2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。
日本の刑事裁判では、一度起訴されると約99.9%が有罪判決を受けるといわれています。有罪が確定すれば前科がつき、仕事や日常生活にも大きな影響が避けられません。
しかし裏を返せば、起訴前の段階で弁護士が適切に動くことで、不起訴を勝ち取れる可能性が残されているということでもあります。そして万が一起訴された後でも、保釈の請求や量刑を軽くするための弁護活動など、弁護士にしかできないサポートがあります。
この記事では、起訴の前後で弁護士の動き方がどう変わるのかを具体的に整理し、どの段階で相談すべきか、依頼先の選び方や費用の目安までまとめました。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
起訴前の弁護士の活動
(1)不起訴処分を目指す示談交渉

示談とは、加害者が被害者に謝罪と被害の弁償を申し入れ、当事者間の話し合いによって和解する契約です。
示談の成立は、起訴猶予になる判断要素として考慮される事情のひとつです。検察官は、犯罪の軽重や情状、犯罪後の状況を考慮して起訴・不起訴を判断できるとされており(刑事訴訟法248条)、示談の成立はこの「犯罪後の状況」にあたります。
示談成立は、被害者の処罰感情の低下や、加害者の反省を示すことができるため、不起訴処分につながる重要な要素になります。
ただ、警察や検察は、加害者に直接、被害者の連絡先を教えてくれることはあまりないでしょう。
警察や検察官が加害者に被害者の連絡先を教えることに消極的なのは、加害者が被害者に働きかけて証言を変えてしまうなどの懸念があるためです。
一方、弁護士が窓口となる場合は、加害者本人が被害者に直接接触することがありません。そのため、被害者の承諾を得たうえで「弁護士限りとする」ことを条件に、弁護士に対してのみ連絡先が開示されるケースは少なくありません。
連絡先を得た弁護士は、本人に代わって謝罪の意思を伝え、示談金の額や支払方法を調整し、示談書の作成まで対応します。
示談書には、被害者が加害者を許す旨の宥恕文言や、当事者間に他の債権債務がないことを確認する清算条項を盛り込み、後日の紛争を防ぎます。
関連記事
・示談すると前科はつかない?不起訴になる?犯罪ごとの示談金相場も解説
(2)勾留阻止・釈放を目指す
逮捕後の起訴前勾留とは?

起訴前勾留とは、逮捕に引き続いて実施される比較的長期の身体拘束手続きのことです。
このような起訴される前に勾留されることを、被疑者勾留と呼んだり、起訴前勾留と呼んだりします。
逮捕された後、検察官によって捜査のために身体拘束が必要だと判断されれば、勾留が請求され、裁判官によって逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断された場合、勾留(起訴前勾留)が決定します。
勾留(起訴前勾留)は原則として10日間になりますが、延長が認められればさらに10日間の範囲で身体拘束が続くことになります。
逮捕後から換算すると、最長で23日間、留置場などに留置される可能性があります。
早期釈放のための弁護活動とは?
起訴前勾留を回避するには、検察官や裁判官に、勾留の要件がないことを理解してもらうための弁護士の活動が必要になります。
勾留の要件
- 罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること
- 次のいずれかにあたること
- 住居不定(決まった住まいがない)
- 罪証隠滅のおそれ(共犯者がいる、被害者や目撃者と接触できる立場にあるなど)
- 逃亡のおそれ(定職がない、身元を引き受ける家族がいない、実刑の可能性が高いなど)
- 勾留の必要性があること
(例)介護や育児を担っているなど、身体拘束による不利益が大きい場合には、必要性が認められないことがある
検察官が勾留請求をする前は、弁護士から検察官に対して、対面や電話での面談をおこなう、意見書を提出するなどの方法で、勾留の要件がないことを説得します。
起訴前勾留の請求後は、弁護士から裁判官に対して、勾留の要件がないことを主張して、勾留決定しないように説得をおこないます。
起訴前勾留の決定後は、弁護士から裁判所に対して、不服申し立て(準抗告)をおこない、勾留決定をくつがえすことを目指します。
起訴前勾留を回避する弁護活動
- 検察官を説得して勾留請求を阻止
- 裁判官を説得して勾留決定を阻止
- 準抗告をだして勾留決定をくつがえす
関連記事
・勾留とは何か。勾留手続きや拘留との違いは?早期釈放を実現する方法
【コラム】在宅事件・在宅起訴とは?

逮捕されなかった、勾留を回避できたという事件は、家で生活しながら捜査を受けることになるので「在宅事件」と呼ばれます。
在宅事件の捜査が進み、結果として検察官に起訴されることになれば、通常、在宅起訴になるでしょう。
在宅起訴の場合、家で生活しながら裁判がある日だけ、裁判所に出頭し、裁判を受けることになります。
なお、勾留されている被疑者の場合、起訴されて被告人になった後も勾留が続くことが通常です。この勾留のことを起訴後勾留と呼んだり、被告人勾留と呼んだりします。
関連記事
・在宅事件の流れを解説|起訴率は低い?逮捕される刑事事件との違い
起訴後の弁護士の活動
(1)起訴されたら無罪・刑罰の重さを争う
起訴された場合、弁護士に相談して、有利な判決を目指すための弁護活動を依頼することが重要です。弁護士は、刑事裁判において、以下の活動を行います。
起訴された場合の弁護士の活動
- 起訴状に記載された犯罪事実を確認したり、検察官が持っている証拠を把握したうえで、反論を検討する
- 被告人の言い分をもとに、量刑の軽減を目指す
(例)無罪、罰金判決、拘禁刑の執行猶予付き判決etc. - 証拠調べにおいて無罪の証拠、被告人の反省などを示す情状証拠を提出し、有利な判決を目指す
- 弁論において、被告人の無罪や情状酌量を裁判官に訴える
刑事事件の有罪率は約99.9%ですが、無罪を主張するのであれば、弁護士は全力を尽くします。また、有罪を前提に審理を受ける場合であっても、弁護士の活動によって刑罰の重さを変えられる可能性があります。
刑罰の軽減を目指す場合、被害者との示談は非常に重要です。ただし、起訴された後に示談が成立しても、それによって不起訴になることはありません。起訴後の示談は、量刑を軽くするための事情として機能します。
起訴前に示談成立に至らなかった場合でも、継続して示談交渉に取り組む姿勢が重要になるでしょう。
また、示談交渉のほかにも、再犯防止策に取り組む、家族の監督をうけながら更生できる環境を調整するといったことも刑罰の軽減にとって重要です。
刑事事件に詳しい弁護士であれば、どのような再犯防止策を講じるべきかアドバイスをしてくれることや、丁寧な示談交渉をしてくれることが期待できます。
(2)起訴されたら保釈で釈放を目指す
起訴後勾留では保釈を目指す?
刑事事件の被疑者が、起訴された時もなお身体拘束を受けている場合、通常、起訴された後も勾留がつづくことが多くあります。
このような起訴後勾留(被告人勾留)の場合、弁護士は釈放を目指して「保釈」という手続きを申請します。
弁護士が保釈申請をおこなう
保釈とは、保釈保証金を裁判所にあずけて、条件つきで、被告人が起訴後に解放されるという手続きです。
保釈の際には、被告人が裁判に出頭することなどを約束する「身元引受人」を実務上求められることが一般的です。よくあるのは、ご家族、勤務先の上司の方などに身元引受人をお願いするというものでしょう。
保釈申請の際は、弁護士から、裁判官に対して、被告人に逃亡や証拠隠滅のおそれが無いことなど、保釈の条件に合致していることを説得的に主張してもらう必要があるでしょう。
保釈保証金の額は、事案の内容や被告人の資力をふまえて裁判所が決めますが、150万円~300万円程度が一つの目安です。金額は「これを失うくらいなら出頭する」と考えられる水準に設定されるため、資力があるほど高くなる傾向があります。
なお、保釈保証金は通常没収(法律上は没取)されるものではありません。被告人が指定された期日に出頭し、条件に違反しなければ、裁判が終わった後に全額返還されます。
保釈は、起訴後から判決が確定するまでの間、いつでも請求できます。認められれば、裁判が終わるまで自宅で仕事や家族との生活を続けながら判決を待つことができます。
関連記事
・保釈申請の流れ。保釈条件と必要な保釈金は?起訴後の勾留から解放
起訴前と起訴後の相談タイミングで何が変わるか
弁護士へ相談する前に確認してほしいのは、ご自身やご家族がすでに起訴されているかどうかです。
起訴されると、検察官から起訴状が届き、それまでの被疑者という立場が被告人に変わります。逮捕・勾留されていない場合でも、起訴状や裁判所からの召喚状が届いていれば、すでに起訴後の段階です。
起訴前後で弁護士の目標が変わる
起訴を境に、弁護士が目指す目標は「不起訴」から「執行猶予・刑の軽減・無罪」へ切り替わります。
不起訴を目指せるのは起訴される前だけです。逮捕や勾留の段階で弁護士がどこまで動けるかについてはこちらの記事で詳細に解説しています。
起訴されたら意味がないは誤解
この違いが分かりにくいのは、「起訴=有罪」というイメージが強いためです。実際には、起訴はまだ判決ではなく、検察官が「裁判で有罪を主張する」と決めた段階にすぎません。ここから判決までの間にも、弁護士が関与できる余地は残っています。
「起訴されたらほぼ有罪になるので、弁護士をつけても意味がない」と考える方もいるかもしれません。
しかし刑事裁判では、有罪か無罪かだけでなく、有罪の場合にどのような刑を科すかも審理されます。示談の成立や被害弁償、反省の態度、再犯防止の取り組みを裁判所へ示すことで、執行猶予や刑の軽減につながる可能性があります。
すでに起訴されている場合、目標は不起訴から「執行猶予・刑の軽減・無罪」に切り替わります。ここで重要なのは、切り替えのタイミングが早いほど、証拠の精査や情状の準備にかけられる時間が長くなるという点です。
第一回公判の期日は起訴からおよそ1〜2か月後に指定されるため、準備期間は無制限ではありません。
起訴されたからといって、相談が遅すぎるということはありません。ただし、証拠の確認や示談交渉、保釈請求には時間がかかります。できる限り早く弁護士へ相談してください。
起訴前・起訴後における弁護士の選び方
刑事事件の専門性・実績が豊富な弁護士か
弁護士にはそれぞれ注力分野があり、すべての弁護士が刑事事件に精通しているわけではありません。
起訴を回避するための検察官との面談や、量刑を軽くするための情状弁護、示談交渉の進め方などは、日常的に刑事事件を扱うことで養われるスキルです。
各弁護士事務所のホームページには解決実績が掲載されていることが多いので、刑事事件の取り扱い比重や具体的な解決事例を確認しましょう。
迅速に対応できる弁護士か
刑事手続きは逮捕から最長23日間で起訴の判断が下される可能性があり、時間との勝負です。いくら刑事弁護に精通していても、スケジュールが埋まっていてすぐに動けなければ意味がありません。
初回相談や接見のスピード、連絡の取りやすさは必ず確認しておきましょう。ご家族が逮捕された場合は、留置場に弁護士を派遣してもらえるかどうかも重要な判断材料です。
対面相談で相性を見極める
刑事事件は長期間にわたり不安な状況が続くことも多く、弁護士との信頼関係が結果に直結します。
説明が丁寧か、こちらの不安を聞いてもらえるか、話しやすいと感じられるかといった相性は、実際に対面で話してみないとわかりません。
時間的余裕がない刑事事件では、候補の事務所に同日中にまとめて相談予約を入れ、一気に回って判断するのもひとつの方法です。
起訴前後の弁護士費用
起訴事件の弁護士費用の内訳
刑事事件で起訴が見込まれる場合、弁護士費用の内訳としては、着手金、成功報酬、出張日当、実費などです。
着手金とは、刑事事件を依頼する際に弁護士に支払う費用です。
成功報酬とは、刑事弁護の成果に応じて発生する弁護士費用です。起訴を回避することができた場合や、起訴された後に罰金刑や執行猶予付き判決にとどめた場合など、さまざまな成果について費用が設定されています。
出張日当とは、弁護士が接見にむかう際の日当、弁護士が被害者との示談対応のために出張する際の日当、弁護士が刑事裁判のために法廷に出張する際の日当などの弁護士費用です。
実費とは、郵送費など弁護活動をおこなう際にかかる実費です。
弁護士事務所ごとに弁護士費用の金額は変わるので、正式に依頼する前に必ず確認しておく必要があります。
アトム法律事務所の弁護士費用の目安(一例)
| 弁護士費用の内訳 | 金額(税込み) |
|---|---|
| 着手金 | 44万円~ |
| 起訴による追加着手金 | 無料0円 |
| 成功報酬 | 11万円~(成果なければ0円) |
| 出張日当 | 所要時間に応じて2.2万円~ |
アトム法律事務所弁護士法人では、ご依頼者間の公平を確保するため、各支部において全国一律の弁護士費用を採用しています。警察が介入している事件は初回30分無料相談が可能ですのでお早めにご連絡ください。
なお、各項目の詳細については弁護士相談の際、「弁護士費用」のページをご覧いただくか、相談担当弁護士までお尋ねください。
弁護士相談だけなら無料?
弁護士に刑事事件を依頼したいと思った場合、まずは依頼する前に弁護士相談を受ける流れになるのが一般的です。
この正式依頼前の弁護士相談については、初回無料や、30分~1時間程度で5,000円~10,000円ほどの料金体系になっていることが多いです。
アトム法律事務所の弁護士相談については、警察介入事件の場合、初回30分無料です。警察に逮捕された、警察から呼び出しが来た場合など、初回30分無料で弁護士相談を実施しています。
弁護士相談では、事件の見通し、逮捕から起訴までの流れ、起訴された場合の結論の見通し、不起訴を目指すための対策、弁護士費用などをお伝えしていきます。
担当している弁護士との相性を確認する絶好の機会でもあるので、是非お早目に弁護士相談にお越しください。
刑事事件の不起訴・起訴弁護が必要なら弁護士に相談
24時間対応中!相談予約受付窓口
起訴された場合、裁判で有罪になる可能性が高く、前科がつく可能性があります。そのため、起訴される前の段階であれば、弁護活動によって不起訴を目指すことができます。
すでに起訴されている場合も、保釈による釈放や、執行猶予・刑の軽減を目指した弁護活動が可能です。
アトム法律事務所は、設立当初から刑事事件をあつかっている「刑事事件の解決実績豊富な弁護士事務所」です。
24時間つながる相談予約受付窓口を設置しています。
起訴を回避したい、実刑を回避したいなど刑事事件のお悩みをお持ちの方は、いつでも弁護士相談のご予約をお取りいただくことが可能です。
弁護士は対面であなたのご事情をうかがい、不起訴や刑罰の軽減を目指すための弁護方針を立てて実行にうつします。
時間に余裕があればあるほど、弁護活動にあてる時間を確保できるので、お早目のご相談がおすすめです。
お電話お待ちしています。


