詐欺未遂罪とは、お金などの財産を交付させようとして人をだまそうとしたものの、だましとることに失敗した場合に成立する犯罪です。
オレオレ詐欺の受け子や見張り役が、現金やカードの交付を受ける前に逮捕されてしまうといったケースは、詐欺の未遂罪に問われます。
この記事では、詐欺未遂罪の要件、詐欺罪(既遂)との違い、刑罰、逮捕・勾留の流れなどについて解説しています。
詐欺罪は未遂であっても懲役刑が科される可能性のある犯罪です。刑事事件に強い弁護士に早めに相談しましょう。
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詐欺未遂罪とは?
未遂罪とは?詐欺未遂は処罰される?
そもそも未遂罪とは、犯罪行為に着手したものの、最後まで犯罪を遂行できなかったために、犯罪被害の結果が生じなかった場合のことをいいます。
未遂罪は「未遂を処罰する」という規定がない限り処罰されません(刑法44条)。ですが詐欺罪には、そのような未遂の処罰規定があるので(刑法250条)、詐欺未遂は犯罪として処罰されてしまいます。
なお刑法では、未遂罪の場合、刑罰を軽くできると規定されています(刑法43条本文)。しかし実際のところ、詐欺未遂の場合、逮捕されたり重い実刑判決がくだることも多いため、早いうちから適切な対応を取る必要があるでしょう。
詐欺未遂罪になる行為とは?
詐欺未遂罪とは、人をだまして財物や財産上の利益を交付させようとして、詐欺罪の実行に着手したものの、結局のところ財物や財産上の利益の交付を受けられなかった場合に成立する犯罪です。
未遂罪は、実行行為に密接であって、被害を生じさせる客観的な危険性が認められる行為に着手した場合、未遂罪になります(最一小決平16.3.22刑集58-3-187)。
詐欺未遂罪が成立するには、少なくとも「人を欺く」という実行行為に着手していれば、詐欺未遂になるでしょう。
詐欺未遂になる行為(一例)
- オレオレ詐欺の未遂
「オレ、俺。会社のお金を使い込んで困っているんだけど、お金を貸してくれない?」などと電話をかけたが、相手はだまされなかった。 - 結婚詐欺の未遂
「借金を返さなければ結婚ができない」などと申し向け、お金を渡せば結婚できると誤解するような嘘をつくことで、お金をだましとろうとしたが、相手に見破られた。 - 特殊詐欺の未遂
かけ子が「警察です。悪用されているので、暗証番号を書いたメモと一緒に、キャッシュカードを回収します」などと電話をかけた後、回収に向かった受け子が警察に現行犯逮捕された。
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詐欺罪と詐欺未遂罪の違いは?
詐欺罪とは
詐欺罪(詐欺既遂罪)は、人を欺いて(あざむいて)財物を交付させた場合に成立する犯罪です(刑法246条1項)。お金やクレジットカードなど財物をだまし取る犯罪が、詐欺罪です。
また、人を欺いて財産上の利益を得たり、他人に得させたりした場合、詐欺利得罪の既遂罪が成立します(刑法246条2項)。代金の支払いができないのを分かっているのにタクシーに乗車する行為などは、詐欺利得罪に該当する可能性があります。
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詐欺罪の構成要件
詐欺罪は、①人を欺く行為(欺罔行為)によって、②被害者が錯誤におちいり、③財産の交付をしたことで、④犯人や第三者に財産の移転が生じるという犯罪です。
詐欺罪は、これら①~④までの一連の行為に因果関係が認められ、財産的損害が発生した場合に、犯人が犯罪事実の発生を認識・認容し(故意がある)、および不法領得の意思を有するとき、責任能力などの問題がなければ、成立します。
詐欺罪の構成要件(成立要件)
- 人を欺く(あざむく)行為
交付の判断の基礎となる重要な事項を偽ること - 被害者が錯誤に陥ること
人を欺く行為によって、相手が誤信すること - 交付行為(処分行為)
錯誤によって、被害者が自分の意思で財産の交付すること - 財産の移転
財物や利益を、犯人や第三者に移転させること - 故意(犯罪の認識・認容)
人を欺く行為によって、相手が錯誤に陥り、財産を交付することで、財産が移転することを認識・認容していること - 不法領得の意思
権利者を排除して、他人の財産を自己の財産として、その経済的用法に従い利用し処分する意思 - 違法性・有責性
正当防衛にあたらない、責任能力が認められるetc.
詐欺罪と詐欺未遂罪の違い
詐欺既遂罪の成立要件のうち②錯誤、③交付、④財産の移転のいずれかが認められない場合などは、詐欺未遂罪にあたります。
たとえば、オレオレ詐欺のかけ子が電話をしたものの、被害者は騙されておらず、金品を詐取できずに逮捕されたようなケースでは、②錯誤・③交付・④財産の移転のすべてが認められず、詐欺未遂罪になるでしょう。
詐欺未遂罪の刑罰は?
詐欺未遂罪の法定刑
詐欺罪の法定刑は、10年以下の懲役です。詐欺未遂の場合も、基本的には10年以下の懲役となります。
1 人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
刑法246条
2 前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。
ただし詐欺未遂の場合は、裁判官の裁量によって刑罰が軽くなる(刑の任意的減軽)、あるいは必ず刑罰が軽くなる(必要的減免)というルールがあります。
(未遂減免)第四十三条
刑法43条
犯罪の実行に着手してこれを遂げなかった者は、その刑を減軽することができる。ただし、自己の意思により犯罪を中止したときは、その刑を減軽し、又は免除する。
自分の意思で思いとどまり、被害結果を発生させなかった場合(中止未遂の場合)は、刑罰が必ず軽くなります。
誰かに発見されたなど外部的要因で未遂になった場合(障害未遂)であっても、刑が減軽されることがあります。
詐欺未遂罪の初犯の量刑は?
詐欺罪には罰金刑はありません。そのため、刑事裁判にかけられて有罪判決が出される場合は、必ず懲役刑の執行猶予付き判決か、実刑判決となります。
執行猶予付き判決は、諸般の事情を考慮して、刑務所で生活するよりも社会生活を送らせるほうが、更生や再犯防止につながると判断される場合にしか言い渡されることはありません。
詐欺未遂の場合、執行猶予付き判決になる可能性もあります。ですが、余罪多数、振り込め詐欺などの特殊詐欺である、計画性が高く悪質な犯行である、被害額が大きいといった場合では、初犯の未遂罪であっても、刑務所の収容が相当であると判断され、懲役の実刑判決が出されることはめずらしくないでしょう。
犯行計画の全貌を知らない受け子であっても、組織的詐欺の共同正犯として厳しく刑罰が科される傾向が強いものです。
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詐欺未遂罪の不起訴の可能性は?
詐欺未遂罪のみに関する統計はありませんでしたが、詐欺既遂罪と未遂罪を両方あわせた統計では、令和3年度に詐欺罪全体で起訴された人数が8653人、不起訴になったのは7764人、家庭裁判所送致は1005人でした(令和4年犯罪白書 第2編/第2章/第4節 資料2-2 検察庁終局処理人員 罪名別)。
そして以下のように計算した場合、令和3年度の詐欺罪の不起訴率は約47.2%となります。
詐欺罪の起訴/不起訴*¹
- 起訴:8653人
うち公判請求8653人、略式命令請求0人 - 不起訴:7764人
うち起訴猶予4725人、その他の不起訴3039人 - 不起訴率:47.2%
不起訴の人数÷(起訴の人数+不起訴の人数)
※家庭裁判所送致は1005人。
なお令和3年度の詐欺罪の不起訴のうち、約60.9%が起訴猶予が占めています。
起訴猶予というのは、罪を犯したことが明らかであっても、諸事情が考慮されて不起訴になるというものです。未遂罪であれば、既遂罪よりも不起訴になる可能性は高いといえるでしょう。
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詐欺未遂罪の逮捕
詐欺未遂罪の逮捕の流れ
逮捕される事件は?逮捕の要件は?
逮捕されるのは、逃亡のおそれや証拠隠滅のおそれといった逮捕の要件がそろった場合です。
逮捕の要件がない場合では、逮捕されません。
逮捕されない事件では、家で生活をおくりながら、警察や検察の呼び出しがあった時だけ出頭し、取調べを受けるという生活を送ることになるでしょう(在宅事件)。
捜査~逮捕
警察に通報されれば詐欺罪は、未遂でも逮捕されます。警察が詐欺未遂罪の捜査を開始するきっかけとなるのは、被害者の被害届の提出だったり、オレオレ詐欺が疑われる事案についての通報だったりします。
提出された被害届をもとに捜査がおこなわれ逮捕令状の発付を待って後日逮捕される、オレオレ詐欺なら騙されたふり作戦で現行犯逮捕されるといった流れで、逮捕されることになるでしょう。
詐欺未遂罪で警察に逮捕された場合、留置場に連行され、取調べ室において被疑者取調べを受けます。取調べでは、犯行への関与や犯行の動機、仲間の存在などについて詳しく聞かれます。
逮捕~勾留
警察は逮捕から48時間以内に、検察官に事件を引き継ぎます(検察官送致)。
その後、検察官によって、留置しておく必要があると判断されてしまった場合は、24時間以内に、勾留が請求されます。そして検察官の勾留請求を受けた裁判官によって、実際に被疑者として勾留されるかどうかが判断されます。
裁判官によって勾留が決定されたら、原則として10日間留置場などにとどめ置かれて、生活をしなければなりません。その後、勾留が延長されることもあります。勾留延長された場合は、逮捕から最長23日間、身柄拘束が続くことになります。
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勾留~起訴
そして勾留期間の満期までに、検察官によって起訴または不起訴処分の判断あるいは、処分保留で釈放の判断がされることになります。未遂といえども、犯行態様が悪質な場合、前科がある場合、組織的犯罪である場合、余罪がある場合などは起訴される可能性があるでしょう。
起訴された場合、その後、刑事裁判が開かれ、裁判官の審理を受けることになります。
未遂も含め詐欺の場合は、罰金刑がないため、起訴されたら必ず公開の法廷で刑事裁判をうけることになります。
単純な事件、自白事件であれば数回の公判期日で裁判は終わりますが、組織的な詐欺罪、複雑な事件であれば何度も公判期日が開かれ、裁判が長くなることが予想されます。
詐欺未遂罪の時効
詐欺未遂罪の公訴時効の期間は7年です。
公訴時効とは、犯罪終了後に一定期間が経過することで、起訴されなくなるという制度です。
詐欺未遂の公訴時効の起算点は、人を欺く行為(欺罔行為)の時点です。
「人を欺く行為」をした時から7年間経過すれば、詐欺未遂で起訴されることはなくなり、逮捕される可能性もゼロになります。
とはいえ詐欺未遂罪について現在捜査中の場合、公訴時効が経過する前に刑事事件が発覚することも多いものです。
一般的な弁護方針としては、公訴時効が経過するのを待つのではなく、被害者の方との示談交渉を開始するものになるのではないでしょうか。
示談成立により、刑事事件化を回避できることもあれば、不起訴処分の獲得可能性をあげることも期待できるでしょう。
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詐欺未遂罪の弁護活動は?
早期釈放のために勾留を阻止
逮捕された被疑者の場合、逮捕に引き続き最大20日間勾留という身体拘束手続きをうける可能性があります。
勾留を阻止するためには、検察官に勾留を請求させない、裁判官に勾留を決定させないということが重要です。
面談や意見書などを通して、検察官や裁判官を説得していきます。
勾留決定された後には、準抗告といった不服申し立て手続きをとり、勾留決定を争うという対応をとります。
組織的犯罪の場合、共犯者が逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断されて、勾留延長される傾向は強いと思います。
一方、定職に就いている、家族が身元引受をしているなど早期釈放がかなう場合もあります。
ご自身の事件の見通しについては、弁護士とよく相談して今後の対策を立てていくことが重要になるでしょう。
詐欺未遂罪の取調べ対応のアドバイス
詐欺未遂罪で逮捕された場合、警察官や検察官などの捜査機関から取調べを受けます。取調べでは、被疑者が詐欺未遂罪を行ったかどうかについて、質問を受けます。
取調べは、被疑者の供述を証拠として収集するために行われます。詐欺未遂事件について不利な被疑者供述をとられてしまうと、不起訴処分や執行猶予付き判決の獲得が難しくなります。
そのため、詐欺未遂罪で逮捕された場合、弁護士に相談して、取調べの対応についてアドバイスを受けることをおすすめします。
取調べ対応のアドバイス(一例)
- 取調べでよくあるパターンを教えてもらう
(例)「弁護士にしたがって黙秘していると、罪が重くなるよ」「言うとおりに認めれば、不起訴になる」と告げられ、虚偽の自白をうながされるetc. - 黙秘権や署名押印拒否権について教えてもらう
(例)事実と異なる供述をしないように黙秘する、供述調書の内容が異なる場合サインしないといった権利を教えてもらう - 供述をする場合は、事実関係と法律的評価を弁護士に確認すること
(例)捜査官の受け止め方と、話す内容に食い違いがおきないように弁護士に相談する。詐欺に加担した認識が無ければそれを裏付けるような事実を供述。うまく伝わらなさそうであれば、黙秘を貫くetc.
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不起訴に向けた弁護活動
不起訴処分とは、検察官が刑事裁判を提起しないという処分のことです。不起訴になれば、刑事裁判で刑罰を受ける可能性はなくなり、前科もつきません。
不起訴処分になるには、検察官によって、嫌疑が無い、立証のための証拠が足りないなど、起訴しても有罪判決を得ることができないと判断されることが必要です。
また、かりに有罪判決を得られる可能性があるとしても、今回は起訴しないでおくべき事情があると判断された場合も、不起訴処分になります。このような不起訴処分のことを起訴猶予と呼びます。
起訴猶予処分を得るためには、被害者との示談成立や、二度と犯罪をくり返さないように対策を立てて実行していることなどを、検察官に伝えて説得する必要があるでしょう。
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被害者との示談交渉
示談交渉とは、刑事事件をおこしたことについて被害者の方に謝罪を入れ、和解のための話し合いをすることです。
被害者との示談交渉は、詐欺未遂罪の弁護において最も重要な手法の一つです。被害者の処罰感情を緩和し、不起訴処分や執行猶予付き判決を獲得するためには、被害者との間で示談を成立させることが有効です。
示談交渉は、通常、弁護士を仲介させておこないます。
示談交渉の流れ(一例)
- 弁護士から被害者に連絡を入れる
- 被害者に謝罪の気持ちを伝える
- 示談の条件を話し合う
- 示談書を締結。被害届の取下書や厳罰を望まない旨の嘆願書を取得することもある。
詐欺未遂罪の場合でも、示談金を支払って示談をおこなうこともあります。
詐欺未遂はお金などの財産の交付を受けられなかった際に成立する犯罪なので、被害金額を弁償するという意味合いというよりも、慰謝料の意味合いで示談金を準備することもあるでしょう。
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執行猶予付き判決に向けた弁護活動
執行猶予付き判決とは、刑の執行を一定期間猶予されるという判決です。執行猶予期間中に、新たに犯罪を犯さなければ、最終的に刑罰を執行されなくなります。
執行猶予付き判決に向けた弁護では、再犯の可能性が低いことや、更生して社会生活を送ることができる可能性が高いことなどを主張していきます。
具体的な内容としては、被害者との示談の有無などです。
執行猶予付き判決を目指せる要素(一例)
- 被害者との示談が成立していること
- 被告人が反省の態度を示していること
- 被告人が初犯であること(前科・前歴が無い)
- 被告人がすでに社会的制裁を受けていること
(例)実名報道された、会社を解雇されたetc. - 被告人が更生に励んでいること
(例)再犯防止のために関係者との連絡手段をたつetc.
詐欺未遂罪でよくある質問
Q1.家族がオレオレ詐欺の未遂罪で逮捕。どうしたらいい?
初回の弁護士相談が無料になる法律事務所も沢山あります。刑事事件に強い弁護士事務所を見つけて、できるだけ早く弁護士に相談されるのがよいでしょう。
詐欺罪は、未遂であっても処罰されるため、実刑判決が下される可能性もあります。そのため、早急に弁護士に相談して、適切な弁護を受けることが重要です。
刑事事件の解決実績豊富な弁護士は、詐欺未遂罪に関する豊富な知識と経験を有しています。弁護士に相談することで、捜査や取調べ、不起訴などに向けて対応できるようになります。
詐欺未遂を弁護士相談するメリット
- 刑事事件になる前に示談をおこない、早期解決を目指す
- 取調べ対応のアドバイスをおこなう
- 示談成立による不起訴処分の獲得や執行猶予付き判決の獲得を目指す
etc.
過去、アトム法律事務所であつかった事案では、フリマアプリの出品者が、購入者から詐欺の疑いをかけられて警察沙汰になるおそれのある事案で、早期に示談を成立させて刑事事件化を回避できた詐欺未遂事件もあります。
詐欺の疑いをかけられてお悩みをお持ちの方は、弁護士への早期相談が功を奏するのではないでしょうか。
Q2.詐欺未遂罪は前科になる?逮捕されたら前科になる?
詐欺未遂罪で有罪判決が確定した場合、前科がつきます。
前科とは、過去に有罪判決が確定した経歴のことです。そのため逮捕されただけでは前科にはなりませんが、その後、検察官によって起訴され、裁判官によって有罪判決をだされて、有罪が確定した場合は前科になります。
そのため、前科をつけないためには、無罪判決を目指すか、不起訴を目指すかのいずれかです。
前科が付いた場合、履歴書に前科を記載する、海外渡航できないなどの不利益が生じます。
前科による不利益
- 就職や転職の際に不利になる可能性がある
- 資格の取得や更新が制限される可能性がある
- 海外渡航の際に不利になる可能性がある
etc.
犯罪事実を認める場合も、争う場合も、問題になっている詐欺未遂についてご自身に有利な証拠を集めたうえで、説得的な主張を展開する必要があります。
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Q3.オレオレ詐欺の未遂は実刑ですか?
オレオレ詐欺の未遂の場合、執行猶予付き判決になる可能性はあるでしょう。
過去にアトム法律事務所であつかった事案でも、組織的詐欺罪の受け子が現行犯逮捕されたケースで、詐欺未遂に問われ、情状弁護を尽くした結果、執行猶予つき判決を獲得できた事案があります。
ただオレオレ詐欺に関与している場合、受け子として逮捕された事件1件のみではなく、芋づる式に数件余罪が立件されることもよくあります。その場合、残りの詐欺の余罪すべてが既遂なのであれば、未遂が混ざっていても、執行猶予がつく可能性は非常に低いでしょう。
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詐欺未遂事件について最後に一言
詐欺未遂の場合、早期の示談交渉により被害届を回避して刑事事件化を阻止できるケースもあります。
しかし、オレオレ詐欺の受け子などでは、だまされたふりをして捜査協力している被害者も少なくなく、被害者宅に訪問したところ、待ち構えていた警察官に現行犯逮捕されてしまうというケースもよくあります。
実際に詐欺にかかわっている認識がないのであれば、そのことを警察や検察に理解してもらうことで不起訴や無罪を目指すべきです。
また、実際に闇バイトの募集であると認識していたのであれば、起訴猶予や執行猶予付き判決を目指して、示談に取り組むなど、やるべきことは沢山あります。
また詐欺未遂罪で捜査を受ける場合、どんな認識で関与していたのかについて、取調べで話した内容が起訴/不起訴を分けるといっても過言ではありません。
できるだけ早期に、弁護士から、取調べ対応のアドバイスをもらう必要があるでしょう。
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せっかくアドバイスをもらうのであれば、刑事事件に強い弁護士に相談したいところです。
アトム法律事務所は設立当初から、刑事事件に力を入れており、解決実績豊富な弁護士事務所です。詐欺の未遂罪で捜査を受けている方についても、経験に裏付けられた弁護活動を実行していくことが可能です。
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