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道路交通法違反で逮捕される?弁護士に相談するメリットは?

道路交通法違反とは

スピード違反、無免許運転、飲酒運転、ひき逃げ。

これらの道路交通法違反は、刑事事件として立件される可能性があります。

逮捕されれば最長23日間の身体拘束を受け、起訴されれば前科がつく恐れもあります。さらに、免許取消や停止などの行政処分も科される可能性があり、生活への影響は避けられません。

本記事では、道路交通法違反の種類別に、逮捕の可能性や刑罰、弁護士に依頼するメリットについて、具体的な事例も交えて解説します。

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道路交通法違反で逮捕される?刑罰は?

道路交通法違反で逮捕される要件は?

逮捕には、「嫌疑の相当性」と「逮捕の必要性」という2つの要件があります。

逮捕の要件

嫌疑の相当性とは、その人が罪を犯したことを疑うに足りる相当な理由があることです。また、逮捕の必要性とは、「逃亡のおそれ」と「証拠隠滅のおそれ」のどちらかが認められることです。

交通違反についていえば、行為態様が悪質で、被害が大きいほど逮捕されやすいといえるでしょう。重い刑が見込まれる分、逃亡したり証拠隠滅をはかるおそれが高まるからです。

例えば、スピード違反など行政処分で終了する可能性のある行為であれば逮捕される可能性が低いのに対し、飲酒運転やひき逃げ等は逮捕の可能性が高いでしょう。

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スピード違反」で逮捕される?

道路標識等によって定められた最高速度を超過して車両を進行させると、6月以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられます(道路交通法118条1項1号、同法22条)。

スピード違反のみを理由に逮捕される可能性は低いです。

ただし、飲酒運転とスピード違反の両方を行うなど、悪質性の高い事案では逮捕される可能性もあります。

スピード違反が刑事事件化する基準とは?

一般道路における時速30キロメートル未満のスピード違反の場合、反則金を納付すれば刑事事件になりません。

反則金は、一定の軽微な道路交通法違反行為等を迅速に処理するための行政上の措置です。反則金を納付すれば前科はつきません。

時速80キロメートルを超えるスピード違反の場合、懲役刑になるおそれも出てきます。同種前科が多数ある場合は実刑となる可能性も高いです。

スピード違反では、起訴・不起訴や刑罰の重さを決める際に以下の事情が重視されます。

スピード違反で重視される事情

  • 速度超過の程度
  • スピード違反をした経緯、動機
  • 同種前科の有無
  • 再犯のおそれ等

スピード違反を軽く考えている方もいるかもしれませんが、対応を誤れば前科がついてしまいます。少しでも不安があれば、ぜひ弁護士にご相談ください。

無免許運転」で逮捕される?

自動車等を無免許で運転した場合、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法117条の2の2第1号、64条1項)。

無免許運転は、運転免許を取り消された場合も含みます。また、免許停止中や運転免許証の更新を受けないまま運転する行為も無免許運転に該当するので十分注意してください。

無免許運転は現行犯逮捕されるケースが多いです。

無免許運転で起訴されると、初犯の場合は罰金刑となる可能性が高いでしょう。

しかし、以前にも無免許運転の前科があり、その刑の執行猶予期間中に再び無免許運転をするなど、常習性のあるケースでは実刑になる可能性もあります。

無免許運転では、起訴・不起訴や刑罰の重さを決める際に以下の事情が重視されます。

無免許運転の罪で重視される事情

  • 同種前科の有無
  • 同種前科からの経過期間
  • 常習性の有無
  • 再犯のおそれ等

もし逮捕されても、弁護士をつけて、逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを主張すれば早期釈放される可能性があります。ご家族が無免許運転で逮捕されてしまった場合は、弁護士にご相談されることをおすすめします。

飲酒運転」で逮捕される?

一般的に飲酒運転と呼ばれるものは、道路交通法上では「酒気帯び運転」と「酒酔い運転」の2つに分けられており、酒酔い運転にはより重い刑が定められています。

①酒気帯び運転

酒気帯び運転とは以下の要件に該当する運転をいい、道路交通法65条1項で禁止されています。

  • 血液1ミリリットル中0.3ミリグラム以上のアルコールを保有する状態での運転
  • 呼気1リットル中0.15ミリグラム以上のアルコールを保有する状態での運転

酒気帯び運転をすると、3年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられます(道路交通法117条の2の2第3号、同法65条1項)。

酒気帯び運転は、職務質問や自動車検問によって発覚し現行犯逮捕される可能性があります。

初犯であれば罰金刑になる可能性が高いでしょう。悪質性が高ければ、初犯でも執行猶予付き懲役刑となる可能性があります。

②酒酔い運転

酒酔い運転とは、アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態をいいます。血中や呼気中のアルコール濃度は関係ありません。

酒酔い運転をすると、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(道路交通法117条の2第1号、同法65条1項)。

酒酔い運転は、職務質問や自動車検問によって発覚し現行犯逮捕となる可能性が高いです。

酒酔い運転は、重大事故に直結する悪質な犯罪なので公判請求される可能性が非常に高いです。刑罰は、執行猶予付き懲役刑か、悪質な事案では実刑判決になるケースもあり得ます。

飲酒運転では、起訴・不起訴や刑罰の重さを決める際に以下の事情が重視されます。

飲酒運転で重視される事情

  • 同種前科の有無
  • 同種前科からの経過期間
  • 常習性の有無
  • 検挙時のアルコール濃度
  • 検挙時の走行状況等(どれだけ危険な運転行為をしていたか等)

なお、警察の職務質問にしたがわない場合には、公務執行妨害罪に問われる可能性もあります。

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ひき逃げ・当て逃げ」で逮捕される?

交通事故を起こしておきながら逃亡した場合、道路交通法上の救護義務違反または報告義務違反に問われる可能性があります。

被害者が死傷した場合は、過失運転致死傷罪も適用されます。

各犯罪の法定刑は、以下のとおりです。

罪名法定刑
過失運転致死傷罪(自動車運転死傷行為処罰法5条)7年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金
救護義務違反(道路交通法117条2項、72条1項前段)10年以下の懲役又は100万円以下の罰金
報告義務違反(道路交通法119条1項10号、72条1項後段)3月以下の懲役又は5万円以下の罰金

単なる当て逃げのみであれば、後日警察から連絡が来ることはあっても、逮捕される可能性は低いでしょう。

一方、ひき逃げの場合、逮捕される可能性は高いです。たとえば、被害者が死亡したときや重傷をおったときなどは逮捕されやすい傾向があります。

ただし、ひき逃げでも被害者が軽傷の場合は逮捕されないケースもあります。また、警察から連絡が来る前に自首や出頭をすることで、逮捕を回避できる可能性が高まります。

ひき逃げ・当て逃げ事件では、起訴・不起訴や刑罰の重さを決める際に以下の事情が重視されます。

ひき逃げ・当て逃げで重視される事情

  • 被害者の負傷の程度
  • 物損の程度
  • ひき逃げ・当て逃げをした経緯、動機等
  • 示談や被害弁償の成否
  • 被害者の処罰感情等

ひき逃げ・当て逃げ事案では、示談の成否が刑事処分に大きく影響します。ひき逃げや当て逃げをしてしまった場合、できる限り早期に弁護士に依頼して示談交渉を開始しましょう。

対応が早いほど被害者から許し(宥恕)を得られる可能性が高くなります。宥恕付き示談が成立すれば不起訴処分となる可能性は高まります。

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自転車も道路交通法違反になる可能性あり!

自転車は道路交通法上の車両に該当します(道路交通法2条8号、11号イ)。したがって、自転車も道路交通法の適用を受けます。

例えば、自転車を「アルコールの影響により正常な運転ができないおそれがある状態」で運転すると、酒酔い運転に該当します。この場合、自動車の酒酔い運転と同様、5年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処せられます(道路交通法117条の2第1号、同法65条1項)。

さらに、自転車運転中に過失(不注意)で被害者にけがをさせると過失傷害罪(刑法209条1項)が成立します。

過失傷害罪は、告訴がなければ起訴できない親告罪です(同条2項)。したがって、早期に弁護士に依頼し示談を成立させれば、告訴の回避や不起訴処分を獲得できる可能性が高まります。

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道路交通法違反で逮捕された後の流れは?

道路交通法違反で逮捕されるときの流れ

飲酒運転や無免許運転は、検問を受けたり交通事故を起こして通報されたときに警察に発覚するケースが多く、そのまま現行犯逮捕される可能性が高いです。

ひき逃げ・当て逃げの場合は、ナンバーや防犯カメラ、目撃情報などから加害車両が割り出され、後日逮捕(通常逮捕)されることになります。

ただし、軽微な事故だったのであれば、逮捕されずに通常の生活を送りながら捜査を受けることになる場合も多いです。

道路交通法違反で逮捕~起訴までの流れ

逮捕の流れ

逮捕後は警察官の取り調べを受け、48時間以内に検察へ送致されることになります。

送致を受けた検察官は、さらに取り調べを行い、送致から24時間以内に勾留請求の判断をします。

勾留とは、逮捕後に引き続き身体拘束を行う手続きのことをいい、原則として10日間、延長が認められればさらに10日間拘束されることになります。

逮捕されても、定職があり身元引受人もいる事案では、逃亡のおそれがないとして勾留されない可能性も高いです。

道路交通法違反で逮捕された場合、弁護士に依頼の上、早急に身元引受人を確保するなど早期釈放に向けた対応が必要です。

逮捕されなかったり、逮捕後釈放された場合は在宅事件となります。在宅事件になっても無罪になったわけではありません。捜査は続くので呼び出しがあれば出頭して取調べを受けることになります。最終的に検察官が起訴・不起訴を決定します。

逮捕後の流れや在宅事件について、詳しくは関連記事をご覧ください。

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道路交通法違反で起訴された後の流れ

道路交通法違反で初犯であれば、略式起訴され罰金刑が科される可能性が高いです。

略式起訴とは、簡易裁判所における書面審理を意味します。通常の裁判より簡易迅速に手続きが終了する点に特徴があります。

ただし、罰金刑も前科に変わりありません。前科を回避するには、弁護士をつけて不起訴処分を獲得するのが最善策です。

一方、同種前科が多数あったり、飲酒運転など悪質な事案では公判請求される可能性が高いです。

公判請求されると正式な刑事裁判が開かれます。実刑判決になる可能性もあります。執行猶予など刑の減軽を目指すなら早期に弁護士に依頼することをおすすめします。

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道路交通法違反の弁護を弁護士に依頼するメリット

逮捕回避

ひき逃げなど逮捕される可能性が高い事案でも、弁護士をつければ逮捕の回避が期待できます。

具体的には、弁護士が自首に同行して逃亡のおそれがないことを警察に説明します。弁護士は、身元引受人がいるなど具体的根拠を示して警察を説得するため、逮捕回避の主張が認められやすくなります。

不起訴処分

弁護士が、検察官に対し、再犯防止策を主張することで不起訴処分の獲得につながります。

例えば、同居家族や職場の上司による監督方法を具体的に説明する方法が考えられます。

また、被害者がいる場合、弁護士が早急に示談交渉を開始します。ご本人による交渉は応じてもらえないことも多いので、ここはぜひ専門家である弁護士を頼ってください。

刑事弁護の経験豊富な弁護士であれば、数多くの示談交渉を経験しているため、適切な被害者対応が可能です。

弁護士を介すことで、加害者を許すという宥恕付き示談が成立することが期待できます。宥恕付き示談が成立すれば不起訴処分となる可能性が高まります。

早期釈放

道路交通法違反で逮捕された場合、弁護士への早期の依頼で勾留を回避できる可能性が高いです。

弁護士は同居家族による身元引受書を提出するなど、早期釈放に向けた弁護活動を行います。勾留されなければ逮捕から最長72時間以内に釈放されます。

もし勾留されてしまっても諦めないでください。この場合、弁護士が準抗告を申し立てます。準抗告が認められれば勾留決定後でも釈放される可能性があります。

逮捕された事件は、弁護士の対応が早ければ早いほど有利な結果が期待できます。大切なご家族が逮捕されて今後が不安な方は一刻も早く弁護士にご相談ください。

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刑の減軽

道路交通法違反事件で刑の減軽を目指す場合、弁護士への早期の依頼が不可欠です。

被害者がいる場合、弁護士は被害者との示談交渉を行います。示談が成立すれば、罰金刑や執行猶予判決など刑の減軽につながります。

ご本人の真摯な反省をお伝えすることで、刑の減軽を求める嘆願書を被害者に作成してもらえるケースもあります。

さらに、弁護士は再犯防止のための環境整備にも尽力します。

例えば、車両を処分したことを示す書類を証拠として提出するケースもあります。これにより、二度と運転しないという被告人の強い決意を裁判官に示すことができます。

もちろん、事案によって実現できる再犯防止策は異なります。何が最善の方法か、弁護士はご本人と十分に話し合います。この考える過程こそが再犯防止への大切な道のりです。

ご本人が再犯防止に向けて真剣に取り組んでいることが裁判官に伝われば、刑の減軽につながります。

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罰金も前科になる│前科と前歴の違いや略式起訴について弁護士が解説

執行猶予とは?懲役実刑との違いは?執行猶予中の逮捕で取り消し?

【事例】道路交通法違反で執行猶予付き判決を獲得したケース

アトム法律事務所が過去に扱った事件の中から、道路交通法違反で起訴されたものの執行猶予を獲得した事例をご紹介します。

飲酒運転で縁石に乗り上げる事故を起こし、執行猶予が付いた事例

飲酒した数時間後に車を運転し、縁石に乗り上げる事故を起こす。駆け付けた警察官が呼気検査を行ったところ、基準値以上のアルコールが検出された。道路交通法違反の事案。


弁護活動の成果

裁判の場で情状弁護を尽くした結果、執行猶予付き判決となった

最終処分

懲役10か月,執行猶予3年

道路交通法違反は行政処分にも注意

交通違反をすると、免許取消や免許停止等の行政処分を受ける可能性があります。行政処分の内容は行政処分前歴の回数が多いほど重くなります。

行政処分前歴が0回の場合、スピード違反(30以上50未満)なら免許停止30日、無免許運転なら免許取消2年です。

交通違反に対する行政処分について、詳しくは参考資料をご参照ください。

参考資料

「交通違反の点数一覧表」(警視庁)

「行政処分基準点数」(警視庁)

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アトム法律事務所の弁護士は、道路交通法違反で不起訴処分を獲得するなど解決実績を多数有しています。道路交通法違反でお困りなら刑事事件に強いアトム法律事務所へぜひご相談ください。

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