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盗撮で裁判になる?起訴・不起訴の流れと前科を回避する方法を解説

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2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

「盗撮をして警察の捜査を受けた。このまま裁判になるのだろうか…前科がついてしまうのだろうか…」

盗撮事件は、2023年7月に施行された「性的姿態撮影等処罰法(いわゆる撮影罪)」により、以前よりも厳しく処罰されるようになりました。

しかし、盗撮事件を起こしたからといって、必ず裁判が開かれたり、刑務所に行くわけではありません

適切な対応を早期に行うことで、「不起訴」や「略式起訴」での解決を目指し、公開の法廷で開かれる正式裁判を回避できる可能性があります

すでに取り調べを受けている、在宅捜査が始まっているなど、一刻も早くアドバイスが必要な状況であれば、今すぐ弁護士に相談しましょう。

この記事では、盗撮事件における量刑の相場や裁判の流れ、「前科」や「実刑」を回避するためにとるべき対応について解説します。

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盗撮で裁判になる可能性もある|事件からの流れ

警察による取り調べが終わると、事件の記録は検察庁へ送られます。

検察官は、事件を「起訴」して裁判にかけるか、「不起訴」にして終了させるかを判断します。この判断事件の行方を左右する重要な分岐点です。検察官が下す判断は、大きく分けて3つあります。

検察官が下す3つの判断

処分内容前科
不起訴裁判を行わず、事件終了つかない
略式起訴書面手続きのみで罰金刑つく
公判請求公開された法廷で正式な裁判つく

盗撮事件で公開での裁判を回避したい方は、不起訴または略式起訴での解決を目指すことになります。

不起訴処分(裁判なし・前科なし)

最も望ましい結果です。検察官が「裁判にする必要はない」と判断した場合で、前科はつきません

示談が成立している、再犯防止策が整っている、初犯であるなどの事情があると不起訴処分となる可能性が高まります。

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略式起訴(罰金刑)

略式起訴とは、裁判の一種ではありますが、公開の法廷には出廷せず、書面審理のみで終わる簡易的な手続きです。原則として100万円以下の罰金刑が想定される場合に選択されます。

被疑者が事実を認めており、略式手続きに同意している場合に適用されます。

法廷に立つ必要はありませんが、前科がついてしまう点には注意が必要です。

公判請求

いわゆるドラマで見るような、法廷で行われる裁判です。有罪となれば罰金刑のみならず、実刑(刑務所行き)もしくは、執行猶予付き判決が言い渡される可能性があります。

常習性がある、過去に前科がある、住居侵入を伴うなど、内容が悪質な場合が該当します。

盗撮で適用される主な法律と刑罰

「盗撮」といっても、撮影した場所や対象、状況によって適用される法律や刑罰は異なります。どの法律が適用されるかによって、不起訴の可能性や実刑リスクも変わるため、正確に理解することが重要です。

盗撮で適用される法律と刑罰

撮影罪(性的姿態撮影等処罰法)

2023年7月施行の新しい法律で、盗撮を直接取り締まるための法律です。

正当な理由なく、相手が気づかないうちに性的な部位や、それを覆う下着などを撮影する行為に適用されます。

未遂も処罰対象になり、シャッターを切る前の段階でも逮捕される可能性があります

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迷惑防止条例違反

各都道府県で定められており、撮影罪が施行されたことで多くの盗撮が撮影罪に移行しました。

ただし、撮影に至らない行為や、条例で処罰対象とされている卑猥な言動に対しては現在でも適用されることがあります。

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軽犯罪法違反

撮影には至らずとも、浴場や更衣室をのぞき見た場合に適用されます。

他の法律に比べると罰則は軽微ですが、起訴されれば前科がつく可能性があります。

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住居侵入罪・建造物侵入罪

盗撮そのものではなく、盗撮目的でトイレ、更衣室、他人の住居、ホテルの客室などに侵入した場合に問われる罪です。

児童ポルノ禁止法違反

被害者が18歳未満だった場合に適用される、非常に重い法律です。

児童の性的姿態をスマホやカメラで撮影するなどの行為に適用されます。

社会的非難が強く、示談交渉も難航しやすいため、裁判に発展する可能性も高いです。

盗撮の裁判における判決

盗撮事件をはじめとする刑事事件で裁判となった場合、99%以上の確率で有罪となり、前科がついてしまいます。裁判で下される判決は主に「罰金刑」「執行猶予付きの拘禁刑」「実刑」の3つがあります。

あくまで一例ですが、以下はケース別の量刑の相場になります。

盗撮のケース別における量刑の相場

アトムの解決事例

アトム法律事務所では多くの盗撮事件を解決しています。実際の解決事例を量刑と合わせてご紹介します。

略式罰金となった事例

駅のエスカレーターで、女性の背後からスカートの中にスマホを差し入れて盗撮。迷惑防止条例違反の事案。


弁護活動の成果

被害者と宥恕条項(加害者を許すという条項)付きの示談を締結。また、情状弁護を尽くした結果、略式罰金となった。

示談の有無

あり

最終処分

罰金20万円

執行猶予がついた事例

店舗内で下着を撮影する目的で、被害者女性のスカート内にスマホを差し入れ撮影したとされるケース。迷惑防止条例違反の事案。


弁護活動の成果

裁判官に意見書を提出したところ勾留請求が却下され早期釈放が叶った。被害者と示談を締結し執行猶予付き判決を獲得した

示談の有無

あり

最終処分

懲役6か月執行猶予3年

懲役5か月の事例

書店内において、18歳未満の被害者女児のスカート内にスマートフォンを差し入れ盗撮をしたとされるケース。迷惑防止条例違反の事案。依頼者には痴漢の前科があり執行猶予中の身であった。


弁護活動の成果

裁判の場で情状弁護を尽くし、求刑を下回る判決となった。

示談の有無

なし

最終処分

懲役5か月

もっと多くの解決事例を知りたい方は『盗撮事件データベース』もご覧ください。

盗撮で裁判になった場合の流れ

検察官が起訴を選択した場合、その後の流れは2パターンに分かれます。

盗撮で裁判になった場合の流れ

  • 略式手続の場合(書面のみの手続き)
  • 正式裁判(公判)の場合

略式手続の場合

多くの初犯の盗撮事件では、この手続きが選択されることがあります。法廷に立つ必要がないため、社会的な負担は軽くなります。

略式手続の流れ

  1. 検察官が裁判所に「略式命令請求」を行う。
  2. 裁判所が書類を確認し、「略式命令(罰金刑)」を出す。
  3. 自宅に命令書が届き(在宅事件の場合)、指定された期間内に罰金を納付する。
  4. 指定された期間内に罰金を支払い、手続き完了。

注意

誰にも会わずに終わるため負担は少ないですが、前科としての記録はしっかり残ります。

そのため、就職や資格取得などに影響が出る可能性があります。

正式裁判の場合

常習性がある、または内容が悪質などの場合は、公開の法廷で裁判が開かれます。起訴から約1~2ヶ月後に第1回公判が開かれ、以下のような手順で進められます。

刑事裁判の流れ

(1)冒頭手続

氏名などの本人確認を行う「人定質問」から始まり、検察官による起訴状の朗読、裁判官による黙秘権等の告知、被告人による「罪状認否」へと進みます。

裁判官に対し、起訴された内容に間違いないかを述べ、正式に裁判が開始されます。

(2)証拠調べ手続

検察側が盗撮のスマホデータなどの証拠を提出し、罪の立証を行います。

弁護側も、被害者との示談書や反省文など、被告人に有利な情状証拠を提出して刑の軽減を求めます

また、被告人自身が裁判官からの質問に答える「被告人質問」もこの段階で行われます。

(3)弁論手続

検察官が具体的な刑罰を提案する「論告・求刑」と、弁護人が執行猶予などの寛大な処分を求める「最終弁論」を行います。

裁判官に対し、検察・弁護双方がそれぞれの視点から最終的な意見を主張します

(4)結審・判決

被告人が最後に言葉を述べる「最終陳述」をもって審理が終わり(結審)、当日もしくは後日判決が言い渡されます。

実刑、執行猶予、罰金などの最終的な結論がここで確定します。

逮捕の流れや、より詳しい裁判の流れについて知りたい方は『刑事事件の裁判|逮捕から判決まで刑事事件の流れを解説』の記事もご覧ください。

盗撮の裁判例を紹介

盗撮事件の判決は、撮影の執拗さや場所、被害者の年齢、さらには加害者の反省の度合いや再犯防止への取り組みなど、多くの要素が総合的に考慮されます。

実際の盗撮の裁判例を2つご紹介します。

札幌高判平成19年9月25日

衣服の上から盗撮した行為が条例違反とされた裁判例

札幌高判平19・9・25(平成19年(う)73号)

ショッピングセンターにおいて、約5分間にわたり女性の後を付けねらいながら、衣服の上から臀部等を約11回盗撮した事例。


裁判所の判断

「被告人は、一般的に、盗撮されれば、女性が著しくしゅう恥し、不安を覚えさせる部位である臀部をねらって、執ように被害者の後を付けながら約11枚の画像を隠し撮りしたものであり……卑わいな言動に当たることは明らかである。」

札幌高判平19・9・25(平成19年(う)73号)
  • 無罪とした原判決(第一審)を破棄。
  • 衣服の上からの撮影であっても、特定の部位を狙い、隠し撮りする行為は、条例が禁ずる「卑わいな言動」に該当すると認定。
罰金額

30万円

東京地判令和6年3月26日

児童へのわいせつ行為と児童ポルノ製造が問われた裁判例

東京高判令5・6・16(令和5年(う)338号)

サッカークラブのコーチという立場を利用し、約4年間にわたって7歳から12歳の児童20名以上に対し、わいせつな行為を行いながらその様子をひそかに動画撮影して児童ポルノを製造した事例 。


裁判所の判断

「各犯行の手口は幼い被害者らの未熟さを悪用した巧妙なもので、行為態様もわいせつ性が高く、一部の事件では動画撮影にも及んでおり、卑劣で悪質というほかない……被告人の刑事責任には重大なものがある。」

東京高判令5・6・16(令和5年(う)338号)
  • 被告人の控訴を棄却し、第一審の懲役13年という実刑判決を支持。
  • 被告人が一部の被害者に対し各30万円の被害弁償金を支払ったことや反省の弁を述べていることを考慮しても、犯行の悪質性や結果の重大性から、懲役13年の量刑は不当に重いとはいえないと判断。
判決結果

懲役13年

盗撮は民事裁判のリスクもある

刑事手続きが終わっても、それですべて解決するとは限りません。盗撮は犯罪であると同時に、不法行為(民法709条)に該当します。

そのため、被害者は加害者に対して、精神的苦痛を受けたとして「慰謝料」を請求する権利があります。被害者から個人的に訴えられる「民事裁判(損害賠償請求)」のリスクが残っています。

盗撮の慰謝料相場

慰謝料の金額は事件の内容によって変動しますが、一般的な目安は以下の通りです。

盗撮の慰謝料相場

事件の内容一般的な盗撮悪質な盗撮
慰謝料の相場10万〜50万円50万〜100万円以上
増額される要因撮影枚数が多い、執拗につきまとったなど住居侵入が伴う、動画をネットに拡散した、販売したなど

もし刑事裁判で有罪判決が出ている場合、民事裁判でも不法行為の成立が認められやすく、慰謝料請求が認められる可能性は高くなります

盗撮で民事裁判に発展するケースは少ない

法的に裁判を起こすことは可能ですが、実際に盗撮事件で民事裁判に発展するケースは多くありません。主に3つの理由による影響が大きいです。

経済的合理性の欠如

裁判を起こすには費用が発生します。たとえ慰謝料を得られたとしても、弁護士費用を支払うと被害者の手元にはお金が残らない、もしくは赤字になるリスクがあります。

精神的な負担

裁判では、公開の法廷で被害の内容を詳しく説明しなくてはいけない場面もあります。事件を思い出す苦痛を伴うため、早期解決を望む方が多い傾向にあります。

示談による解決が主流

多くの事件では、刑事手続きの中で示談が行われます。示談の中で慰謝料を支払い、今後民事上の請求も一切行わないと約束を交わすことで、民事裁判のリスクを事前に消滅させるのが一般的です。

盗撮による裁判を回避するためには

ここまで読んで不安が増したかもしれませんが、諦めるのはまだ早いです。

起訴される前に適切な行動を起こすことで、裁判を回避し、前科をつけずに解決できる可能性はあります

被害者との示談を成立させる

盗撮事件において、被害者との示談が成立しているかどうかは、重要な要素の1つです。

被害者が「加害者を許し、処罰を望まない」という意思を示すことで、不起訴になる可能性が上がります

起訴後でも、示談が成立していることにより執行猶予がついたり、罰金額が減ったりなど、有利な事情を得ることができます。

ただし、自身で被害者に連絡することは警察から禁止されることがほとんどです。被害感情を逆なでして事態を悪化させるリスクもあるため、必ず弁護士を介して交渉を行いましょう

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客観的な再犯防止策を具体的に示す

反省していることを示すだけでなく、再犯しない環境を作ったことを客観的な証拠で証明することも重要です。

再犯防止策の一例

  • 専門クリニックへの通院
    性犯罪再犯防止外来などで治療を受けている証明書を提出する
  • 物理的な遮断
    スマートフォンを解約・機種変更をして、盗撮できない環境を作る
  • 家族による監督
    今後の生活を監督することを誓約書や法廷で証言する

弁護士へ早期に依頼する

盗撮事件は時間との勝負です。特に逮捕されている場合は、起訴か不起訴か決まるまでの時間は限られています

弁護士が早く被害者と連絡を取り、示談を成立させることで、身柄拘束を解いたり裁判を回避できる確率を高めることができます

一刻も早い解決を望むのであれば、今すぐ弁護士に相談・依頼をしましょう。

まとめ|裁判を回避するために今すぐ弁護士に相談

盗撮事件は、適切な対応を早期に行うことで、裁判を回避し前科をつけずに社会復帰を目指せる可能性があります。

そのためには、一刻も早く弁護士に依頼し、被害者との示談交渉をスムーズに進めることが何よりも最善です。

あなたの将来やご家族の生活を守るために、まずは刑事事件に強い弁護士にご相談ください。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。全国15拠点を構えるアトム法律グループの代表弁護士として、刑事事件・交通事故・離婚・相続の解決に注力している。
一方で「岡野タケシ弁護士」としてSNSでのニュースや法律問題解説を弁護士視点で配信している(YouTubeチャンネル登録者176万人、TikTokフォロワー数69万人、Xフォロワー数24万人)。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士、弁理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了