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交通死亡事故の加害者になってしまったら|その後の流

交通死亡事故は、誰もが加害者にも被害者にもなりうる類型です。しかし、交通死亡事故と言っても、不注意で起こした過失運転致死罪が成立するのか、運転したら危ないと知りつつ運転して事故を起こした危険運転致死罪なのかによって、受ける刑罰の重さは大きく変わります。

不注意による事故の場合は、罰金や執行猶予で済む場合も多く、過失すらないことが証明できれば無罪も争えます。今回は、交通死亡事故で成立する犯罪や手続きの流れ、刑罰の目安などについてご説明します。

交通事故で相手を死亡させてしまった…どのような罪になる?

過失運転致死罪

過失運転致死傷罪(自動車運転処罰法5条)とは、自動車の運転に必要な注意を怠り、人を死亡させた場合に成立する犯罪です。過失とは、不注意のことをいいます。「運転に必要な注意を怠」った例には、ブレーキとアクセルの踏み間違い、ハンドル操作ミス、わき見運転等さまざまなケースが該当します。

過失運転致死罪の罰則は、7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金です。しかし事情により罪は重くなり、飲酒運転で死亡事故を起こすと、過失運転致死と酒酔い運転の罪(道路交通法65条1項、117条の2)が両方成立し、10年6月以下の懲役若しくは禁錮又は200万円以下の罰金です。

危険運転致死罪

危険運転致死罪(自動車運転処罰法2条本文後段)とは、正常な運転が困難な状態で自動車を運転し、人を死亡させた場合に成立する犯罪です。危険運転に当たる行為は次の6つです。

  • 酒や薬物の影響下の走行
  • 制御不能な高速走行
  • 未熟な運転技能
  • あおり運転
  • 赤信号の殊更な無視
  • 通行禁止道路の走行

過失運転致死罪が過失犯であるのに対し、危険運転致死罪は、自分の運転が危険と分かったうえで意図的に運転して人を死亡させた、故意犯である点が大きく異なります。そのため、成立する罰則も、1年以上20年以下の懲役と重くなっています。懲役刑のみが定められ、罰金はありません。

道路交通法違反

死亡事故を起こすと、事故の際の状況により道路交通法違反の罪も成立する場合があります。例えば、飲酒運転の場合は酒気帯び(道路交通法65条1項)か酒酔い(同法117条の2)が過失運転致死に加えて成立し、無免許運転の場合は10年以下の懲役に刑が加重されます(自動車運転処罰法6条4項)。

人身事故を起こした場合は、怪我人を救護し必要な措置を行う救護義務があります(道路交通法72条1項前段)。これをせず逃走すると「ひき逃げ」として10年以下の懲役又は100万円以下の罰金に該当します(同法117条2項)。過失運転致死罪も成立するため、刑の上限が最長15年に引き上げられます。

行政上・民事上の責任を問われる可能性もある

交通事故で相手を死亡させると、刑事上の責任だけでなく、行政上・民事上の責任を負う場合もあります。行政上の責任とは、免許の点数です。過失運転致死の死亡事故の場合、安全運転義務違反で加算2点、相手を死亡させると原則20点が加算され、免許取消になり、最低でも1年間の免許欠格となります。

民事上の責任とは、損害賠償のことです。精神的苦痛に対する損害賠償として、被害者自身の死亡慰謝料、遺族の慰謝料、生きていれば得られたであろう逸失利益のほか、葬儀費用も損害賠償に含まれます。通常は保険から払われますが、それと別に自ら謝罪と賠償を尽くすことが刑事責任との関係で重要です。

交通死亡事故の加害者になったらまずすべきこと

交通事故の現場では必ず警察と病院に連絡する

交通事故の当事者には、加害者・被害者を問わず、事故の日時や場所、被害状況等をすぐ警察に通報する報告義務があります(道路交通法72条1項後段)。被害が小さいと現場で示談して解決とする人もいますが、報告義務違反として3か月以下の懲役又は5万円以下の罰金に処せられる恐れがあります(同法119条1項10号)。

警察への連絡と共に、交通死亡事故の現場ではすぐ救急車を呼んで下さい。被害者が既に亡くなったかは関係ありません。交通事故を起こした加害者は、負傷者を救護し二次被害を防止する救護義務があります(同法72条1項前段)。救護義務を怠ると10年以下の懲役又は100万円以下の罰金刑に該当します(同法117条2項)。

交通事故被害者の葬儀には参列すべき?

交通死亡事故を起こしたら、葬儀には参列して下さい。加害者に葬儀に来てほしくないという遺族も多く、参列を拒否されることもあります。それでも加害者としては誠意ある対応を示すべきです。事故の過失割合も関係ありません。自ら参列しないのと、参列して拒否されるのは意味が異なります。

とはいえ、加害者が単身で参列すると遺族の怒りを一身に受ける恐れもあるので、できれば弁護士や保険関係者など第三者に同行してもらうことをお勧めします。なお、持参する香典は、地域にもよりますが概ね10~20万円が目安と言えます。後で慰謝料を払うからと手ぶらで行くべきではないでしょう。

交通死亡事故で逮捕されたらどうする?

交通死亡事故で逮捕されたら、すぐに弁護士に相談し、依頼を検討してください。逮捕されると、最長72時間の逮捕期間の間に警察や検察の取調べが行われ、勾留が決定すると原則10日、最長20日間の留置場生活が続きます。しかし弁護士に依頼すれば、早期の釈放に向け活動してもらうことができます。

勾留期間中に検察官が事件を起訴する(刑事裁判にかける)か不起訴にするか決定します。交通死亡事故で不起訴を獲得するには、被害者遺族と示談したり、また被害者が物陰から飛び出してきて予測も回避もできず過失がなかったこと等を弁護士を通じて主張立証する等の対応が求められます。

交通死亡事故は弁護士に依頼する

交通死亡事故は、1日でも早く弁護士に依頼しましょう。交通死亡事故では、被害者遺族と示談をしてもらうことが事件の結果に大きく影響します。示談は保険会社に任せていると放置する人もいますが、保険会社の示談は、死亡という損害に関し基準に基づいて賠償するもので、刑事事件の示談とは別物です。

交通死亡事故では、保険とは別に、死亡事故を起こしたこと自体について加害者が謝罪と賠償を尽くして示談してもらうことが重要です。しかし、死亡事故の遺族の悲しみは大きく、示談の締結は難しいのが実情です。弁護士なら経験に基づき粘り強く交渉し、示談に応じてもらえる可能性が高まります。

交通死亡事故で加害者が逮捕されたあとの流れは?

①逮捕~送致~勾留開始

逮捕されると留置場に入れられて警察官の取調べを受け、逮捕後48時間以内に事件が検察官に引き継がれます(検察官送致)。検察官は自ら取調べた結果と証拠から勾留すべきと考えると、裁判官に勾留請求を行います。勾留請求を受けた裁判官は、被疑者に勾留質問を行い、勾留するかを決定します。

勾留の要件である、①罪を犯したと疑う相当の理由、②住所不定、証拠隠滅の恐れ、逃亡の恐れのいずれか(刑事訴訟法60条1項)を満たすとして勾留が決定すると、勾留請求から10日間勾留されます。事件に応じて勾留は更に最長10日延長され、逮捕から23日間身柄が拘束される可能性があります。

②起訴・不起訴の決定

日本では、検察官だけが事件を刑事裁判に起訴するか不起訴にするかを決めることができます。検察官は、勾留期間中に起訴・不起訴の判断を行います。起訴後の有罪率は99.9%に上るため、前科を避けるには不起訴を獲得すること、起訴されても略式罰金など減刑に向けた活動をすることが重要です。

死亡事故だけでなく怪我で済んだ場合も含む数値ですが、平成30年には、過失運転致死傷罪での不起訴率は約86%、略式罰金が約10%、公判請求されたのが1.3%と、不起訴を獲得できるケースもあります(令和元年犯罪白書)。不起訴獲得のためには被害者と示談するなどの対応が有効です。

③交通死亡事故の刑事裁判

交通死亡事故で検察官に起訴されると、略式裁判正式裁判のいずれかを受けることになります。略式裁判は罰金を払って終了する手続きです。過失運転致罪の場合は略式裁判になることもあります。危険運転致死罪の場合、罰金刑がなく懲役刑しかないので、略式裁判にはならず必ず裁判が開かれます。

正式裁判では、公開の法廷で検察と弁護側が主張を尽くし最後に裁判官が判決を下します。起訴から概ね1か月で第一回公判が開かれ、自白事件で2~4回、否認事件で7~8回程度公判が開かれることが多いです。裁判では、無罪、罰金刑、執行猶予付き判決、懲役・禁錮の実刑判決の何れかが下されます。

在宅で交通事故の捜査が行われる場合もある?

交通死亡事故を起こしても逮捕されなかったり、逮捕後釈放されることがあります。しかし無罪になったわけではなく、捜査は続いています。このように在宅で捜査が進められることを在宅捜査・在宅事件といいます。交通死亡事故でも、逃亡や証拠隠滅の恐れがない場合は在宅捜査になる場合があります。

具体的には、加害者が普段はまじめに勤務する会社員で仕事もあり、家族や住む家がある場合です。10日間の勾留がされると、会社や社会生活への影響は避けられません。早期の釈放により在宅事件に切り替えてもらうためには、弁護士を通じて検察官に勾留の必要性がないことを伝えることが有効です。

交通死亡事故の加害者になったらその後どうなる?

交通死亡事故により罰金刑・懲役刑になる可能性は?

交通死亡事故と言っても、過失犯か故意犯かにより刑罰は大きく変わります。過失運転致死の量刑は7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金ですが、罰金刑や、懲役刑でも執行猶予が付く可能性が高いです。危険運転致死の量刑は1年以上20年以下の懲役のため、罰金にはなりえません。

実際、平成30年の第一審では、過失運転致死罪で懲役刑・禁固刑を受けた約1350人のうち約95%が執行猶予付判決、実刑判決を受けた人の約80%が懲役3年未満という結果で、罰金刑や無罪になった人もいます。一方危険運転致死傷では、執行猶予は0人、懲役3年未満1人と大きな差があります。

交通死亡事故の加害者が入る刑務所は?

交通死亡事故を起こして実刑判決を受けた場合、一般的には交通刑務所に収容されることになります。しかし、交通刑務所と言う名称の刑務所はなく、交通犯罪の部門がある刑務所に収容される運用です。ほぼ交通事故だけを受け入れる市原刑務所、交通事犯専用区画がある加古川刑務所等が有名です。

刑務所は、自由を奪う刑罰を与えるだけでなく、更生して社会復帰を実現するための矯正処遇を行う場でもあります。そこで交通刑務所でも、刑務作業・改善指導・教科指導が行われます。なお、一般の刑務所では面会や手紙のやり取りが制限されますが、交通刑務所では支障がなければ面会できる運用です。

交通死亡事故で免許は剥奪される?

日本では、交通違反や事故で点数が加点され、一定以上で免許停止や取消しの処分を受けます。また、点数が高いと免許の欠格期間が生じ、その間は免許を取得できません。過失運転致死の死亡事故の場合は、安全運転義務違反2点、死亡事故で20点加算され、免許取消と免許欠格期間最低1年になります。

酒酔い運転やひき逃げで死亡事故を起こすと、いずれの場合も道路交通法違反の35点に死亡事故20点を加算した計55点、欠格期間9年となります。また、危険運転致死の死亡事故の場合は、62点という高い点数が加算され、免許取消しになるのはもちろん、欠格期間も10年と長期に及びます。

交通死亡事故で損害賠償は支払わなければいけない?

交通死亡事故を起こしたら、損害賠償を払わなくてはいけません。損害賠償の内容には、被害者が亡くなったこと自体の慰謝料、遺族固有の慰謝料、被害者が無くならなければ得られたはずの収入(逸失利益)、葬儀費用等が含まれます。これらの損害賠償は示談によって払うことになります。

保険に加入していれば、保険会社が示談して保険金が被害者側に払われるので、原則損害賠償は保険で賄えます。無保険の場合は自分で払う必要があります。しかし保険会社による示談とは別に、弁護士を通して被害者に謝罪と賠償を尽くし事件を許してもらう示談ができれば、不起訴や減刑が期待できます。

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