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【刑事事件】逮捕後の流れについて

逮捕後の流れ

2025年6月より、懲役・禁錮刑が「拘禁刑」に統一されました。

  • もしかしたら逮捕されるかもしれない
  • 家族が突然逮捕されてしまった
  • 逮捕されるとどうなってしまうのだろう

このようなことでお悩みの方に向けて、逮捕後の流れをわかりやすく解説します。

逮捕されてしまった後の刑事事件には厳格な時間制限がありスピード勝負です。弁護士ができることもあわせて説明しますので、できるだけ早く弁護士と一緒に対応を検討していきましょう。

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※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。

逮捕後の流れ

逮捕された後の流れをまとめたのが上の図です。

逮捕された場合、起訴までに最大23日間、警察署内の留置場(または拘置所)に強制的に拘束されるおそれがあります

さらに、事件が起訴された場合は、その後も保釈が認められるか確定判決が言い渡されるまで、拘置所で生活しなければなりません。

①逮捕

逮捕とは、犯罪を犯した疑いのある人の逃亡証拠隠滅を防止するために、強制的に身体拘束をする行為です。

原則として裁判官が発付した逮捕状がなければすることができません。 逮捕によって身体拘束をできる期間は最大72時間と決まっており、それ以上の拘束が必要な場合は、「勾留」という手続きを取らなければなりません。

逮捕されても、拘束の必要性がないと警察が判断すればすぐに釈放されます。釈放されなかった場合は、2~3日警察署の留置場で過ごしながら1日中警察の取り調べを受けます。この間、外部と連絡を取ることはできません。そして、48時間以内に身柄と捜査書類が検察官に送致(いわゆる送検)されます。
 ⇒②送致へ

<逮捕の種類>

  • 通常逮捕(後日逮捕)
    逮捕状を示して行われる通常の逮捕。会社員であれば在宅が見込まれる早朝に警察官が自宅にやってきて逮捕されるケースが多い。
  • 現行犯逮捕
    犯行中・犯行直後の者について逮捕状なく逮捕する手続。現行犯逮捕は一般人でも可能。
  • 緊急逮捕
    一定の重大犯罪について、逮捕状を請求していては間に合わない場合に、逮捕状なく逮捕する手続。逮捕後はただちに逮捕状を請求する必要がある。

Q 犯罪が発覚したら必ず逮捕されますか?

Q 警察から電話があり呼び出しを受けました。逮捕されるのでしょうか?

Q 痴漢や盗撮は現行犯でなければ逮捕されないと聞きました。本当ですか?

Q 自身や家族が逮捕されたらどうすればよいですか?弁護士の呼び方は?

Q 取り調べへの対応方法を教えてください

Q 逮捕されたら会社をクビになるのは避けられないでしょうか?

Q 家族や周囲に知られたくありません。報道はされますか?

逮捕の前後で弁護士にできること

逮捕前のご相談

お悩みの内容

  • 自分の行為について、逮捕や事件化の不安がある
  • 被害届を出すと言われてしまった
  • 警察から呼び出しの連絡が来た

逮捕前にご相談いただくと、刑事処分の見込みや、適切な対応方法などのアドバイス、弁護士費用などを具体的にご説明することができます。
今後の見通しや現状のリスク状況、受けられるサポートを聞くことで、弁護士に依頼すべき状況なのかどうかがわかり、抱いていた不安も軽減されます。

状況によっては、すぐに弁護活動を開始した方が良いケースもあります。ご依頼を受けた場合、被害者と示談をして被害届を取り下げてもらうなど、逮捕のリスクを最小化したり、事件化を防ぐための活動を行います。
また、万が一逮捕されてしまった場合は、すぐに駆け付けて釈放に向けた活動をします。

逮捕されてしまった後は、ご自身で弁護士を探し相談に行くことはできませんので、事前に信頼のおける弁護士を探しておくことは、いざというときのためにも有効です。

逮捕後のご相談|ご家族や大切な方が逮捕されてしまった方へ

お悩みの内容

  • 家族が逮捕されてどうすれば良いかわからない
  • 状況がわからないので知りたい
  • できるだけ早く釈放をして欲しい

ご家族などが逮捕されてしまった場合、一刻も早く本人が弁護士と接見(面会)して助言を受けることが何よりも重要です。警察の取り調べへの対応は刑事処分の行方を大きく左右します。

初回接見を行うことで、現在の状況や、今後の見通し、家族など周囲の人ができるサポートがわかります。また、弁護士を通じて本人と伝言のやりとりができます。
初回接見だけであれば費用もあまりかかりませんので、接見の結果を受けてから事件を弁護士に依頼するかどうか検討することもできます。

国選弁護人は勾留されるまでつけることはできません。しかし、最大20日の勾留をされることこそが重大な不利益となりえますので、勾留を回避するための活動は私選弁護士にしかできない重要な弁護活動です。

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②送致(送検) …逮捕後48時間以内

警察から身柄を引き継いだ検察官は、自らも直接被疑者と面会して弁解を聞き、送致から24時間以内に裁判官に勾留請求をするかどうかの判断をします。
 ⇒③勾留へ

勾留請求をされなかった場合、この時点で釈放され在宅捜査に切り替わることになります。

Q 送致の流れをもっと詳しく教えてください

Q 勾留請求される見込みはどのくらいですか?

Q 書類送検って何ですか?

Q 釈放されて在宅捜査になるとどうなりますか?

③勾留 …逮捕後72時間以内

勾留とは、被疑者・被告人を刑事施設に拘束する処分をいいます。
勾留請求を受けた裁判官は、勾留質問(被疑者との面談)を行ったうえで勾留決定の判断をします。

勾留が決まると、引き続き10日間(延長されると最大20日間)拘束されることになります。検察官はこの期間内に起訴・不起訴の判断をしなければなりません。
なお、勾留される場所は刑事施設である拘置所が原則ですが、実務上は警察の留置場に引き続き拘束されることがほとんど(98%以上)です。
 ⇒④起訴へ

勾留決定後はすべての事件で国選弁護人制度を利用することが可能です。また、外部の人との面会もできるようになります。

<勾留の条件>

  1. 犯罪の相当の疑い
  2. 勾留の理由 ⑴ 住所不定
          ⑵ 証拠隠滅のおそれ
          ⑶ 逃亡のおそれ
  3. 勾留の必要性
    勾留することが相当であること

勾留後に弁護士にできること

勾留が決まっても、準抗告や勾留の取り消し請求によって、できるだけ早期の身体釈放を目指した活動を行います。また、この期間は最も被害者との示談が行われるタイミングでもあります。
接見禁止がついている場合には、接見禁止を解除するための活動も行います。

勾留中の被疑者は、これまでに経験したことのないような大きな不安やプレッシャーに晒されます。ここで、サポートがおろそかになってしまえば、弁護士が本当に真剣に活動してくれているのか疑念が生じてしまったり、取り調べに不利な供述をしてしまうこともあります。
弁護士が繰り返し本人と面会を行うことで、法律面のみならず精神的な面でもサポートし、被疑者と二人三脚で刑事手続に取り組んでいきます。

Q 勾留が決定されたら、早期の釈放はもうできませんか?

Q 国選弁護人はどのようにつけるのですか?

Q 国選弁護人がついているか知りたい

Q 勾留中の生活が知りたいです

Q 面会をしたいが接見禁止がついています。どうすればよいですか?

④起訴 …逮捕後23日以内

勾留中、警察・検察の捜査が終わると(ほとんどのケースでは勾留期間満了直前)、検察官は事件を起訴するかどうかの判断をします。

起訴とは、検察官が事件について裁判所に審判を求めることです。
検察官はすべての事件を起訴するわけではなく、様々な事情を総合的に考慮して事件を不起訴とすることもあります。
刑事事件の起訴率は33%ですが、罪名によっても変わってきます。

不起訴になれば、すぐに釈放されて刑事手続きは終了します。
起訴された場合は、拘置所に身柄を移され、保釈されない限り引き続き裁判終了まで勾留されることになります。
 ⇒⑤裁判へ

Q 起訴を防ぐためにはどのようなことができますか?

Q 被害者に示談を拒否されてしまったら、起訴は避けられませんか?

Q 保釈って何ですか。どうすれば保釈されますか?

Q 拘置所への面会はどうすれば良いですか?

起訴に関してに弁護士にできること

不起訴を目指して前科を回避するための弁護活動が重要なのは在宅事件でも身柄事件でも変わりありませんが、身柄事件の場合、逮捕から起訴まで最大23日という時間制限があるので迅速な弁護活動が鍵となります。

不起訴を目指す弁護活動

被害者がいて罪を認めている事件では、起訴猶予による不起訴の獲得を目指します。
被害者のいる事件では、示談をして被害者の許しを得ることで起訴猶予を獲得できる可能性が高まります。
また、示談以外にも、弁護士のアドバイスのもと、反省の情を示すこと、家族による監督体制を整え、なぜ犯罪をしてしまったのかの原因と向き合い、病気や依存症が原因であれば専門のクリニックで治療をするなどの再犯防止策を構築することも重要です。こういった取り組みは、弁護士が説得的に検察官に伝えて、寛大な処分が得られるように検察官と処分交渉を行います。

否認している事件では、嫌疑なし・嫌疑不十分による不起訴を目指します。
目撃証言や各種物証など、被疑者が犯人でないことを積極的に示す証拠を収集・保全することも重要ですが、否認事件で最も重要なのは取り調べに適切に対応して不利な供述調書をとられないことです。犯行をしていないのであれば、当然捜査機関にも決定的な証拠はありませんから、本人の証言や自白が最大の証拠となるためです。

起訴後の弁護活動

起訴後は裁判に向けた準備を行います。起訴後も身体拘束が続いていれば、保釈を申請して身柄の解放を目指します。

⑤裁判

裁判には略式裁判と通常の裁判があります。

略式裁判とは書面審理だけの簡易な裁判手続きで、罰金刑が見込まれる軽微な事件で、本人も同意している事件について検察官が略式起訴をすることで行われます。

通常の起訴をされた場合には、公開の法廷で裁判が行われて有罪・無罪の判断がくだされます。

日本の刑事裁判の有罪率は99%以上となっていますので、起訴されるとほぼ前科が付くことは避けられません。

Q 裁判にかかる期間・費用はどのくらいですか

Q 罰金の略式命令が届きました。どうにかできますか?

Q 前科が付くとどんな不利益がありますか?

刑事裁判で弁護士にできること

裁判になってしまった後は、否認事件であれば無罪の獲得を目指した弁護活動、認めている事件では情状弁護を尽くし罰金や執行猶予の獲得などより有利な判決を得ることを目指します。

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岡野武志弁護士

監修者

アトム法律事務所
代表弁護士 岡野武志

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高校卒業後、日米でのフリーター生活を経て、旧司法試験(旧61期)に合格し、アトム法律事務所を創業。弁護士法人を全国展開、法人グループとしてIT企業を創業・経営を行う。
現在は「刑事事件」「交通事故」「事故慰謝料」などの弁護活動を行う傍ら、社会派YouTuberとしてニュースやトピックを弁護士視点で配信している。

保有資格

士業:弁護士(第二東京弁護士会所属:登録番号37890)、税理士

学位:Master of Law(LL.M. Programs)修了