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盗撮の在宅起訴とは?逮捕されなかった後の在宅捜査と前科のリスクを解説

盗撮で逮捕されない

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

盗撮で逮捕されなかった場合でも、事件が終わったわけではありません。多くは在宅事件として捜査が続き、書類送検を経て検察官が起訴・不起訴を判断します

在宅のまま起訴されること(在宅起訴)もあり、その大半は略式起訴による罰金刑ですが、罰金でも前科はつきます。

盗撮は発覚しても必ず逮捕される犯罪ではありません。反省して被害者に謝罪する意思があり、素直に取り調べに応じている場合には、在宅捜査になることが多いです。

問題は、その後どのようなスケジュールで捜査が進み、どの段階で処分が決まるのかが、外からは見えにくいことです。

この記事では、盗撮で逮捕されなかった場合の在宅捜査の流れと期間の目安、在宅起訴された場合の処分、前科を避けるための対応について詳しく解説していきます。

盗撮で逮捕されなかった場合はどうなる?

盗撮で逮捕されなくても在宅事件として捜査は続く

盗撮で逮捕されなかったとしても、被疑者としての立場が変わるわけではありません。

警察が被疑者を逮捕せずに捜査を行うことを、在宅事件といいます。この場合、後日あらためて警察から呼び出しを受け、取り調べに応じることになります

盗撮事件を起こした場合でも、「悪質な盗撮でない」「被害者に謝罪する意思がある」「取り調べに素直に応じている」などの事情があれば、逮捕されずに捜査を受ける可能性が高くなります。

被疑者逮捕のためには、「嫌疑の相当性」と「逮捕の必要性」という2つの要件を満たす必要があります。これらの要件を満たさないと判断されれば、逮捕ではなく在宅捜査で事件は進みます。

逮捕の要件

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在宅捜査で盗撮の余罪はどこまで捜査される?

警察に発覚した盗撮以外に余罪がある場合、スマートフォンやパソコンに過去の盗撮データが残っていたらどこまで捜査されるのでしょうか。

過去の盗撮データが端末に残っていた場合、そのすべてが立件されるとは限りません。撮影日時や場所が不明で被害者と特定できないデータについては、立件が見送られることもあります。

ただし、撮影日時や場所が記録に残っていて被害者を特定できる場合には、余罪として立件される可能性があります。

データの取り扱いを自己判断で決めることは避け、弁護士に相談したうえで対応を決めてください。

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盗撮の在宅捜査から後日逮捕されることはある?

被害者や目撃者に声をかけられてその場から逃走して逮捕されなかったような場合には、警察が犯人逮捕のために捜査を始めていることが多いです。

防犯カメラやICカードの履歴などから犯人が特定されると、後日逮捕される可能性が高くなります

一度在宅捜査になった事件で後日逮捕される可能性は低いですが、逃走のおそれや証拠隠滅のおそれがあるとみなされた場合には、後日逮捕のリスクが高まります。

在宅で盗撮の捜査を受けている間は、警察からの呼び出しには素直に応じるようにし、証拠隠滅を疑われかねない行動は避けることが重要です。

盗撮の在宅捜査から逮捕に切り替わるケースの例

  • 警察からの呼び出しに応じることなく、捜査に協力しなかった
  • 捜査の過程で余罪が大量に発見された
  • 新たな盗撮行為をしてしまった

盗撮で捕まった際の流れについてはこちらの記事で詳細に解説しています。

盗撮の在宅捜査の流れと期間の目安

盗撮の在宅捜査は、「警察の呼び出し・取り調べ」→「検察官への書類送検」→「検察官による起訴・不起訴の判断」という順に進みます。

逮捕・勾留により身体を拘束されたまま捜査が進む身柄事件と違って、在宅事件では捜査に期限がないため、処分が決まるまで数か月に及ぶことも珍しくありません

刑事事件の流れ(在宅事件)

在宅捜査の流れ(1)警察の呼び出しを受ける

在宅捜査の場合、警察の呼び出しを受けて取り調べを受けることになります。携帯電話に呼び出しの電話がかかってきて、指定された日時に警察署に出頭する必要があります。

最初に警察署で事情を聴かれて帰宅した場合、次の呼び出しの連絡が入るまでは1~2週間ほどが1つの目安です。

もっとも、1か月、2か月と連絡が来ないケースも実際にあります。

盗撮事件では撮影に使われた機器が押収され、その解析に時間がかかることが多いためです。連絡がないこと自体は、事件が立ち消えになったことを意味しません

指定された日時に仕事などの都合がつかない場合、日程の調整は可能です。ただし、土日や夜間の対応は原則として難しいと考えておいてください。

警察の呼び出しは、比較的単純な事件であれば1~2回程度で終わることが多いですが、複雑な事件や盗撮を否認している事件であれば3回以上呼び出されることもあります。

また、警察では被害者や目撃者からの事情聴取、防犯カメラ映像の確認、現場検証などの捜査が並行して進められます。

在宅捜査の流れ(2)検察に送致される

事件の経緯や証拠などが明確になった段階で、警察から検察官に事件が送致されます(書類送検)。

在宅事件では捜査期間が定められていないため、いつ書類送検されて検察の取り調べが始まるのか明確に把握することは困難です

もっとも、警察での取り調べが終了する段階で「次は検察から連絡が入ります」などと伝えられることが多いです。

書類送検されてから検察官の呼び出しがあるまでは、1か月程度が目安です。検察官の指示で補充捜査が行われる場合や、担当検察官が多忙な場合には、2~3か月かかることもあります。

検察庁からの呼び出しは、自宅に封書が届く方法で行われるのが通常です。

同居する家族に知られたくない事情がある場合には、書類送検後に担当検察官が決まった段階で、本人または弁護士から電話での呼び出しに変更してもらえるよう申し入れることができます

警察から事件を引き継いだ検察官は、検察庁に被疑者を呼び出して追加の取り調べを行います

また、検察官は警察から送られてきた証拠を精査し、必要に応じて被害者や関係者への聴取を行うなど、独自の捜査も行います。

検察官の呼び出しは1回だけで終わることが多く、所要時間も1時間程度と、警察の取り調べに比べて短いのが一般的です。

在宅捜査の流れ(3)検察官が起訴・不起訴の判断をする

検察官が捜査を行った結果、起訴が相当だと判断すれば、被疑者を起訴します

起訴とは、検察官が裁判所に対して刑事裁判を開くことを求める手続きです。在宅のまま起訴することを在宅起訴といいます。

一方、犯罪の嫌疑が不十分な場合や、反省の態度や被害者との示談の成立などから処罰の必要性が低いと判断された場合には、不起訴処分となります。

不起訴処分となれば、そこで事件は終了し、前科がつくことはありません

ただし、不起訴処分になっても、検察庁から本人に通知が届くわけではありません。処分の結果を確認したい場合は、本人または弁護士から検察庁に問い合わせる必要があります。

身柄事件には、逮捕から起訴・不起訴の判断が下るまで最大23日間という時間制限がありますが、在宅事件には起訴の期限がありません。

そのため、事件の発覚から処分が決まるまでに、半年以上かかるケースもあります。

在宅事件と身柄事件の違い

在宅事件身柄事件
逮捕なしあり
身柄の扱い呼び出し留置施設に拘束されたまま取り調べ
処分決定までの期間なし逮捕後最大23日間

なお、在宅事件に起訴の期限がないとはいえ、公訴時効はあります。撮影罪は法定刑の上限が3年の拘禁刑なので、公訴時効は3年です。

盗撮で在宅起訴されるとどうなる?前科はつく?

盗撮で在宅起訴されやすいケース

盗撮で逮捕されなかったとしても、処分が軽くなるとは限りません。

捜査機関への対応や被害者対応が適切でない場合には、起訴されて刑事裁判に進んでしまうこともあり得ます

盗撮で在宅起訴されやすいケース

  • 被害者との示談が成立していない
  • 在宅捜査中に新たな盗撮事件を起こした
  • 同種前科がある

盗撮の在宅起訴は略式起訴がほとんど|罰金刑と前科

盗撮で在宅捜査となった事件の多くは、公開の法廷に立つことなく罰金刑で終わる「略式起訴」で処理されます。ただし、罰金刑も刑罰であるため前科はつきます

盗撮に対しては、原則として「撮影罪」が適用されます(2023年7月13日以降)。

撮影罪とは「性的姿態等撮影罪」の略称で、体の性的な部位や下着などを相手の同意を得ずにひそかに撮影する罪のことです。

法定刑は「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」であり、撮影罪導入前の処罰規定である各都道府県ごとの迷惑防止条例違反と比べると、重い刑罰が定められています。

盗撮の成立要件や刑罰についてより詳しく知りたい方は、『盗撮はどこから犯罪?何罪に問われる?盗撮を取り締まる法律を弁護士が解説』の記事もご覧ください。

起訴には、公開の法廷で刑事裁判を請求する「正式起訴」と、簡略化した形式の略式裁判を請求する「略式起訴」の2種類があります。

略式起訴された場合の流れと刑罰

検察官が略式起訴するためには、被疑者が異議のないことを書面で明らかにする必要があります

略式起訴が見込まれる事案では、検察庁の呼び出しを受けた際に、略式起訴に同意する書面へのサインを求められるのが通常です。

略式起訴されると、公開の法廷で刑事裁判を受ける必要はなくなり、「100万円以下の罰金または科料」の範囲内で刑罰が科されます。

同意してから2~3週間ほどで、罰金額が記載された略式命令が裁判所から自宅に届き、後日、その罰金を納付することになります。

略式起訴の流れ

罰金刑で終了すれば、実際に刑務所に入る必要はありません。しかし、罰金刑も刑罰であるため、拘禁刑と同じく前科がつきます

略式起訴を受け入れたくない場合には、無罪や罰金の減額を目指して正式裁判を求めることもできます。

しかし、略式起訴に同意せず正式裁判となったとしても、罰金額が大きく減ることは多くありません。

裁判を争って加害者が無罪になることも実務上ほとんどないため、刑事処分を軽くしたい場合には、略式起訴されるまでに事件を解決することが重要です

具体的には、被害者対応を完了させたり反省や更生意欲などを示したりして、処罰の必要性がないと検察に判断してもらう必要があります。

正式起訴された場合の流れと刑罰

余罪多数で悪質な盗撮だったり、盗撮の前科があったりすると、在宅捜査から正式起訴となる場合も考えられます

また、100万円を超える罰金や拘禁刑を科す場合にも、正式起訴が必要となります。

在宅事件で正式起訴となった場合には、自宅から裁判所に向かって刑事裁判に出廷することとなります。

刑事裁判は公判とも呼ばれ、終結まで約2か月ほどかかることが多いです。

刑事裁判の流れ

盗撮事件で正式起訴された場合、初犯であれば罰金刑や執行猶予付きの拘禁刑となるケースが多く、余罪が多数ある場合や同種前科がある場合には、実刑判決が言い渡される可能性もあります。

日本の刑事事件では、起訴された後の有罪率は99%を超えています。

起訴後に無罪判決を獲得することは困難ですので、裁判では、罰金刑や執行猶予付き判決で終了するための弁護活動が重要です。

盗撮の在宅事件で不起訴になるのはどんなケース?

悪質な盗撮ではなく、逮捕もされていない事案では、被害者との示談が成立していれば不起訴処分となる可能性が高くなります

示談とは、事件の民事上の賠償責任について、当事者間の合意により解決することです。

刑事事件における示談には、民事上の賠償を完了させるとともに、被害届を取り下げたり、加害者を許したりする内容(宥恕条項)が盛り込まれることが一般的です。

もちろん、示談できれば必ず不起訴になるというわけではありません

しかし、当事者間で問題が解決していて、被害者が処罰を望んでいない状況で、刑事処分を求めて起訴するケースは少ないため、不起訴処分の可能性が高くなるのです。

在宅捜査は身柄を拘束されないぶん、示談交渉に動くための時間が確保できます。

一方で、検察官が起訴の判断を下した後では示談の効果は限定的になるため、書類送検から検察の呼び出しまでの期間が、実質的な期限になります

盗撮事件で示談する方法とメリットについては別の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。

盗撮の在宅事件の解決実績

アトム法律事務所が過去に扱った盗撮事件の中から、不起訴処分を獲得できたケースや、逮捕を防いで在宅のまま事件を終わらせることができたケースをご紹介します。

なお、いずれも撮影罪の施行(2023年7月13日)より前に発生した事案のため、当時の迷惑防止条例違反として処理されています。

電車内での盗撮で不起訴処分を獲得したケース

電車内での盗撮

電車内において、ライター型の小型カメラを仕込んだかばんを、被害者のスカートの下に差し入れたとされるケース。車内にいた鉄道警察隊に発見され、警察署に連行された迷惑防止条例違反の事案。


弁護活動の成果

被害者に謝罪と賠償を尽くして示談を締結し、不起訴処分となった。

示談の有無

あり

最終処分

不起訴処分

職場での盗撮で逮捕を阻止したケース

会社・職場内での盗撮

勤め先の更衣室に、動画撮影機能付きスマートフォンを設置したとされるケース。被害者に気づかれて事件化した迷惑防止条例違反の事案。


弁護活動の成果

警察官に対し逮捕をしないよう交渉した結果、在宅事件となった。その後、情状弁護を尽くし、略式起訴による罰金刑にとどまった。

示談の有無

なし

最終処分

罰金20万円

盗撮で在宅起訴される前に弁護士へ相談を

盗撮事件は逮捕されなかったとしても、在宅事件として捜査が進んでいる可能性があります

身柄拘束がなかったからといって安心して何もしないでいると、いつの間にか起訴されて罰金刑が科されてしまうことも考えられます。

盗撮の被害者は、画像を撮られたことへのショックと不安が強く、加害者本人から示談を持ちかけられると、かえって処罰感情を強めてしまうケースが少なくありません。

そもそも被害者の連絡先を教えてもらえないケースも多いため、盗撮などの性犯罪事件では、刑事事件に強い弁護士が示談交渉を代行するのが一般的です。

捜査機関は被害者に連絡を取り、「弁護士から示談の申し出があるが、連絡先を教えてもよいか」と確認をします。

被害者がこれに同意すれば、弁護士に連絡先が伝えられます。

盗撮が発覚し、警察から呼び出しを受けた場合には、すぐに弁護士までご連絡ください。

盗撮の在宅事件を弁護士に依頼するメリット

  • 手続きの流れや処分の見込みがわかる
  • 次の取り調べへのアドバイス
  • 被害者との示談交渉の代行

アトム法律事務所の弁護士は、盗撮事件をはじめとした性犯罪事件の解決実績が豊富です。

盗撮をしてしまい、今後が不安な方は、お気軽にお電話ください。

諦めていたのですが弁護士さんの説得のおかげで示談できました。

ご依頼者様からのお手紙(諦めていたのですが弁護士さんの説得のおかげで示談できました。)

(抜粋)今回盗撮及び暴行を弁護士さんに担当していただき無事に示談という形で解決していただきました。暴行の被害者様は保安員の方だったので、私は正直なところ諦めていたのですが、弁護士さんの説得のおかげで改心することを条件として示談してもらえました

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律税務グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了