薬物で逮捕される場合、大麻、覚醒剤、麻薬(例:コカイン、ヘロイン等)、合成麻薬(例:LSD、MDMA等)、向精神薬、危険ドラッグ、シンナー、あへん等が問題になります。
薬物によって、罰せられる行為(栽培・所持・使用・譲渡・譲受など)は変わります。
薬物犯罪は、初犯でも刑罰をうける可能性が高く、執行猶予が付くのかは条件しだいです。
この記事では、薬物犯罪ごとの刑罰、逮捕の流れ、釈放・刑罰の軽減を目指す方法などを解説します。
薬物で逮捕された方のご家族様へ
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目次
薬物犯罪の刑罰・逮捕の割合
ここでは逮捕され得る薬物犯罪について、刑罰を解説します。
それぞれの薬物犯罪の罪名(赤字部分)をタップすると、刑罰など詳しい内容をご覧いただけます。
大麻取締法違反
大麻(大麻草とその製品)を所持、譲渡、譲受、栽培、輸入、輸出した場合、大麻取締法違反で逮捕される可能性があります。
過去、アトム法律事務所であつかった大麻事件のうち、被疑者が逮捕された事件の割合は約89%前後です(アトム「大麻の逮捕率」の統計より)。
大麻取締法違反の刑罰(こちらをタップ)
大麻の所持・譲受・譲渡
大麻の所持、譲受、譲渡の法定刑は「5年以下の懲役」です。
営利目的の所持・譲受・譲渡になると、法定刑は「7年以下の懲役」になり、情状によっては「200万円以下の罰金」も併科(両方とも科される)といった可能性があります。
大麻の所持・譲受・譲渡は、未遂も処罰されます。
大麻の栽培・輸入・輸出
大麻の栽培、輸入、輸出の法定刑は「7年以下の懲役」です(大麻取締法違反24条1項)。
営利目的の栽培・輸入・輸出になると、法定刑は「10年以下の懲役」になり、情状によっては「300万円以下の罰金」も併科されます。
大麻の栽培・輸入・輸出は、未遂も処罰されます。
態様 | 刑罰 |
---|---|
輸入・輸出・栽培 | ・懲役(1ヶ月~7年) |
輸入・輸出・栽培 (営利目的) | ・懲役(1ヶ月~10年) または ・懲役(1ヶ月~10年)+罰金300万円以下 |
所持・譲渡・譲受等 | ・懲役(1ヶ月~5年) |
所持・譲渡・譲受等 (営利目的) | ・懲役(1ヶ月~7年) または ・懲役(1ヶ月~7年)+罰金200万円以下 |
覚醒剤取締法違反
覚醒剤は麻黄(まおう)から抽出された原料等を合成して製造されたもので、神経を興奮させる作用があります。
覚醒剤を所持、譲渡、譲受、使用、輸入、輸出、製造などした場合、覚醒剤取締法違反で逮捕される可能性があります。
過去、アトム法律事務所であつかった覚醒剤事件について、逮捕事件の割合は約96%前後です(アトム「覚醒剤の逮捕率」の統計より)。
覚醒剤取締法違反の刑罰(こちらをタップ)
覚醒剤の所持・譲渡・譲受・使用
覚醒剤の所持・譲渡・譲受・使用の法定刑は「10年以下の懲役」です。
営利目的の所持・譲渡・譲受・使用になると、法定刑は「1年以上20年以下の有期懲役」になり、情状によっては「500万円以下の罰金」が併科されます。
覚醒剤の所持・譲渡・譲受・使用の未遂は、処罰されます。
覚醒剤の輸入・輸出・製造
覚醒剤の輸入・輸出・製造の法定刑は「1年以上20年以下の有期懲役」です。
営利目的で輸入・輸出・製造をすると、法定刑は「無期又は3年以上20年以下の懲役」になり、情状によっては「1000万円以下の罰金」が併科されます。
覚醒剤の輸入・輸出・製造も、未遂は処罰対象です。
態様 | 刑罰 |
---|---|
輸入・輸出・製造 | ・懲役(1年~20年) |
輸入・輸出・製造 (営利目的) | ・懲役(無期 or 3年~20年) または ・懲役(無期 or 3年~20年)+罰金1000万円以下 |
使用・所持・譲渡・譲受等 | ・懲役(1ヶ月~10年) |
使用・所持・譲渡・譲受等 (営利目的) | ・懲役(1年~20年) または ・懲役(1年~20年)+罰金500万円以下 |
麻薬及び向精神薬取締法違反(ヘロイン・コカイン・LSD・MDMA等)
麻薬・向精神薬も製造・輸入・輸出・所持などした場合、逮捕される可能性があります。
麻薬及び向精神薬取締法違反(ヘロイン・コカイン・LSD・MDMA等)の刑罰(こちらをタップ)
ヘロイン
ヘロインは、植物のケシからモルヒネを抽出して加工した薬物であり、麻薬及び向精神薬取締法で規制される薬物の中でも依存度が強い特徴があります。
そのため、法定刑も重く設定されており、譲渡・譲受・所持などの法定刑は「10年以下の懲役」です。輸出入・製造などに対する法定刑は「1年以上20年以下の有期懲役」となります。
態様 | 刑罰 |
---|---|
製剤・小分け・譲渡・譲受・譲受・交付・所持 | ・懲役(1ヶ月~10年) |
製剤・小分け・譲渡・譲受・譲受・交付・所持 (営利目的) | ・懲役(1年~20年) または ・懲役(1年~20年)+罰金500万円以下 |
輸入・輸出・製造 | ・懲役(1年~20年) |
輸入・輸出・製造 (営利目的) | ・懲役(無期 or 3年~20年) または ・懲役(無期 or 3年~20年)+罰金1000万円以下 |
コカイン
コカインはコカの葉から作られた強力な中毒性を持つ精神刺激薬であり、覚醒剤と似たような効果をもたらすのが特徴です。
麻薬及び向精神薬取締法では、ヘロインとヘロイン以外の麻薬、向精神薬で、法定刑が異なります。
コカインは「ヘロイン以外の麻薬」に該当し、譲渡・譲受・所持などを行うと「7年以下の懲役」、輸出入・製造などを行うと「1年以上10年以下の懲役」が科せられます。
営利目的が認められると、譲渡・譲受・所持などの法定刑は「1年以上10年以下の懲役」、輸出入・製造などの法定刑は「1年以上の有期懲役」にそれぞれ拡大します。
向精神薬は医療目的で用いられる抑うつ薬や睡眠薬などの総称です。精神機能に影響を及ぼす薬物であるため、不正取引が同法で禁止されています。
ヘロイン | ヘロイン以外 (例:コカイン) | 向精神薬 | |
---|---|---|---|
譲渡・譲受・所持など | 1ヶ月~10年 | 1ヶ月~7年 | 1ヶ月~3年 |
輸出入・製造など | 1年~20年 | 1年~10年 | 1ヶ月~5年 |
※個人利用目的の場合の刑罰です
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LSD
LSDはライ麦の麦角菌から作る薬物で、幻覚作用が強い合成麻薬です。水溶液をしみこませた紙片、錠剤、カプセルなどの形状で流通しており、経口又は飲み物とともに飲むなどして乱用されています。
LSDについても「ヘロイン以外の麻薬」となるため、譲渡・譲受、輸出入、製造などを行った場合の法定刑はコカインの場合と同じです。
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・LSDで逮捕・起訴・前科を回避したい|弁護士に相談するメリット
MDMA
MDMAは「メチレンジオキシメタンフェタミン」の略名で、「エクスタシー」と呼ばれることもあります。もともとは白色結晶性の粉末ですが、カラフルな錠剤に加工されることの多い合成麻薬の一種です。
MDMAも法律上「ヘロイン以外の麻薬」となるため、法定刑はコカインの場合と同じです。
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毒物及び劇物取締法違反(シンナー等)
大麻や覚醒剤、ヘロインなどとは異なり、シンナーは適切に使用すれば違法とはならない薬物です。しかし、乱用すると脳神経に異常が現れ依存症となるため、毒物及び劇物取締法によって、吸入・吸入目的での所持や譲渡が禁止されています。
毒物及び劇物取締法違反(シンナー等)の刑罰(こちらをタップ)
シンナーを吸入したり、吸入目的で所持したりすると、「1年以下の懲役もしくは50万円以下の罰金」が科せられ、情状によっては両方が併科されます。
シンナーは未成年でも容易に入手しやすい薬物犯罪といえます。未成年の子供がシンナーで逮捕された場合の対応については『息子がシンナーで逮捕されたら|薬物犯罪に詳しい弁護士解説』をご覧ください。
薬機法違反(危険ドラッグ等)
危険ドラッグの使用は薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)により逮捕・処罰される可能性があります。
危険ドラッグは麻薬や覚醒剤の化学構造を少し変えた物質で、摂取すると幻覚や興奮作用があらわれます。
薬機法違反(危険ドラッグ等)の刑罰(こちらをタップ)
「指定薬物」とされる危険ドラッグを製造・輸入・販売・授与・所持・購入・譲受・使用した場合、法定刑は「3年以下の懲役」または「300万円以下の罰金」となり、場合によっては両方が併科されます。
業として、指定薬物を製造、輸入、販売、授与、所持(販売・授与の目的で貯蔵または陳列した場合)の場合は、法定刑が「5年以下の懲役」または「500万円以下の罰金」となり、場合によっては併科されます。
危険ドラッグの逮捕・弁護活動については『危険ドラッグで逮捕されたら│ご家族は弁護士にご相談ください』の記事も、あわせてご覧ください。
あへん法違反
あへんとは、けしから採取した液汁を凝固させたものです。けしの栽培、あへんの採取、あへん・けしがらの輸出入や所持はあへん法違反の罪になり、逮捕される可能性があります。
あへん法違反の刑罰(こちらをタップ)
あへん・けしがらの摂取(吸食)
あへん、けしがらの吸食は「7年以下の懲役」になり、未遂も罰せられます。
栽培・採取・輸出・輸入
けしの栽培、あへんの採取、あへん・けしがらの輸出入はあへん法違反になり、法定刑は「1年以上10年以下の懲役」です。
営利目的になると法定刑は「1年以上の有期懲役」になり、情状によって「500万円以下の罰金」が併科されます。
なお、未遂も処罰対象です。
薬物犯罪の解決事例(逮捕された事件)
過去にアトム法律事務所があつかった薬物逮捕事件について、一部をご紹介します。
覚醒剤取締法違反(不起訴処分)
自宅を家宅捜索された際、覚醒剤が発見されたが、依頼者はあくまで合法薬物(危険ドラッグ)を購入していたという認識で、覚醒剤とは思っていなかったケース。覚醒剤取締法違反の事案。
弁護活動の成果
検察官に対し違法薬物の認識がなかった点を、同棲相手の証言や通話履歴なども提示して主張・立証を尽くしたところ、不起訴処分となった。
最終処分
不起訴
大麻取締法違反(懲役1年6か月、執行猶予3年)
営利目的で大麻を種子から育てていたとされるケース。警察の家宅捜索時には大麻草10数株と大麻数十グラムを所持していた。大麻取締法違反の事案。
弁護活動の成果
保釈請求が認められ早期釈放が叶った。情状弁護を尽くし執行猶予付き判決を獲得。
最終処分
懲役1年6か月,執行猶予3年
麻薬取締法違反(不起訴処分)
イベントで知り合った相手から渡された袋に大麻や麻薬が入っており、警察から職務質問を受けた際に発見された。大麻取締法違反、麻薬及び向精神薬取締法違反で逮捕された事案。
弁護活動の成果
袋の中身が薬物だという認識がなかったことを、検察官に主張した。また、取り調べに対するアドバイスも行い、嫌疑不十分で不起訴処分となった。
最終処分
不起訴
危険ドラッグ(懲役2年,執行猶予3年)
海外から違法薬物であるラッシュを複数回にわたり輸入し自宅に保管していたとされるケース。薬機法違反および関税法違反の事案。
弁護活動の成果
保釈が認容され早期釈放が叶った。裁判の場で情状弁護を尽くし、執行猶予付き判決を獲得。
最終処分
懲役2年,執行猶予3年
薬物犯罪で逮捕された後の流れ
警察による取り調べ
薬物犯罪で逮捕されると、まずは警察署に連行されるのが通常です。「なぜ薬物を所持していたのか」「いつ頃から使用しているのか」「どこで手に入れたのか」など、詳しい取り調べを受けることとなります。
また、家宅捜査によって、自宅の中をくまなく捜索されることにもなるでしょう。
逮捕された後は、48時間以内に検察に送致される流れとなります。
警察の取り調べについては『警察の事情聴取(取調べ)をどう乗り切る?不利にならない対応と今後の流れ』で詳しく解説していますので、あわせてお読みください。
ご家族が薬物犯罪で逮捕されている場合
家族が薬物で逮捕された場合、すぐに弁護士を留置施設まで派遣する「初回接見」を利用してください。
弁護士の助言を受けずに取り調べに応じていると、警察に誘導された通りの供述調書が作成されてしまい、刑事処分が不当に重くなってしまうことがあります。
黙秘すべき尋問と素直に回答すべき尋問などは、個別の事案によって異なります。過去の薬物事件の解決実績が豊富な弁護士であれば、事件の状況を整理して、最適な取り調べ対応をアドバイスすることができるでしょう。
勾留(最大20日間)
薬物犯罪で逮捕されると、勾留されて身柄拘束が長期化するケースがほとんどです。
警察から検察に身柄が送致された後、24時間以内に勾留するか否かを検察官が判断します。「住居不定」「逃亡の恐れがある」「証拠隠滅の恐れがある」のいずれかを満たすと、勾留が決定されます。
薬物事件の場合、自宅にある薬物を破棄してしまったり、関係者や売人と口裏を合わせたりするなど、証拠隠滅のリスクがあると判断されやすいため、勾留されるケースが多いのです。
勾留されると、最長で10日間の身柄拘束となり、捜査のため釈放すべきでないと判断された場合には、勾留期間がさらに10日間延長されます。
起訴
勾留期間の満了までに、起訴されるかどうかが決まります。
薬物犯罪の場合は、起訴されるケースがほとんどです。
通常、刑事事件では、同種前科や被害者との示談の有無などが、起訴・不起訴を決定する重要な要素となります。
被疑者に前科がなく、示談成立によって被害者が刑事処罰を望んでいないと意思表示している場合には、起訴する必要がないと判断されることがあるのです。
しかし、薬物犯罪は被害者のいない犯罪であるため、示談を締結する相手がそもそも存在していません。
そのため、処罰の必要性が薄くなることはなく、再び薬物に手を出すことを防止する効果を期待して、初犯だとしても起訴されてしまう可能性が高いのです。
薬物犯罪をしたことを認めない場合
薬物犯罪の証拠が不十分であることを検察官に理解してもらうための弁護活動が必要です。
薬物の所持であっても、他人から託され、致し方なく持っていたという事情もあるかもしれません。
警察・検察は「見知らぬ人から白い粉を渡されたんだから、何か違法な薬物が入っていそうだよね」などと誘導しながら取り調べをすることもあります。
早期に弁護士に相談して、不起訴を目指す弁護活動をしてもらう必要があるでしょう。
刑事裁判で処罰が決まる
薬物犯罪で逮捕・起訴されたら、刑事裁判によって量刑が判断されることになります。
刑事裁判は「冒頭手続き」「証拠調べ手続き」「弁論手続き」の各段階を経て、判決が下される流れとなります。
最終的な判決が実刑である場合には、指定された期間は刑務所で服役しなければなりませんが、薬物犯罪の場合、初犯であれば執行猶予付き判決となることも多いでしょう。
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・刑事事件の裁判とは|刑事裁判の流れ・弁護士は何をしてくれる?
薬物犯罪が逮捕されるきっかけ
薬物犯罪が職務質問で発覚して逮捕
薬物犯罪で逮捕されるケースとして多いのが、職務質問による発覚です。
異常な行動をとっていたり、明らかに様子がおかしかったりすると、パトロール中の警察官に声をかけられることが多いです。自動車の中で声をかけられ、薬物が見つかるケースもあります。
発見された薬物が違法薬物だった場合、現行犯逮捕される流れとなります。
薬物犯罪の仲間や売人が逮捕されて発覚
違法薬物を譲渡してくれた仲間や売人が捕まった場合、彼らの供述により購入者の情報を警察が入手することがあります。
このケースでは、先に逮捕された薬物仲間や売人からの情報により、購入者がいつ頃からどの程度の量の薬物を使用しているのかなど、警察は予め証拠を固めていることが多いです。
そのため、逮捕されてから黙秘したり否認したりすると、刑事処分が重くなるおそれがあるので、警察対応は慎重に行わなければなりません。
隣人に薬物所持を通報されて逮捕
薬物を使用していると、特有の異臭が発生することが多いです。そのため、異変に気付いた隣人から通報されて逮捕に繋がる可能性があります。
ベランダや窓から漂う異臭により通報されるケースや、ゴミ捨て場に遺棄された注射器などの器具を見られてしまうケースなどがありえるでしょう。
薬物で逮捕された場合の不利益
薬物の逮捕で会社は解雇?
薬物犯罪で逮捕された段階で、ただちに懲戒解雇されるケースは一般的ではありません。
薬物で逮捕された後、刑事裁判で有罪判決を受けると懲戒事由になる会社がほとんどです。
ただし、薬物犯罪は逮捕された後、起訴される可能性の高い犯罪です。
起訴されるとほぼ確実に有罪判決を受けることになるため、懲戒解雇事由を満たすのは時間の問題かもしれません。
また、物犯罪は逮捕された後、勾留される可能性が高い犯罪です。
そのため、長期間の欠勤により評価が落ちたり、悪い噂が流れたりして、居づらくなってしまうケースもあり、自主退職を選択しなければならない事態もありえます。
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・会社員が大麻・薬物で逮捕されたら?解雇や逮捕の流れについて解説
薬物の逮捕で学校は退学?
薬物で逮捕され、退学になるかどうかは、学校によります。
ただし、少なくとも刑事裁判で薬物犯罪の有罪が確定した場合は、懲戒退学や自主退学になる可能性は高いです。
違法薬物については、使用だけでなく、所持、購入、譲渡等することも法律上厳しく規制されており、違反した場合は、薬物事犯として重い刑罰を受けるばかりか、大学としても退学等厳しい処分を課すことになります。
2024年10月24日現在 明治大学「違法薬物に関する注意事項」より
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薬物で逮捕後、保釈を目指す方法
薬物犯罪の保釈とは?
薬物で逮捕された本人の保釈を目指すには、家族の協力が必須です。
薬物で逮捕された後は、多くの場合、起訴されるまで勾留され続けます。
しかし、起訴後は釈放の可能性がでてきます。起訴後の釈放のことを「保釈」(ほしゃく)といいます。
弁護士のサポートのもと、ご家族は、ご本人の保釈が認められるための環境を作る必要があります。
家族が具体的にどのような点で協力できるか、まとめておきましょう。
家族ができること(1)監督
起訴後の保釈については、家族がしっかり監督できる環境にあるかが大切です。
保釈中の生活は家族が責任をもって監督し、被告人の裁判への出廷が確実にできる環境にしておく必要があります。
また、保釈されたら家で生活できるようになるので、薬物の治療を開始できるようになります。ご本人の治療がうまくいくよう精神的・経済的なサポートも必要になります。
家族ができること(2)保釈金の準備
裁判官が保釈を許可してくれても、保釈金を納付できなければ、釈放してもらえません。
薬物事件の場合、個別の事件にもよりますが、およそ150万円~200万円程度の保釈金が必要です。
なお、裁判には必ず出廷することなど、保釈中に守るべき条件を破らなければ、保釈金は後ほど返還されます。
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薬物で逮捕後、執行猶予を目指す方法
次に、執行猶予付き判決を獲得するためのポイントです。
薬物犯罪の裁判で、裁判官から執行猶予つき判決をもらうには、裁判をむかえるまでの事前準備が非常に重要です。
薬物事件に詳しい弁護士であれば、裁判では執行猶予がつくようしっかり更生計画を練り、弁護士から裁判官へ訴えかけていきます。
(1)社会の中で更生できる理由を示す
薬物犯罪で執行猶予つき判決を獲得したい場合、薬物犯罪から更生できる理由について、具体的な根拠をもって示すことが非常に重要です。
たとえば、社会復帰をして更生を目指すには、仕事の受け入れ先が決まっていることも大きくプラスになります。
職場が事情を知った上で本人を受け入れてくれるということであれば、それを上申書の形にして証拠化します。
(2)薬物依存を断ち切るための環境調整
薬物犯罪で執行猶予判決を目指す場合、薬物依存を断ち切れる根拠があるかどうかも大切なポイントになります。
薬物は一度使用するとその依存から脱するのは簡単ではありません。脳への障害も生じ、正常な判断能力が失われて行きますので、更生意欲があったとしても自分で考え行動することができなくなっていきます。
薬物事件の経験ある弁護士なら、この点をよく理解しているので、ご本人やご家族のサポートのため最善策を提示することが可能です。
具体的には、まず薬物依存を断ち切るため、医療機関での通院治療をすることなどを提案します。
医療機関の受診計画(治療計画)は、薬物犯罪の再発防止に努めていることを説得的に説明できる資料になります。
どの程度の頻度で通院するかなど、医師と具体的な相談を進める際は、ご家族の付き添いがあるとご本人は安心できます。
家族が付き添って、どの程度の頻度で通院するか、医師と相談しながら証拠を整えることも大切です。
また、薬物の入手経路を絶つというのも非常に重要です。携帯電話を変えるなどして、関係者と以後、連絡をとれないような対策を講じる必要があるでしょう。
ご家族もご本人と同居するなどして、再び薬物犯罪に手を染めることがないよう監督する必要があります。
薬物で逮捕された場合のまとめ
最後にひとこと
薬物(大麻・覚醒剤etc.)で逮捕された場合、弁護士から早期に助言をもらい、取り調べに対応することが非常に重要です。
逮捕されたご家族の方は、まずは留置場への弁護士派遣(弁護士の接見)を検討してください。
逮捕されれば、最長20日の勾留満期に起訴が決定し、起訴から約1ヶ月後には刑事裁判にかけられている可能性があります。結論が決まるまでに、残された時間はごくわずかです。
薬物事件では執行猶予判決になることもありますが、更生できる環境や意欲があることが大前提です。
薬物は再犯が多いので、更生のためには、ご家族の協力や適切な医療機関での治療が不可欠です。
薬物事件に詳しい弁護士なら、効果的な再犯防止策が分かります。早めに相談すれば、それだけ充実した弁護活動が受けられます。
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薬物の逮捕でお悩みの方は、是非一度、アトム法律事務所の弁護士にご相談ください。
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