過失
〔かしつ〕 犯罪不注意のこと。法的には結果を認識・予測し得たにもかかわらず、回避する義務を怠ったことと説明される。
刑法の原則は故意犯であり、過失で行った行為については過失犯の規定がある場合にのみ処罰される。
不注意のこと。法的には結果を認識・予測し得たにもかかわらず、回避する義務を怠ったことと説明される。
刑法の原則は故意犯であり、過失で行った行為については過失犯の規定がある場合にのみ処罰される。
正当防衛の限度を超えた行為。過剰防衛が成立すると、情状によって刑が減軽または免除される。
捜査機関が犯罪の証拠を確保するため、被疑者の自宅等に立ち入って捜索すること。
強制の処分であり、拒否することはできない。裁判所の発付する捜索差押許可状が原則必要。強制捜査の一種。俗に「ガサ入れ」ともいう。
少年事件および家事事件を扱う裁判所。少年事件は全て家庭裁判所に送られる。少年の非行の原因や背景を調査し、少年審判を開いて更生に必要な処分を決めるなどの少年の援助を行う。
刑務所で服役している人を、刑期満了前に釈放する制度。
刑期の3分の1を過ぎたころから仮釈放の審査が始まり、何も問題がなければ残りの刑期が3分の1程度になった頃にようやく認められることが多い。
金銭を徴収する行政上の制裁。刑罰ではない。科料と区別するため「あやまちりょう」などとも呼ばれる。
簡略化した公判手続き。比較的軽い罪の刑事裁判において、被告人が冒頭手続きで犯行を自認した場合にとることができる。
即決裁判と異なり、起訴時に検察官が申立てる必要はなく即日判決の要請もない。即決裁判以上に利用率は低い。
万引きなどの一定の軽微な少年事件について、毎月一括での簡易な書類の送致のみで済ます手続き。
簡易送致された事件は、書類上の手続のみで審判不開始の決定がされるため、家庭裁判所に呼び出されたり調査を受けることはなくなる。
警官に暴行を働いた場合の暴行罪と公務執行妨害罪のように、一個の行為が二個以上の罪名に触れる場合(刑法54条1項前段)。観念的競合になると成立する犯罪の重い方の刑罰によって処断される。
少年審判の判断材料とするために、少年を一定期間収容し、非行に走った原因や更生の方法などを調査するための施設。
20歳未満の者が刑事事件を犯した場合は、逮捕に引き続き、家庭裁判所から観護措置の決定が言い渡され、鑑別所に収容されることが多い。少年鑑別所。
検察官が起訴をする際に裁判所に提出しなければならない書面。被告人の氏名、公訴事実、罪名などが記載される。
在宅事件で起訴された場合、裁判所から起訴状が郵送されてくる。刑事裁判では冒頭手続で検察官によって起訴状が朗読される。
刑事事件において、検察官にのみ起訴をする権限が与えられている仕組みのこと。私人や検察官以外の機関は刑事事件の裁判を起こすことはできない。
事件を起訴するかどうかの裁量が検察官に与えられている仕組みのこと。
犯人の性格、年齢及び境遇、犯罪の軽重及び情状並びに犯罪後の情況を考慮して判断される(刑事訴訟法248条)。
犯罪を行ったのは明らかだが、検察官によって刑事処分を科す必要はないと判断された場合に行われる不起訴処分。
被疑者の性格、年齢、境遇、犯罪の軽重、情状、犯罪後の状況などによって判断される。
少年事件のうち、家庭裁判所が成人と同じ刑事処分を受けるべき事件であると判断したものについて、検察官に送り返すこと。逆送された事件は検察官によって成人と同じ刑事手続きにかけられる。
刑事裁判で、検察官が相当と考える刑罰を裁判所に請求すること。
有罪判決を下す場合、裁判所は法定刑の範囲内で刑罰を言い渡すことができるが、ほとんどの場合求刑の範囲内で刑が言い渡される。
薬物事犯の捜査のため、強制的に被疑者の尿を採取すること。
裁判所の発付する強制採尿令状がなければすることはできない。令状が執行されると、病院に連行され医師が尿道にカテーテルを挿入する方法で採尿を行う。強制捜査の一種。
相手が金銭の受取りを拒絶している場合や受け取ることができない場合に、法務省の管轄する供託所に金銭を預ける制度。犯罪被害の弁償をしようとしても、被害者に受け取る意思がない場合などに利用される。
二人以上で共同して犯罪の実行をしたこと。共同正犯はすべて自ら犯罪を実行した場合(正犯)として扱われる(刑法60条)。
(例)被害者を一人が押さえつけ、一人が殴って怪我をさせた場合、傷害罪の共同正犯となる。「殴ったのは自分ではない。押さえつけていただけ」という言い分は通用しない。
一定の重大な犯罪を犯した疑いが十分で、かつ、逃亡の恐れがあるなど緊急を要する場合に、逮捕状なしに逮捕されること。
逮捕状は、逮捕された後に事後的に発付される。
身体の自由を奪う刑罰(自由刑)のうち、刑務作業の義務がないもの。
主に交通犯罪で言い渡される。有期禁錮の場合、原則として1か月以上20年以下の期間(刑法13条1項)。一般的には、常用漢字を用いた「禁固」の表記が用いられることも多い。
ストーカー規制法における「つきまとい」行為を繰り返し行うおそれがある場合に、当該行為を禁止する命令。違反した場合罰則がある。
一定の事由があり、性格又は環境に照らして、将来罪を犯し、又は刑罰法令に触れる行為をする虞があると判断された少年。
捜査機関がトラブルを刑事事件として扱い刑事手続きにのせること。
身柄事件で起訴され、裁判で無罪判決を得た場合に、刑事補償法に基づいて国に請求できる補償金。逮捕・勾留された日数に応じて日額1,000円~12,500円の補償が受けられる。
一定期間の経過によって、刑の言渡しの効力が失われること(刑法34条の2,27条)。刑が消滅すると、法的には前科の効力はなくなり、資格制限等もうけなくなる。
犯罪行為を行った際に、予想していた結果以上の悪い結果を引き起こしてしまった場合に、刑が重くなる犯罪。
(例)傷害の故意で人を殴ったところ、打ち所が悪く死なせてしまった場合より重い傷害致死罪が成立する。
薬物やアルコールの影響等により心神喪失・心神耗弱に陥って犯罪行為をしたとしても、原因となる物質の摂取時に責任能力があったのであれば完全な刑事責任を問えるとする法理論。
不起訴処分の類型の一つ。被疑者が犯人でないことが明白なとき、または犯罪を認定する証拠がないことが明らかなときに行われる不起訴処分。
警察が犯罪の行為者を特定して被疑者とすること。
検挙されたとしても全ての事件が逮捕(身体拘束)されるわけではない。法律用語ではなく警察内部で使われる言葉。
裁判所が判決を言い渡す際に刑を軽くすること。
法律上、減軽ができる場合と、減軽をしなければならない場合が定められている。有期懲役が減軽されると、法定刑の長期及び短期が2分の1になる。
なお、「減刑」と書いた場合には恩赦によって刑が軽減されることを意味する。
現行犯人として逮捕されること。現行犯逮捕の場合、逮捕状は発付されない。現行犯逮捕は、捜査官以外の私人も行うことができる。
法曹三者の一つ。犯罪の捜査官であり訴追機関。
捜査段階では、警察の捜査を指揮し、受け取った犯罪の資料に基づいて事件を起訴するか否かを決める。公判段階では、被告人の有罪を立証する活動を行う。刑事事件の慣行ではPと表記される。
変死体について犯罪性があるかどうかを、検察官が五官の作用によって判断する手続き(司法検視)。検察事務官や警察官に代行させることもできる。司法解剖と異なり遺体の切開等は行わない。一般的に「検死」という文字が用いられることもあるが、法律上は「検視」。
窃盗目的の住居侵入などのように、二つの異なる犯罪が、目的と手段の関係にあること。牽連犯は成立する犯罪の重い方の刑罰によって処断される(刑法54条1項後段)。
勾留された被告人や死刑囚が生活する刑事施設。起訴された後に警察署の留置場から移ってくることが多い。
刑事裁判の第1回公判期日前に、事件の争点と証拠の整理をする手続き。公判での審理を迅速かつ効果的に行うために必要があるとき行われる。
逮捕に引き続き留置場生活を強いられること。
逮捕の制限時間は72時間だが、勾留が決定されれば、その後も引き続き10日間(延長されると最大20日)の留置場生活を強いられる。勾留は、証拠の隠滅や逃亡の可能性がある場合に決定される。
裁判官が発付する、勾留の権限を認める令状のこと。勾留状は、証拠隠滅や逃亡のおそれがある場合などに発付される。
資力が乏しく自分で弁護士を選任することができない人のために国が付けてくれる弁護人。
犯罪の被害者が、捜査機関に対し犯罪事実を申告し、加害者への処罰意思を示す意思表示をすること。
被害届と違い、告訴を受理した場合は、警察は速やかに捜査をして事件書類を検察庁に送付する義務が生じる。親告罪とされる犯罪では、被害者による告訴がなければ事件を起訴することができない。
捜査機関が、発見した違法な薬物や銃器を即座に押収せず、監視しながら流通させたうえで取引に関与した者を検挙する捜査手法。任意捜査として認められる。
※ 無料相談の対象は警察が介入した事件の加害者側です。警察未介入のご相談は原則有料となります。