SNSを通じて出会った相手が子供だと気づいたものの、同意があるから問題ないと思ってキスや胸を触るなどのわいせつ行為をしてしまった…。
子供に対するわいせつ行為でよくある相談の一例です。
このような場合、児童の保護者が警察に被害届を出すことで、あなたの元へ警察から連絡が入る可能性があります。
児童本人が別件で補導されて、過去の事件が発覚するケースもあるでしょう。
同意を得ていたとしても、16歳未満の子供相手にわいせつ行為をすると、原則として不同意わいせつ罪に問われます。
この記事では子供や児童に対する性犯罪について説明します。特に、小学生や中学生などにわいせつ行為に関して不安がある方は最後までお読みください。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
目次
子供・児童に対するわいせつ行為は原則「不同意わいせつ罪」
子供が小学生(13歳未満)の場合
小学生(13歳未満の子供)相手にわいせつ行為をした場合、同意の有無にかかわらず不同意わいせつ罪が成立します。
13歳未満の子供には、性的な行為に同意する能力がないとみなされているため、口頭や書面で同意した証拠を残していたとしても、不同意わいせつ罪になります。
子供に対する不同意わいせつ罪は女児だけが処罰対象ではありません。男児が相手であっても、陰部を触るなどの行為をすると、不同意わいせつ罪の処罰対象となるでしょう。
なお、不同意わいせつ罪の施行日である2023年7月13日よりも前の事件であれば、強制わいせつ罪が適用されます。この場合でも、相手が13歳未満であれば、暴行・脅迫などを用いなくても強制わいせつ罪が成立します。
子供が中学生(13歳以上16歳未満)の場合
中学生相手のわいせつ行為の場合も、同意があったとしても不同意わいせつ罪が成立します。
不同意わいせつ罪における性交同意年齢は16歳となっているため、中学生や高校1年生など16歳未満の相手に対するわいせつ行為も処罰対象となります。
ただし、13歳以上16歳未満の子供に対するわいせつ行為の場合、5歳以上年長の者の行為が処罰されます。年齢差が5歳未満、つまり同級生同士や年齢の近い者同士の行為であれば、処罰対象とはなりません。
なお、強制わいせつ罪の場合は、性交同意年齢が13歳と規定されていました。そのため、13歳以上の子供相手の暴行・脅迫などを用いないわいせつ行為に対しては、強制わいせつ罪は成立しません。
強制わいせつ罪 | 不同意わいせつ罪 | |
---|---|---|
13歳未満 | 成立 | 成立 |
13歳以上16歳未満 | 不成立 | 年齢差が5歳以上で成立 |
子供に対する不同意わいせつ罪の刑罰は?
不同意わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の拘禁刑です。
拘禁刑とは2025年に新設予定の新しい刑罰の種類であり、改正法が施行されるまでは「懲役」として扱われます。
なお、改正前の強制わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の懲役であり、刑の下限と上限は不同意わいせつ罪と同じです。
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幼児・児童へのわいせつ行為は重い処罰になる?
一般的に、被害者の年齢が低ければ低いほど子供へのわいせつ行為は重罰化される傾向があります。
5歳未満の幼児や小学生児童などが被害者の場合、保護者の処罰感情は中高生などと比べると強いものです。そのため、示談が不成立になり、起訴されるケースが多くなります。
起訴されたとしても、示談交渉の経緯や反省度によっては、短い刑期の判決になったり執行猶予がついたりしますが、幼児・児童相手の不同意わいせつ罪の場合は、再発防止などの観点から実刑判決が下される可能性もあります。
初犯だとしても、被害者の数や状況によっては一発実刑となる場合もありえます。
幼児・児童に対してわいせつ行為をしてしまい、今後が不安な方はまず弁護士に相談することをおすすめします。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。
子供・児童に対するわいせつ行為で成立するその他の性犯罪
不同意性交等罪
キスや胸を触るなどのわいせつ行為にとどまらず、膣内性交や口腔性交、肛門性交などをしてしまうと、不同意性交等罪が成立します。
不同意わいせつ罪と同じく、16歳未満の子供相手であれば同意があっても不同意性交等罪です。相手が13歳以上16歳未満であれば、5歳以上年長の者の行為が処罰対象となります。
不同意性交等罪の法定刑は「5年以上の有期拘禁刑」であり、刑の上限は法律上20年と定められているため、起訴されて有罪となると「5年~20年」の間で量刑が判断されるでしょう。
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青少年保護育成条例違反(淫行)
18歳未満の子供とみだらな性交・性交類似行為をすると、各都道府県で定める淫行条例に違反します。
条例名や淫行の条文上の文言、罰則については、自治体によって多少の違いがみられます。例えば、東京都の場合の淫行の法定刑は、「2年以下の懲役または100万円以下の罰金」となっています。
みだらな性交・性交類似行為とは、自己の性的欲望を満足させるための性交等を指しています。
結婚や婚約を前提とした交際関係にある場合に性的な行為をしたとしても、条例違反にはなりません。
結婚を前提とするほどではないものの、真剣に交際している場合に条例違反になるかどうかは、相手との関係性や交際に至る経緯など、個別の状況によって変わります。
自身の行為が淫行になるか不安なのであれば、刑事事件に強い弁護士に相談してみましょう。
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・淫行で逮捕されたら弁護士に相談を|刑事事件のアトム法律事務所
児童淫行罪(児童福祉法違反)
学校の教師が生徒と性交したり、手淫・口淫などをさせたりすると、児童淫行罪に該当する可能性があります。
児童福祉法における「児童」とは、18歳未満の男児・女児を指しており、淫行させる行為が処罰対象です。
児童淫行罪は、児童に対して事実上の影響力を及ぼしうる関係性にある場合に成立します。学校や塾の教師と生徒など、上下関係や指導関係があると、同罪が適用されやすくなるでしょう。
児童淫行罪は「10年以下の懲役または300万円以下の罰金」が法定刑です。
児童が16歳未満の場合には、すでに説明した不同意わいせつ罪や不同意性交等罪などが成立しますが、この場合には刑罰が重い方の罪名が適用されます。
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児童買春罪(児童ポルノ禁止法違反)
18歳未満の男女にお金やプレゼントなどの対価を支払って性交等をすると、児童買春の罪に問われる可能性があります。
児童買春罪の法定刑は、5年以下の懲役または300万円以下の罰金です。
この場合も、被害児童が16歳未満であれば、不同意性交等罪が同時に成立する可能性があるでしょう。
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監護者わいせつ罪・監護者性交等罪
監護者が18歳未満の子供に対してわいせつ行為をした場合は監護者わいせつ罪、性交等をした場合には監護者性交等罪が成立します。
監護者とは、子供の生活を保護監督する者のことです。
自分の子供や再婚相手の子供にわいせつ行為をしたり性交等をしたりすると、同罪が適用される可能性が高くなります。
監護者わいせつ罪の法定刑は6か月以上10年以下の拘禁刑、監護者性交等罪の法定刑は5年以上の有期拘禁刑です。
いずれも不同意わいせつ罪・不同意性交等罪と法定刑は同じですが、子供を保護すべき立場の人間が犯した罪という観点が評価され、監護者わいせつ罪・監護者性交等罪が実刑判決となる傾向があります。
子供・児童に対するわいせつ行為で逮捕・報道される?
子供に対するわいせつ行為は逮捕されやすい
子供に対するわいせつ行為は、被害児童に再度接触して証拠隠滅をしたり、逃亡したりすることを防ぐため、逮捕される可能性が高いといえます。
逮捕されると警察の取り調べを受けることになりますが、弁護士のアドバイスなく事情聴取に応じるべきではありません。
事件に至った経緯や動機など、捜査機関が誘導して作り上げた調書に一度サインしてしまうと、後で取り消すことはできず、起訴されやすくなるなどの不利益が考えられるからです。
そのため、子供に対するわいせつ事件を起こしてしまった場合には、逮捕や取り調べを受ける前に弁護士に相談しておくことが重要です。
警察の取り調べへの対応方法についての詳細は『警察の事情聴取(取調べ)をどう乗り切る?不利にならない対応と今後の流れ』の記事をご覧ください。
急に逮捕されたらどうすればいい?
子供にわいせつ行為をしてしまい、急に逮捕されてしまった場合には、事前に弁護士に相談することはできません。
逮捕された本人であれば、留置施設の中から当番弁護士を呼ぶことができます。
当番弁護士とは、一回のみ無料で接見してもらえる弁護士のことです。
弁護士会で登録されている弁護士の中からランダムで選ばれますが、刑事事件の経験年数や専門分野などは考慮されません。
逮捕されたら警察官に対して「当番弁護士を呼んでください」と伝えれば申請手続きは完了です。
当番弁護士の詳細については『逮捕後すぐ呼べる当番弁護士とは?制度の評判や呼び方・費用もわかる』の記事をご覧ください。
家族が逮捕されたら弁護士接見を依頼
家族を逮捕したと警察から連絡があった場合、逮捕された本人のために弁護士の接見を依頼しましょう。
逮捕された本人だけでなく、家族も無料で接見してくれる当番弁護士を呼ぶことができます。しかし前述のとおり、刑事事件に強い弁護士が派遣されるとは限りません。
子供に対するわいせつ事件は特に、身柄拘束が長期化したり重い処罰が下されたりする可能性が高いため、刑事事件の解決実績が豊富な弁護士が対応するべきといえます。
アトム法律事務所でも、逮捕された方のための初回接見を実施しています。ご連絡いただいてから最短即日で留置施設に向かうことも可能です。
接見だけを依頼して、実際に弁護活動を依頼するかどうかは別途検討することもできます。
逮捕直後に最適なアドバイスを送りたい、迅速に連絡・報告してほしいなどの希望がある場合には、ぜひアトムの初回接見をご利用ください。
子供に対するわいせつ行為は報道される可能性が高い
子供に対するわいせつ事件は、保育所や学校などで発生することが多いです。
そのため、社会的関心が強く、報道される可能性が高いといえます。
一方、マッチングアプリやSNS等を通じて子供と出会い、わいせつ行為をした場合には、報道されるのは、以下のような例外的なケースでしょう。
子供に対するわいせつ行為で報道されやすいケース
- 保育所や学校での事件
- 医師・弁護士・公務員などが起こした事件
- 有名企業の会社員が起こした事件
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子供・児童に対するわいせつ行為で不起訴を目指す方法
保護者との示談交渉が必要
被害児童の保護者と適切な示談を成立させることで、被害者側が刑事処分を求めていないと検察官に訴えることができるため、不起訴になる可能性が高まります。
しかし、わいせつ被害を受けた児童の保護者は加害者側に対して強い処罰感情を持つことが通常であり、示談交渉は簡単には進みません。
謝罪の仕方やタイミング、条件の交渉など、示談経験がなければ適切に行動することは困難です。示談の成功率を高めるためには、刑事事件に強い弁護士に依頼することをおすすめします。
示談以外で不起訴を目指すための対策
性犯罪の起訴・不起訴の判断は、被害者の処罰感情が重視される傾向があるため、示談の有無は極めて重要です。
しかし、示談交渉がうまくまとまらなかったり、そもそも連絡を拒否されていたりするなど、示談が成立しない場合には、その他の手段で不起訴を目指す必要があります。
示談以外で不起訴を目指す方法は以下のような方法が考えられます。
- 供託
- 贖罪寄付
- 性犯罪者向けの治療プログラムを受ける
いずれの方法も、自身の処分軽減に有効かどうか、弁護士のアドバイスを受けて判断してください。
子供・児童に対するわいせつ行為の相談はアトム法律事務所へ
子供に対するわいせつ行為は起訴される可能性が高く、一発実刑のリスクもある重大犯罪です。
これらのリスクをなるべく小さくするためには、事件直後から、捜査機関の取り調べ対応や被害者対応などを弁護士に相談するべきです。
アトム法律事務所は不同意わいせつ罪、不同意性交等罪など、性犯罪加害者の弁護実績が豊富な事務所です。
被害者との示談ノウハウも蓄積されていますので、まずは初回相談にお越しください。
警察が介入している事件であれば30分の無料対面相談が可能です。