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公務員の盗撮で懲戒免職を回避する方法|示談の依頼は弁護士へ

公務員が盗撮した

公務員が盗撮事件を起こした場合、最も不安な点は懲戒免職されるかどうかではないでしょうか。

公務員は高い公益性が求められる職業であるため、懲戒処分の内容は厳しくなると予想されます。もっとも、適切な対応をとれば懲戒免職を回避できる可能性はあります。

この記事では、公務員が盗撮した場合の懲戒免職のリスクと、懲戒免職を回避するための具体的な方法を解説します。

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公務員は盗撮で懲戒免職になるのか

公務員は懲戒免職の可能性あり

公務員は、日本国憲法において「全体の奉仕者」と規定されており、一般の会社員よりも高い倫理観と公益性が求められます。そのため、公務員が盗撮行為を行った場合、懲戒免職となる可能性は十分にあります。

特に、業務中に盗撮を行った場合は、職務遂行能力への重大な影響があるため、厳しい処分が科せられる可能性が高いでしょう。また、公務員の場合は私生活上の盗撮であっても、その内容が悪質な場合は懲戒免職になる場合があります。

会社員が盗撮した場合

会社員が盗撮した場合、懲戒解雇されるかどうかは就業規則で決まります。

盗撮行為をはじめとする犯罪行為について、懲戒事由として多く見られるのは、「会社内において刑法その他刑罰法規の各規定に違反する行為を行ったとき」というものです。

職場などの業務上の盗撮は企業秩序を著しく乱すため、懲戒解雇が認められやすい一方、私生活での盗撮は企業秩序への直接的な影響が少なく、懲戒解雇の可能性は低いと考えられます。

ただし、盗撮が会社名とともに実名報道されたようなケースでは、企業への影響が大きいことから懲戒解雇されることもあります。

公務員と会社員の違い

公務員会社員
業務上の盗撮懲戒免職の可能性が高い懲戒解雇の可能性が高い
私生活の盗撮懲戒免職の可能性がある懲戒解雇の可能性は低い

【国家公務員】盗撮で懲戒免職される基準は?

国家公務員が盗撮した場合、国家公務員法82条1項1号、3号を根拠に懲戒処分になる可能性があります。

具体的な懲戒処分の内容は、人事院が作成する「懲戒処分の指針について」という基準に従って決定されます。

この指針によると、懲戒処分は以下の事情を総合考慮して判断されます。

懲戒処分を決定する際の考慮事情

  1. 非違行為の動機、態様及び結果の内容
  2. 故意・過失の程度
  3. 職員の職責内容、その職責と非違行為との関係
  4. 他の職員及び社会に与える影響
  5. 過去の非違行為の有無

※この他に、適宜、日頃の勤務態度や非違行為後の対応等も含め総合的に判断するとされています。

同指針の標準例において、盗撮行為をした職員は、停職又は減給とすると規定されています。なお、痴漢行為をした職員も基本的に停職又は減給されます。

2021年には国会議事堂内の女性用トイレで盗撮事件が起きてニュースになりました。この事件を起こした経産省職員には停職9カ月の懲戒処分が下されました。

もっとも、必ずしも停職や減給にとどまるとは限りません。以下の事情があると、より重い懲戒免職となる可能性があります。

懲戒処分を重くする事情

  1. 動機・態様が極めて悪質、結果が極めて重大
  2. 職員が管理・監督の地位にあるなどその職責が特に高い
  3. 公務内外への影響が特に大きい
  4. 過去に類似の非違行為を理由とする懲戒処分歴がある
  5. 処分対象となる複数の非違行為を行っている

参考条文

国家公務員法82条(懲戒の場合)

第八十二条 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項の規定に基づく訓令及び同条第四項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

【地方公務員】盗撮で懲戒免職になる基準は?

地方公務員が盗撮した場合、地方公務員法29条1項1号、3号を根拠に懲戒処分になる可能性があります。

具体的な懲戒処分の内容は、条例や地方公共団体が定める懲戒処分の指針に基づいて決定されます。

たとえば、東京都教育委員会は「懲戒処分の指針」という指針を設けています。

この指針でも、国家公務員の場合と同様、非違行為の態様や職員の職責、日常の勤務態度、非違行為後の対応等を総合考慮して判断するとされています。

この指針において、盗撮行為をした職員は免職または停職とされています。

過去には、駅構外のエスカレーターにおいて、動画撮影状態にしたスマートフォンを女性のスカートの中に差し向け、動画撮影した教職員が懲戒免職とされた事例があります。

参考条文

地方公務員法29条(懲戒)

第二十九条 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

公務員が盗撮で有罪になると懲戒免職される?

公務員が盗撮行為等を理由に禁錮以上の刑に処せられると、当然に失職します(国家公務員法38条1号・76条、地方公務員法16条1号・28条4項)。禁固以上の刑とは、禁錮刑・懲役刑・死刑を指します。

盗撮をすると、原則撮影罪に問われれます。撮影罪の法定刑は「3年以下の*拘禁刑又は300万円以下の罰金」です。

*「拘禁刑」は2025年に導入予定の新たな刑罰です。刑法改正までは、条文中の「拘禁刑」は「懲役」とみなされます。

懲役刑になれば「禁錮以上の刑」に該当するため、当然に失職します。一方、罰金刑になれば失職しません。

ただし、罰金刑も前科に変わりありません。前科がつけば懲戒処分は重くなる可能性があります。再就職する際、履歴書に賞罰欄があれば前科を申告する義務があるので再就職しづらくなる問題が生じます。

盗撮をした場合の不利益を最小限にとどめるには「前科の回避=不起訴処分の獲得」が重要です。不起訴処分になれば懲戒免職になる可能性が低下するからです。再就職する場合、不起訴処分の事実は申告義務がないというメリットもあります。

次の項では、不起訴処分の獲得方法を詳しく解説します。

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公務員の懲戒免職を回避する方法

公務員が盗撮した場合、懲戒免職を回避するには、不起訴処分の獲得が重要です。実務上、盗撮事件は、常習性や同種前科がない限り、示談成立によって不起訴処分となる可能性が高いです。

したがって、懲戒免職回避のためには、被害者との示談を成立させることが最優先事項となります。

示談成立には次の4つのメリットがあります。

示談成立のメリット

  • 逮捕回避
  • 実名報道リスク低下
  • 早期釈放
  • 不起訴処分

それぞれ懲戒免職のリスクを下げる効果が期待できます。

示談のメリット(1)逮捕回避

懲戒免職を回避するためには、逮捕を回避することが大切です。盗撮の容疑で逮捕されると、報道をきっかけに職場に事件を知られてしまうおそれがあります。

公務員の場合、逮捕による実名報道のリスクが高いので職場へ発覚するおそれも会社員より高いといえます。

事件をおこしてしまったことに争いがない場合は、弁護士を通じ、誠実に謝罪をした上で交渉すれば、示談成立によって逮捕を回避できる可能性が高まります。

示談交渉をするためには事実上弁護士の依頼が必須になることがほとんどです。捜査機関は原則として加害者本人に被害者の連絡先を教えません。被害者は加害者との直接のやり取りを嫌がることもあり、弁護士が第三者として介入することではじめて示談交渉が可能になるケースが多いのです。

示談の流れ

弁護士が間に入り、加害者には連絡先を教えないということを約束した上でなら、被害者の方の連絡先を入手できる可能性があります。

弁護士であれば、被害者の心情を考慮しながら、適切なタイミングと金額で示談交渉に臨むことができます。すでに被害届が提出されているケースでは、被害届を取り下げてもらうよう尽力します。示談成立と被害届の取り下げによって、逮捕回避の可能性はさらに高まります。

逮捕回避のためには自首も有効?

自首を検討するのも逮捕を回避する一つの方法です。

盗撮直後に逃走して現行犯逮捕されなければ逮捕されないと考えている方がいるかもしれませんが、それは間違いです。たしかに、盗撮は犯人を特定しづらい面はあります。しかし、だからといって逃走後に後日逮捕される可能性はゼロではないのです。

自首でお悩みの公務員の方は、ぜひ弁護士にご相談ください。

弁護士は警察署まで同行した上で、警察に対し、ご依頼者様が逃亡するおそれがないことや示談を進める意向であること等を説明します。

こうした弁護活動により逮捕のリスクは下がります。ご依頼者様を精神的にもしっかりサポートします。

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示談のメリット(2)実名報道リスク低下

刑事事件が報道される主な不利益

公務員が盗撮した場合、実名報道されるリスクが高いです。特に被疑者が国家公務員の場合、逮捕された時点で実名報道されるケースもあります。

盗撮事件が実名報道されると懲戒処分が重くなる可能性があります。職場に居づらくなって退職を余儀なくされる可能性も考えられます。

また、名前と顔が全国に知られてしまったり、インターネットにニュース記事が永久に残ってしまうおそれもあります。

実名報道のリスクを下げるためにも、示談成立が非常に重要な意味をもちます。

盗撮のような性犯罪は、被害者の処分感情が刑事処分を決定する際に重視されます。そのため、示談が成立すれば、逮捕や実名報道を回避できる可能性は高まるのです。被害者の許し(宥恕)を得た示談であれば、より一層有利に考慮されます。

示談のメリット(3)早期釈放

盗撮の疑いで逮捕されると、事件が起訴されるかどうか決まるまで最長23日間拘束されるおそれがあります。

拘束期間が長引くにつれ、欠勤している理由を正直に職場に伝えなければならなくなるなど、盗撮行為が発覚するリスクが高まります。懲戒免職のリスクも高まる可能性があります。

弁護士に依頼すれば、示談成立によって早期釈放の可能性が高まります。

弁護士は、示談成立によって証拠隠滅のおそれがなくなったことを検察官や裁判官に主張します。家族の身元引受書も提出します。

早期釈放によって、もとの生活に戻ることができ、懲戒免職のリスクも下がります。

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示談のメリット(4)不起訴処分

繰り返しになりますが、実務では盗撮事件は示談成立により不起訴となる可能性が高いです。

不起訴処分となれば、公務員の立場を維持できる可能性が高いです。懲戒処分自体は避けられない可能性が高いですが、処分内容は軽減されるでしょう。

双方が納得する形で示談を締結するためには、事案に即した工夫をする必要があります。

たとえば、通勤途中の電車で盗撮をした場合は、ご依頼者様の通勤経路を変更する条項を盛り込む方法が考えられます。再犯防止の具体策を盛り込むことで、被害者から許し(宥恕)を得られる可能性は高まるでしょう。宥恕付き示談は不起訴処分の可能性を高める効果が期待できます。

一口に「示談」と言っても、依頼する弁護士により進め方は様々です。「懲戒免職は回避したい」「懲戒処分をできるだけ軽くしたい」とご希望の方は、ぜひ刑事事件の実績豊富な弁護士にご相談ください。

公務員の盗撮に関するよくある質問

Q.盗撮で懲戒免職されても再び公務員になれる?

懲戒免職となった場合、公務員への再就職は極めて難しいです。

盗撮で懲役刑や懲役刑の執行猶予判決を受け、いったん公務員資格を失っても、一定期間が経過すると資格を回復します。

その場合、再度国や自治体の求人に応募することはできます。公務員試験も受けられます。

ただし、盗撮行為によって資格を失い失職した履歴があれば、公務員として採用されるのはほぼ不可能となるでしょう。懲戒処分された場合にも、不利益に評価されるのは間違いありません。

Q.盗撮をした公務員は懲戒処分を受ける前に退職できる?

公務員も一般の労働者と同様に、自主的に退職を申し出ることができます。しかし、すぐに退職できるわけではなく、通常は任命権者(所属する機関の長など)の承認が必要です。

特に、懲戒処分の手続きが進んでいる場合は、退職届を提出してもすぐに受理されない可能性があります。必ずしも自由に退職できるわけではありません。

公務員の盗撮の弁護は盗撮に強いアトム法律事務所へ

こちらでは、過去にアトム法律事務所で取り扱った公務員の盗撮事件について、プライバシーに配慮したかたちで一部ご紹介します。

アトムの解決事例①(不起訴処分)

公務員が電車内において、前に立っていた被害者女性のスカートの中にスマートフォンを入れ盗撮したとされるケース。近くにいた乗客に手をつかまれ、駅員室に連行後、逮捕された。迷惑行為等防止条例違反の事案。


弁護活動の成果

被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。

アトムの解決事例②(不起訴処分)

公務員がスマホを使って被害女性のスカートの中を撮影したとされ、警備員に見つかり警察署に連行された迷惑防止条例違反の事案。同種余罪あり。


弁護活動の成果

被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。

アトム法律事務所は、設立当初から刑事事件をあつかう事務所として発足しました。盗撮事件をはじめとする刑事事件の解決実績が豊富な弁護士事務所です。

アトム法律事務所では、24時間365日、土日、深夜でもつながる相談予約窓口を開設しています。

盗撮事件を起こし今後が不安な公務員の方は、アトム法律事務所にご相談ください。アトム法律事務所の弁護士は、ご依頼者様の利益を最大限守るため全力を尽くします。下記よりお気軽にお問い合わせください。

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