「自宅に警察が突然来て捕まるかもしれない」
「逮捕されるか不安で寝れない…」
「家族が逮捕されてしまったらどうしよう」
この記事は、捕まるかもしれないと不安を抱えている方に向けて、どのような時に逮捕されるのか、何日で釈放されるのか、逮捕を回避するための方法などを詳しく解説しています。
また、逮捕された後に行われる取調べや、指紋採取の手続きに関する疑問についても回答しています。
不安を解消するためには、早期に弁護士に相談することが重要です。必要な知識を身に着け、弁護士に相談しましょう。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
逮捕されるのはどんなとき?何日で釈放される?
犯罪行為をした場合、逮捕されるか不安だと思いますが、実は犯罪が発覚しても必ず逮捕されるわけではありません。
たとえば、令和3年に被疑者(一般的には「容疑者」)の総数は271,489人でしたが、このうち逮捕されなかった人は172,158人にのぼります(「令和4年版 犯罪白書 第2編/第2章/第3節」より)。
つまり、被疑者の60%以上の人は逮捕されなかったということになります。逮捕されずに捜査が進められる場合は在宅事件と呼ばれます。
では、法律上規定されている逮捕の要件から解説していきます。
通常逮捕の要件
逮捕には、通常逮捕、緊急逮捕、現行犯逮捕の3種類があります。ここでは、実務で多い通常逮捕の要件について説明します。逮捕の種類と各逮捕の条件について詳しく知りたい方は『逮捕されたら|逮捕の種類と手続の流れ、釈放のタイミングを解説』の記事をご覧ください。
通常逮捕は、裁判官が発行した逮捕状に基づく逮捕です。その要件は、①逮捕の理由と②逮捕の必要性があることです。
- 逮捕の理由
罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があること - 逮捕の必要性
被疑者に逃亡や罪証隠滅のおそれ等があること
「罪証隠滅」は、一般的に言うと証拠隠滅のことです。これには、凶器や薬物などを隠すことはもちろん、被害者や目撃者を脅す、共犯者と口裏合わせをするといった行為も含まれます。
なお、30万円以下の罰金等にあたる軽い罪(軽犯罪法違反など)については、被疑者が定まった住所を有しないか、正当な理由なく出頭要求に応じない場合に限り逮捕することができます。
逮捕状が出るまでの流れや前兆を知りたい方は、『逮捕状の発行を回避する対策とは?逮捕状の請求・執行の手続きと逮捕の前兆を解説』を参考にしてください。
実際どのように逮捕されるの?
通常逮捕の場合、逮捕状を持った警察官が予告なしで自宅にやってくることが多いです。被疑者が会社員であれば、早朝に来る可能性が高いでしょう。
また、その場では任意同行を求められ、取り調べを受けた後に逮捕されることもあります。
簡単な手荷物を持っていくことはできるので、洋服や現金、携帯電話などは持っていくと後々助かることが多いようです。
逮捕されるときに「準備ができていないから明日にしてくれ」と言っても当然聞き入れてもらえません。そのため、逮捕後に行われる取り調べなどの対応を事前に弁護士に相談し、身を守る準備をしておくことが重要です。
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逮捕される可能性が高い場合・低い場合の具体例
逮捕される可能性が高い場合
逮捕される可能性が高いのは、覚醒剤取締法違反や大麻取締法違反などの薬物犯罪です。薬物はトイレに流せば簡単に隠すことができるので、「罪証隠滅のおそれ」が高いと判断されやすいです。
また、強盗・放火などの有罪になれば重い処分が見込まれるケースは、「逃亡のおそれ」が高いと判断されやすく逮捕されやすいといえます。
定職に就いていない場合や同居家族がいないといったケースも「逃亡のおそれ」が高いと判断されやすいです。
逮捕される可能性が低い場合
軽微な交通違反など比較的軽い処分が見込まれる場合は、逮捕される可能性は低いです。
ただし、例外があることに注意してください。事案が軽微でも、警察からの呼び出しを理由もなく繰り返し拒否すると「逃亡のおそれ」が高いと判断され、逮捕されてしまうことがあります。
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逮捕されたら何日で釈放される?
逮捕によって拘束できる期限は、最大で3日間です。早ければ当日中~2、3日で釈放されます。しかし、逮捕に引き続き勾留されてしまうと、起訴前の勾留で最大20日間、起訴後は裁判終了まで長期にわたって身体拘束が続くおそれがあります。
ここでは、身柄拘束中に、どのような手続きがどのタイミングで行われるのかご説明します。
①逮捕~警察での取り調べ
逮捕されると最寄りの警察署に連れて行かれます。そして、捜査機関による取り調べが行われた後、留置場で生活することになります。留置場での生活は、起床、食事、入浴、就寝まで厳しく監視されます。
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・逮捕経験・留置場生活の経験から学ぶ刑事事件のリアル|弁護士解説
②【逮捕後48時間以内】検察官への送致(送検)
警察は、留置する必要があるとき、逮捕から48時間以内に書類及び証拠物とともに被疑者を検察官に送致しなければなりません。
だいたい逮捕翌日あたりに警察車両に乗せられて検察庁に行き、検察官と面談をします。そこで検察官が釈放の判断をすれば、すぐに釈放手続きになります。
③【逮捕後72時間以内】勾留請求・勾留質問
留置の必要があると検察官が考えた場合には、送致から24時間以内に裁判官に被疑者の勾留を請求しなければなりません。つまり、勾留請求のタイムリミットは逮捕から72時間以内(3日間以内)です。
勾留請求を受けた裁判官は、裁判所で被疑者と面接して勾留するかどうか決めます。これを勾留質問といいます。全国的には勾留請求日と同じ日に勾留質問が行われることが多いようです。
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・勾留とは何か。勾留手続きや拘留との違いは?早期釈放を実現する方法
④【最大10日間】逮捕後の勾留
裁判官が勾留を必要と判断すると勾留状を発付します。これを勾留決定といいます。逮捕後の勾留は原則として10日間です。
⑤【最大10日間】勾留期間の延長
裁判官は、「やむを得ない事由」があると認めるときは、検察官の請求により勾留期間を延長することができます。延長期限は最大10日間です。
⑥起訴・不起訴の決定
勾留延長期間が終わると、検察官は起訴するかどうか最終的な判断を行います。不起訴となると釈放されます。起訴されて刑事裁判を受けることになると、基本的に、保釈が認められない限り裁判が終わるまで身体拘束が続きます。
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逮捕されるか不安!逮捕を回避する方法は?
「捕まるかもしれないが何をすれば良いか分からない…」そんな方のために、逮捕を回避するための方法をお伝えします。
弁護士に依頼して示談を成立させる
被害者がいる場合、示談をすることは逮捕を回避するために非常に有効です。示談が成立すれば、被害者を脅すおそれや、逃亡するおそれはないと判断されやすくなるからです。捜査開始後であっても示談成立による逮捕回避が期待できます。
示談交渉は弁護士に依頼することを強くおすすめします。自分で示談を進めるのはかなり困難です。
そもそも、被害者の連絡先を知らなければ、示談交渉のテーブルに立つことすらできません。
また、自身で被害者に接触したことで、場合によっては、被害者を脅したと捉えられて不利な結果になるおそれがあります。
弁護士であれば、検察官や警察に被害者の連絡先を問い合わせ、被害者が了承すれば連絡先を教えてもらうことができます。
また、刑事事件の示談交渉の経験が豊富な弁護士であれば、適切なタイミングと金額で示談交渉に臨むことができるでしょう。
刑事事件化を防ぐことができる可能性もある
被害者の連絡先を知っている場合は、事件発覚前に示談を行ったほうがいいケースもあります。
被害者と示談を成立させる際に、被害届は出さないという合意が得られれば、刑事事件化を防ぐことができます。
捕まるかもしれないという不安を解消できるのは大きなメリットでしょう。
また、報道は逮捕直後や送致のタイミングで行われることが多いです。
刑事事件にならなければ、逮捕直後や送致での報道も当然行われないため、職場や学校に事件のことを知られずに済みます。
できるだけ周囲に知られずに事件を解決したい、刑事事件化前であっても相手と示談したいという方は弁護士に相談しましょう。
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・逮捕と示談の関係を解説|示談をして事件の早期解決を図ろう
・刑事事件で示談をすべき5つの理由|示談金の相場も紹介
自首する
罪の意識が強く、反省の意志がある方は自首することも一つの手段です。
自首とは、自らが犯した罪について、自発的に捜査機関に申し出ることです。犯罪の発覚前もしくは犯人発覚前に名乗り出る必要があります。
自首することで、逮捕の回避や刑罰の軽減、被害者との示談交渉がスムーズに働く可能性があるなどの効果を期待できます。
また、逮捕されるか不安を抱えたまま生活することによる精神的な負担も軽減できるでしょう。
事件によっては自首後に逮捕されてしまう可能性もゼロではありません。ですが、証拠を持参して自首することで「罪証隠滅のおそれ」「逃亡のおそれ」が低いと判断され、逮捕されないことも多いです。
弁護士に依頼することで自首同行も可能です。弁護士と自首することで、弁護士が身元引受人になり、一人で自首するよりも逮捕されにくくなります。
自首すべきかお悩みの方は、弁護士に相談してください。
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任意出頭を求められたら事前に弁護士に相談する
逮捕が不安なパターンとして、任意出頭を求められている場合があります。警察が任意出頭を求める対象は、犯人ではないかと疑わしい人や事情を知っていそうな人などさまざまです。
不安になる気持ちはよく分かりますが、任意出頭すれば必ず逮捕されるわけではありません。一番やってはいけないのが、逮捕されたくないからといって理由もなく何度も呼び出しを拒否することです。呼び出しを拒否し続けていると、逃亡のおそれが高いと判断され、逮捕される可能性が高まります。
任意出頭するのが少しでも不安なら、ぜひ弁護士にご相談ください。弁護士は任意出頭に同行することもできます。適切なアドバイスをすぐに行いあなたの利益を守ります。
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・出頭要請(出頭命令)を受けたら?逮捕を避ける対処法を解説!
逮捕後の不安に関するよくある質問
もし逮捕されてしまったら、今後どうなるのか不安は尽きないでしょう。ここでは逮捕後の不安に関してよくある質問を回答しています。
Q.逮捕後の取り調べは何を話せばいい?
取り調べでは、警察官や検察官と一対一で向き合い事情聴取を受けます。事件に関して詳しく聞かれることになりますが、何をどう話せばいいのか不安になるのは当然です。
逮捕後の取り調べの内容を事前に弁護士に相談しておくことで、逮捕後の取り調べの対応方法や今後の見通しを具体的に知ることができます。
たとえ罪を認めていても、何も考えずに話していると不利益な供述調書が作成されてしまう可能性もあります。
供述調書は、本人の供述として重要な証拠になります。一度署名押印してしまうと、後で内容の訂正を求めることは原則できません。
事前に弁護士に相談し、取り調べの対応方法を知っていれば、安心して取り調べに臨むことができるでしょう。
なお、逮捕されてしまった場合でも当番弁護士を呼べば1回無料で接見に来てくれます。しかし、当番弁護士を自分自身で選ぶことはできないため、刑事事件の経験豊富な弁護士が来てくれるとは限りません。
また、国選弁護人は勾留されないと付きません。したがって、刑事事件に慣れた弁護士からいち早くアドバイスを受けるには、私選弁護士を依頼しましょう。
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Q.逮捕後の指紋採取は強制的に行われる?
逮捕後の指紋採取は強制的に行われます。逮捕された被疑者が指紋採取を拒否することはできません。
警察官は、刑事訴訟法218条3項に基づき、逮捕された被疑者から強制的に指紋を採取することができます。令状は必要ありません。
身体の拘束を受けている被疑者の指紋若しくは足型を採取し、身長若しくは体重を測定し、又は写真を撮影するには、被疑者を裸にしない限り、第一項の令状によることを要しない。
刑事訴訟法218条3項
指紋採取を頑なに拒否した場合、10万円以下の罰金または拘留となるおそれがあります。情状により、その両方が併科される可能性もあります(刑事訴訟法138条)。
しかし、罰則を受ければ、指紋採取を免れるわけではありません。被疑者が罰則を受けた後も指紋採取を拒んだ場合には、そのまま指紋採取ができるとされています(刑事訴訟法139条)。
つまり、被疑者がどんなに拒否しても、指紋採取は強制的に行われるということです。
指紋採取は、すべての警察署に設置されている「指紋自動識別システム」というツールで行われます。
採取された指紋データの保管期間は、法律で設けられていません。そのため、警察のデータベースに一生残る可能性が高いです。
なお、指紋採取の手続き同様に、被疑者の写真撮影も強制的に行われます。
逮捕前なら指紋採取は拒否できる
逮捕される前の段階であれば、指紋採取したいと警察に言われた場合でも、拒否することができます。
警察官が逮捕していない人物から指紋採取を行うためには、裁判官が発する身体検査令状が必要です。
令状なしに、任意で指紋採取を求められた場合には、拒否することができます。
ただし、頑なに指紋採取を拒否すると、かえって容疑の疑いをかけられてしまうこともあります。
Q.逮捕後に早く釈放されるにはどうすればいい?
早く釈放されるためには弁護士に依頼して勾留を防ぐことが一番です。弁護士は、示談成立により罪証隠滅のおそれがないことや、扶養家族がいるから逃亡のおそれがないこと等を意見書にまとめ提出します。そして、検察官や裁判官と面会して一日も早く釈放が実現するよう粘り強く説得します。
勾留が決定されてしまったとしても、釈放される手段はあります。それが準抗告です。準抗告が認められるポイントは示談の成立です。
もし準抗告が認められなくても、準抗告を申し立てる際に主張した事情を検察官や裁判官が考慮して、勾留延長の期間が短くなることが期待できます。
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Q.逮捕されても解雇・退学を防ぐことはできる?
逮捕後の解雇・退学を防ぐために最も効果的なのは、早期に示談し、会社や学校に警察が連絡しないようにすることです。
逮捕されても基本的に警察から会社や学校に連絡されることはありません。
ただし、勤務時間中の犯行や、職務に関連して犯行をした場合には、証拠収集の関係で職場を捜査する必要があるため、職場へ連絡される可能性があります。
また、中学生・高校生の事件は、学校に連絡されることもあります。
学校と警察は、生徒の非行や問題行動に対して早期発見・早期対応を目的に情報交換を行っているからです。
もし会社や学校に連絡が行ってしまった場合でも、弁護士に依頼すれば最悪の事態を回避できる可能性が高まります。弁護士は、被疑者が心から反省し示談を進めていることを雇用主や学校関係者に説明します。
また、逮捕後の早期釈放を実現することも解雇・退学を防ぐために重要です。
逮捕後に長期間身体拘束されてしまうと、その期間は職場や学校に通えなくなってしまうため、解雇・退学になるリスクがあります。
弁護士は、被疑者に代わって被害者との示談などを行い、早期釈放実現に向けて尽力します。
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捕まるかもしれないと不安な方はアトム法律事務所に相談ください
逮捕の不安は放っておけば、そのうちなくなるものではありません。捕まるかもしれないといった不安を解消するためには、事件解決に向けて弁護士に相談することが重要です。
まずは以下の番号からお気軽にアトム法律事務所の受付窓口までお電話ください。
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