としないと判断した場合には、不起訴、いわゆる起訴猶予にすることがあります(刑事訴訟法248条)。
示談の成立は犯罪後の情況として考慮されますが、それだけで結論が決まるわけではありません。
示談金の支払いと被害者の許しは別物
示談したのに起訴される理由として多いのが、示談金の支払いと被害者の許しが区別されているケースです。
示談金を支払ったとしても、被害者が加害者を許しているとは限りません。被害者が「お金は受け取るが、処罰はしてほしい」と考えている場合もあります。
刑事処分との関係で特に重要なのは、被害者の許しである「宥恕」です。
示談書に「加害者を許す」「刑事処罰を望まない」といった宥恕文言が入っていれば、被害者の処罰感情がやわらいでいる事情として評価されやすくなります。
一方で、示談金を払っていても、宥恕文言がない場合や、被害者が処罰を望んでいる場合には、検察官が「処罰の必要性は残っている」と判断する可能性があります。
つまり、示談金を払ったかどうかだけでなく、示談書にどのような内容が盛り込まれているかが重要です。
検察官は示談以外の事情も見て判断する
検察官は、示談だけを見て起訴・不起訴を決めるわけではありません。
たとえば、次のような事情も考慮されます。
- 事件の悪質性
- 被害の大きさ
- 被害者の処罰感情
- 同種の前科前歴
- 余罪の有無
- 反省の程度
- 再犯のおそれ
- 再犯防止策の内容
- 社会的影響の大きさ
これらの事情が総合的に評価されるため、示談が成立していても「処罰の必要性が高い」と判断されれば起訴される可能性があります。具体的にどのようなケースで起訴されやすいかは、次の章で解説します。
示談したのに起訴される可能性が高いケース
示談が成立していても、検察官が「処罰の必要性が高い」と判断すれば起訴される可能性があります。特に次のようなケースでは注意が必要です。
(1)事件そのものが悪質な場合
事件が悪質である場合は、示談が成立しても起訴される可能性が高いです。
たとえば、殺人、強盗、放火といった被害が甚大で法定刑が重い犯罪です。これらは社会的な影響が非常に大きいため、個人の話し合いでお金による解決が済んだとしても、検察官は「起訴して裁判で裁くべきだ」と判断する傾向にあります。
(2)被害者の許しを得られていない場合
法的には「示談金の支払い」と「被害者の許し(宥恕)」は全くの別物です。 もし被害者が「お金は受け取るが、処罰は望む」という場合、検察官は「処罰感情が残っている」と判断し、起訴に踏み切る可能性が高くなります。
そのため、単なる金銭解決に留まらず、示談書の中に「加害者を許し、処罰を求めない」という一文(宥恕条項)を盛り込めるかどうかが重要となります。
(3)過去に同種の前科前歴がある場合
検察官は「再犯」を最も警戒するため、同種の前科がある場合は示談の評価がどうしても厳しくなります。 特に執行猶予中の再犯などは、「反省していない」「常習性がある」とみなされ、原則として起訴・実刑となる可能性が極めて高いのが現実です。
このケースでは、示談成立はあくまで前提条件であり、「なぜ繰り返したのか」という原因分析と、それに基づいた具体的な再犯防止策の提示が不可欠です。
再犯防止策の例(治療版)
- 万引き→窃盗症の治療
- 盗撮・痴漢等→性的嗜好の治療
- 薬物→薬物依存症の治療 など
示談したのに実刑になるケース
示談が成立していても起訴され、さらに実刑(刑務所に収監される判決)になる可能性はゼロではありません。
起訴後の裁判では、裁判官が量刑(どの程度の刑罰を科すか)を判断します。示談の成立は量刑上有利に働きますが、以下のようなケースでは示談があっても実刑判決が下されるリスクがあります。
(1)執行猶予中の再犯
前の事件で執行猶予付きの判決を受けている期間中に再び犯罪を犯した場合、示談が成立していても実刑になる可能性があります。
執行猶予中の再犯では、前の刑の執行猶予が取り消されるおそれがあります(刑法26条)。この場合、前の刑と今回の刑を合わせて服役することになるため、影響は非常に大きくなります。
裁判所は「一度チャンスを与えたにもかかわらず再犯した」という点を重く見るため、示談成立だけでは実刑を回避することが難しいケースが多いです。
(2)殺人・強盗致傷などの重大犯罪
殺人罪、強盗致傷罪、現住建造物等放火罪といった法定刑が重い犯罪では、示談が成立していても実刑判決を受ける可能性があります。
これらの犯罪は被害の重大性や社会的影響の大きさから、裁判所が「刑務所に収監して矯正を図る必要がある」と判断する傾向にあります。示談は量刑を軽くする方向で考慮されますが、実刑そのものを回避するには至らないことが多いです。
(3)余罪が多数ある場合
同種の余罪が多数発覚した場合も、示談が成立していても実刑リスクが高まります。
たとえば、盗撮事件で被害者1名と示談が成立していても、他に多数の余罪がある場合には、常習性が認定され、実刑判決になるおそれがあります。
余罪の被害者全員と示談を成立させることが理想ですが、現実には全員との示談が困難なケースも少なくありません。
実刑を防ぐために弁護士ができること
実刑リスクが見込まれるケースでも、弁護士による適切な弁護活動で執行猶予付き判決や刑の軽減を目指すことは可能です。
示談書を裁判の証拠として提出することはもちろん、それだけでは足りない場合には、以下のような活動を総合的におこないます。
- 再犯防止プログラムへの参加(専門医療機関への通院、カウンセリング等)
- 身元引受人の確保(家族や雇用主による監督体制の整備)
- 就労環境の整備(安定した生活基盤があることの立証)
- 贖罪寄付(被害者との示談が困難な場合に、反省の意思を示す方法のひとつ)
なお、贖罪寄付をすれば必ず執行猶予になるわけではなく、事件の内容や被害結果、前科前歴などとあわせて判断されます。
裁判所は、被告人が「再び犯罪に及ばない環境が整っているか」を重視します。示談の成立に加えて、これらの事情を具体的に示すことが、実刑と執行猶予の分かれ目になるケースは少なくありません。
起訴が見込まれる段階から弁護士と裁判対策を進めておくことが重要です。
示談で不起訴になる・ならないのはおかしい?
刑事事件で示談が成立すると不起訴処分になりやすくなるため、被害者の立場から「お金を払えば処罰されないのか」と疑問を感じることがあります。
反対に、加害者の立場から「示談金を払ったのに不起訴にならないのはおかしい」と感じるケースもあります。
示談が理由で不起訴になるのはおかしい?
示談によって不起訴になることがあるのは、「お金を払ったから許される」という話ではありません。
被害回復が進み、被害者との間で一定の解決が図られたことにより、刑罰を科す必要性が下がったと検察官が判断する場合があるということです。
不起訴は無罪ではなく、犯罪の成立が認められていても、あえて起訴しない起訴猶予処分が存在します。
ただし、示談が成立していても、事件が重大である場合や犯行態様が悪質である場合、同種前科がある場合などには起訴される可能性があります。示談だけで不起訴が決まるわけではありません。
示談したのに不起訴にならないのはおかしい?
示談したのに不起訴にならないケースでは、事件の悪質性や前科前歴、被害者の処罰感情などが重視された結果です。
特に、示談金は受け取ったものの宥恕(加害者を許す意思表示)がない場合、処罰の必要性が残っていると判断されることがあります。
つまり、示談で不起訴になることも、示談したのに起訴されることも、いずれも法律上おかしいわけではありません。
不起訴を目指すには、示談金の支払いだけでなく、宥恕文言、告訴取消し・被害届取り下げ、反省文、再犯防止策などを事案に応じて整えることが重要です。
起訴猶予とは?不起訴の仕組み
示談と不起訴の関係を正しく理解するには、起訴猶予の仕組みを知っておくことが重要です。
不起訴処分にはいくつかの種類がありますが、示談が関係するのは主に起訴猶予です。起訴猶予とは、犯罪の嫌疑が十分に認められる場合でも、検察官が「起訴する必要がない」と判断して不起訴にする処分です(刑事訴訟法248条)。
検察官は、起訴猶予の判断にあたり、犯人の性格・年齢・境遇、犯罪の軽重・情状、犯罪後の情況を考慮します。示談の成立は、この犯罪後の情況として評価される重要な事実です。
令和7年版犯罪白書によれば、令和6年の起訴率は32.6%で、起訴猶予率(起訴人員と起訴猶予人員の合計に占める起訴猶予の割合)は約64%にのぼります。
検察官が処理した事件の多くで「犯罪後の情況」等を踏まえた起訴猶予の判断がなされていることがわかります。
ただし、起訴猶予はあくまで検察官の裁量による判断であり、示談成立が自動的に起訴猶予になるわけではありません。示談は起訴猶予を得るための有利な事情のひとつであり、それだけで結論が決まるものではない点に注意が必要です。
示談したのに起訴される事態を防ぐ!示談交渉のポイント
不起訴処分を目指すなら、押さえておくべき示談のポイントがあります。それは次の4つです。
起訴を防ぐ示談のポイント
- 被害回復したことを明確にする
- 被害者の許し(宥恕)を得る
- 告訴の取り消し・被害届の取り下げ
- 清算条項を盛り込む
(1)被害回復したことを明確にする
示談したのに起訴される事態を防ぐためには、被害回復したことを明確にすることがポイントです。
事件を特定した上で、加害者がいくらの支払義務を負うのか明確にします。
示談金に上乗せして慰謝料や迷惑料を支払うと、より真摯な反省と謝罪の気持ちが伝わるでしょう。
加害者が上記支払義務をどのように履行するのか(支払方法)も明確にします。弁護士が加害者から預かった現金を被害者に直接お渡しするケースもありますし、後日振り込む場合もあります。
(2)被害者の許し(宥恕)を得る
示談したのに起訴される事態を防ぐためには、被害者の宥恕を得ることもポイントです。
宥恕付き示談は、通常の示談よりも不起訴処分となる可能性が上がります。
宥恕文言の入った示談書を作成して処罰感情がやわらいだことを明確する必要があります。
(3)告訴の取り消し・被害届の取り下げ
示談したのに起訴される事態を防ぐためには、告訴取り消し、被害届の取り下げをしてもらうこと等もポイントです。
親告罪の場合
特に、親告罪の被害者との示談交渉は、刑事告訴を取り消してもらうことが非常に重要です。
親告罪の場合、告訴されても取り消しによって必ず不起訴処分となります。不起訴になれば前科はつきません。
親告罪は、告訴がなければ起訴できない犯罪です。親告罪には、名誉毀損罪、器物損壊罪、過失傷害罪等があります。
親告罪以外の場合
親告罪でない場合、被害届や告訴があっても起訴される可能性はあります。
しかし、実務上、被害届や告訴がなければ、不起訴になる例は多いです。
起訴されてしまえば99.9%の確率で有罪になってしまうのが、刑事裁判の実情です。
前科を付けないためには、まずは不起訴を目指すことです。親告罪に当たらない犯罪でも、被害届の取り下げによって不起訴となる可能性を上げる必要があります。
(4)清算条項を盛り込む
示談したのに起訴される事態を防ぐためには、清算条項(せいさんじょうこう)を盛り込むこともポイントです。
清算条項とは、「今後、お互いに金銭的請求等を行わない」と合意する条項です。
清算条項には、将来、損害賠償を追加請求されるリスクを回避できるメリットがあります。
また、清算条項があることで、民事上の問題が終局的に解決したことが明確になります。検察官は「当事者間で解決した問題をあえて起訴する必要はない」と考え、不起訴につながりやすくなります。
なお、不起訴を目指すには、示談交渉だけでなく、反省文の提出や再犯防止策の提示も重要です。検察官は示談の有無に加えて、被疑者の反省の程度や再犯のおそれも総合的に考慮するため、弁護士を通じてこれらの事情を検察官に伝えることが不起訴の可能性を高めます。
犯罪別|示談しても起訴される可能性と示談金相場
示談が起訴判断にどの程度影響するかは、犯罪の種類によって異なります。ここでは犯罪別に示談の影響度を解説します。
盗撮・痴漢
盗撮や痴漢は、示談の成否が起訴判断に最も大きく影響する犯罪類型のひとつです。初犯で被害者との示談(特に宥恕付き)が成立すれば、不起訴処分になる可能性は高いでしょう。
もっとも、同種の前科前歴が多数あったり、余罪がある事案では示談が成立しても起訴される可能性があります。
盗撮・痴漢の示談金相場はどちらも約50万円前後です(アトム法律事務所の統計より)。詳しくは「盗撮の示談金の相場」「痴漢の示談金の相場」をご覧ください。
傷害罪
傷害罪は、示談成立によって不起訴となる可能性が高い犯罪です。ただし、凶器を用いた場合や被害結果が重大な場合(重傷・後遺障害等)は、示談が成立しても起訴される可能性があります。
傷害罪の示談金相場は約100万円前後です(アトム法律事務所の統計より)。詳しくは「傷害の示談金の相場」をご覧ください。
窃盗罪
窃盗罪は財産犯であり、示談による被害回復が起訴判断に直結しやすい点が特徴です。初犯で被害額が軽微であれば、示談成立によって不起訴となる可能性は高いでしょう。
もっとも、同種前科が多数ある場合は、被害金額が軽微で示談が成立していても起訴される可能性があります。
その場合でも、示談の成否が実刑と執行猶予の分かれ目になるケースも多く、示談に取り組む意義は大きいといえます。
窃盗罪の示談金相場は約30万円前後です(アトム法律事務所の統計より)。詳しくは「窃盗の示談金の相場」をご覧ください。
不同意わいせつ罪・不同意性交等罪
不同意わいせつ罪や不同意性交等罪は、被害の性質上、金銭だけでは被害回復が困難な犯罪です。また非親告罪であるため、示談によって告訴が取り消されたとしても、それだけで不起訴になるとは限りません。
もっとも、起訴するかどうかの判断で被害者の意思が尊重される点は現在でも変わりません。初犯の場合、起訴前に示談が成立すれば不起訴となる可能性はあります。
仮に起訴されても、示談書を裁判の証拠として提出すれば、量刑上有利に考慮されます。初犯であれば示談成立によって執行猶予になる可能性もあります。
示談金相場は不同意わいせつ罪・不同意性交等罪ともに約100万円前後です(アトム法律事務所の統計より)。詳しくは「不同意わいせつ罪の示談金の相場」「不同意性交の示談金の相場」をご覧ください。
弁護士へ示談交渉を依頼すべき理由
示談の最大のメリットは不起訴の可能性が上がることです。このメリットを実現するには、弁護士へ依頼するのが最善の方法です。その理由は次の5つです。
(1)示談交渉を進めやすくなる

示談交渉の際、弁護士をたてると、被害者の連絡先の入手がしやすくなり、示談交渉の話し合いも進めやすくなるメリットがあります。
特に痴漢や盗撮などの事件では、被害者の連絡先がわからないケースが少なくありません。
しかし、被疑者(加害者本人)が捜査機関に対し、「示談したいので被害者の情報を教えてほしい」と言っても、教えてもらえるケースはまずありません。
この場合、弁護士なら、検察官と交渉し、被害者の連絡先を入手できる可能性が高いです。
また、事件の被害者は、加害者と直接連絡をとりたがらないことも多いです。そのため、弁護士が間に入ることで、示談交渉を進められる可能性が高まります。
示談交渉の流れやタイミングについて詳しく知りたい方は『刑事事件の示談の流れ|加害者が示談するタイミングや進め方は?』の記事をご覧ください。
(2)適切な被害者対応ができる
示談では、被害者に無理強いして二次被害を与えることは絶対にあってはなりません。
刑事弁護の経験豊富な弁護士であれば、被害者の心情に十分配慮しながら示談を進めることができます。
(3)示談書を作成してトラブルを防ぐ
弁護士は示談内容を入念に確認した上で示談書を作成します。示談書を作成しておけば「言った 言わない」のトラブルを回避できます。
さらに、弁護士は、被害者に署名してもらう前に示談条項の意味を一つ一つ丁寧に説明します。これによって、後から「示談内容を正確に理解していなかった」と被害者に主張されるリスクを防止できます。
示談成立後には、検察官から被害者に対し、本当に納得して示談したかどうか確認の電話があります。ですので、示談内容を書面化して事前にしっかりと被害者の納得を得ておくことは非常に重要なのです。
関連記事
・示談書とは?示談書の効力や例文、注意点まとめ(サンプルあり)
(4)事案に応じた工夫で不起訴を目指す
示談を成立させるには、被害者の意向にも配慮する必要があります。
例えば、痴漢や盗撮事件で、加害者が通勤経路を変更する旨の条項を盛り込むのも一つです。
ただし、加害者にも今後の生活があります。弁護士は、被害者の意向を汲み取りつつ、加害者の社会復帰を過度に阻害しないよう双方が納得する条件で示談を締結します。
刑事事件の示談交渉を弁護士に任せるべき理由については、以下の関連記事の解説も参考にお読みください。
関連記事
・示談交渉は示談に強い弁護士へ。弁護士なしのリスクや費用も解説
(5)起訴される前に迅速な示談が必要
示談成立で不起訴を実現するにはタイムリミットがあります。
通常、一度起訴されたら、起訴は取り消されません。そのため、起訴を回避したいなら、起訴される前に、示談を成立させるべきです。
示談交渉には時間を要するケースも多いので、できる限り早く開始する必要があります。
逮捕・勾留されている事案では、逮捕後23日間で、起訴・不起訴が決まってしまう可能性が高いです。

一方、逮捕・勾留されていない事案(在宅事件)では、起訴までの時間制約はありません。しかし、検察官が被疑者を突然起訴する可能性もあります。

突然の起訴を防ぐには、弁護士を通じ示談の進捗状況を検察官にこまめに連絡するのが効果的です。
関連記事
・警察からの呼び出し!取り調べの流れや逮捕の可能性、対応方法を解説
・弁護士をつけるなら私選弁護士?国選弁護士?費用・メリット等の違いを徹底比較
示談と起訴に関するよくある質問
Q.示談したのに起訴されることはありますか?
示談したのに、起訴されることはあります。示談は重要ですが、起訴を確実に防げるわけではありません。
示談は刑事訴訟法248条の「犯罪後の情況」にあたり、起訴猶予の判断でプラスに働きます。
しかし、起訴するかどうかは検察官が判断するため(刑事訴訟法247条)、示談が成立していても起訴されるケースがあります。
Q.起訴された場合、示談金は返ってきますか?
示談金が返還されることはありません。
示談金は「被害者への賠償」であり、「不起訴を獲得するための対価」ではないからです。しかし、裁判で「賠償済み」として扱われ、刑が軽くなるというメリットは残ります。
アトムの解決事例
こちらでは、過去にアトム法律事務所で取り扱った刑事事件について、プライバシーに配慮したかたちで一部ご紹介します。
淫行(示談成立・不起訴)
ホテルで18歳未満の女子と淫行し、ホテルを出た直後に職務質問されて警察の取り調べを受けたケース。青少年育成条例違反(淫行条例)の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結し、不起訴処分となった。
示談の有無
あり
最終処分
不起訴
盗撮(示談成立・不起訴)
デパートのエスカレーターにおいて、女子高生をスマートフォンで盗撮したとされたケース。迷惑防止条例違反の事案。
弁護活動の成果
被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。
示談の有無
あり
最終処分
不起訴
万引き(示談成立・不起訴)
書店において雑誌等数千円相当の商品を万引きし、またディスカウントストアにおいても食品等数千円相当を万引きしたとされたケース。窃盗事件の事案。
弁護活動の成果
書店とは示談を締結。ディスカウントストアは示談は不成立だったが被害弁償と謝罪を尽くした結果、不起訴処分となった。
示談の有無
あり
最終処分
不起訴
より多くの事案をご確認されたい方は『刑事事件データベース』をご覧ください。
結局示談すべき?不安な方は今すぐ弁護士に「見通し」を確認
不起訴(起訴猶予)を目指すなら、示談は非常に重要な対応です。
示談が成立しているかどうかは、検察官が起訴猶予にするかを判断する際の「犯罪後の情況」として評価されるため、起訴の可能性を下げる大きな材料になります。
ただし、示談さえすれば必ず不起訴になるわけではありません。事件の内容や被害の程度、前科前歴の有無、被害者の処罰感情などによっては、示談が成立していても起訴されるケースもあります。
だからこそ、いま不安を抱えている方ほど、刑事事件に強い弁護士に「見通し」を確認することが大切です。
アトムご依頼者様の声
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のご依頼者様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
とても早い示談、会社を辞めずに済んだこと、本当に感謝しています。

(抜粋)事件直後は、この先どうなるのか、とても不安でした。仕事はクビになるのか、刑務所に入るのか。庄司弁護士に迅速に動いていただき、事件から数日後には被害者の方の連絡先がわかったようでした。示談交渉を進めてもらい、事件から約2週間後には、示談が成立しました。とても早かったと思います。ありがとうございます。逮捕・報道に関する意見書を警察署に出して頂き、おかげで、逮捕も報道もされずにすみました。逮捕されなかったので、まわりに事件をしられずに仕事も通常に通うことができました。会社を辞めずに済んだこと、本当に感謝しています。これからは、事件を深く反省し、真面目に生きていこうと思っています。
スムーズな示談交渉でした。迅速な対応が必要だと痛感しました。

事件に対して迅速な対応をして頂き、大変感謝しています。示談もスムーズに対応していただき交渉もまとまり不起訴になりました。本当に感謝しております。刑事事件は本当に早く対応しなければならない事を痛感しました。
アトムは24時間365日相談予約受付中
アトム法律事務所は、示談成立によって不起訴を獲得した実績が多数あります。
示談しても起訴される事態を防ぎたい場合、示談の条件や示談のタイミングが非常に重要です。
また、示談しても起訴が見込まれる事案では、裁判を見据えた弁護活動をおこなう必要があります。
アトム法律事務所では、弁護士による無料法律相談を24時間365日電話予約受付中です。最短即日で接見にもかけつけます。お悩みの方はいつでもお気軽にお問い合わせください。


