2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
業務上横領の初犯は、被害弁済や示談の状況によって、不起訴・執行猶予・実刑と結果が大きく変わる犯罪です。
盗んだ状況や金額によっては、初犯であっても実刑などの厳しい処分が下される可能性があります。
「会社に発覚してしまった」「警察が動き出すかもしれない」「初犯なら不起訴になるのか」など、不安を抱えている方も多いでしょう。
業務上横領で起訴されて有罪判決を受けると、「10年以下の拘禁刑」が科せられ、執行猶予が付かない場合は、実際に刑務所で服役することになります。
この記事では、業務上横領の初犯に対する刑事処分について、処分の全体像から逮捕・起訴の可能性、執行猶予や不起訴を目指すための方法まで解説します。
早期に弁護士へ相談することで、結果が大きく変わる可能性があります。ぜひ最後までご覧ください。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
業務上横領とは
業務上横領の定義と要件
業務上横領は「業務上自己の占有する他人の物」を横領したときに成立する犯罪です。
会社から預かっているお金を自分の口座に入れたり、管理を任されている物を売ったりするケースが、業務上横領の典型例です。
業務上自己の占有する他人の物を横領した者は、十年以下の拘禁刑に処する。
刑法253条
刑法における「業務」とは、「人がその社会生活上の地位に基づき反復継続して行う事務」を意味します。業務上横領罪では特に、委託を受けて他人の財物を占有・保管することを内容とする事務がこれにあたります。
会社員だけでなく、大学や趣味のサークルで経理を任されているような場合でも、金銭を着服する行為は業務上横領罪に問われる可能性があります。
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業務上横領の刑罰
業務上横領罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」です。
罰金刑の規定がないため、起訴されて有罪になると、執行猶予が付かない限り実刑となります。
初犯であっても、状況によっては実刑判決が下される可能性がある点に注意が必要です。
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業務上横領の初犯は逮捕される?
業務上横領では、初犯であっても逮捕される可能性はあります。
被害額の大きさや会社の対応によって、逮捕されるケースと在宅事件になるケースに分かれます。
逮捕される可能性が高いケース
業務上横領の被害額が大きく、会社が被害申告をしている場合には、初犯でも逮捕される可能性が高まります。
業務上横領は非親告罪であるため、被害申告がなくとも警察は捜査を開始することができます。しかし、被害申告がない状況で業務上横領が警察に発覚することは原則ありません。
会社が被害届を提出したり、刑事告訴したりすることで、警察は捜査を始めます。被害額が多額になるほど被害弁済や示談が難しくなり、逮捕される可能性が高くなります。
会社との交渉が困難な状況であっても、弁護士は可能な範囲内で被害弁済を進めます。さらに、反省意思などを捜査機関に効果的に訴えることもできます。
また、会社が示談を受け付けてくれないような場合でも、弁護士であれば状況に応じて供託や贖罪寄付などの提案が可能です。示談できなくとも代替手段を尽くすことで、逮捕回避や身柄の早期解放を目指します。
在宅事件になるケース
逮捕されない場合でも、捜査が終わるわけではありません。逮捕なしに捜査が進む「在宅事件」として扱われるケースがあります。
在宅事件では、警察や検察からの呼び出しに応じて取り調べを受けながら、日常生活を送ることができます。ただし、最終的に検察が起訴・不起訴を判断する点は逮捕された場合と変わりません。
「逮捕されていないから大丈夫」と油断せず、在宅事件であっても早期に弁護士へ相談することが重要です。
業務上横領の初犯で逮捕された場合の流れ
初犯・再犯を問わず、逮捕されると48時間以内に検察に送致され、その後24時間以内に身柄拘束を継続する必要があるかどうか判断されます。
身柄拘束が不要であれば在宅事件に切り替わります。身柄拘束が必要だと判断されれば、最長で20日間の勾留期間に入ります。
最終的に検察が起訴・不起訴を判断し、起訴されれば刑事裁判へと進みます。

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業務上横領の初犯は起訴されるのか?
業務上横領は初犯だとしても、被害額が多額で示談もできていないような状況であれば、起訴される可能性が高いです。
業務上横領は、一般的に常習性や被害状況によって起訴・不起訴が決定されることが多い犯罪です。初犯かどうかは量刑に影響することはあっても、不起訴の可能性が必ず高くなるわけではありません。
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業務上横領の初犯の処分の全体像
業務上横領の初犯に対する刑事処分は、①不起訴・逮捕回避、②執行猶予、③実刑の主に3つの処分が考えられます。
どの処分になるかは、被害弁済の状況や示談の成否、横領の態様によって異なります。
まずはご自身の状況がどのパターンに近いかを確認したうえで、示談交渉をどう進めるべきかを把握しておきましょう。
不起訴・逮捕回避が狙えるケース
- 発覚後すぐに被害弁済を申し出ている
- 会社との示談交渉が進んでいる、または成立している
- 横領の期間が短く、単発的な行為である
- 被害額が比較的小さい
業務上横領が発覚した直後に被害弁済を申し出て、会社との示談が成立しているケースでは、不起訴処分や逮捕回避を狙える可能性があります。
業務上横領の被害者は、横領された財物の所有者(会社のほか、団体・サークルなど)です。被害者から被害届が提出されなければ、原則として警察が捜査を開始することはありません。
示談が成立して会社から許しを得られれば、刑事事件化そのものを回避できる可能性があります。
ただし、示談交渉を加害者本人が直接会社に持ちかけることは、かえって会社側の反感を買い、被害届提出につながるリスクもあります。
交渉相手が会社になると、やりとりをする関係者が多くなったり、顧問弁護士を相手に交渉したりする必要も出てきます。示談交渉は弁護士に依頼することが重要です。
執行猶予が見込めるケース
- 被害弁済の意思はあるが、全額の支払いが難しい状況
- 示談交渉中、または会社が示談に応じていない
- 横領期間がある程度長期にわたっている
- 弁護士を通じて反省や再発防止策を伝えられている
すでに会社に被害届を出されていたり、起訴を避けられない状況であっても、執行猶予付きの判決を目指すことは十分可能です。
執行猶予が付けば、判決後も通常の社会生活を送ることができます。実刑との違いは非常に大きく、執行猶予を獲得できるかどうかが弁護活動の重要な目標の1つになります。
執行猶予を得るためには、被害弁済の意思や反省の態度を裁判所に示すことが重要です。全額の弁済が難しい場合でも、分割での弁済計画を示したり、家族が監督者として協力することを宣誓したりすることで、裁判所の判断に影響を与えることができます。
会社が示談に応じない場合であっても、弁護士が粘り強く交渉することで、最終的に示談に応じてもらえることもあります。
また、示談が成立しない場合でも、供託や贖罪寄付といった代替手段を活用することで、被害回復への努力を裁判所に示すことが可能です。
実刑リスクが高いケース
- 被害弁済がまったくされていない
- 会社が示談を拒否しており、交渉の見込みが立っていない
- 数年以上にわたって繰り返し横領をしていた
- 被害規模が大きく、悪質性が高いと判断されやすい
長期間にわたる横領や、被害規模が大きいケースでは、初犯であっても実刑判決が下される可能性があります。
特に被害弁済がまったくされておらず、会社が示談を拒否しているような状況では、裁判所が犯行を悪質と判断しやすくなります。
ただし、実刑リスクが高い状況であっても、弁護士が取り得る手段がなくなるわけではありません。示談に応じない会社に対しては、供託や贖罪寄付といった代替手段を活用することで、反省の意思や被害回復への努力を裁判所に示すことができます。
実刑を回避できるかどうかは、弁護士がどれだけ早く動き出せるかが非常に重要になります。少しでも不安がある方は、早急に弁護士へ相談することをおすすめします。
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実刑となった場合の刑罰と服役期間
実刑判決が下された場合、判決で言い渡された期間、刑務所に服役することになります。業務上横領罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」であり、執行猶予が付かない場合はこの範囲内で刑期が決定されます。
初犯の場合、実刑判決が下されるケースでも比較的短い刑期にとどまる傾向はありますが、被害額の大きさや横領期間の長さによっては、数年単位の実刑となることもあります。
服役中は就職活動や日常生活を送ることができません。また、前科がつくことで資格制限や社会的信用への影響も生じてしまいます。
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アトム法律事務所の業務上横領の解決実績
ここで紹介する事例は、過去にアトム法律事務所で扱った解決事例の一部です。個人が特定されないかたちでご紹介しています。
ご自身の事案と比べながら、解決のイメージをつかんでみてください。
勤務先の経費を使い込んだ業務上横領
会社での業務上横領(不起訴処分)
経理担当者による数年間にわたる横領が会社に発覚し、会社から被害額と慰謝料を合わせて2000万円を請求された事案。刑事事件化する前に受任。
弁護活動の成果
被害会社と示談を締結。被害届が出されることなく、事件終了となった。
示談の有無
あり
最終処分
不起訴
勤務先の居酒屋で売上金を横領
店舗での業務上横領(執行猶予)
自身が勤めていた飲食店において売上金数十万円を横領したとされるケース。依頼者は自主的に被害弁済を行ったがその後、店側が警察に相談し業務上横領として立件された。
弁護活動の成果
裁判の場で既に被害弁済を終えていること等を主張し執行猶予付き判決を獲得した。
示談の有無
なし
最終処分
懲役1年6か月執行猶予3年
業務上横領の初犯に関するよくある質問
業務上横領と窃盗の違いは?
業務上横領と窃盗には、盗まれる物を誰が占有しているかという点に違いがあります。
窃盗罪は他人の財物を窃取する犯罪です。在庫品を盗んで売ったり、金庫から金銭を盗んだりするケースが窃盗の典型例です。
窃盗の場合、会社が占有しているものを盗んだ場合に犯罪が成立します。
一方、業務上横領の場合には、自身が占有しているものを不正に持ち去ったり流用したりした場合に犯罪が成立します。
※窃盗罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金」
業務上横領罪の法定刑は「10年以下の拘禁刑」
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業務上横領は初犯なら解雇されない?
業務上横領は初犯だとしても、解雇される可能性が高いです。
初犯であるかどうかは刑事処分に対しては影響する場合がありますが、会社との関係では考慮されることは原則ありません。
会社に対する非違行為によって損害を与えている以上、初犯であるかどうかに関わらず解雇されることになるでしょう。
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業務上横領の初犯で実刑になるケースは?
長年にわたって横領しているケースや、被害額が膨大な横領のケースなどは、実刑になる可能性が高いです。
もちろん、会社と示談が成立していれば執行猶予付きの判決になる可能性もあります。
しかし、被害額が非常に大きい場合には、示談が締結できていても必ず実刑を回避できるとは限りません。
大規模な横領をしてしまった場合には、刑事処分の見込みについて弁護士に相談してみてください。
業務上横領で刑罰を受けたら再就職はできない?
業務上横領で有罪となっても、再就職は可能です。
実刑判決を受ければ服役期間中は就職活動ができませんが、執行猶予付きの判決であれば日常生活を送ることができるため、就職をすることは可能です。
ただし、大企業に勤めていた場合など実名報道がされているケースでは、再就職が困難になることがあります。
また、公務員や資格が必要な職種は、刑罰を受けると一定期間の間は再度就職できない場合もあります。
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業務上横領の初犯で弁護士に相談するメリットは?
業務上横領をしてしまった場合に弁護士に相談するメリットは以下の通りです。
・警察の捜査へのアドバイスがもらえる
・会社への対応方法を教えてもらえる
・示談交渉を代行してもらえる
業務上横領の初犯は、再犯と比べれば不起訴や執行猶予の可能性が高くなります。
しかし初犯でも、被害者に対する弁済や示談が重要であることは変わりません。
会社と示談をする際には、弁護士を付けることで、スムーズな交渉が可能になり成功する可能性が高くなります。
事件発覚後は示談を拒否するスタンスの会社であっても、弁護士が粘り強く交渉することで、最終的に示談に応じてもらえることもありえます。
業務上横領の初犯の不安はアトム法律事務所に相談
依頼者様からの感謝の声・アトムを選んだお客様の声
刑事事件に強い弁護士選びには、実際に依頼したユーザーの口コミを見ることも効果的です。アトム法律事務所が過去に解決した、刑事事件のお客様からいただいた感謝のお手紙の一部を紹介しますので、ぜひ弁護士選びの参考にしてください。
今生活ができるのは先生の熱心な対応や周りの人々のおかげです。

(抜粋)私の事件に対して、熱心に対応して頂き本当にありがとうございました。今、こうして生活できているのも先生を含め、周りの人々の助けがあったからと心から感謝しております。
眠れない程不安でしたがすぐの対応で不起訴処分になりました。

(抜粋)この度は大変お世話になりました。先生にはいつも一生懸命に迅速に行動して下さいました。そして丁寧に接して頂き、分からない事もすぐに質問して分かりやすく説明して下さいました。
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業務上横領事件を起こしてしまった場合、初犯であれば特にその後の弁護活動次第で結末が大きく変わる可能性があります。
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