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公務員が盗撮したら懲戒免職になる?処分基準と懲戒免職を回避する方法を解説

公務員が盗撮した

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

公務員が盗撮をしてしまった場合、懲戒免職になる可能性はありますしかし、弁護士を通じて早急に示談を成立させ、不起訴処分を獲得できれば、懲戒免職を回避できる可能性が高まるケースもあります。

公務員で盗撮事件を起こしてしまった方の多くは、「仕事を失うのか」「どうすれば処分を軽くできるのか」という点を知りたいはずです。

この記事では、国家公務員・地方公務員それぞれの懲戒処分の基準、懲戒免職になるケース・ならないケースの違い、そして懲戒免職を回避するために今すぐ取るべき行動を具体的に解説します。

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公務員が盗撮した場合に受ける懲戒処分とは

公務員は日本国憲法において「全体の奉仕者」と規定されており、一般の会社員よりも高い倫理観と公益性が求められます。そのため、盗撮行為を行った場合、懲戒処分の対象となる可能性が十分にあります

まずは国家公務員・地方公務員それぞれの処分基準を確認しましょう。

【国家公務員】盗撮で懲戒免職になる基準

国家公務員が盗撮した場合、国家公務員法82条1項1号、3号を根拠に懲戒処分になる可能性があります。

具体的な懲戒処分の内容は、人事院が作成する「懲戒処分の指針について」という基準に従って決定されます。同指針の標準例では、盗撮行為をした職員は「停職または減給」と規定されています。

ただし、近年は性犯罪に対する社会的責任が重く見られており、標準例を超えた厳しい処分が下される傾向にあるため、油断は禁物です。以下のような事情がある場合は、標準例より重い懲戒免職となる可能性があります。

懲戒処分を重くする事情(国家公務員)

  • 非違行為の動機、態様及び結果の内容
  • 故意・過失の程度
  • 職員の職責内容、その職責と非違行為との関係
  • 他の職員及び社会に与える影響
  • 過去の非違行為の有無

なお、懲戒処分を決定する際には、非違行為の動機・態様・結果、他の職員・社会への影響、過去の非違行為の有無、日頃の勤務態度や非違行為後の対応なども総合的に考慮されます。

参考条文

第八十二条 職員が、次の各号のいずれかに該当する場合においては、これに対し懲戒処分として、免職、停職、減給又は戒告の処分をすることができる。
一 この法律若しくは国家公務員倫理法又はこれらの法律に基づく命令(国家公務員倫理法第五条第三項の規定に基づく訓令及び同条第四項の規定に基づく規則を含む。)に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 国民全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

国家公務員法82条(懲戒の場合)

【地方公務員】盗撮で懲戒免職になる基準

地方公務員が盗撮した場合、地方公務員法29条1項1号・3号を根拠に懲戒処分となる可能性があります。

処分内容は、条例や各地方公共団体が定める懲戒処分の指針に基づいて判断されます。たとえば東京都教育委員会の「懲戒処分の指針」では、盗撮行為をした職員は「免職または停職」とされています。

過去には、エスカレーターでスマートフォンを使い女性のスカートの中を撮影した教職員が懲戒免職となった事例も存在します。

参考条文

第二十九条 職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。
一 この法律若しくは第五十七条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合
二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合
三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合

地方公務員法29条(懲戒)

公務員と会社員の処分の違い

公務員と会社員では、私生活上の盗撮に対する処分の重さに違いがあります

公務員と会社員の違い

公務員会社員
業務上の盗撮懲戒免職の可能性が高い懲戒解雇の可能性が高い
私生活の盗撮懲戒免職の可能性がある懲戒解雇の可能性は低い

会社員の場合、懲戒解雇になるかどうかは就業規則によって異なります。一方、公務員は「全体の奉仕者」としての高い公益性が求められるため、私生活での盗撮であっても内容が悪質な場合は懲戒免職になる可能性があります。

盗撮で有罪(拘禁刑)になると当然失職

公務員が盗撮行為を理由に拘禁刑に処せられた場合、当然に失職します(国家公務員法38条1号・76条、地方公務員法16条1号・28条4項)。

盗撮をすると原則として撮影罪に問われます。撮影罪の法定刑は「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」です。

  • 拘禁刑になった場合:「拘禁刑以上の刑」に該当し、当然失職
  • 罰金刑になった場合:失職を回避できる可能性はあるが、前科がつき懲戒処分が重くなるリスク

盗撮をした場合の不利益を最小限にとどめるには「前科の回避=不起訴処分の獲得」が重要です。不起訴処分であれば前科がつかず、懲戒免職を回避できる可能性が大きく高まります。

盗撮で解雇、懲戒免職されるリスクや対処法はこちらの記事で幅広く解説しているので併せてご覧ください。

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公務員が懲戒免職を回避するには示談が重要

公務員が懲戒免職を回避するには、早急に弁護士に依頼し、被害者との示談交渉を進めることが最優先です。

実務上、盗撮事件は常習性や同種前科がない限り、示談成立によって不起訴処分となる可能性が高いとされています。

示談成立には次の4つのメリットがあります。

示談成立のメリット

  • 逮捕回避
  • 実名報道リスク低下
  • 早期釈放
  • 不起訴処分

それぞれ懲戒免職のリスクを下げる効果が期待できます。

示談のメリット(1)逮捕回避

盗撮の容疑で逮捕されると、報道をきっかけに職場に事件が発覚するリスクが高まります。公務員は社会的関心が高いため、逮捕時に実名報道されるケースも少なくありません。職場発覚リスクは会社員より高いといえます。

弁護士を通じて示談を成立させることで、逮捕回避の可能性が高まります。

捜査機関は原則として加害者本人に被害者の連絡先を教えないため、示談交渉には事実上弁護士の介入が必須です。弁護士が第三者として仲介することで、被害者が示談交渉に応じてくれるケースが多くあります。

すでに被害届が提出されているケースでは、被害届の取り下げを求める活動も行います。示談成立と被害届取り下げが重なると、逮捕回避の可能性はさらに高まります。

示談の流れ

自首も逮捕回避に有効な選択肢

現行犯逮捕を免れても、後日逮捕される可能性はゼロではありません。自首を検討している方は、弁護士に相談した上で警察署に同行してもらうことで、逮捕リスクを下げることができます。

弁護士は警察に対し、ご依頼者様が逃亡するおそれがないことや示談を進める意向であること等を説明します。

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示談のメリット(2)実名報道リスク低下

刑事事件が報道される主な不利益

公務員が盗撮で逮捕された場合、実名報道されるリスクが高くなります。実名報道されると、懲戒処分が重くなるだけでなく、職場に居づらくなる・ネット上に記事が永久に残るといった深刻な不利益が生じます。

示談が成立すれば、逮捕・起訴を回避でき、実名報道のリスクを大幅に低下させることができます。

盗撮のような性犯罪では、被害者の処罰感情が刑事処分に大きな影響を与えます。被害者の許し(宥恕)を得た示談であれば、より有利に考慮されます。

示談のメリット(3)早期釈放

盗撮の疑いで逮捕されると、起訴・不起訴が決まるまで最長23日間拘束されるおそれがあります。拘束期間が長引くほど、欠勤理由を職場に説明しなければならないリスクが高まります。

弁護士が示談成立の事実をもとに「証拠隠滅のおそれがない」と主張することで、早期釈放の可能性が高まります。

弁護士は検察官・裁判官への主張に加えて、家族による身元引受書の提出なども行い、早期釈放に向けて多角的に活動します。

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示談のメリット(4)不起訴処分

示談成立の最大のメリットは、不起訴処分の獲得です。実務上、盗撮事件は示談成立によって不起訴となる可能性が高く、不起訴処分になれば前科がつきません。

不起訴処分になれば、以下のメリットが得られます。

不起訴となるメリット

  • 公務員の立場を維持できる可能性が高い
  • 懲戒処分自体は避けられない場合でも、処分内容が軽減される可能性がある
  • 再就職の際に不起訴の事実を申告する義務がない

示談を有利に進めるには、再犯防止策(通勤経路の変更など)を示談条項に盛り込む工夫も重要です。刑事事件の実績が豊富な弁護士に早急に相談することをおすすめします。

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公務員の盗撮に関するよくある質問

Q. 公務員が盗撮した場合、必ず懲戒免職になりますか?

必ずしも懲戒免職になるわけではありません。国家公務員の懲戒処分指針では、盗撮行為の標準的な処分は「停職または減給」とされています。

ただし、行為の悪質性・職責の高さ・過去の処分歴などによっては、懲戒免職となる場合もあります。

弁護士を通じて示談を成立させ不起訴処分を獲得できれば、懲戒免職を回避できる可能性があります。

Q.盗撮で懲戒免職されても再び公務員になれる?

懲戒免職となった場合、公務員への再就職は極めて難しいです。

盗撮で懲役刑や懲役刑の執行猶予判決を受け、いったん公務員資格を失っても、一定期間が経過すると資格を回復します。

その場合、再度国や自治体の求人に応募することはできます。公務員試験も受けられます。

ただし、盗撮行為によって資格を失い失職した履歴があれば、公務員として採用されるのはほぼ不可能となるでしょう。懲戒処分された場合にも、不利益に評価されるのは間違いありません。

Q.盗撮をした公務員は懲戒処分を受ける前に退職できる?

公務員も一般の労働者と同様に、自主的に退職を申し出ることができます。しかし、すぐに退職できるわけではなく、通常は任命権者(所属する機関の長など)の承認が必要です。

特に、懲戒処分の手続きが進んでいる場合は、退職届を提出してもすぐに受理されない可能性があります。必ずしも自由に退職できるわけではありません。

アトムの解決事例(公務員の盗撮)

アトム法律事務所では、公務員の盗撮事件を含む刑事事件の解決実績が豊富です。こちらでは、過去にアトム法律事務所で取り扱った公務員の盗撮事件について、プライバシーに配慮したかたちで一部ご紹介します。

電車内での盗撮(不起訴処分)

アトムの解決事例①(不起訴処分)

公務員が電車内において、前に立っていた被害者女性のスカートの中にスマートフォンを入れ盗撮したとされるケース。近くにいた乗客に手をつかまれ、駅員室に連行後、逮捕された。迷惑行為等防止条例違反の事案。


弁護活動の成果

被害者に謝罪と賠償を尽くし、宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。不起訴処分となった。

駅のエスカレーターで盗撮(不起訴処分)

アトムの解決事例②(不起訴処分)

公務員の男性が駅のエスカレーターにおいて、スマートフォンで前にいた女性のスカート内を撮影しようとした事案。その場で周囲の人に気づかれ、警察官による取調べを受けた。


弁護活動の成果

被害者の方が特定できなかったため、示談交渉はできなかったが、反省の意を示すために贖罪寄付を行った。その他、心療内科への通院記録や本人の反省文、ご家族の監督を約束する誓約書など、再犯防止に向けた具体的な取り組みをまとめた意見書を検察官に提出した結果、不起訴処分となった。

公務員の盗撮は刑事事件に強いアトム法律事務所へ

アトム法律事務所は設立当初から刑事事件を専門に扱う事務所として発足し、盗撮事件をはじめとする刑事事件の豊富な解決実績があります。

当事務所は、24時間365日、土日・深夜でもご相談予約を受け付けております。

公務員として盗撮事件を起こし今後が不安な方は、まずはお電話で相談予約をお取りください。アトム法律事務所の弁護士が、ご依頼者様の利益を最大限守るために全力を尽くします。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了