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強制わいせつ罪の弁護士相談|逮捕・示談・不起訴でお悩みの方へ

強制わいせつ 弁護士が解説

2023年7月13日、強制わいせつ罪は「不同意わいせつ罪」に改正されました。

「息子が強制わいせつ罪で逮捕された」「夫が強制わいせつ事件を起こしたと警察から連絡がきた」

このようなとき、まずは弁護士に相談することが解決への第一歩です。

強制わいせつ罪という犯罪は、警察が捜査を開始すれば簡単に終了する事件ではありません。逮捕された場合には、すぐに弁護士を派遣して警察署で本人と面会をする必要が生じます。そして早期解決に向けて、被害者との示談を行うことが、何より大切だといえます。

刑事手続きが進行する前に、弁護士に相談し、示談の準備を始めていきましょう。

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目次

強制わいせつ罪とは|弁護士が解説

強制わいせつ罪
十三歳以上の者に対し、暴行又は脅迫を用いてわいせつな行為をした者は、六月以上十年以下の懲役に処する。十三歳未満の者に対し、わいせつな行為をした者も、同様とする。

刑法176条(改正前)

強制わいせつにあたる行為とは

強制わいせつ罪とは、暴行や脅迫を用いてわいせつ行為をした場合に成立する犯罪です。
なお、13歳未満に対しては、暴行や脅迫を用いなくても強制わいせつ罪が成立します。

「わいせつ行為」とは、自身の性欲を刺激・満足させる行為で、善良な性道徳から外れたものを意味します。例えば、キスをする、身体に触る、服を脱がせる、裸の写真を撮るなどの行為です。

強制わいせつ罪の法定刑は「6か月以上10年以下の懲役」です。罰金刑は定められていないため、強制わいせつ罪では必ず懲役刑になります(執行猶予が付く可能性はあります)。

性的意図がなくても強制わいせつ罪は成立する?

強制わいせつ罪が成立するためには、行為者に性欲を興奮させたり満足させたりする性的意図が必要であるとするのが従来の判例の立場でした。

(略)刑法一七六条前段のいわゆる強制わいせつ罪が成立するためには、その行為が犯人の性欲を刺戟興奮させまたは満足させるという性的意図のもとに行なわれることを要し、婦女を脅迫し裸にして撮影する行為であつても、これが専らその婦女に報復し、または、これを侮辱し、虐待する目的に出たときは、強要罪その他の罪を構成するのは格別、強制わいせつの罪は成立しないものというべきである。

最高裁判所昭和45年1月29日第一小法廷判決

しかし、2017年に「性的意図を一律に同罪の成立要件とすることは相当でない」と最高裁の判断が変更されたため、現在では性的意図が無くとも暴行または脅迫を用いてわいせつな行為をすれば強制わいせつ罪が成立することがあります。

(略)今日では,強制わいせつ罪の成立要件の解釈をするに当たっては、被害者の受けた性的な被害の有無やその内容、程度にこそ目を向けるべきであって、行為者の性的意図を同罪の成立要件とする昭和45年判例の解釈は、その正当性を支える実質的な根拠を見いだすことが一層難しくなっているといわざるを得ず、もはや維持し難い。

最高裁判所平成29年11月29日大法廷判決

強制わいせつにおける性的意図の有無

性的意図あり性的意図なし
具体例性欲を満たす目的報復、虐待目的
刑罰ありあり(2017年以降)
罪名強制わいせつ罪など強制わいせつ罪など

痴漢と強制わいせつ

痴漢行為は、主に各都道府県で定められている迷惑防止条例もしくは強制わいせつ罪に抵触します。

迷惑防止条例違反の刑罰は強制わいせつ罪よりは軽いものとなっており、たとえば東京都の迷惑防止条例に違反した場合、法定刑は「1か月以上6か月以下の懲役または50万円以下の罰金」です。条例違反の痴漢行為では罰金刑で済むケースが多くある点が強制わいせつ罪との大きな違いです。

痴漢行為が迷惑防止条例違反となるか強制わいせつ罪に問われるかは、行為態様によって変わってきますが明確な基準はありません。一般的には、衣服の上から触った場合は迷惑防止条例が適用され、直接触った場合は強制わいせつ罪が適用されることが多いです。

ただ、これはあくまで目安なので、執拗に被害者を触り続けたり、路上で無理やり抱き着いて胸や尻を揉んだりした場合などでも強制わいせつ罪で処罰される可能性があります。

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強制わいせつ罪に関連する罪

暴行や脅迫がなければ強制わいせつ罪は成立しませんが、一定の場合には準強制わいせつ罪や監護者わいせつ罪が成立することがあります。

準強制わいせつ罪・監護者わいせつ罪どちらも、法定刑には強制わいせつ罪と違いはありません

準強制わいせつ罪

人の心神喪失若しくは抗拒不能に乗じ、又は心神を喪失させ、若しくは抗拒不能にさせて、わいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。

刑法178条1項(改正前)

正常な判断が出来ない人や抵抗ができない状態にある人に対してわいせつ行為を行った場合、準強制わいせつ罪が成立します。

酩酊している人や睡眠中の人へのわいせつ行為が典型です。

抵抗ができない状態(抗拒不能)とは、心理的に抵抗ができない状態も含みます。たとえば、会社の人事担当者が就活中の女性に対し立場を利用してわいせつ行為をするといったケースです。

監護者わいせつ罪

十八歳未満の者に対し、その者を現に監護する者であることによる影響力があることに乗じてわいせつな行為をした者は、第百七十六条の例による。

刑法179条1項(改正前)

監護者わいせつ罪は、18歳未満の者に対し、「監護者であることによる影響力に乗じて」わいせつ行為を行った場合です。

被害者に対して暴行や脅迫を行っていなかった、被害者と同意があった、という場合であっても監護者わいせつ罪は成立します。

監護者わいせつ罪は平成29年の刑法改正によって制定された犯罪です。

監護者わいせつ罪が制定されるまでは、被害者に対する暴行もしくは脅迫または被害者の心神喪失もしく抗拒不能がない場合は、罰金刑のある児童福祉法違反で処罰されていました。

現在は監護者わいせつ罪が制定されたことで、監護者の影響力を利用したわいせつ行為も強制わいせつ同様厳しく処罰されることとなりました。

強制わいせつ等罪まとめ

強制わいせつ罪、準強制わいせつ罪、監護者わいせつ罪は未遂でも処罰されます。

また、これらの罪を犯した際に人を死傷させた場合には、強制わいせつ等致死傷罪が適用され、「無期または3年以上の懲役」が科せられます。

適用罪名行為刑罰
強制わいせつ罪暴行・脅迫を用いたわいせつ行為
13歳未満に対するわいせつ行為
6か月以上10年以下の懲役
準強制わいせつ罪心神喪失・抗拒不能の相手に対するわいせつ行為同上
監護者わいせつ罪18歳未満に対する、監護者の影響力を利用したわいせつ行為同上
強制わいせつ等致死傷上記の罪で人を死傷させた場合無期または3年以上の懲役

強制わいせつをすると逮捕されるのか

逮捕の流れ

強制わいせつをしてしまったら負うリスク

強制わいせつの容疑をかけられた場合に、受ける不利益は大きく以下の3点です。

  1. 逮捕・勾留による身体拘束を受ける
  2. 起訴されて懲役刑となり、前科もつく
  3. 強制わいせつ事件が周囲にバレる

逮捕・勾留された場合は起訴まで23日間の身体拘束を受ける可能性があります。長期の身体拘束は、会社を解雇されるなど社会生活上の影響が大きいでしょう。

また、前科が付くと特定の職種に就くことができなくなったり、海外渡航の制限を受ける可能性があります。再度犯罪を犯してしまえば実刑などより重い刑罰を科せられる可能性も高まります。

さらに、強制わいせつは懲役刑しかない重大事件ですし、社会的な関心を引きやすいため、逮捕をされた場合には報道されるリスクも高いです。悪質な性犯罪ですので、家族や親族に発覚すれば家庭を失うリスクもありますし、引っ越しなどをせざるを得なくなるケースもあります。

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強制わいせつで逮捕される可能性

強制わいせつ罪は、逮捕されるケースが多い犯罪です。

アトム法律事務所が過去に扱った、強制わいせつ事件の実例から抜粋した157件のうち、実際に逮捕された件数は103件(66%)でした。
内訳としては、ご本人の逮捕後にご家族がアトムに相談に来られたケース、逮捕から釈放された後にアトムに相談に来られたケース、などが多くなっています。

電車内での痴漢や路上痴漢のケースでは、現行犯逮捕で捕まることもあります。他方、わいせつ行為をした後に被害届が出されて、警察の捜査によって後日逮捕されることもあります。

強制わいせつ罪で逮捕されると、すぐに釈放されない限り少なくとも2~3日は警察署の留置場で過ごす必要があります。この間は、警察の取り調べが行われ、外部との連絡は一切できません。

そして、逮捕から48時間以内に身柄と捜査書類が警察から検察に送致され(いわゆる「送検」)、事件を受けた検察官は、引き続き「勾留」をして拘束状態を続けるべきかを検討します。

強制わいせつで勾留される割合

引き続き拘束状態を続けるべきと判断されて「勾留」が決まると、まずは10日間、留置場での生活を余儀なくされます。勾留は10日間の延長ができますので、最大で20日間(勾留前の逮捕期間も含めると最大23日間)の身体拘束を受けます。

令和2年度版犯罪白書によれば、強制わいせつ事件での勾留請求率は約97.8%(2,263件/2,315件)となっており、そのうち勾留が認められた件数は2,082件となっています。逮捕された事件の9割以上が勾留までされています

なお、アトム法律事務所が過去に取り扱った強制わいせつ事件で逮捕された103件のうち、勾留までされた件数は59件(54%)となっています。早期に弁護の依頼があった事件では、弁護活動によって勾留の回避や早期釈放ができたケースもあります。

強制わいせつの在宅捜査

逮捕・勾留から早期に釈放されたり、そもそも逮捕をされなかった強制わいせつ事件であっても事件は終了ではありません。身体拘束がなくとも、在宅捜査という形で事件は進行していきます。

在宅捜査となったあとは、警察や検察の事情聴取の呼び出しがあれば応じる必要はありますが、通常の生活を送ることができます。

警察の捜査が終わると、事件書類が検察に送致され(いわゆる「書類送検」)、検察官が1~2度本人を呼び出して話を聞いた後で起訴・不起訴の判断がくだされます。

最大で23日間の時間制限がある逮捕・勾留中の事件と異なり、手続きに期限がないため捜査が長期化する可能性もあります。捜査状況など個別の事案次第ですが、争いのない軽微な事件で早ければ2~3か月で処分が決まります。

強制わいせつ事件の起訴率|裁判・実刑になる?

強制わいせつ罪には罰金刑がないため、起訴されたら必ず公開の裁判にかけられることとなります。
検察統計では、2019年の強制わいせつ事件の起訴率は33.5%(1,278人/3,817人)となっています。

また、逮捕・勾留をされていた場合、起訴後は拘置所に身柄が移され引き続き裁判終了まで身体拘束を受ける可能性があります。簡単な事件では起訴から判決まで2か月程度です。

日本の刑事司法の有罪率は99%といわれますので、強制わいせつ事件で起訴されたら懲役刑は避けられないと思ってよいでしょう。もっとも、懲役刑でも執行猶予がつく可能性はあります。

起訴と不起訴の違い

起訴不起訴
裁判ありなし
前科つく可能性大つかない

強制わいせつを弁護士に相談すると何をしてくれる?

強制わいせつの逮捕前の相談であれば、弁護士が今後の刑事処分の見込みをお伝えし、被害者との示談や自首について等、最適なアドバイスが可能です。

逮捕されている場合には、弁護士が留置所まで足を運び、当事者との面会を行うことができます(接見)。

捜査機関の取り調べは、逮捕直後から始まります。弁護士であれば、家族の面会が許されないタイミングであっても、留置場で面会することが可能です。

強制わいせつ事件で、スムーズな社会復帰を目指すには、刑事事件を早期に解決することがとても大切です。刑事事件はタイミングとスピードが命ですので、弁護士への相談は早いほどできる弁護活動も増え、良い結果を得られやすくなります。

弁護士に依頼する主なメリット

強制わいせつ事件での逮捕や事件化を回避する

先述のとおり、強制わいせつ罪は逮捕される可能性が高い犯罪類型です。強制わいせつで思い当たることがあれば、逮捕前でもできるだけ早く弁護士に相談して下さい

逮捕前であれば、事案ごとに弁護士が適切にリスクや処分の見込みをお伝えしたうえで、被害者と示談して刑事事件化のリスクを最小化する、自首をする等状況に応じてとるべき対応のアドバイスを受けることができます。

被害届を出されていたとしても、警察の捜査段階のうちに示談によって取り下げてもらうことができれば、送検されることなく事件が終了する可能性もあります。

また、必要に応じて逮捕の必要性がないことを捜査機関に訴えたり、もし逮捕をされてしまった場合にはどうすれば良いかについても事前に助言を受けておくことができます。

強制わいせつで逮捕・勾留されても早期釈放を目指す

逮捕後は、警察に身体拘束を続ける必要がないことを訴えて釈放を要求したり、勾留の必要性がないことを検察官や裁判官に意見して勾留を回避するための活動ができます。勾留されてしまった後でも、準抗告や勾留の取り消しを求めることで早期の釈放を目指すことができます。

弁護士ならいつでも留置場で面会可能

強制わいせつ事件で逮捕された場合、何よりも優先させるべきは、弁護士面会(「接見」といいます)です。逮捕直後から捜査機関の取り調べが始まりますので、その対応について弁護士からアドバイスを聞くことは不利な状況を作らないために必要です。

逮捕後、勾留までの最大72時間は外部と連絡を取ることができなくなるため、自身で弁護士を探すことはできません。警察に「弁護士を呼んでくれ」と伝えることで、1度だけ無料で弁護士と面会のできる当番弁護士制度を利用することが可能です。

その他に弁護士にアクセスできる場合は、逮捕前から依頼している弁護士を呼んでもらうか、こ家族など外部の人が弁護士に依頼したケースになります。

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強制わいせつ事件の場合、被害者と示談が成立すれば不起訴となる可能性が高まります。強制わいせつ事件は刑事罰として罰金刑がなく、有罪となれば懲役刑に服することになります。そのため、示談成立により不起訴を獲得することは、刑事弁護活動の中では最も重要なことだといえます。

アトム法律事務所で取り扱った強制わいせつ事件の実例148件のうち、不起訴で終了(または事件化前に終了)した件数は115件(78%)でした。

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起訴後は保釈申請ができる

起訴後は、裁判の終了まで短くても2か月程度拘置所で過ごすことになりますが、保釈申請をすることで釈放される可能性があります。

保釈が認められるためには弁護人を通じて、裁判官に逃亡や証拠隠滅のおそれがないことを効果的に理解してもらう必要があります。すぐに保釈申請をするには、事前に準備を整えておきタイミングをみて動くことが必要です。強制わいせつの保釈に詳しい弁護士なら、時間のロスなく最速で活動することが可能です。

なお、保釈には保釈金も必要になりますが、保釈金は逃亡などをしなければ裁判後に返還されます。

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執行猶予獲得で実刑を回避する

強制わいせつ事件の被害者が示談を拒否したり、示談は成立しても検察官の判断で起訴された場合、刑事裁判を受けることになります。しかし、示談成立という事情は、執行猶予の獲得に影響します。

強制わいせつ罪は、「六月以上十年以下の懲役」という法定刑が設けられています。つまり、有罪判決となれば、最長で10年の懲役刑となり、その間は刑務所で生活をすることになります。執行猶予がつけば、刑務所に入ることはなく、元の生活を維持していくことが出来ます。執行猶予が「つく」か「つかない」かには、大きな違いがあります。

強制わいせつの量刑や余罪との関連、執行猶予獲得に向けたポイントは関連記事でくわしく解説しているので、併せてお読みください。

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強制わいせつ事件の冤罪でも弁護士に相談するべき

被害者が犯人を間違えていたり、被害者の証言に誤りがあるといったことなどが原因で強制わいせつ事件の犯人だと疑われて取調べを受けることもあります。

警察の厳しい取調べでやってもいないことをやったと認めてしまうと、その証言に基づいて起訴され、裁判を経て懲役刑に処されてしまうおそれがあります。
そのため、強制わいせつに該当するような行為をしていないのであれば、不起訴処分や無罪を獲得するために一貫して容疑を否認するか、自己にとって不利益な供述を黙秘することになります。

取調べが終わるタイミングで、取調べの内容をまとめた供述調書という書面にサインを求められます。
その際、自分が言った内容と食い違っている箇所があればその旨を指摘し、修正されるまでサインはしないようにしましょう。

もしも修正される前にサインをしてしまうと、本来の意図とは異なる供述調書が作成されてしまいます。
供述調書は裁判で証拠として扱われることになるため、その内容に基づいて有罪か無罪か、罪の軽重について判断されることになります。一度供述調書にサインをすると後からその内容を撤回することは非常に困難です。

もしも無実であるにも関わらず強制わいせつ事件の被疑者として警察から連絡がきたのであれば、取調べを受ける前に弁護士を呼び、取調べではどういった対応をすればいいのか相談することをおすすめします。
自分はやっていないのだから正直に言えば警察官も信じてくれるはず、と思っていても、いざ取調べが始まると委縮してしまって本来主張したいことを主張できないこともありえます。

しかし、事前に弁護士から相談を受けておけば、取調べを受ける際の注意点や供述調書にサインをする前の確認方法などについてアドバイスを受けることができるため、不安をある程度払拭させてから取調べに臨むことも可能となります。
そのため、強制わいせつ事件であらぬ疑いをかけられた場合は、すぐに弁護士に相談することをおすすめします。

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強制わいせつの被害者と示談するために|弁護士が必要な理由

強制わいせつ事件での示談の重要性

強制わいせつの事件化や、逮捕・勾留を回避する、早期釈放を目指す、不起訴を獲得する、執行猶予や減刑を目指す、これらの弁護活動の中核でありもっとも重要なものは被害者との示談です。

強制わいせつのような被害者への侵害行為が問題となる事件では、当事者間で解決がされて被害者の許しを得ることができれば、重い刑事罰を科す必要まではないと判断されやすいからです。

強制わいせつ罪は親告罪ではなくなったため、被害者の告訴がなくとも捜査し起訴をすることが可能になりました。とはいえ、依然として被害者の処罰感情は刑事処分の判断に大きな影響を与えますので被害者との示談の重要性は変わりません。

また、被害者と示談をするための努力は、本人の反省の態度の表れとも評価されます。

そのため示談の成立は、逮捕前から判決が出るまでのどのタイミングであってもその後の処分に有利な情状として重要な意味を持ちます

弁護士がいれば強制わいせつの示談をしやすい

強制わいせつの示談は、弁護士でなければ困難です。むしろ、自分で示談交渉すべきではありません。

強制わいせつを受けた被害者は心に大きな傷を受けていますので、加害者からの連絡を嫌がることも多く、無理に示談をしようとすれば被害者への不法な働きかけ(=証拠隠滅のおそれ)として評価され、身体拘束を受けるリスクを上げたり、脅迫罪や強要罪など別の犯罪が成立する可能性もあります。

さらに、本人同士の示談では適切な金額で示談ができなかったり、不備のある示談しかできずせっかく示談をしても解決に至らないおそれもあります。

また、そもそも捜査機関は被害者情報を教えてくれないため、被害者が知人でない限り、弁護士を通さなければ連絡をするすべがありません。

強制わいせつの示談では、被害者感情に最大限配慮しながら謝罪と賠償を尽くして、被害者の許しを得る必要があります。第三者である弁護士ならば、冷静かつ客観的に示談成立のために行動することができます。弁護士を介して適切に情報を得て示談を進めることが重要です。

弁護士が示談交渉を行うメリット

弁護士本人
示談交渉交渉しやすい難しい
示談成立早期成立時間がかかる
示談金相場が分かる相場が分からない
内容不備のない示談が可能不完全になる恐れあり

強制わいせつを弁護士に依頼した場合の示談金相場は?

強制わいせつ事件の示談金相場は、50万円前後となります。
ですが、事件の内容や被害者の感情によっても示談金は異なるため、相場よりも大幅に上がってしまう可能性もあります。強制わいせつ事件の示談に詳しい弁護士に直接話を聞いて、実際の示談金を想定しておくことが大切です。

法律相談の中で、自身のケースだとどのくらいの示談金が目安になるのか確認しておくとよいでしょう。

また、強制わいせつの被害者の中には、加害者を許す気はなく示談を拒否する方もいます。しかし、示談自体は被害者にもメリットのある行為ですので、弁護士が丁寧に説明と交渉をすれば応じてもらえるケースも多いです。

アトム法律事務所が強制わいせつ事件で示談交渉を行った197件のうち、示談が成立したのは160件(81%)でした。

なお、アトム法律事務所で示談が成立した強制わいせつ事件160件の情報に基づくと、示談金相場は50万円でした。

強制わいせつ事件に強い弁護士の見分け方

強制わいせつ事件の「解決実績」から判断する

強制わいせつ事件を早期に解決するためには、刑事事件に熟知している必要があります。 示談という被害者対応を含めると、法律知識だけでなく、示談の実践経験がどれだけあるかが弁護士の力量を示す尺度になるでしょう。 経験豊富な弁護士を探すためには、事務所HP等で公開されている強制わいせつ事件の解決実績を確認するのが有効です。

コンタクトが取りやすく対応が早いこと

弁護士を選ぶ上で、連絡の取りやすさ、対応の早さはとても重要です。 刑事事件という不安な状況の中で、不明な点や不安をすぐに聞いてもらうことは、心の安定につながります。 刑事事件は時間の制約も厳しく、迅速に対応してくれることも頼れる弁護士の必須要素だといえます。

無料相談を活用する

弁護士と依頼者との関係で最も重要なのはお互いの信頼関係です。まずは対面での法律相談を活用し、説明が丁寧か、信頼ができそうか、などご自身との相性も含めてご確認ください。

強制わいせつの弁護士費用の相場は100~150万円

必要な弁護士費用は依頼する弁護士によって変わってきます。弁護士費用は主に「着手金」「報酬金」で構成され、一般的な相場としては強制わいせつの弁護士費用は100万円~150万円程度かかることが多いようです。

もっとも、必ずしもこの範囲におさまるというわけではいうことではありません。以下は、強制わいせつの弁護士費用の内訳ですがここでは弁護士費用の合計をの幅を広めに記載しています。

強制わいせつの弁護士費用の内訳

費目金額内容
法律相談料5千円~1万円程度/30分~1時間程度依頼前に相談する際の費用
初回接見数万円被疑者との初回の面会にかかる費用
着手金20~60万円程度弁護士に依頼する際に必要な費用
報酬金20~100万円程度事件が成功した場合や示談の成立にかかる費用
日当数万円/1回出張費等
実費1万円程度コピー代・郵送料等
合計50~200万円程度

強制わいせつの弁護士費用①法律相談料

法律相談料の相場は30分~1時間程度で5,000円~10,000円ほどですが、初回は無料相談を実施している弁護士事務所もあります。

法律相談は、弁護士に見通しやアドバイスを聞いて今後の指針を立てるために利用するほか、弁護士との相性や弁護士費用の見積もり確認をするためにも必要です。

強制わいせつの弁護士費用②初回接見

強制わいせつで逮捕・勾留されてしまった場合、弁護士と面会をして法的な助言を受けることは極めて重要です。初回の接見(面会)は可能な限り早く行うことが求められるため、ご家族等が逮捕された事件ではまずは全体の弁護活動の依頼を検討する前に、初回接見だけを依頼することも多くあります。

初回接見の費用は数万円程度ですが、事務所と警察署の距離や所用時間によって異なることもあり様々です。

強制わいせつの弁護士費用③着手金

着手金は、事件の態様によって前後しますが20~60万円程度が相場です。在宅捜査をされている事件に比べ、逮捕・勾留されている身柄事件の場合は高くなる傾向にあります。

強制わいせつの弁護士費用④報酬金

報酬金は、弁護活動の成果によって発生する費用です。不起訴や罰金のような最終的な刑事処分の成果に対しては、着手金と同程度の費用を設定している弁護士が多いです。

報酬金は上記のほか、釈放や示談の成立などの成果に対しても発生します。これらの費用はおおむね10~20万円程度のことが多いです。

強制わいせつの弁護士費用⑤実費・日当など

郵送料やコピー代などの実費は通常1万円以内におさまりますが、事件が裁判となった場合には費用がかさむこともあります。
日当は弁護士が警察署や裁判所、示談の場などに弁護士が向かう際に発生し、距離や所要時間によって1回あたり数万円~かかります。

【弁護士費用以外】示談金の用意も必要

強制わいせつ事件は被害者のいる事件の中でも、特に示談締結の有無が処分に大きな影響を与えやすい事件です。そのため、強制わいせつ事件で不起訴や刑の軽減を目指すためには、まず示談交渉を検討する必要があり、弁護士費用とは別に示談金として50万円程度の用意が必要です。

強制わいせつ事件を弁護士に無料相談できる窓口

アトム法律事務所では、年中無休で全国対応の相談予約窓口を開設しています。

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